2018年02月13日

欲望の経済史から学ぶ(その2)、これからの世の中に大切なこと

NHKがシリーズで放映している「欲望の経済史」の備忘録第2弾です。今回は後半3回について記します。

■第4回:技術が人を動かす〜産業革命からフォーディズムへ〜



副題の「フォーディズム」とは、アメリカの自動車会社「フォード」の創業者であるヘンリー・フォードの経営思想を指します。
フォードは、ベルトコンベアー方式による車の大量生産を実現し、自動車の低価格化を進めると同時に従業員に高賃金を支払い、生産した車を購入できる消費者としても育てます。

仕事を頑張って「より良いモノ」を作る → 賃金が上がる → 自分たちが作った「より良いモノ」が買える → モノが売れて会社の売上アップ → さらに頑張って良いモノを作る


といった循環ですから、典型的な「好景気」の状況ですよね。

ちなみに、これがさらに進化すると、

効率のよい商品生産のために機械化が進む → 従業員が職を奪われる


となっていきます。

技術革新によって、人々の生活や仕事が大きく変わったのは1800年代。
長らく続いてきた封建制は産業革命で破壊され、機械や技術によって生産性が飛躍的に上がったわけですが、これまで10人でやっていた仕事が1台の機械で代替されると、仕事を奪われる人が大量に発生します。
その結果、儲かるのは資本家だけという構図を受け、カール・マルクスは「社会的な搾取政策」として資本家と労働者の格差を指摘するのですが、実は、技術革新による生産性の向上による恩恵を一番受けていたのは労働者だ、という視点が紹介されていました。

もちろん、様々な立場からの多面的な見方が必要ですが、1800年からの100年間で労働者の生活の質が劇的に上がったのは事実なのだそうです。
その他にも、医療技術の進化による人口の増加で1人当たりの富が減り、その結果として貧困が発生するといった、進化による負の影響についても触れられました。

少し前に、AIによって現在の職業の半数近くが失われるというレポートが話題になりましたが、進化を求める一方で、進化による弊害とどう向き合っていくのかは、これからの私たちにとって大切な視点であり続けると思うのです。

■第5回:大衆の夢のあとさき〜繰り返すバブル〜



第5回目では、バブル経済について触れられました。

歴史上にバブルの発生は幾度とあり、今も仮想通貨バブルが話題になっていますが、その背景にあるのは「人の心理」です。必要なモノを手に入れた後も有り余るお金が、価値を生まない投機に向かうことでバブルが起こるわけですが、当然ながらその時(=バブルの最中)はそのことに気づきません。

経済学には数値で表せないことがある点を見抜いていた経済学者、ジョン・メイナード・ケインズは、株式投資を「美人投票」に例えましたが、熱狂の中で本当の価値を見失う状況は、今も繰り返されています。
特に、不安が圧倒的な力となって経済を左右することを知っていたため、失業を無策に放置してはならないことを提唱されていたそうですが、先の見えない不安の怖さというのも、その本質は変わっていないのでしょう。

世界中の欲望を飲み込み、際限なく広がったバブルは、いつも予告なく弾ける。
人間から欲望が消え去ることはないから、悲劇のサイクルは止まらない。


という言葉は、常に意識しておきたいものです。


■第6回:欲望が欲望を生む〜金融工学の果てに〜



最終回は、これまでの総集編的な内容でした。

その冒頭に、「経済学で、なぜ今の大切な状況を学ばないのかが疑問だった」という、イギリスのマンチェスター大学の学生の言葉が紹介されました。
もちろん、現在の状況を正しく分析し、将来への対策を講じるためには、過去に学ぶことが欠かせませんが、どうやら「過去に学ぶだけで終わってしまう」傾向があるようです。

投資が社会への富の還元に回っているうちはいいのでしょうが、消えない欲望は、さらなる利益を求めて投機に発展し、バブルが繰り返されます。こうした現状に対し、「人文学を学ばない限り、安定した持続可能なシステムにはいたらない」という話が紹介されます。

人文学は、平たく言えば人間そのものを研究対象とする学問で、哲学や心理学、宗教学などが含まれます。世の中を動かすのが「人」である以上、人に対する理解は欠かせません。でも「人」を真に理解することってできるんでしょうか?

そんな疑問を感じた最終回でした。

このシリーズは、

「歴史は繰り返す。一度目は悲劇として、二度目は喜劇として」


という、カール・マルクスの言葉から始まりますが、最後の紹介されるのは、

進歩は歴史を繰り返すことではなく、歴史を超えること


という提言です。

資本主義に限界がきているのかどうかは誰にもわかりません。

次なる世界が、進歩なのか、安定なのか、それとも後戻りなのか。
忙しい毎日の中で、常に考えるテーマではないものの、世の中の大きな流れを見失わないためにも、時々立ち止まって考えたい話題だと考えさせられた番組でした。
  
Posted by kurisuke701 at 23:59Comments(0)政治・経済

2018年02月06日

欲望の経済史から学ぶ(その1)、心の在り方

NHKがシリーズで放映している「欲望の経済史」が興味深いです。

「歴史は繰り返す。一度目は悲劇として、二度目は喜劇として」

カール・マルクスの言葉から始まるこちらの番組は、全6回のうち第5回までの放映が終了しています。ここでは、前半3回の内容と、それを観て感じたことを、備忘録を兼ねて書き留めておきます。

■第1回:時が富を生む魔術 〜利子の誕生〜


お金の貸し借りに利子が付くのは、今では当たり前ですが、もともとは多くの宗教で禁止されており、紀元前4世紀頃の哲学者アリストテレスは、貨幣を貸し付けて利子を取る行為を「最も自然に反するもの」と言ったそうです。

16世紀の宗教会改革の際、初期の指導者とされるジャン・カルヴァンが5%の利子を認めたことがきっかけで広がったとの紹介がありましたが、このあたりは裏付けを調べきるまでには至らず。いずれにしても、このころから利子が広く認められるようになったわけですが、それに合わせて、経済格差も目立つようになってきたといいます。

初回の放送で最も考えさせられたのは、

「欲望は満たされることを望まない。増殖する。」

という言葉。欲が無ければ成長は無いと思う反面、どこか行き過ぎを感じる今の時代の中で、立ち止まってしっかり考えたい問題提起なのかもしれません。

■第2回:空間をめぐる攻防 〜グローバル化と国家〜


2016年に起こったイギリスのEU離脱やアメリカのトランプ大統領当選の際に、いわゆる保護主義やナショナリズムが話題になりました。
自由な貿易に反対し、自国の産業や雇用等を守るためには、貿易について何らかの制限を加えるべきとする保護主義は、国同士の関係を悪化させる考えという認識があるものの、この「自由か保護か」の問題は、ずっと以前から続く根の深い問題です。

経済学的に自由貿易は正しいとされているようですが、多くの国や地域で抵抗が始まっているのも事実です。その際の問題点として、自由貿易そのものが悪いのではなく、自由貿易が広がるグローバル市場を、誰もコントロールできないことが問題だという話の展開になっていました。

自由と保護。これは、何も国同士の貿易という問題だけでなく、おそらく日常生活や仕事の中でも頻繁に発生している葛藤なのではないでしょうか?

