流星ワールドアクターのレビュー。
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各10段階評価
シナリオ…6
キャラクター…9
絵…8
エロ…7
音楽…9
システム・演出…8
総評…7

【感想】
流星ワールドアクター、個人的には期待外れと言ってもいいくらいに期待との落差が大きかった作品ですね。

様々な種族が入り乱れる第七共和国を始めとする魅力的な設定の数々、そしてエロゲでも珍しい刑事モノという期待出来そうな要素は多々有ったんですが終わってみれば中途半端な印象が強い。
中でも期待外れだったのはシナリオですね。
体験版部分では独特の世界観と共に諸々の事件に関わっていくルカ・クラリスのコンビが凄く良かったので製品版にも期待してたんですが、残念ながら期待通りの出来とまでは行きませんでしたね。
共通ルートが面白くて個別ルートで失速するエロゲはこれまでに幾度も見てきたんですが、流星ワールドアクターの場合は個別ルートで期待させておきながらいきなりぶつ切りにして強引に幕引きを図るからより印象が悪い。
特にシフォンルートとクラリスルートが顕著でしたね。
まずシフォンルートの方。
シフォンルートはシフォンの因縁が既に共通ルートで解決してしまっているので、主にデルーガとの戦いがメインになりますね。
最後、サザーランド国王との協力で同時に出現したデルーガを何とか倒した後、国王直々にデルーガ討伐隊の編成を命じられる展開になるんですよね。
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ここで遂にデルーガとの決戦か、この星を侵略しようとしている勢力の正体も明らかになるのかな?と期待していたら唐突にEDが来て困惑しました。
ここでED挟むのは幾らなんでも無いでしょう。
思わせぶりに侵略者の情報挟んでおきながら、その正体すら明らかにしないで終わるのは残念すぎる。

次にクラリスルート。
クラリスルートは最後にすることを想定しているのか、他のヒロインの個別ルートで有った出来事を纏めながらルカの過去とクラリスの記憶に焦点を当てた展開ですね。
クラリスルートで初めて明かされるルカ及び、生田・ストライコス・宗助の同期4人の過去は読み応えが有り、出来ればもっと過去編が見たかったです。
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過去編で初めて登場する武蔵と、若々しい同期4人の物語は現在とはまた違う雰囲気で楽しめました。
過去編はリンダと接触する所までで終わっているので、その後すぐ起きた教団事件の真相が結局作中で描かれないままなんですよね。
ルカが教団を追う理由は分かったけど、武蔵の裏切りに気づいた理由とか、何故教団事件が起こってどうやって解決に導いたのかとかその辺りも最後まで謎のまま。
最後の方でリンダから教団幹部の情報がもたらされてようやく教団との決着を付けるのかと思いきや、ここでも唐突にEDになりましたね。
これどう考えてもルカが教団幹部との決着を付けて、過去の精算へと繋げる展開なのにそれをしないって馬鹿なのかと。
これじゃあ何のために小町ルートでルカが教団から手を引いたのか訳が分からなくなる。

一方で、小町ルートとメルルートはルート毎の方向性はハッキリと決まっていたので、それ程悪い評価にはならなかったですね。
小町ルートは、小町という守りたい存在が出来たからこそルカが教団から手を引かざるを得ない状況になる展開。
ルカにとっては自分が刑事を続ける一番の理由である教団ですが、小町の為に教団という過去との決別へと至る流れは良かったです。
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小町がルカに対して真摯な思いで教団を追うことをやめるように懇願し、ルカもそんな小町の思いを汲み取って教団を追うのを諦めるんですよね。
最後に一度だけシュバルトと決着を付けて、それで完全に教団からは手を引く形で幕引きになるので終わり方としては良かったです。
後は小町のキャラも良かったですね。
婦警だけどか弱い存在として描かれているから、小町を守りたい存在として感じさせるようになる所が上手かったです。
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ここのシーンの小町の笑顔とか見ると、こりゃルカも小町を守るために過去から手を引くわと思ったほど。
個人的にはヒロインとしての魅力は小町が一番だったかなと。
ルカが面識が有って忌憚なく言い合える関係な一方で、恋人関係になった後は可愛らしい反応も見せてくれるのが小町の良かった所。
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警察庁全域に二人の関係が知れ渡って恥ずかしそうにしている所とかもう最高でした。

