ハーレムキングダムのレビュー。
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各10段階評価
シナリオ…8
キャラクター…9
絵…7
エロ…6
音楽…7
システム・演出…7
総評…8

【感想】
ハーレムキングダム、発売前の不安要素を見事なまでに吹き飛ばすくらいの破茶滅茶さで面白かった作品ですね。
異世界転生モノ、且つハーレム要素がメインということでこれも微妙な出来になるんじゃないかという予感がして当初はスルーしようかと思っていたのですが、終わってみれば完全に杞憂でした。

主人公が光と共にパルエッタへと召喚させられ、光も含めた5人のヒロインとのハーレム生活を築いていくというのがハーレムキングダムの主な概要でしょうか。
やはりハーレム要素がメインである以上、各ヒロインとのイチャラブはそれまでの作品と比べると弱いんですが、逆に今までよりもギャグ要素に振り切ったのがハーレムキングダムの一番特徴的な所でしたね。
もうね、ライターの頭おかしいんじゃないかと思うくらいに破茶滅茶すぎるキレキレのテキストで、エロゲでは久しぶりに笑い転げましたw
まるでらぶでれーしょん!やラブラブルを出していた頃を彷彿とさせるくらいに振り切っていた。
ハーレムキングダムをやっていると、フレラバ〜メイラバ辺りまではまだ力加減を抑えてその分イチャラブの充実に回してたんだなというのが実感できますね。
そして、今回のハーレムキングダムは完全に早瀬ゆう氏の趣味で生み出された感じなので、遠慮はいらないとばかりに最初からアクセル全開でついてこれる奴だけついてこいと言わんばかりに尖った方向へと舵を切っています。
過去作と比べてもかなりギャグ寄り、且つ何でも有りな設定になっているのでその辺りを受け入れられるかどうかで大きく評価も変わってる作品ですね。
SMEEの魅力はやはり早瀬ゆう氏特有のテキストによる所が大きいと思っているので、今回のハーレムキングダムは個人的にも良かったと思っています。
ギャグ要素がメインでありながらも、5人のヒロインの個性をしっかりと引き出してそれぞれの魅力に繋げている所はやはり上手い。
何より、主人公の成長物語としての要素が大きかった所もこの作品の特徴的な所ですね。
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最初は女性に対して臆病で、必要以上に距離を近づけることすら怖がっていた主人公。
それがパルエッタに来て強引にでも婚姻関係を迫られて関係を結び始めた所から覚悟を固めて国王らしくなっていく所が頼もしい。
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世界一のヤリチンになってやると宣言した辺りから明確に主人公の意識も変わり始めていくのが、主人公の成長を示していますね。

今回のハーレムキングダムは勿論ハーレム要素がメインなんですが、その中でもどのような形のハーレムを目指すのかというのが5つの属性(ルート)として決められるようになっています。
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主人公は婚姻式の前夜にここから目指すべきハーレムの形を選び、婚姻式の後から各自分岐していく形ですね。

最初に火属性ルート。

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こちらのルートはヒロイン達が主人公を巡って取り合うという王道ラブコメの展開になります。
ハーレムと言えど、ヒロイン達が主人公を巡ってヤキモチを焼く展開が見たいという需要に答えるために用意されたルートですが、大分破茶滅茶な展開でした。
ヒロイン達が各々の方法で主人公を振り向かせそうとするのですが、その度に他のヒロインが邪魔をしてきて思うような効果が得られないという事を繰り返す所が正に正妻バトルという感じ。
そんな中でも、少しでも自分の苦手分野を克服しようとヒロイン達が努力している姿が描かれているのもこのルートの特徴的な所ですね。
それから、このルートはアルガスとマリアさんの暴れっぷりが面白すぎたw
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アルガスは既婚者としてアドバイスするつもりが上から目線で御高説垂れるし、マリアさんに至っては既に死別したはずの夫への不満で暴走してて一気にイメージが変わってしまったw
マリアさんは最早唯一の常識人だと思っていただけにここでの暴走は意外だったけど、それ故に面白さが増していた。
また、個別エピローグとしては光が割り当てられており、共に幼馴染として今まで過ごしてきたお互いの関係が描かれています。
本当は好きなのに中々距離を縮められなかった光の想い、そして二人の本当の出会いが語られるようになるんですね。
全てを思い出した主人公と、それを知った光の複雑な想い。負い目を感じていた中でもようやく主人公と幸せに歩める結末で〆という形です。

