DEAD DAYSのレビュー。
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各10段階評価
シナリオ…8
キャラクター…9
絵…8
エロ…7
音楽…7
システム・演出…8
総評…8

【感想】
DEAD DAYSは死生観を上手く活かしながら綺麗に纏めた作品というのが個人的な印象ですね。
様々な理由こそあれ、一度死んで再び蘇る"死に戻り"を体験した主人公達が生き延びる為に幽霊との戦いを続けていくというのがこの作品の大まかな流れでしょう。
その中で、何故戦い続けなければならないのか、自分が生き延びる意味は有るのか、この戦いに終わりは有るのか等、日々の戦いの中で生じる疑問が登場人物にとって大きな悩みとなりやがて葛藤へと至る過程が上手かったですね。
心の中で何度も葛藤しながらも、最終的に自分で答えを出して新たな道を歩んでいくという所もこの作品における大きなメインテーマでしょうか。
既に一度死んでいるが故に、常に自分や周囲を欺き続けながら生きなければならないという矛盾点が作中でもよく描写されていた所も個人的には評価したいです。
自分が死者で有ることを周囲に悟られないためにどのキャラも必死で取り繕い、仲間内で自分達の秘密を共有するという部分が連帯感を生み出していた感じ。
それが選択肢によっては仲間内で不和が生まれて、派閥の形成へと繋がっていく所もリアル感があって良かったですね。

シナリオの流れとしては、あいら、真奈美の各ルートから、真魚ルートへと至る感じですね。
サブキャラにも個別ルートが有りますが、真魚、あいら、真奈美の三人のヒロインがメインですね。
寧ろ、サブキャラは個別ルートというよりもifルートと言った方がしっくりと来るかもしれない。
もしもあの時、本来とは違う選択を取っていたらどういう結末に至ったかというのを描いたのがサブキャラの個別ルートでしょう。
その中でも、ジプシーQとキルルの各ルートは色々な意味で印象に残るルートでしたね。
ジプシーQルートは作中でも一番後味の悪いルートでした。
真魚を殺され、自棄になっていた主人公の元へジプシーQが現れ、言葉巧みな誘導と薬物によって主人公が洗脳されて仲間を殺していく展開。
ジプシーQのルートは読んでて、ジプシーQえげつないと思ったくらいでした。
天願を奪取する為だけに真魚を殺して主人公を利用し、いざ天願を奪取できた段階であっさりと主人公を見捨てるという鬼畜さ。
最早ジプシーQに頼らざるを得ない段階になっていた主人公は目の前の現実を受け止めきれず、失意の中で野垂れ死ぬという後味の悪い終わり方。
目的の為なら手段を選ばないジプシーQの非道さがこのルートだけでも十分に表現されていました。
続いて、キルルルート。
こっちはルートというよりもエロシーンの内容がぶっ飛びすぎですね。
主人公への愛情が深すぎるが故に、どんな手段を使ってでも主人公を繋ぎ止めたいキルルの想いが表現されていたんですが、流石にアレはぶっ飛びすぎですね。
眼孔でのフェラとか意味が分からなさすぎて思わず苦笑いしたくらい。
主人公を監視するために自分の目玉を抉って、その空いた穴でフェラするとかどんな思考回路だよ。
他でも度々キルルがぶっ飛んだ行動するから、作中でも一番印象深いキャラになりましたね。
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平然とヒロインをぶっ殺す台詞吐くし、どれだけ主人公への愛が重いのかと。
近年ではここまで偏ったヤンデレキャラあまり見なくなったからある意味貴重なキャラだった。

更に続けて、メインとなるヒロインのルート。
あいらルートは拉致魔への復讐をメインに描いたルートですね。
その為の下準備として、ペットを大量に虐殺した片山へ最大限の苦痛を味わわせて殺すという展開が有るんですが、指を切断していく所がウェディングケーキ入刀のノリで笑ったw
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ぱーんぱかぱーんって殺しの最中なのにノリが軽すぎる。

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その後、放って置いても死んでしまうような状況でも敢えてトドメを刺したあいらの台詞は、あいらの覚悟を示しているかのようでした。
そして、キルルに捕まっていたあいらを主人公が救い出した後、拉致魔を呼び寄せて主人公とあいらで殺していって復讐を果たすという展開ですね。
あいらを一度死に追いやった拉致魔達への復讐を果たすので、あいらルートは最後スカッとしました。
真奈美ルートは今まで隠し続けてきた嘘が最愛の人にバレてしまう展開ですね。
予想できていた展開では有りますが、不倫を疑われた真奈美の絶望感は見ていて不憫になるくらい。
その後、別居した真奈美の夫が66によって突然死し、暴走した66と決着をつける展開。
最後、真奈美を助けたのが死後の真奈美の夫だとすると、やっぱり心の奥底では真奈美への愛情が残っていたということが分かりますね。

