サルテのレビュー。
SnapCrab_NoName_2020-1-31_23-39-4_No-00
各10段階評価
シナリオ…10
キャラクター…10
絵…9
エロ…8
音楽…8
システム・演出…8
総評…10

【感想】
サルテ、プレーヤーを観客に見立てた劇場型のシナリオ構成であると共にサルテの語り口に惹き込まれてしまうという独創的な作品で面白かったです。
サルテの死の場面から物語が始まり、サルテが生き返る為に自分が死んだ理由を求めて自らが主演となって当時の状況を劇として再現していくというのが主な展開なんですが、徐々に明かされていく真相と隙を生じさせぬ二段構えで観客たるプレーヤーを最後まで飽きさせることなく物語を終えたというのがまず一番に評価したい所ですね。

国中から王女として慕われ、舞台女優としても実力を発揮していたサルテ。
そんなささやかながらも幸せな状況はイズールの侵攻によって終わりを告げ、以降は捕虜して兵士達の慰み者とされ続ける日々。
ここで問題になるのは、何故サルテが死に至ったかということですね。
SnapCrab_NoName_2020-1-31_16-40-49_No-00
自らが王女であることの誇りを捨てずに蛮勇な行動を起こしてしまった結果、サルテは死んでしまうことになるんですがそれでは不正解だというのがクルーンの台詞。
ここからが物語の本筋とも言える展開で、各々の思惑が絡み合う中でサルテが死の真相を掴み取っていく展開となります。
親友であるマリーさえも巻き込んでしまい、何とかマリーだけでも脱出させようと思考を張り巡らせるサルテ。
そして、マリーの脱出を成功させ、その後の自らの死の真相を知って生き返り、見事にハッピーエンドを掴み取る所で一旦物語は幕引きとなると言った感じですね。
ここで物語が終わる筈無いだろうとは思っていたましたが、案の定その通りでここからがネタバラシ。
物語の全ての真相が明かされ、哀れな道化師としての一生を終えたサルテの姿を描いて今度こそサルテという劇は幕を閉じます。

物語の一部始終をサルテという一人の少女に焦点を当てて、その人生を余すことなく描いたというのがこの作品における一番の特徴と言っても過言ではないでしょう。
ロープラという価格帯ながら、一人のヒロインの物語をここまで描ききったのは見事というほかない。
主演女優であるサルテ、この劇を用意した支配人たるクルーン、そして観客たるプレーヤーという構図で物語が進行していくので、まるで本当に物語自体が劇のように思えてくるほど。
SnapCrab_NoName_2020-1-31_13-11-5_No-00
“人生は主観的に見ると悲劇だが、客観的に見れば喜劇である。”というチャップリンの言葉が最初に表示されますが、サルテという物語自体もこのチャップリンの言葉に即したものと言えるでしょう。
サルテからしてみれば正に悲劇、一方で傍から見れば喜劇とも取れるほどに間抜けにしか見えないサルテの物語という対比は狙っていたものでしょうが上手く踊らされました。
SnapCrab_NoName_2020-1-31_13-14-42_No-00
サルテが作中劇で“――私はなんて間抜けな、悲劇の主役だったんだろう”という台詞を言うんですが、この台詞こそ正しくサルテという物語を象徴する代名詞とも言えます。

シナリオに関してはこれ以上ないほどに良かったです。
幕間の時にさり気なくヒントを出す一方で、物語の本筋とはあまり関係がないと思わせておいて事の真相に気付かせにくくしているのは本当に上手かった。
血糊が付いた蹄鉄、夢に見るサルテとは正反対の性格のサルテ、昔飼っていたペットの首輪、そして唐突に出てきた辞書とどれも繋がりが見えてこないのでどういう事かと思案を重ねながら物語を進めてましたね。
事の真相が明らかになった時、全てが結びついて物語に反映されるので上手いこと製作者の手のひらで踊らされたなと実感しました。
明らかに伏線で有ると分かるのに、サルテと同様に気にしてもしょうがないと思わせられるシナリオ展開は観客の興味が今何処にあるかという事を理解した上で描いているのだから凄いという他ない。
木を隠すなら森の中という慣用句が有りますが、これらのヒントに関しても正しく同様で、敢えて明示した上で幕間であることを活かして次の劇を見たいと思わせる期待感から観客にも些末な事として思わせる演出が見事。

後はサルテ役の御苑生メイさんの演技力が光っていた所もこの作品で特徴的な所ですね。
いきなり悲鳴や絶叫から始まるのですが、相変わらず素晴らしい演技力。
SnapCrab_NoName_2020-1-31_13-12-15_No-00
喉の奥から絞り出すような声で、可愛らしさを残しながらも絶望と恐怖が入り混じった感じを引き出すのが本当に上手いですね。
また、生死の狭間の世界にいるサルテと、劇を演じている間のサルテとで見事なまでに演じ分けされている所も大きなポイント。
クルーンと一緒にいる間は素の自分が出てしまっていますが、劇の間は王女として完璧に取り繕っているのが劇と現実の差を実感させられます。

絵に関しても結構良かったです。
原画の人の名前自体はあまり知らないんですが、リアル寄りな一方で肉付きもよくて可愛らしさも有るという事で個人的にも好みでした。
また、塗りも独特だったんですが、上手く原画の魅力を引き出す一方で、作中の雰囲気とも合っていました。

エロシーンは全てが陵辱か処刑シーンのどちらかという潔さ。
サルテに興味を持ったのも、サンプルCGで輪姦されているサルテの姿を見たからというのが大きかったんですが、本編ではまさかここまで偏ることになるとは思わなかった。
正直、幾つか和姦シーン有るんじゃないかと思っていたんですが、完全に陵辱の方向に振り切っていますね。
シーンの内訳としては、兵士達によって慰み者とされて只管輪姦されるシーンが中心で、一日中、朝から晩まで犯され続けるシーンが多かったのも個人的にはポイントが高かったです。
SnapCrab_NoName_2020-1-31_16-52-2_No-00
兵士達に輪姦され続けた結果、精液まみれでレイプ目になったまま動けない姿になった所は結構唆りましたね。

SnapCrab_NoName_2020-1-31_21-51-7_No-00
後は薬による快楽に負けてマリーの居場所を吐いてしまうシーンも個人的には作中で一番良かったです。

音楽に関しては、中世ヨーロッパを彷彿とさせる幻想的な雰囲気のBGMが印象的でした。
何気にBGMの質も高かったのがこの作品で特徴的な所でしょう。
個人的にはOminousとCalmが特に気に入りました。

システムに関しては、バッドエンド表示機能が何気にありがたかったですね。
SnapCrab_NoName_2020-2-1_20-25-10_No-00
仮面が表示されているのがバッドエンドだとハッキリと分かるので、効率的に攻略を進められました。

総合的に見ると、欠点らしい欠点がなく、良くぞここまで上手く纏めたなという思いです。
個人的にも名作と言ってもいいほどに完成度の高い作品で、自身を持ってお勧めしたい作品ですね。
おるごぅる氏が参加されていることで注目を集めていますが、個人的にはもう一人のシナリオライターであり企画を担当したななみなな氏の方を注目したいです。
企画も担当していることから、恐らくななみなな氏が主導的に動いてこれだけの作品を作り出したと考えるとその功績は計り知れないほどに大きい。
処女作として出したサルテがこのような完成度の高さだったことから同ブランドの次回作以降にも期待が持てますね。