次に水属性ルート。
こちらはヒロイン達に甘えて癒やされる展開になります。
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主人公が受動的になり、ヒロイン達が癒やしとは何なのかという事を考えながら主人公に尽くす感じですね。
このルートはヒロイン達が甘やかしてくれるからある意味全ルートの中でも一番平穏な展開でした。
また、個別エピローグとしてソフィーヤが割り当てられており、主人公とソフィーヤとの意外な接点に焦点が当てられた展開となっています。
当時、体が弱かったソフィーヤとの文通相手となり、主人公が書いた手紙によってソフィーヤが元気づけられ今に繋がるという展開。
互いに顔も知らない、手紙だけで繋がっていた存在が再び出会って幸せになるという所で〆という形です。

次に風属性ルート。
こちらは水属性ルートの逆バージョン。
つまり、主人公がヒロイン達に甘やかして尽くす展開になります。
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ヒロイン達皆の夢を叶える為にメロディアの力を借りて、酒場と大浴場と各ヒロインの部屋を繋げてしまうという無茶苦茶な事をやってのけますがこれも単に主人公がヒロイン達を思ってのこと。
序盤からこれをやらかしたので、大分突飛なことするなあと思っていたのですが、そこからは城を離れて庶民的な生活を続ける主人公とヒロイン達の姿が描かれるようになります。
なるべくヒロイン達の不満や不安を和らげようと主人公が行動を起こす所はヒロイン達を気遣っているのがよく分かりるし、紳士的でした。
そして、共同生活を通して各自で役割分担が徹底されていくようになるのもこのルートの特徴的な所ですね。
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全ヒロインの水着姿が眺められるのはこのルートだけなのでそれも良かった所。
また、個別エピローグとしてはシャルローネが割り当てられており、エルスパの貴族の娘として育ってきた苦悩とここへ嫁いできたことによる変化を示した展開となっています。
これまで厳しく躾けられてきたものの碌に自分を見てくれなかった両親。一方で出会って間もない主人公がシャルローネの気持ちを汲んでくれた事がシャルローネにとっての変化を促したという形で〆ですね。

次に土属性ルート。
このルートは主人公が思考を放棄して、ヒロイン達に全てを任せてしまう展開になります。
このルートで何よりも特徴的なのは、日本とパルエッタを魔法で繋げてしまう所ですね。
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メロディアの力を使ったとは言え、あまりにも無茶苦茶すぎて思わず笑ってしまったw
日本とパルエッタを繋げるのは火属性ルートのエピローグで既にやっていたけど、ここの序盤で早々に繋げてしまうとは思ってもいなかった。
そこからは日本とパルエッタの往復が続いて、二つの世界の違いやこれまでの主人公の事も赤裸々に語られるようになります。
このルートは何よりもキキの変わりようが凄まじかったですね。
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元奴隷という立場だったとは思えないくらいに逞しいというか、いつの間にか主人公やヒロイン達を率いる役割になっているのが凄い。
個別エピローグの割当てもキキなのですが、最終的に肝っ玉が座った母親に変わる辺り作中で一番変化したのはキキなんじゃないかと思いますね。
最後はこれまで幸福を与えられる立場だったキキが自分の手で皆を幸福に導いていくことを自覚する形で〆ですね。

