真愛の百合は赤く染まるのレビュー。
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各10段階評価
シナリオ…8
キャラクター…9
絵…8
エロ…8
音楽…8
システム・演出…8
総評…8

【感想】
真愛の百合は赤く染まる、確かにグロも凄かったんですがそれ以上に歪な愛を描いた作品だったなというのが個人的な印象ですね。
元より女性しか愛せず転校してきた頃より親身にしてくれた愛実に心惹かれていた真奈美と、同じく女性しか愛せず真奈美の事が好きになっていた愛実という同じ読みの名前を持つ二人のヒロインの関係がメイン。
そこに、愛実の実の弟であり、愛実しか愛せない優子が割り込んできて三角関係にも発展するという所でしょうか。
吉沢も割と絡んでくるかなと思っていたんですが、中盤であっさりと退場してしまって拍子抜けした。
なので、真奈美と愛実、そして優子の三人が実質的な物語の核となるキャラになるんですが、全部やり終えるとどのキャラも異常な部分が描かれていたなと思います。

まずは真奈美。
女の子が好きというだけでこれまで差別的に扱われてきて心を閉ざしてしまった過去から、初めて同年代で理解を示してくれた上で相思相愛になった愛実への依存心を高めていくのですがその依存心の高さが逆に危うさを持ち合わせていた感じですね。
選択肢によっては愛実のなす事を全て受け入れ、自らが痛い思いをしてでも愛実の期待に応えようとする展開になります。
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真奈美の性器を縫って二度目の処女を奪おうとか愛実が言い出した時は、こいつ頭大丈夫かと思ったけどそれをあっさりと受け入れてる真奈美も真奈美でおかしいんですよね。
そして、極めつけは真奈美の手足が無くなる所。
愛実が真奈美の身の回りを全て世話したいが為に手足を無くしてしまえばいいと提案して、真奈美もそれを受け入れるというとんでもない展開。
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自らの手足が無くなってでも、愛実への愛に応えたいという真奈美の愛実への過剰な依存心が浮き彫りになっているのがここのシーンの一番の特徴でしょう。
これによって真奈美は自力ですることが困難になり、愛実に身の回りを全て委ねるという格好になります。

次に愛実。
真奈美の所でも既に書いているのですが、愛実もまた真奈美への過剰な依存心から真奈美をずっと自分のものにしたいという思いが強すぎる印象でした。
上記のシーンもそうですが、真奈美を監禁して逃げ出そうとしたら徹底的に躾けた上で自分への愛の言葉を呟かせる所も真奈美への支配欲が描かれていました。
真奈美への独占欲がやがて支配欲へと変わり、真奈美を自分のものにしないと気が済まないという所も想いの強さ故にという所でしょうか。
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だからこそ、真奈美が優子に犯された事実を知った時、事実を受け入れられなくてこのような行動を取ったのでしょうか。
真奈美がもう自分のものでは無くなってしまった事実。そこからの逃避故に凶行へと走ってしまった所に危うさを持ち合わせています。
一方で、優子に関しては男ということに加えて実の弟なのに姉の自分に恋したということで、最も嫌悪すべき存在として描かれている所もまた愛実の歪な所でしょうか。
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真奈美が犯された事実を知った愛実が優子を徹底的に嬲って殺したのも、最も嫌悪すべき存在に真奈美が穢されたという受け入れがたい事実から目を背けるために可能な限り苦しませたのでしょう。
幼い頃に実の弟に襲われたことから男自体が嫌悪の対象となり、女の子しか愛せなくなったと考えれば全ての元凶は優子に有るとも考えられますが。

最後に優子。
幼い頃から実の姉である愛実を愛し、自らのものにしたいという想いが強く描かれていた印象。
その為、愛実と親しくしている真奈美を憎みながらも、姉を手に入れるために雌伏して時を待っていたという所でしょうか。
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優子ルートではようやく訪れた姉を手に入れる絶好の機会であり、その為に自らが終始主導権を握って姉の愛実を監禁する展開になります。
愛実を排泄させて恥ずかしがる姿を見て喜ぶ一方、愛実が苦しむ姿を見て笑みを浮かべる所が優子の異常性を示しています。
姉に言うことを聞かせて自分のもののする為ならどんな手段も問わず、徹底的なまでに嬲る辺りは優子の姉に対する独占欲と支配欲を描いた形とも言えるでしょう。
最終的に姉が自分の方を向いてないことに気づくと、愛実を殺して死体を半永久的に保存する方法を思いつく辺りも歪んだ想いの成れの果てとも取れます。
また、愛実の邪魔をした真奈美に関しては死んだ後ですら徹底的なまでに辱めるという鬼畜さを披露する所も凄かったですね。
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ここのシーンでの狂った笑いは真奈美への復讐を果たしたと共に愛実を完全に自分のものにしたという実感が湧いたが故の行動でしょう。