例えば子育て。

子どもの成長を考えた時、自由に思い通りにやらせてみるのがいいという考えと、親が子どもを守らなければいけない、危ないことに手を出さないように保護する必要があるという考えがあると思います。じゃあ、いったいどこで線を引くの?ってことですよね。

いずれにしても、自由貿易が広がることで約400年前からグローバル化が始まり、安い場所で買って、高い場所で売るという「空間の差異」を利用した錬金術が生まれました。

「地理的な差異は富となる。」

という言葉は、なかなか深いものを感じます。

現代でも、ある場所では当たり前に安く売られている物が、別の場所では大変貴重な価値があって高く買われるということはたくさんあるでしょう。
ネットオークションでも、自分には不要なものが、それを必要とする人に高値で売れるなんていうことは頻繁に発生しています。まさに「差異をお金(=富)に変える」話ですね。

こうしてみると、自由な取引の広がりはメリットが多いのですが、一方で詐欺のような新たなトラブルに巻き込まれるきっかけにもなり、「やらなければよかった」と後悔するケースも発生します。

今年になって問題となっている、仮想通貨をめぐる話も、自由(=自己責任)と保護(=責任転嫁)の観点から見ると、また違った感想を持つかもしれないですね。

■第3回:勤勉という美徳〜宗教改革の行方〜


ここでは、キリスト教におけるカトリックとプロテスタントの考えの違いを中心に、職業感や倫理、富との付き合い方が取り上げられました。

富は恥ずべきもの的な考えがあると、得た富は「教会への寄付が一番」となりますが、富を蓄え、それを投資することで社会に貢献できるならば、恥ずべきものではなく誇るべきものに変わります。
そして、この富は仕事を頑張る(=勤勉である)ことで生み出されるとされ、節制や節約、規律、勤勉、誠実などを説いたベンジャミン・フランクリン的な精神が広がったようです。

何事も極端に走るのはよくないと思いますが、どの場面においても「倫理観」の大切さを改めて感じた回でもありました。

自由を望みながら、自由が怖い。
成長を望みながら、成長が怖い。
恋愛を望みながら、恋愛が怖い。

相反する2つの想いに気持ちが揺れることは数多くありますが、どちらが正解なのかは誰にもわかりません。結局は、それぞれの課題に対する自分の心の在り方が、結果を決めることになるのでしょう。
  
Posted by kurisuke701 at 23:59Comments(0)政治・経済

2018年01月30日

平成30(2018)年度の年金額は据え置き

1月26日に厚生労働省から、来年度(平成30年度)の年金額改定が公表されました。

■平成30年度は779,300円で据え置き


2017年の消費者物価指数は年間で0.5%の上昇でしたが、これを受けた来年度(平成30年度)の年金額は、平成29年度と同額に据え置かれました。

公的年金には物価に連動する仕組みとなっているため、本来であれば年金額も上がるところですが、もう1つの要素である「名目手取り賃金変動率」がマイナス0.4%だったことで、「スライド無し」となったのです。なお、マクロ経済スライドによる調整も行われないため、未調整分(マイナス0.3%)は繰り越されることとなりました。


■年金額は物価以上に上がっている?


物価が上がったのに年金額が上がらないから実質的には引き下げです。将来に対しても年金受給額が減っていく不安をより大きく感じるかもしれません。

ただし、過去を振り返ると、一貫して減額されてきたわけではありません。
私が社会人になった1994年の年金額は747,300円だったので、その後の24年間で約4%上昇しています。この間の消費者物価指数の上昇率は約2%。つまり、長い目で見ると実質的な価値は増えているのです。「印象」というのは怖いですね。

なお、第1号被保険者が負担する国民年金の保険料は、月額16,490円から16,340円に引き下げられますので、年間では1,800円安くなります。

■「自分の場合」の受取額を知っておく


退職後の生活資金設計(リタイアメントプラン)を考える際、収入の柱となるのは公的年金です。今回のように「物価が上がったけど年金額は変わらない」と聞くと、不安が大きくなるのも当然ですが、生活に必要なお金は人によって違いますし、受け取る年金額も人によって大きく違います。

また、単身者なのか、ご夫婦2人分の年金を考えられるのかでも、大きく違ってきます。公表された数値だけで一喜一憂するのではなく、「自分の場合はどうなのか?」を常に意識することが大切なのです。

毎年誕生月に手元に届く「ねんきん定期便」には、これまでに払い込んだ保険料と、将来受け取る年金の見込額が記載されていますから、最低限ここに書かれている数字は把握しておきたいものです。
  
Posted by kurisuke701 at 23:59Comments(0)社会保険

2018年01月23日

所得税の改正事項について

1月22日から通常国会が始まっています。
まずは、平成29年度の補正予算案や平成30年度の予算案の成立が大切ですが、憲法改正の議論がどのように進むかにも注目が集まっています。

そして、毎年実施される税制改正も国会での審議を経て成立します。
私たちの生活に関わる個人の所得税について、今回のポイントを整理しましょう。

■所得税が下がる要素


まず、今回の改正案では、「所得のあるすべての人」に関係する基礎控除が10万円引き上げられます。基礎控除とは、「所得控除」の1つで、収入から経費を引いた「所得」から差し引けるものです。

所得控除は、生命保険料控除や地震保険料控除、配偶者控除、扶養控除など、全部で14種類あり、その中で納税者全員に適用される「基礎控除」の金額が、現在の38万円から48万円に引き上げられます。(2020年から)
所得から差し引ける金額が大きくなるということは、課税対象額が少なくなるということですから「減税」となります。
ちなみに、今回の改正では、合計所得金額2,400万円超の人の基礎控除額は段階的に引き下げられる仕組みも導入され、2,500万円超になると基礎控除を受けられなくなります。

■所得税が上がる要素


税金が高くなる改正には「給与所得控除額」の引き下げがあります。こちらは2020年から「一律10万円の引き下げ」が実施される予定です。
給与所得控除額は、勤め先からお給料等を得ている「給与所得者」の経費にあたるもの。つまり、「給与所得者に認められる経費が少なくなる」というお話です。

例えば年収500万円の場合の給与所得控除額は、現行では「収入×20%+54万円」と決められているので、500万円×20%+54万円=154万円が経費となります。
この金額が「一律10万円引き下げ」なので、154万円−10万円=144万円となるわけです。

この結果、所得額は、
(現在)   500万円−154万円=346万円
(2020年以降)500万円−144万円=356万円

となり、税金を計算する元となる「所得」が上がることになります。
しかし、先ほどの「基礎控除の引き下げ」と合わせると、差し引きゼロとなり、多くの人には影響がありません。

仮に、利用できる所得控除が基礎控除だけしかない人の場合、
(現在)   346万円−38万円=308万円
(2020年以降)356万円−48万円=308万円
となり、「課税所得」は変わらないのです。

ただし、今回の改正では、年収の高い給与所得者に対して「給与所得控除額の上限額の引き下げ」という厳しい項目が入っています。
給与所得控除額は「収入が上がれば、控除額も大きくなる」仕組みでしたが、平成25年以降、年収の高い人に対して段階的に「上限」が設けられており、今回の改正では「年収850万円超の人に対して195万円の上限」となる予定です。

一方で、給与所得控除額が関係ない自営業者などは、基礎控除が引き上げられた分、課税所得が少なくなり、単純に「減税」となります。

なお、年金からの収入は「雑所得」となりますが、公的年金等による収入から差し引く
「公的年金等控除額」についても引き下げられる予定です。

■仮想通貨を巡る税金



昨年の上昇で大きな話題となった仮想通貨で得た利益は「雑所得」として総合課税となります。

含み益の時点では課税されませんが、売却や使用、他の通貨への交換を行った時点で、それまでの値上がり益に対して課税されることとなり、詳細の計算方法などは国税庁のサイトで紹介されています。

総合課税である雑所得は、超過累進税率が適用されるため、所得金額が大きくなると税率も高くなります。現在の日本の所得税の最高税率は45%で、一律10%の住民税と合わせると55%となります。

もちろん、取引に関する費用は差し引くことができますが、そうそう大きな金額を計上できるわけではないでしょうから、儲けのほとんどが課税対象となる人が多いでしょう。
1億円以上の儲けを得た人が「億り人」などと呼ばれて話題になりましたが、仮に1億円の儲けがあっても、手元に残るのは4,500万円ほどと考えるべきだというお話です。