最後に俺属性ルート。
このルートは主人公が王の権限を強化する形で、主人公の意のままにヒロイン達を弄り倒す展開になります。
こちらのルートは作中でも最もギャグ要素が強い展開で、最初にプレイしたルートという事もあって結構笑い転げましたねw
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特にソフィ子の件は女装した主人公に対するシャルローネとソフィーヤの反応が面白すぎて盛大に吹いたw
シャルローネは笑い転げる一方で、姉扱いされた当のソフィーヤは凍りついているという対照的すぎる反応でした。
その後のファイヤーボールで皆で童心に帰って遊んでいるシーンも俺属性ルートで好きな所ですね。
最初に異世界転生してきた時、お約束と言わんばかりに光がファイヤーボールを試すけど見事なまでに不発するシーンが印象的だったのでこういう形でファイヤーボールを活かしてくるかと思いましたね。
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皆が皆叫び声を上げてファイヤーボールを繰り出す光景は想像するだけで楽しそうで自分もその場に混ざりたくなってくるほど。
また、個別エピローグとしてはマルーが割り当てられており、マルーの宰相としての苦悩と、酒場を盛り上げるダンサーとしてのもう一つの自分の姿が描かれています。
宰相として日々の政務に取り組む傍ら、国王の嫁として、また主人公の姉としての側面も持ち合わせているマルー。
俺属性ルートではマルーが主人公の以前の経緯を知っている範囲で話す一方、主人公もまたマルーを宰相の座から降りさせてマルーを自由にさせるというのが大まかな展開ですね。
最後は自分の夢を叶えて幸せそうにしているマリーの姿が映し出されて〆という形です。

それぞれのルートの内容を見ていると、ギャグ要素が多いのが火属性、土属性、俺属性の各ルートで、残る水属性と風属性の各ルートは癒やされたり癒やしたりする感じかな。
個人的には俺属性ルートが一番破茶滅茶で面白くて、次いで土属性ルートという感じになりますね。
ギャグ要素が強いという作品の性質上、やはりギャグ要素が多いルートの方が面白かった。
ただ、個人的に気になるのはハーレムを作品の主題として謳っている割にはそれぞれのルートで個別エピローグを割り当てている所ですね。
ハーレムメインなのに、なんで最後は個別ヒロインのルートみたいな終わり方をしているのか疑問。
この辺りは最後までハーレムにすることに悩んだ挙げ句日和ったようにしか感じられなかった。
どうせハーレムでやるんだったら、最後までハーレムで通してくれって思うわ。
まあでも、テキストは面白かったし、登場人物も皆面白くて印象的だったので不満点は有るけど結果的には面白かったという評価ですね。

絵に関して。最早SMEEではお馴染みとなりつつ有る谷口さん。
立ち絵はかなり良いのですが、やはり一部のCGで構図が無理やり過ぎて違和感有るのが出てくるのが惜しい。
特に今回はハーレムメインなので、難しい構図が多かったのもありますが、複数プレイでのCGはあまり良くないですね。
とは言え、こなれてきたのか結構エロいCGも有ったりして何だかんだで好きになりつつある。

エロシーンについて。
3Pやハーレムのエロシーン自体はあまり好きじゃないと言うか、抜ける気がしないのでルート確定以降はあまり…って所ですね。
ルートの選択肢の入るまでは各ヒロイン単独のシーンとなっていて、ルート確定以降は3Pシーン中心で推移して、最後にハーレムのシーンが挟まれるという流れになります。
各ヒロイン単独のシーンはそれなりにエロかったので、そこで満足できるかどうかという感じでしたね。

総合的に見ると、ちょっとチグハグな所が目立つかなと言う感じでしたが、テキストの面白さで上手くカバーした感じの作品でした。
しかし、HOOKSOFTがアイスキでSMEEの要素を取り入れたと思ったら、当のSMEEが原点回帰と言わんばかりに更に尖った作品を送り出すとは思わなかったな。
これだからSMEEの作品はやめられない。