次にメルルート。
こっちは最初からメルへの刺客と決着を付ける展開だろうなと思っていましたが、案外あっけなく終わった印象です。
クーデターの真相やゲノム国への内情には必要以上に踏み込まず、メルやハールソンに関係の有る部分だけ抜き出したという感じですね。
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メルを守る為に刺客をおびき寄せる囮作戦を立案する一方で、後悔を残さないようにデートをしたいというメルの願いを受け入れるルカ。
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今まではゲノム国の姫として、そして今は追われる身として碌に休まる暇がなかったメルにとって自由の身で外の世界に出られる喜びは何物にも代えがたいものだったのでしょう。
ここからメルとの関係が始まって、次第に本気で惹かれ合っていくという展開ですね。
何よりもメルルートはルカがヒロインに惹かれる過程が一番自然だった所が大きいかな。
最初はメルのデートに付き合うだけの関係だったのが、いつの間にかルカも本気で好きになっていたという有りがちですが、他のルートと比べるとまだ説得力有るんですよね。
他のルートはルカがヒロインを好きになる過程が割と唐突だった印象なので、案外恋愛描写が苦手なのが分かるというか。
そして、最後は上手く刺客を退けて一時の安息と共にEDという幕引き。
メルルートはあまり深く踏み込まなかったけど、如何にして刺客からメルを守るかというのが大きなテーマだったと言えるでしょう。

このように、シナリオに関してはシフォン・クラリスルートと、小町・メルルートで大きく評価が分かれる印象でした。
シフォン・クラリスルートは本当にぶつ切りにしたのが勿体なさ過ぎ。
シフォン・クラリスルートもED直前まで楽しめていただけに、唐突にEDになった時の困惑も大きかったです。
衣笠作品は初めてだったんですが、ちゃんと最後まで完結させる段取りを付けられていないのがこの作品における一番の問題じゃないかなと思います。
シフォン・クラリスルートにしても、自分の能力を越えるほどの壮大な展開になりつつ有ったから強引に打ち切ったようにしか思えないのが質悪い。
まあ、プラスの方見るとキャラの活かし方が上手く、掛け合いが面白いのでテキストが読みやすいのが特徴的な所ですね。
流星ワールドアクターには数多くの登場人物が居ますが、少なくとも名前の有るキャラは皆個性的でそれぞれキャラとしての特徴を持っているのが上手い所ですね。
特にルカ・生田・ストライコス・宗助の同期4人の男キャラは過去編やエピローグが良かったことも有って、キャラとしてはかなり印象深かったかなと。
このように、テキストが上手い一方でシナリオは最後まで纏めきれていない所が流星ワールドアクターの残念な所。
流星ワールドアクターやってて思ったんですが、衣笠彰悟ってテキストは書けてもシナリオは書けないライターだなと実感した。
殆ど活かしきれてないけど魅力的な設定の数々とテキストの上手さはよく分かったので、後はこれでちゃんと完結させる能力さえ有れば流星ワールドアクターももっと評価が上がったんですけどね。
後は既に書きましたが、恋愛描写が下手な所もどうかなと思った。
ヒロインとのエロシーンに入る段階になっていきなりルカが愛の言葉を囁く展開ばかりだったので唐突感が否めないし、一体どこでルカがヒロインのことを好きになったのかが不明瞭なままという。

絵について。絵師の人は初めてでしたが、ヒロインの可愛さを上手く表現する一方で、エロさも上手く醸し出していたので良かったです。
何気に男キャラも良かったし、塗りも合っていた。
後は背景ですね。DMM系列なだけ有って背景にもかなり力が入っていて、独特の世界観を表すのに寄与しています。
第七共和国内では現代的で暗い印象を持つ一方で、国外ではファンタジー的で明るい印象を持たせるという大きな印象の違いを生み出しているのも背景の違いによる所が大きい印象です。

エロシーンは思っていたよりもエロかったという印象。
尺は少し物足りない印象なんですが、エロシーンでのCGの構図がそれ以上に良かったのが大きかったですね。
個人的に一番良かったのが、シフォンの騎乗位ですね。
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一般的な騎乗位とは違い、シフォンが後ろに回ってるんですがこの構図がまたエロかったです。
後は小町のこのシーンですかね。

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敢えて下着を残した上で、ルカと向かい合ってセックスしているので下着がいい具合にエロさを増長させてくれます。

曲の方もまた力が入っていた箇所。
ボーカル曲やキャラソン関連を除いたBGMだけでも51曲という曲数の多さは、それだけ曲の方にも予算を注ぎ込んだ証拠と言えるでしょう。
BGMの中で個人的に良かったのは、THEME OF WORLD ACTOR、捜査開始、漆黒の国に刺す一筋の光、武士は食わねど高楊枝辺りかな。
その他のBGMも良い曲が多く、ボーカル曲も良かったので早くサントラが欲しいですね。

総合的に見ると、やっぱり唐突なぶつ切りがこの作品に対する心象を悪くしていますね。
シナリオ以外はほぼ完璧なだけに、シナリオの方をちゃんと完結させられなかったのが余計に惜しく思えてしまう。
あからさまに続編を意識しているかのような終わらせ方でしたが、正直な所あの強引な幕引きでは仮に続編出した所で期待は持てないと分かってしまう。