最後に、真魚ルート。
片山によって殺された真魚が死に戻りによって蘇生し、主人公達と行動を共にする展開ですね。
真魚ルートは、真魚を蘇生させて良かったのかという主人公の自問自答と、一つの出来事が切っ掛けで微妙な関係になってしまった主人公のよりを戻したい真魚の想いがよく描かれていました。
真魚ルートで個人的に好きなのが、二人の蟠りが解消するシーンですね。
主人公がずっと真魚に言いたかった思いを吐き出し、真魚もまた昔の事を謝罪してようやく二人で前を向いていけるという事を象徴したシーンでしょう。
後は、最後の主人公と天願の殴り合いも好きなシーンですね。
周囲から仮死状態になってウォンと入れ替われと指図された天願が自分の生き様を主張する一方、主人公もまた己のエゴで有ることを明示した上で天願に消えてほしいと発言。
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二人の主張は衝突し、やがて殴り合いへと発展していく所がもう最高ですね。
ウォンの死と共に目覚め、物語と共に歩んできた天願の人格。
イレギュラーな状況で発生した人格で有りながらも、日々を過ごし、様々な人物と触れ合っていく内に失いたくないものが出来た所はもう完全に一人の人間と言ってもいいでしょう。
そんな天願の存在を己のエゴの為だけに敢えて否定する主人公もまた覚悟の大きさが見て取れます。
だからこそ、この二人の殴り合いはお互いの生死をかけた死闘にもなっているんですよね。
殴り合いの死闘が終わった後、天願が勝ち誇ったまま仮死状態になって消えていく場面は天願にとってある意味で一番幸せだったのが最後の台詞からも分かります。
やっぱり、最後はヒロインよりも野郎キャラの方が目立つのは最早昏式作品の伝統芸とも言えるでしょう。
昏式氏の作品、主人公とヒロインの会話よりも野郎同士の会話の方が明らかにノリノリなんですよね。
真魚ルートでの二人の殴り合いとか作中でも一番熱かったシーンだし、最初からずっとここのシーン書きたかったんだろうなと思えるくらいでした。

シナリオは全体的に綺麗に纏まったので個人的にはあまり文句はないですね。
登場人物の様々な思いが作中でも十分に表現されているのが個人的には好印象でした。
また、同メーカー過去作の眠れぬ羊と孤独の狼とも繋がりが有り、作中でも御舟組やホテル・パリジェンヌといった同一の名称が出てきます。
眠れぬ羊と孤独の狼は最初こそ良かったものの、最後のルートが駆け足になりすぎてて時間無かったのがプレイしてても分かるのが残念だった所。
今作のDEAD DAYSは最後まで上手く纏めつつ、主義主張はハッキリとしていたので評価は上がりました。

ただ、惜しい点としては綺麗に纏めすぎた為にこじんまりとした話になってしまった所ですね。
対立する二つの巨大な組織とかの設定見てると、もっと大風呂敷広げられそうだっただけに残念な所。
組織の謎を究明していく展開にも期待はしていたんですが、そっちの方向には行かずに飽くまでも主人公達の問題にフォーカスを当てた感じですね。
予算的にも実力的にも壮大な物語を作るのは難しかったという事を考えると、こういう方向性で結果的には良かったのかもしれませんね。
後は珠璃亜ルートも欲しかったなという思い。
天願とくっつけなきゃならないから敢えて個別ルートは無しにしたのは分かるんですが、個別ルートで珠璃亜がどう変化するのか見てみたかった。

エロシーンは先にも挙げたキルルのシーンがぶっ飛びすぎな他、普通にエグいシーンも有りますね。
グロの方はキルルのシーンくらいで後はそんなにって感じですが、ジプシーQルートのあいらと真奈美のエロシーンが結構精神的にはキツかったですね。
仲間を裏切り、最大限の苦痛を味わわせてジワジワと殺していく所は、あいらと真奈美の個別ルートを終えた段階だったのもあってヒロイン側に肩入れしてしまって余計にキツかった。
一方で、抜けたシーンも有り、特に真奈美さんのシーンが良かった。
真奈美さんは人妻という魅力を最大限に活かしたヒロインで、主人公とのキスだけでもかなりエロかったですね。
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特にここのキスシーンとか快感に流されている感じがしていて、作中でも一番エロかった。
夫という存在が有りながら流されるがままに主人公とのセックスに没頭してしまうという所が背徳感あって最高ですね。

絵は今回ものりざね氏ということで、リアル感の有る絵柄でした。
特に真奈美さんのキャラデザが一番良かったですね。人妻の魅力がキャラデザだけでも十分に表現されていました。

総合的に見ると、細かな不満点こそあれど満足できる出来でした。
前日譚に当たる眠れぬ羊と孤独の狼が個人的には微妙な出来だったので心配はしてましたが、杞憂に終わって何より。