特に、昨年の上昇でいったん利益を確定した人は、2017年の所得税、住民税が高くなるわけですが、
その後、年明けからの暴落で損失を被っていたとしても、その損失が考慮されることはありません。

仮想通貨については、相場の動きとともに、税金に対する話題にも注目が続きそうです。
  
Posted by kurisuke701 at 23:59Comments(0)税金

2018年01月16日

リアルな教育費のお話

本格的な受験シーズンとなり、先週末にはセンター試験も行われました。

自分の周りに受験生がいないとあまり実感がないかもしれませんが、
お子さんの進学を控えたご家庭では、教育費への関心が高まる時期でもあります。

教育費がどの程度かかるのかについては、文部科学省の「子どもの学習費調査」や日本政策金融公庫の「教育費負担の実態調査」などで公表されていますが、今回は、私の家庭で負担したリアルな金額をご紹介します。
ちなみに、我が家には3人の娘がおりまして、今回は三女が大学進学のタイミングとなるため、これが最後の受験シーズンということになります。

■一般入試とAO入試で大きく違う金額


さて、「大学受験」と言っても、国公立と私立では大きく違いますし、学部によっても異なります。さらに大きく違ってくるのは、受験形態です。

文部科学省が公表している大学入試の入試形態別入学者数の割合を見ると、私立大学では2007年度以降、一般入試による入学者の割合が5 割を下回っており、およそ半数が推薦入試やAO入試で入学しています。
AO入試というのは、「大学が求める人物像(アドミッション・ポリシー)に合致した学生かどうかを基準に、書類や面接などで合否を判定する入試方式」のことで、原則として志望動機や意欲、将来性などで合否が判定されるものです。AO入試のスタイルは大学によってずいぶん違うようですが、多くの場合、一次選考は書類審査で、二次選考として面接や小論文などが課されるようです。このAO入試、近年では私立大学を中心に導入が進み、2015年度には4割以上の大学で実施されています。ただ、学力基準がない点は問題にもなっており、2020年度から、国公私大に学力評価を義務付ける方針を固めています。

■実際の教育費


我が家では、長女が一般入試、二女と三女がAO入試でしたので、2つのパターンで実際の教育費をお伝えします。

1.冬期講習費用
一般入試→約20万円
AO入試→0円

2.受験料
一般入試→約29万円(9つの学部を受験)
AO入試→約2万円

受ける学校による違いはありますが、1つの受験に対する受験料は高校で2万円程度、大学は3万円〜3.5万円程度が一般的なようです。

3.初年度入学金
一般入試→27万円
AO入試→26万円

入学金は入試形態による差はないので、単純に大学による違いです。

4.初年度学費と諸費用など
一般入試→約99万円
AO入試→約110万円

これも入試形態は関係なく、大学・学部による違いです。

5.その他費用
定期代や教科書代の実費です。わが家の場合、年間約35万円程度でした。
その他、ゼミ旅行や研修旅行があり、約10万円の負担が別途発生しています。

■早くからの準備が大事なのはわかっているけど・・・


というわけで、単純な「全国平均値」ではない、リアルな教育費を見ていただきました。

もちろんですが、こうした金額は大学や学部による差が大きいですし、受験のために遠方に行き宿泊するという場合は、交通費や宿泊費が上乗せされます。
また、大学進学が決まった子どもにありがちな支出として、運転免許を取るための教習所代があります(概ね25万円〜30万円)。免許取得後、親の車を運転することになる場合は、自動車保険の年齢制限を解除する(=全年齢担保にする)必要があるでしょう。

車種や等級、補償範囲をどうするかによる違いが大きいですが、保険料が2倍程度になることも珍しくありません。
我が家では、年間保険料が約6万円から約14万円にアップしました。

そんなわけで、人生の三大資金に名を連ねる教育費ですが、
「想像していた壁」よりも「はるかに高い壁」が目の前に出現しますので、心当たりのある方は、早めからのご準備を強くオススメします。
  
Posted by kurisuke701 at 23:59Comments(0)教育・子育て

2018年01月09日

ますます重要となる○○リテラシ−

年末に放映された紅白歌合戦の平均視聴率が39.4%で、歴代ワースト3位だったそうです。
様々な背景がある中で、「人の嗜好の多様化」が要因の1つとされています。

■知りたいことはみんなバラバラ


「年末に家族そろって観る番組」という位置づけの紅白歌合戦では、若い世代から高齢者まで、みんなが楽しんでもらえるように出演者が決められるそうですが、そもそもこうした「世代別の区分」が意味をなさなくなっているようです。
特に音楽の好みは、同じ世代でも人によって大きく違うため、「みんなが楽しめる番組作り」はどんどん難しくなっているのかもしれません。

この「世代別では区分できない」という点は、FPのかかわる家計分野でもよく言われます。
例えば、20代の人が興味を持つお金周りの話を考えてみたとき、その人が学生なのか社会人なのか、実家暮らしなのか一人暮らしなのか、未婚か既婚か、といった多くの要素によって、興味の対象や必要な情報が異なるのは、考えてみると当たり前の話です。

情報に対して受け身が基本だった20年前と比べて、自主的に得られる情報源が飛躍的に増えた現代では、それぞれの立場で自分に必要な情報に直接アクセスできるため、一方的に発信される均一な情報に対する反応は益々薄れていくことでしょう。

■1つでも多くのリテラシ−を身につけましょう


リテラシー(literacy)とは、直訳すると「読解記述力」を指します。ある分野に対する「知っておくべき基本的な知識」と言い換えてもいいでしょう。金融リテラシーや情報リテラシーという形でよく使用されます。
さて、自分に必要な情報に直接アクセスできるといっても、その情報が正確かどうかはわかりません。大手の出版社や新聞社のように、複数人のチェックを通した上で掲載される情報であれば、ほぼ正確であると推察できますが、それでも誤報は存在します。ましてや、SNSやブログ、メルマガなどで個人が発信する情報は、発信者に悪気がなかったとしても、結果として誤った情報が流されることがあります。いずれにしても、得た情報によって行動した結果には、自分自身が責任を負わなければいけません。

情報の真意を見抜くために一つでも多くの「○○リテラシー」を身につけることこそ、これからの時代を生きるために必要な要素といえそうです。  
Posted by kurisuke701 at 23:59Comments(0)日常のつぶやき

2018年01月02日

2018年のご挨拶と2級FP直前総まとめ講座

あけましておめでとうございます。
本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

■2018年は「つちのえいぬ」


今年は戌年で、より正確には「戊戌(つちのえいぬ)」の年となります。

通常「干支(えと)」を聞かれれば、「ね・うし・とら・う…」を思い浮かべる人がほとんどでしょう。
年賀状に書く干支も「戌(あるいは犬のイラストなど)」が一般的です。

ただ、本来の干支は「十干(じっかん)」と「十二支(じゅうにし)」を組み合わせたものであり、「戌年」というのは「十二支」の部分だけを指します。

普段あまり意識しない「十干」は、甲・乙・丙・丁・戊・己・庚・辛・壬・癸の10個。
契約書などの法律文書などで、「以下、甲という」とか、「以下、乙という」という形で出てくる文字ですね。
単純に読むと「こう、おつ、へい、てい…」となりますが、十干においては「きのえ・きのと・ひのえ・ひのと…」という読み方になります。

この十干と十二支を組み合わせるので、干支は「甲子(きのえね)」から始まります。
1924年の「甲子」の年に完成したことで甲子園球場と命名されたように、干支が持つ意味を大切にする例はいろいろとあるようです。
「ひのえうま」という言葉もよく知られていますが、これは十干が「丙」で十二支が「午の年を指し、「丙午(ひのえうま)年の生まれの女性は気性が激しく夫の命を縮める」という迷信があったため、1966年は実際に出生数が大きく減少するなどの影響もありました。

