エデンズリッター第2章 獄悦の竜皇女ヒルデガルド編のレビュー。
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シナリオ…8
キャラクター…8
絵…8
エロ…8
音楽…7
システム・演出…7
総評…8

【感想】
エデンズリッター第2章、1章の頃よりもシナリオ、エロシーン共に随分とハード寄りな傾向になったなというのが個人的な印象。
選択肢によるバッドエンド分岐の脱落方式なのは1章と変わらずで、優勢な状況から劣勢に陥って選択肢で挽回するかどうかという展開も1章をほぼそのまま受け継いでいます。
今回はフルプライスである事、またメインヒロインが三人に増えたことでよりシナリオにも力が入っている感じがしましたね。
正直、中盤までは1章とそんなに展開変わらないのですが、中盤以降は一気に様変わりし、各々の思惑が渦巻く中で翻弄されていくヒルデガルド達の姿が上手く描かれていました。
レゾフュアやガルベロスが裏で糸を引く中で、徐々に追い詰められて雁字搦めになってしまう展開は眼を見張るものが有りました。
理想の平和を実現させる為に弑逆してまで皇帝に伸し上がったものの、その理想の実現は遥か遠くになり、最終的には破滅を願ってしまうヒルデガルドの悲しき物語というのが第2章の大まかな展開でしょうか。
第1章が同じように国が荒廃していく中でもセシリィが最後まで人を信じた結果、諸悪の根源たるルドルフを倒すに至って平和が戻り、最終的には大団円という結末になるんですが、第2章はその真逆の展開ですね。
国民が淫魔に変えられ、ミレイユまでもが殺された中で誰も信じられなくなり、世界の破滅を願った結果、神にも等しい力を手にしてそのまま破滅への道を歩んだまま終わるという衝撃の結末。
正直、1章のようにどうせどこかで大逆転の展開になってそのまま大団円の展開になるんじゃないかと思っていたので、本当に驚きましたねこの結末は。
スタッフロールが流れるのでこの展開が正史なんだと思うんですが、こうなると全く救いの無い展開だったと言っても良いくらいでしょう。

最後の結末について個人的な考察。
ヒルデガルドが世界の破滅を願うようになったの、やはりミレイユが殺されたことが一番の引き金だったんじゃないかと思います。
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ミレイユへの想いについてヒルデガルドが語る所が有るんですが、このヒルデガルドの台詞こそヒルデガルドにとっての行動理念の全てと言っても過言ではないでしょう。
この国の国民にとっての幸せを願う筈が、いつの間にかミレイユにとっての幸せを願うという個人的な欲求にすり替わっていることに最後まで気づかなかったのがヒルデガルドにとっては大きな過ちだったかもしれないですね。
なので、ミレイユさえ生きていれば人々への希望を持つ事も諦めなかったと思うんですが、ミレイユが死んだ今となっては何もかもにも絶望してしまうのも無理からぬ事だったのでしょう。
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実際、一度ヒルデガルドがリリスの力に溺れて暴走してしまうシーンが有るんですが、そのヒルデガルドの暴走を止めたのもミレイユなんですよね。
つまり、ヒルデガルドにとってミレイユは単なる主従関係に留まらず、心の依り代にもなっていた事が分かります。
なので、そのミレイユが居なくなった今、最早ヒルデガルドを止める存在は居らず、破滅へと突き進むヒルデガルドの姿を描くという結末で終わるんですね。
最後、アンデッドとしてミレイユに仮初めの命を与えたのも、ミレイユが居ないという現実を受け止めきれないヒルデガルドの逃避だっという見方もできます。
最早機械的な反応しかしなくなったミレイユだけど、そばに居てくれるだけで安心できるというヒルデガルドの台詞もまた本心であるのでしょう。
そういう意味では、エデンズリッター第2章はヒルデガルドとミレイユの主従関係を超えた物語として受け止めることも出来ます。
この辺り、どんな状況でも最後まで人々を信じ続けたセシリィと、人々よりもミレイユと共に居続ける事を選んでじまったヒルデガルドとで見事なまで対照的に描いているのが分かりますね。

シナリオはバッドエンド一直線という感じだったのですが、こういう展開も悪くはなかったです。
最終的に生き残ったのは実質的に唯一人というのも侘しさが有ります。
ただ、この展開だとどうやって第3章に繋げていくのか非常に気になってきますね。エデンズリッターは3章構成なので次でラストだと思うんですが、どう決着を付けるのか。
そういう意味では、上手く焦らされたなとも思います。