このように異常なキャラばかりでしたが、だからこそ面白かったのがこの作品の特徴的な所ですね。
何気に面白いのが、ルートによっては各々の立ち位置が入れ替わる所でしょうか。
百合ルートでは愛実が主導権を握り、真奈美が受動的に、そして優子は殺されるという展開。
それが優子ルートでは完全に入れ替わり、優子が主導権を握り、愛実が受動的に、そして用済みの真奈美は優子によって殺されるという展開。
選択肢一つであっさりと立ち位置が入れ替わってしまう所がこの作品の面白さをより引き立てていたように思います。
だからこそ、トゥルーで真奈美と愛実の二人で一緒に幸せを掴み取る展開が感慨深かったです。
真奈美が愛実の想いを自分で理解しようとすることでようやく二人が分かりあえて、最後は二人の結婚式で〆るという綺麗な幕引きで良かった。

もう一つ、この作品の特徴的な所であるグロシーン。
るび様企画且つシナリオライターが和泉万夜という事で当初からグロシーンも有るだろうと予想はしていましたが、想像以上のエグさで苦笑いしてしまった。
先に挙げた四肢切断は勿論の事、子宮を引きずり出して最終的に潰したり、性器を刃物で潰したりとやりたい放題。
中でも一番エグかったのが、おまけで追加されるシーンでしょうか。
生きたまま腹を掻っ捌いて内臓を引きずり出すという身の毛がよだつ展開。
中のモツもモザイクが掛かってないので余計にエグさが増していました。
愛実がまだ生きたままなので、腹を掻っ捌かれて今際の際に真奈美の死を知ってしまい苦悶と絶望の表情に塗れたまま最期を迎えるという壮絶な死に様。
ここのシーンは本当によく規制受けなかったなと思いましたね。
グロシーンもただグロいというだけじゃなくて、愛情表現の行き着く先がグロシーンとしての展開になる感じですね。
だからこそ、よりキャラの異常性がハッキリとしていたし、グロシーンも一種の愛情表現として受け止めることも出来ました。
何よりも評価したいのが、中の人の演技力の高さ。
るび様と和泉万夜のタッグによる本気のグロシーンに応えるかのようにどのキャラも悲鳴や絶叫の演技が上手かったです。
こういうグロ系のシーンって喉を酷使するので素の実力がそのまま演技にも現れてくるのですが、この作品に関しては本当に苦しそうな演技が良く出来てきていました。
また、各キャラが持つそれぞれの狂気を声の方でも上手く再現していた所が凄いと言えるでしょう。

エロシーンに関しては、大体百合とグロがほぼメインな印象。
個人的には優子ルートで優子が愛実の尊厳を壊していく所が一番良かったですね。
先に百合ルートの方をやっていた事もあり、愛実の立場が入れ替わった上で終始優子に主導権を握られっぱなしという事実だけでも大分昂奮しましたね。
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だからこそ、愛実がクスリを求めて優子に屈服してしまうシーンは作中でも一番良かったシーン。
一番嫌悪していた筈の存在に屈してしまうという事実が、愛実の中で保たれていたプライドが完全に壊れた瞬間であることも示していて余計に昂奮しました。
そういう意味でも、エロシーンはアメとムチの使い分けが上手かったなというのが個人的な印象でした。

絵の方はるび様が担当しているということで、可愛らしい絵柄でありながらかなりエグい表現もしている所がギャップ有って良かった。
本人自身がリョナ好きを公言しているだけあってグロシーンでもかなり気合の入った描写で容赦ないなと思った。
中のモツまで事細かに描写している辺り、本人もノリノリで描いているのが分かりますね。

音楽はBGMをBURTON氏が担当しているということで、本編の雰囲気に合わせたBGMで良かったです。

総合的に見ると、歪な愛情と狂気を上手く本編に織り交ぜていてシナリオにのめり込ませる展開で良かったです。
突き抜けたグロシーンとは裏腹に歪な愛の行く末を描いた作品とも言えるでしょう。