そして、この組み合わせは60種類あります。

60年で干支が一回りして、再び生まれた年の干支にかえることから、元の暦に戻る60歳を「還暦」と呼ぶわけです。(10と12の最小公倍数は60です)

■非科学的な考えと気持ちの問題


こうした話は、今のデジタル時代には馴染みにくいのかもしれません。
でも、気持ちの部分では大きな影響があるでしょうし、この気持ちの部分が自分の行動の原動力となるケースは多いため、大切にするべきだと思うわけです。

ちなみに、2018年の「戊戌(つちのえいぬ)」は、それぞれの文字に正反対の意味があるそうで、大いなる繁栄の年になるか滅亡の年になるか、いずれにしても大きな変化の年になることを意味しているようです。

そもそも「戌」という字には、「草木が枯れる」ことを意味する「滅」の意味があります。
ただ、これは「滅ぶ」という後ろ向きの意味だけではなく「新しい命を育む」という縁起の良い意味もあります。
つまり、何かが滅ぶことで、何かが生まれる、という変化を表すともいえそうです。

そんなわけで、2018年が皆様にとっても、前向きな変化のある一年であることをお祈り申し上げます。

■2級FP直前総まとめ講座をご活用ください


2018年1月実施の、2級FP本試験合格を目指す直前対策講座の配信を開始しました。

1月28日(日)の本試験まで3週間と少し。
願書は出したものの、なかなか学習が進んでおらず、「今から数百ページのテキストを見ている時間がない!」という方にとって、全課目合わせて90ページ弱のこちらの講座は必見のはず。

1課目を約40分〜約50分の解説でまとめているこちらの動画も、苦手な課目だけの視聴もできますし、『6科目セット割引プラン』だと、1課目ずつ購入された場合より20%割引(25,920円)でのご提供となります。

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Posted by kurisuke701 at 23:59Comments(0)日常のつぶやき

2017年12月26日

仮想通貨はポイント制度で理解する

年の瀬を控え、2017年の10大ニュースが発表されています。
ランキング内容は媒体によって異なるものの、天皇退位特例法の成立や陸上100メートルで日本人初の9秒台を出された桐生選手、デビューから29連勝の新記録を打ち立てた将棋の藤井四段の話題が含まれるのは共通しているようです。

■仮想通貨元年


こうした世間を騒がせたニュースは人々の心に残りやすいものですが、個人的にはビットコインを代表とする仮想通貨の暴騰も記憶に残る大きな出来事だったと思います。

実際、2017年は一部で「仮想通貨元年」と言われているほど、特に年の後半にかけて大きな話題になりました。

そもそも、仮想通貨とは、私たちが普段使っている「円」や「ドル」などの現実の通貨に対する言葉です。中央銀行などの公的な発行主体や管理者が存在しないことで、法律上の位置づけもあいまいでしたが、2017年4月施行の改正資金決済法によって「不特定の者に対し(代金支払いなどに)使用できる決済手段」として明確にされました。

実際の条文では、

「物品を購入し、若しくは借り受け、又は役務の提供を受ける場合に、これらの代価の弁済のために不特定の者に対して使用することができ、かつ、不特定の者を相手方として購入及び売却を行うことができる財産的価値(電子機器その他の物に電子的方法により記録されているものに限り、本邦通貨及び外国通貨並びに通貨建資産を除く。次号において同じ。)であって、電子情報処理組織を用いて移転することができるもの」


という文章で説明されています。


細かい点はさておき、現時点の仮想通貨は、現実の通貨との交換もできるし、受け入れ態勢を持っているお店では、支払い手段としても使用できますよ、ということです。

■ポイント制度で同じことをやっている


とはいえ、「ビットコインって結局何なんですか?」という素朴な質問に対し、上記のような説明では、「なんか難しそうですね」で終わってしまいそうです。でも考えてみたら、私たちの日常生活に浸透している「ポイント制度」で、仮想通貨と同じ経験をしている人も多いはずです。

例えば、先日マクドナルドでコーヒーを買ったとき、「dポイント」で支払いを済ませました。
dポイントは、NTTドコモさんが実施しているポイント制度で、携帯電話の通信料の支払いや、提携先のお店の支払いでカードを提示するとポイントが貯まるものです。

貯まったポイントは、ポイント交換サイトで買い物をしたり、提携しているお店で「ポイントによる支払」をしたりできます。他の多くのポイント制度も同じような仕組みです。

では、仮に自分が1,000ポイント持っているとしましょう。

ポイント制度では、「1ポイント=1円」のケースが多いので、この場合は「1,000円の資産」を持っていることになりますし、この1,000円を支払い手段に使えるわけですから、まさに仮想通貨と同じ状況です。

さらに、このポイントを人に売ることができ、その時の価格が「時価」で決まるとしたらどうでしょう。
もともとは「1ポイント=1円」だったのに、なぜかそのポイントの人気が高まり「そのポイントを譲ってくれるなら、1ポイント=10円払いますよ」という人が出てきたら、1,000円のはずだった資産価値が10,000円に跳ね上がります。

常に同じ条件で付与されるポイントでは、こんなこと起こりえないですが、「このポイントは世の中に100,000ポイントしかない存在しない」という「希少価値」が加わると、ポイントの価格が跳ね上がるという事態が起こりえるわけです。

日常生活で目にするポイント制度には、dポイントのほかにも、Tポイントやナナコポイント、楽天ポイントなど、多くの種類があります。同じように仮想通貨にも、「ビットコイン」や「リップル」「イーサリアム」「ネム」といった多くの種類があると考えるといいのかもしれません。

そして、こうした「仮想通貨ポイント」の価格が、1ポイント=1円ではなく、100円や10万円、100万円というように跳ね上がっていったわけです。

ちなみに、仮想通貨の代表格である「ビットコイン(BTC)」は、12月28日現在、1BTC=172万円ほどです。1年前には1BTC=10万円ほどだったので、そのすさまじい価値の上がりっぷりがわかりますよね。

なお、現在の仮想通貨全体の時価総額は3,905.8億ドル(約43.7兆円)と言われています。
その中で時価総額が一番多い通貨がBTCですが、上位5通貨を見ると次のようになっています。

  1. ビットコイン:約2,374憶ドル(約27兆円)

  2. イーサリアム:約437.6億ドル(約4.9兆円)

  3. ビットコインキャッシュ:約223.2億ドル(約2.5兆円)

  4. イオタ(アイオータ):約117億ドル(1.3兆円)

  5. リップル:92.9億ドル(約1兆円)



仮想通貨については、メルマガでも取り上げていますので、参考にしてみてください。

▼2016年7月11日「仮想通貨の広がりと決済手段の多様化

▼2017年7月21日「ビットコインの基礎の基礎

▼2017年12月11日「ビットコイン急騰劇の背景


■頭でわかっていることと、心が感じること


2017年を締めくくる記事として仮想通貨を取り上げたのは、今後も影響を及ぼす範囲が広がるだろうと考えているからですが、一方で、日常生活の根底でもある「安定と安心」とはかけ離れた世界のようにも見えます。
多くの人にとっては「自分には関係のない話」であり、「できれば関わりたくない話」なのかもしれません。

でも、現実の世界で「ビットコイン投資による億万長者」が誕生しているのも事実です。
ジャンボ宝くじを買うために並ぶ人が夢見ている「一攫千金」を、仮想通貨取引という手段によって実現させている人がいるわけです。

でも何かすっきりしないというか、納得いかない。
頭では納得しても、心が納得しないという感じでしょうか。

数字だけでは測れない、測られたくない何かが、心の中にあるのかもしれないですね。


最後となりましたが、2017年もブログをお読みくださりありがとうございました。
来る2018年が、みなさまにとって素晴らしい1年となりますことをお祈りしています。