エロシーンに関しては、1章の頃よりも被虐やリョナ方向へと尖った感じですね。
最初の方こそ1章とあまり代わり映えしない感じだったのですが、ヒルデガルド達が捉えられて玉座から引きずり降ろされてからはかなりハードなシチュが多かった印象ですね。
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特にこのシーンとか、実際に拷問にかけているだけあってヒロインの悲鳴や絶叫が凄まじかったです。
正直、エロシーンもかなりハードでエグい印象が強かったです。
ヒロイン毎にシチュの傾向も大まかに分けられていて、ルーティアが耳や脳を犯されるシーン、ミレイユが胸を犯されるシーンが多い傾向にあります。
個人的に良かったのはやっぱり、ルーティアですかね。
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頭の中まで犯して洗脳するのがかなりストライクで、ルーティアだけで何回も抜いたほど。
特にボルロイ伯爵、もといゼノフレイアが関わっているエロシーンは作中でもかなりエロかったです。
最初にルーティアを洗脳しようとするシーンとかこれだけでも何回も抜けますよ。
また、最後の方で1章のヒロイン、セリシィやノエインが関わっているエロシーンも有り、前作のヒロインの痴態も見れて良かったです。
ただ、全体的には苦痛や悲鳴を伴うシーンがかなり多く、最後の方になればなるほど抜けるシーンは少なくなっていきましたね。
中盤以降のエロシーンは個人的にもちょっと過激すぎな感じで、シチュとしては平気だけど昂奮するかと言われると違うと言い切れる。
パッケージにデカデカと触手!!!、粘液!!!と書いていながらそれらに該当するシーンが少なかった所も不満が残る所。
ちなみに公式通販だったので、EXTRA STORYの方もやりましたが、こっちの方は正しく2章で求めていたエロシーンばかりで一気に評価が上がりました。
ゼノフレイアによって洗脳されたルーティアがヒルデガルドを籠絡し、そこからボルロイを皇位に就かせてヒルデガルドやミレイユと共に快楽を貪るという展開なんですがその過程がエロすぎ。
淫魔を探るはずがい浮浪者相手に快楽を貪り、改めてゼノフレイアによって再洗脳されて犯されるルーティアが最高にエロかったし、そこからヒルデガルドやミレイユの洗脳に至るのが良すぎた。
正直、洗脳のシーンとかもっと欲しかったなと思っていたので、正しくクリーンヒットでしたね。
本編みたいに苦痛や悲鳴で喘ぐんじゃなくて、快楽に喘いでいるシーンばかりだったのも良かった所です。
もうエロシーンはEXTRA STORYだけでも十分なほどですね。エロシーンだけでもEXTRA STORYをやる価値は十分にあります。

もう一つ、個人的に評価したいのが中の人の演技力でしょうか。
特にヒロインはどのキャラも素晴らしい演技でした。
日常からエロシーンに至るまで演技の使い分けが上手かったです。
特にエロシーンでは快楽から苦痛や悲鳴、時には下品な演技まで見事なまでに演じきっていたのが凄かった。

キャラとして印象深かったのはルーティアとレゾフュアですかね。
ルーティアはエロシーンが良かったのも勿論有るんですが、立ち絵からもエロい感じで滲み出ていた良かったです。
そして、レゾフュアはある意味で前作のルドルフ以上に印象に残る悪役になりました。
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見た目通りの舌っ足らずで幼気な感じのキャラと、老獪で目的のためには手段を選ばない冷酷な性格なキャラとの演じ分けが見事。
独特の笑い声も不快さと不気味さをユーザーにも味わわせるという意味では成功と言えるでしょう。
自らはあまり動かず、ガルベロス以下淫魔達に全てを任せている点がルドルフとの大きな違いですがそれが却って不気味さを強調させていました。
レゾフュアに関しては中の人の功績もかなり大きい感じですね。
かなり大変な役どころだったと思いますが、お陰で印象深いキャラになりました。

総合的に見ると、ちょっと合わない所も有ったんですが何だかんだでエデンズリッターとして楽しめました。
シナリオ自体はこれはこれで良かったと思うし、エロシーンもifの方で満足したのであまり大きな不満点はないですね。