良いお年を!  
Posted by kurisuke701 at 23:59Comments(0)資産運用

2017年12月19日

変化への対応と生きるために大切な要素

■めまぐるしく変化する世の中


欧州連合の最高裁判所にあたるEU司法裁判所が、「ウーバーは運輸会社である」との判断を下しました。

Uber(ウーバー)は、自家用車のライドシェアサービスを展開し、シェアリングエコノミーの象徴的な取り組みとして注目を集めてきた企業です。

同じ方向に向かう人をネットでつなぎ、自家用車の空席に乗せて効率よく移動するという仕組みは、一見すると単なる「相乗り」ですが、そこに報酬が発生する以上は「運輸サービス」だというわけです。この決定によって、ウーバーに対してはタクシー会社と同様の規制が適用されることになり、導入に慎重だった日本では益々参入のハードルが上がる出来事でしょう。

シェアリングエコノミーについては、2016年11月8日のブログで触れているので、基本的な考え方はそちらをご覧いただくとして、広がっていく流れ自体は変わらないと思います。ただ、こうした新たな仕組みが広がる「変化」を快く思わない人や団体がいるのは事実なのでしょう。そうした中では、今回のような「変化」はこれからも幾度となく起こるのだと思います。

世の中の変化はめまぐるしく訪れる反面、人生100年時代と言われるように、こうした時代で生きる時間が長くなるわけですから、いかに変化に対応するかはとても大切な要素です。

■変化に流されない考え方


一方で、「何も気にしなくていいんじゃない」という考え方もあるように感じます。

「世間の喧騒から離れて、南の島でのんびり過ごしたい」という考えは、昔からありました。ただし、それは仕事を引退した後というのが一般的だったのですが、ここにきてこうした「スローライフ」を目指す人の多様化が進んでいるようです。

時に、激流のように感じられる環境変化に違和感を抱き、自分らしい生き方を真剣に考えるケースは少なくないのかもしれません。

■生きるために必要な要素


もちろん、生きていくためには最低限のお金が必要です。
雨風をしのぐ住まいを維持するのはもちろん、ご飯を食べるにも、寒い冬に暖房をつけるにも、家族や気の合う仲間とお出かけするにも。お金がゼロではほとんどのことができないでしょう。

しかし、お金を稼ぐ手段も多様化していますから、いくらでも手段はありそうです。
大手金融機関の大規模な人員削減の公表や、AI(人工知能)の普及によって無くなる仕事があるのは事実ですが、完全失業率が3%を割る水準は、数の上では「仕事を望む人がすべて就業できる状態」であると考えられています。

ビットコインのような仮想通貨で財産を築くというのは、現実的な選択肢になり得ないものの、ネット環境があれば「仮想(=バーチャル)」の世界で得たものが、リアルな世界でお金に変わるという現実もあります。

また、生きるために必要な要素はお金(経済)だけではありません。一般的には「経済」「健康」「夢や希望」「人とのつながり」という4つの要素を挙げることが多いのですが、優先順位は人によって異なるでしょうし、同じ人でも時期が違えば変わってくるものです。

先日、古くからの友人と瞑想についてお話しする機会があったのですが、定期的に自分の心と向き合う時間を取ることこそ、今の時代に一番必要なことなのかもしれません。  
Posted by kurisuke701 at 23:59Comments(0)日常のつぶやき

2017年11月28日

ライフプランを立てる本当の意義

一般的に、ライフプランを組む時には、将来起こりうるイベントを想定します。
住宅や車の取得時期、お子さんがいらっしゃる場合の進学タイミングなどが代表的なイベントですが、旅行を盛り込むケースも少なくありません。

ただ、旅行といっても、「行ければいいかな」程度に軽く考えているものもあれば、「この時に行かなければ意味が無い」というものもあり、その優先度は様々でしょう。

■35年ぶりの香港


さて、先日行ってきた旅行は、まさに「この時に行かなければ意味が無い」パターンでした。
私は小学3年生〜5年生を香港で過ごしたのですが、その時の同級生が香港に集まったのです。

香港に限らず、日本人学校に通うのは「親の海外赴任」に伴う転校がほとんどですから、多くの場合、3年〜5年程度の在学期間となります。
ですから、同じ学年であっても、「小学3年生〜5年生」までを過ごした人と、「小学6年生〜中学2年生」までを過ごした人では、顔を合わせていません。
ただ「香港」という共通要素があることによる絆には深いものがあるため、話はすごく盛り上がりますし、すぐに打ち解けるという特徴があるのです。

そんなわけで、11歳の時以来、実に35年ぶりに香港へ行ってきました。


■変わったところと変わらないところ


日本(東京)から2,887厠イ譴森畊舛蓮1997年以降、中華人民共和国香港特別行政区という位置づけ。私が住んでいた当時はイギリス領でしたから、そもそもの背景が大きく変わっております。
しかも、当時利用していた啓徳(カイタック)空港に変わり、1998年からは香港国際空港が玄関口となっているため、まず香港に着いた時の風景がガラッと違っていました。

それに加えて、一番大きく変わったと感じたのは、地下鉄網の発展です。
私が住んでいた頃に、最初の路線が開通したことを覚えているのですが、今では空港からの主要アクセスとなるエアポートエクスプレスを含めると11路線が営業しており、人口約740万人の国で、一日約470万人が利用する主要な交通機関となっています。

一方で、2階建てバスや市電(トラム)、ミニバスやタクシーなどは、デザインや料金こそ変わったものの、ほとんど当時のままでした。特に、大陸側になる九龍(カオルーン)と香港島を結ぶスターフェリーは、完全に当時のままの状態で運航されていて、懐かしさがこみ上げてきました。

お店も、きれいなショッピングセンターが多数できている一方で、街中の昔ながらのお店も多くの残っており、懐かしく感じる風景はたくさんありました。

■ライフプランを立てる本当の意義


今回、35年ぶりに香港を訪問したのは、同窓会に出席するためでした。
現地でお店を営んでいる友人が、「昭和46年生まれの自分たちが46歳になった時、自分の店で同窓会をやりたい」と言ってくれたことがきっかけだったようです。
その想いを受け取った友人が、日本だけではなく、世界中にいる同窓生に声をかけ、2年の準備期間を経て実現したのです。

どんなことでも「できるわけない」と最初からあきらめていると、実現しません。
実現するための行動をしないのだから、これは当然の話です。
つまり「口に出していない想い」が実現する可能性は極めて低く、「口に出した想い」は、時間がかかっても実現する可能性が高くなるわけです。

ライフプランを立てる本当の意味はここにあるのではないでしょうか?
ライフプランを立てていないということは、「想いを口にしていない」状態と同じですから、漠然と考えていることが実現する可能性は低いものです。一方、ライフプランを立て、その想いを口に出すことで、実現可能性が高まる。

ライフプランを立てる本当の意義は、案外こういうところにあるのかもしれません。
  
Posted by kurisuke701 at 23:59Comments(0)日常のつぶやき

2017年11月14日

住宅ローンは「返せる金額」で考える

日本FP協会は、毎年11月の第2土曜日を「FPの日」として、全国でセミナーや相談会を実施されており、私も11日に行われた大阪でのセミナー講師を務めてきました。

今回のテーマは「ライフプランと貯蓄の基礎知識」。
幅広い年齢層の方にご参加いただきましたが、中心となるのはこれから住宅の購入や教育費の負担が見込まれる世代の方だったように思います。

■10年先の自分の生活


今から10年後といえば2027年。東京の品川と名古屋を結ぶリニアモーターカーが開業する予定の年です。ほかにも、渋谷駅周辺の再開発事業の完成予定や、東京駅日本橋口に前に、高さ390mの日本一の高層ビルが開業する予定の年でもあります。

その時に、自分たちの生活はどのようになっているのでしょうか?

お仕事や人間関係がどうなっているかは知る由もありませんが、間違いなく言えるのは「今より10歳年齢を重ねている」ことです。
そして、お子さんがいらっしゃる場合は、年齢に応じて進学されているため、その時期に応じた資金が必要になるでしょう。
また、残り期間が10年以上の住宅ローン返済や保険の支払いがあるのなら、その時にも支払いは継続している可能性があります。
さらにいうと、生活をするために必要な支出が、劇的に変化する可能性は低いのではないかと想像できます。

ようするに、将来何が起こるかはわからないものの、その時にどのような生活をしているのかを予測することは可能だという話です。

■ライフプランを立ててみる


このように、将来の家族の年齢を軸に、その時に考えられるイベントを想像し、想定される収入や支出を考えていくことをライフプランと呼んでいます。文字通りの生活設計です。
そして、収入や支出の予測と、それに基づく貯蓄残高の推移を表形式にまとめたものをキャッシュフロー表と呼びます。
このキャッシュフロー表を作る最大の意義は、「収入や支出に影響する様々な出来事を考慮して、全体としてのお金の流れを把握できる」という点にあります。

例えば、自分が家を購入したとします。よほどの事情がない限り、家を買うタイミングを決めるのは自分ですから、「頭金や引越し代などの住宅取得時の費用」が出ていく時期は、コントロールできるはずです。また、その時の金額も自分で決めることができます。

では、「今の自分の収入とその時の預貯金」だけで金額を決めてもいいものでしょうか?
もちろんそんなわけにはいきません。
特に、お子さんがいらっしゃる場合は、成長に応じた学校の費用が掛かってくる点を考慮しても、住宅ローンの返済に無理がないことが大切です。簡単に言うと、「住宅ローン完済まで貯蓄が底をつかない」ことが大切なわけです。

■住宅ローンは「返せる金額」で


つまり、住宅ローンは、「借りられる金額」ではなく、「今後も無理なく返せる金額」で組む必要があります。そして、無理なく返せる金額から逆算して、借りてもよい金額を計算します。

例えば、金利1.6%の30年返済で、毎月無理なく返せる金額が7万円だとすると、借入可能額は2,000万円。ここに、自分が用意できる(+親等の援助を受けられる)金額を足すと、「住宅購入時に出せる総額」が出てきます。


逆算による借入可能額は、住宅金融支援機構のこちらのページで計算できます。


ちなみに、これは「購入できる物件価格」ではありません。
住宅購入時には、様々な諸費用や引越し代、電化製品や家具などの購入代金なども発生しますので、こうした支払いも含めの「総額」である点に気を付ける必要があります。

新しい物を買う時は、ワクワクするものです。
ましてや、一生のうちに一度かもしれない住宅の購入ともなれば、夢や希望が膨らんで当然です。
ただ、そこで一呼吸おいて冷静になり、ここで示したような「逆算による確認」が大切である点を忘れないようにしましょう。
  
Posted by kurisuke701 at 23:59Comments(0)家計・ライフプラン

2017年10月31日

FPフェア2017 訪問記

10月28日に、東京都内で開催されたFPフェアに参加してきました。

FPフェアとは、日本FP協会が主催する年に一度のイベントです。
全国から日本FP協会の会員であるFP資格者が集まり、多くの講義の聴講や交流をする場として、1994年(平成6年)から開催されているものです。
毎年、開催直後は「報告記」を残していますので、今年も忘れないうちにお伝えしておきます。

◆これからの世の中の流れ


初日の基調講演は、昨年同様竹中平蔵氏でした。

タイトルも昨年と同じく「世界経済の新しい潮流と日本経済」というもの。
時期的に、政治の話題にも触れられましたが、メインの経済の話のキーワードは「2つの風」でした。

1つは乱気流。
昨年のブレグジットやトランプ大統領の話題を題材に、風が吹き荒れる様を表現されたもので、その背景として「社会の分断」を挙げていらっしゃいました。この点は、昨年の話にあった「ハイパーポピュリズム」にも関係するのでしょう。

アメリカでの分断の例として、東海岸の金融ビジネスや西海岸のITビジネスに対して、内陸の製造業等が取り残されている話題を展開。日本では就労上の分断はアメリカほど大きくないとはいえ、親の状況を受けた子どもの貧困問題は存在するし、今後は高齢者の介護問題が大きな課題として吹き荒れるという話をされていました。

2つ目の風は「インダストリー4.0」の話。第4次産業革命です。
AI(人工知能)の話題を中心に、「単なる技術革新ではない。生活そのものが変化する点で、まさに革命と呼べるもの」というお話。
AI自体は決して新しい概念ではなく、これまでも何度かブームのようなものがあったそうです。ただ、2012年に「自ら学んで進歩するAI」が出てきたのが画期的なことで、いわゆるディープラーニングについて紹介されていました。

ディープラーニング(Deep Learning)とは、「多層のニューラルネットワーク(ディープニューラルネットワーク)による機械学習手法である」と説明されていますが、十分なデータ量があれば、人間のサポートなしに機械がどんどんデータを取り込んで学習し、賢くなっていく、というイメージでしょうか。

世の中のあらゆるデータ(いわゆるビッグデータ)がデジタル化されたことで活用の幅が無限に広がっているわけですが、10年ぐらい前に「未来の世界」として空想されていたものが、どんどん実現していく世の中になるのかもしれませんね。

◆フィンテックの活用


午後からは、フィンテックをテーマとしたパネルディスカッションと、社会保険をテーマとしたセッションを受講しました。

パネルディスカッションでは、日本FP協会専務理事の伊藤宏一氏をコディネーターに、株式会社マネーフォワードの辻庸介氏、株式会社お金のデザインの北澤直氏、FPの高橋忠寛氏の3名が登壇。
様々な興味深い視点がありましたが、「これからの資産運用は個人が主役となっていく(=C2B型)」という話が印象に残りました。

新たな金融サービスは、金融機関が一方的に提供するのではなく、日常生活から生まれたアイディアを企業が具現化していく形で進化するというのは、確かにそうなのかもしれません。

また、AIの活用や広がりも話題に上がりましたが、「動機付け」の部分と「共感」の部分は、AIで代替できない、つまり、人対人の対応が残るだろうというお話は、これからのFPとしての活動を考える際にも大切な視点なのだと感じます。

◆ご縁をつなぐ空間


初日の最後は、会員交流会に参加。文字通り、会員同士の交流の場として大きな役割を果たしている時間です。今回もかなり大きな会場に多くの参加者がいましたから、直接お話しできた方は限られますが、久しぶりにお会いする人も多く、あっという間の1時間半となりました。

FPフェアについては、厳しい意見(行っても意味がないとか、参加費が高すぎるとか・・)が多いのは事実です。それでも私自身はとても有意義なものであると思ってますし、この業界において人とのご縁をつなぐ絶好の機会であることは間違いありません。
結局のところ、こうした時間を意味のあるものにできるかどうかは、参加者次第なのかなって感じる次第です。
  
Posted by kurisuke701 at 23:59Comments(0)日常のつぶやき

2017年10月24日

奨学金と教育ローン

11月26日(日)に、家計の見直しセミナーの公開収録と、栗本FPスクールのガイダンスを開催します。
会場は、神奈川県川崎市にある、ユニオンビル(富士通労働会館)。武蔵小杉駅から徒歩圏内の立地です。

当日は、13時から「知って備える介護の基本」の講演、15:15から「栗本FPスクールガイダンス」、そして16:35からは「FPI-J.TV発表会」と題し、各チャンネルオーナー(ら・し・ささん、藤川太さん、菱田雅生さん、竹川美奈子さん、前野彩さん)が登壇する予定となっています。

参加には事前申し込みが必要ですので、以下のお申し込みフォームからお願いいたします。

お申し込みフォームはこちら
 
本イベントの詳細はこちら
 


◆教育費負担と奨学金の利用実態


さて、10月も終わりに近づき、来春からの新しい進路に向けた準備が始まりつつあります。
大学や専門学校等に進学予定のお子さんがいらっしゃる家庭では、教育費について意識する時期でもあります。
教育費負担、とりわけ高校や大学の費用は、家計にとって大きな負担となります。日本政策金融公庫の「教育費負担の実態調査(平成28年度)」によると、高校入学から大学卒業までに必要な費用の総額は975万円で、前年調査より76万円上昇。そのため、奨学金の利用者数も増加しており、大学進学者の奨学金受給者率は51.3%に上っています。

◆給付型奨学金について


奨学金には、返済義務のある「貸与型」と、返済義務のない「給付型」があり、日本の奨学金制度の多くは貸与型です。貸与型の場合、卒業後の収入を返済に充てるわけですが、非正規雇用の割合が増えるなど、20歳~29歳の若年層の雇用環境が悪化した流れを受けて、奨学金の返済に窮するケースが増えているようです。

そこで、注目されているのが、将来の返済が不要の「給付型奨学金」です。日本学生支援機構では、平成29年度から先行実施されており、平成30年度から本格的に制度が始まります。
ただし、利用できるのは、―嗣雲波鷁歙農ぢ咫併堋村民税所得割額が0円)または生活保護受給世帯に該当する人か、⊆匆馘養護を必要とする人。給付額は、国公立で月額2~3万円、私立で月額3~4万円となっているため、決して十分な額ではない上、受給できる対象者がかなり限定されるものですが、こうした制度が始まったことに注目したいと思います。

なお、奨学金は日本学生支援機構以外にも数多くあります。進学先の大学独自に設置している奨学金のほか、自治体や民間企業が実施している奨学金もあり、その中には「給付型」も多く存在します。まずは「地域名+奨学金」や「大学名+奨学金」で検索し、使える給付型奨学金が無いかどうかをチェックするようにしましょう。

◆もう一つの手段としての教育ローン


ちなみに、奨学金は「進学する学生本人が借りて、卒業後に返す」ものですが、準備の間に合わなかった教育費を親などの保護者が用意する手段としては「教育ローン」があります。
日本政策金融公庫の「国の教育ローン」はその代表格で、学生1人につき350万円を上限にローンを組むことができます。10月25日時点の適用金利は1.81%で、所定の条件に該当するとさらなる優遇金利で利用可能です。

例年、進学時期の2月〜4月ごろは申し込みが込み合うようです。ネットでも申し込みは可能なので、ギリギリになって慌てないよう、早いうちから情報を集め、備えておきたいものです。
  
Posted by kurisuke701 at 23:59Comments(0)教育・子育て

2017年10月10日

ベーシックインカムに感じる違和感

先日配信したメールマガジンで、ベーシックインカムについて触れたのですが、その時に頭をよぎった「全く違う視点からの違和感」について触れておきます。

■ベーシックインカムとは


そもそも「ベーシック・インカム(basic income)」(以下、BI)とは、政府が国民の生活を最低限保障するため、年齢・性別等に関係なく、一律で現金を給付する仕組みです。

決して目新しい話ではなく、BIの構想は18世紀末に出ていたと言われてますし、そのベースとなる「賃金補助制度」は、1597年にまで遡れるようです。(ウィキペディア参照)

■ベーシックインカムに対する違和感


それはさておき、国民全員に対して生活を最低保障できるだけのお金を支給するというのは、普通に考えると不思議な話です。

世の中にお金が出現する前、人々は物々交換を行っていました。
私が作った野菜をあげる代わりに、あなたの釣ってきた魚を頂戴、というお話です。
でも、野菜がいつも採れるわけではありませんし、魚もいつも同じように釣れるわけではありません。そこで、現物がなくても交換できる代替手段として「お金」が出てきました。野菜や魚は、放っておくと腐ってしまいますが、お金は長期間保管できますから、その点でも都合がよいわけです。

今でも「お金の機能」といえば、表現には少し差があるものの、次の3つと言われています。

  1. 価値の保存

  2. 交換(決済)手段

  3. 価値の尺度


ここで大切なのは、「誰かがモノ(野菜や魚)」を持っているからこそ、この仕組みが成り立つという話です。
誰も野菜を作らず、誰も魚を釣らない世界で、お金だけをみんなに配ったところで、何の役にも立ちません。
つまり、誰かがモノを生み出さないと成り立たないのが「お金」なのではないでしょうか?

ここに、私の感じた根本的な違和感の正体がありそうです。


■北欧で考えられているBIは助け合い?


一般的に、BIのメリットとデメリットはこんな感じで紹介されています。

【メリット】
  • 無理やり働く必要がなくなる

  • 社会保障制度の事務負担の軽減

  • 自由な時間が増える


【デメリット】
  • そもそも財源をどうするのか?

  • 労働力が下がる

  • 競争力がなくなる


でも、今回触れた通り、こうしたメリット・デメリットを比べる以前に、根本的な違和感を感じざるを得ないのです。
ちなみにBIは、海外でも話題にはなるものの本格的に導入している国はないそうです。ただ、よく取り上げられる有名な例として、2017年1月からフィンランドが始めている、失業者2,000人を対象とした実験があります。

これは、失業者から2,000人を抽出し、月額560ユーロ(約7.3万円)を2年間支給するというもの。
その仕組みからすると、BIというよりは失業者に対する生活支援、つまり、失業保険のお話と考えられそうです。

保険というのは助け合いですから、BIも究極の助け合い制度として議論すれば、違和感がなくなるのかもしれないなあ、と思った次第です。
  
Posted by kurisuke701 at 23:59Comments(0)政治・経済

2017年10月03日

世の中の値上げが家計に及ぼす影響

11月11日(土)、大阪の「FPの日」でお話をいたします。

日本FP協会は、毎年11月の第一土曜日を「FPの日」と位置づけ、その前後の期間に全国でセミナーや相談会を開催しています。今回、私は大阪支部のセミナーを担当することになりました。

京橋にあるツイン21MIDタワーで開催され、どなたでも無料でご参加いただけますので、お時間のある方はぜひお越しください。

詳細は、日本FP協会大阪支部のサイトをご確認ください。


さて、10月に入りました。
世の中では衆議院選挙が大きな話題となっていますが、それはさておき、10月からの制度改正をいくつかご紹介しておきます。

■育児休業給付金の延長


まず、雇用保険の「育児休業給付金」の給付対象期間が延長されます。
育児休業給付は、原則として1歳に達するまでの子を養育するための育児休業を取得した場合に支給されるものです。これまでも、保育所等に預けられないなどの理由があれば、子が1歳6か月に達するまで延長できましたが、10月1日からは、さらに子が2歳に達するまで延長できるようになりました。

ちなみに、こうした制度は、周知されなければ意味がないということで、「子どもが生まれる予定の従業員に育児休業等の制度等を周知すること」は、企業に対する努力規定とされています。


■フラット35は団信込みに


次に、長期固定金利の住宅ローンの代表格である「フラット35」の制度改正です。
以前の住宅金融公庫時代から、こちらのローンは「団体信用生命保険(団信)」の保険料が別建てになっていましたが、2017年10月1日申込受付分より、団信の保険料が月々の返済金に含まれた、団信付きのフラット35(新機構団信制度)の取扱いが始まります。新機構団信制度では、現在年払いとなっている費用負担がなくなるほか、団信の加入に必要な費用の軽減を実現するとしています。
ちなみに、団信保険料にかかる金利上乗せ分は0.28%と説明されています。
仮に2,000万円のローンを組む場合だと、年額で56,000円。同じ条件だと、これまでは71,600円でしたから、負担軽減となっています。
なお、健康上の理由等で団信に加入しない場合でも「フラット35」の利用は可能で、その場合は適用金利が異なるようです。

それ以外では、2018年1月から開始の「つみたてNISA」について、口座開設手続きが10月1日から始まりました。
また、9月分(一般的に10月支給分給与)より、厚生年金保険料が0.118%引き上げられています。毎年実施されてきた保険料の引き上げは今年で終了となりましたが、実際には今後また制度改正があるかもしれないですね。

■世の中の値上げが家計に及ぼす影響


ちなみに、値上げと言えば、クロネコヤマトの宅急便が値上げされたほか、10月からは食品関係の値上げが結構たくさんあるようです。280円均一で有名な「鳥貴族」さんも、298円均一に値上げされますよね。
金額にするとわずか18円なのですが、率にすると6.4%の物価上昇ですから、決して侮れません。
仮に、手取り年収500万円のご家庭で、毎年400万円の生活費がかかっている場合、支出だけが6.4%増加すると、収入が変わらずに、支出は425.6万円になりますから、年間収支が4分の1も悪化するのですから。

人手不足を背景に、賃金の上昇の話題も見聞きするようになりましたが、改めて自分の家計の場合にどうなるのかをしっかり見極めたいものです。
  
Posted by kurisuke701 at 14:55Comments(0)家計・ライフプラン

2017年09月26日

現金発見のニュースから考える、高齢者の財産管理

9月26日は山形県酒田市で講演でした。
初めて訪れた山形県は、事前の印象通りお食事とお酒の美味しい所。
お仕事抜きで訪れたい場所が、また1つ増えた感じです。

■現金拾得物の増加


さて、先日の日本経済新聞に、「ごみから大金 孤独死も影」という記事がありました。
文字通り、ゴミ捨て場から大金が見つかったという話ですが、ここ数年「拾得物」として届けられる現金は増えていて、2016年は約177億円にも上るそうです。

大金が見つかったというニュースは時々見かけますが、そもそも誰がどういう理由で落とした(あるいは捨てた)のかを見ると、少子高齢化や相続に関わる問題が浮かんできます。


■相続人が見つけられないお金


先に紹介したニュースでは、4,000万円の落とし主は既に亡くなった高齢者の方で、相続人の方が名乗り出て、無事に手元に戻ったという結果になっていました。

これを見て思い出したのが、10年近く前の相続相談事例です。

詳細は避けますが、簡単にいうと「あるはずの現金6,000万円がどこにも見当たらない」というケース。
高齢の父親が、家族の誰も知らないところで保有不動産を売却した後に亡くなられました。売却していた事実は、相続人であるお子さんたちが遺産の整理をしている中で判明したのですが、売却時に受け取ったはずのお金がどこにもないのです。

売却日から死亡日までは1か月余り。
使い切ろうと思えば、使えなくもないのでしょうが、その時のお父様は決して健康な状態ではなく、遠出をした事実もありません。もちろん、代金を支払ったという不動産会社にも確認しましたが、「お父様が現金で持って帰られた」とのこと。

じゃあ、どこかに隠しているはずだということで、家中を捜索されましたが、最終的にお金の行方は分からずじまいでした。

誰も気づかないまま、何かに紛れて捨ててしまっていたという可能性もゼロとは言えないな、と改めて思い出した次第です。

■高齢者の財産管理問題


今回の記事の中でも、1人暮らしの親が亡くなり、遺品の整理を専門会社に依頼したところ、何も入っていないと言ってたはずの金庫に2億円が入っていたという話や、衣装入れから500万円の現金が出てきた話などが紹介されていましたが、これが自分の家族の話だとすると、なかなか穏やかではいられません。

ではどうすれば、「あるはずのお金が見つからない事態」を避けることができるのでしょう?

これはもう、周りの家族のサポート体制を整えるしかありません。
自分の財産がどれだけあるのかを生前に知られたくない、という高齢者も多いかもしれませんが、その結果、相続発生時に大きな問題となってしまっては大変です。

お金の問題は理屈で言うほど簡単ではないものの、少なくとも「どこにどのような財産があるのか」については、家族間で情報を共有しておくことは必要ですし、「タンス預金は危ない」ということを共通した認識として持っておくことが大切です。

加齢とともに、自分の財産管理が煩わしくなったり、できなくなったりすることは当然です。専門家も含め、その時に誰がサポートするのかは、改めて考えておく方がいいのではないでしょうか。

ちなみに、路上などで拾った場合には拾った日の翌日から起算して1週間以内に警察に届け出る必要があります。その後、3ヶ月の保管期間内に落とし主がわからなかった場合、拾った人が所有権を取得できることになっており、これは「遺失物の拾得」として民法240条に定めがあります。
なお、落とし主が現れた場合は、落し物の価格の5%以上20%以下の金額を、お礼として請求することができるそうです。
  
Posted by kurisuke701 at 23:59Comments(0)相続・贈与

2017年09月19日

相続後の空き家問題

全国で増加している空き家問題は、たびたび話題に上ります。
国土交通省が公表した平成25年時点の空き家数は820万戸。住宅総数6,063万戸に対する割合は13.5%。
この調査は5年ごとに公表されていますが、平成20年と比べた空き家数は63万戸の増加となっていました。

ちなみに、空き家は大きく4種類に分類されています。

  1. 常時住んでいないが使っている

  2. 貸したいのに借り手がいない

  3. 売りたいのに買い手がいない

  4. その他


このうち、1〜3は減少傾向で、増えているのは4のケース。
相続が発生して実家が空き家になったが、誰も住まずにそのまま放置されている、というパターンが典型的でしょう。

相続人である子世代は、自分たちの住まいを持ち、その地域で生活の基盤が確立されていると、今さら実家に帰ることは考えにくくなります。
誰も住まない建物は劣化が激しくなりがちですから、思い切って売却しようと考えたとしても、買い手が現れるとは限りません。その間、建物の管理が必要となるのはもちろん、固定資産税の負担もかかってきます。

ちなみに、この空き家問題は戸建てだけでなく、マンションでも起こります。
同じく、国土交通省の統計を見ますと、2016年末時点のマンション戸数は約633.5万戸ですから、住宅全体の1割強となっています。しかも、そのうち172.7万戸は築30年超のマンションで、この数は10年後には333.6万戸になると推計されています。
築30年超ともなると大規模修繕などが必要となる可能性が高く、そのための修繕積立金などが徴収されているわけですが、空き家が増えることでこうした積立金の滞納なども起こりえます。何かを決議するための集会等においても、どこかにいるはずの区分所有者に議決権の行使を依頼しなくてはならないので、負担が大きくなることが考えられます。

ここまでの話は「建物」の話題ですが、実際の相続では「土地」の問題も発生します。
日本全国には、所有者不明の土地が約410万ヘクタールに上るそうですが、これは九州の面積を超す広さ。
建物のように劣化することはないにしても、誰も管理しない土地は荒れ放題となりますし、いざ土地活用を考えた場合に、現在の所有者が特定できないと、事業の妨げにもなります。

不動産問題は、何よりも立地条件に大きく左右されるため、まとめて論じることはできません。ただ、少なくとも自分や家族が今後遭遇しうる状況を知り、その時にどうすればいいのかを事前に考えておくことは、これからますます重要になるでしょう。
  
Posted by kurisuke701 at 23:59Comments(0)日常のつぶやき

2017年09月12日

仮想通貨に関する最近の動き

9月10日のFP本試験を受検されたみなさま、お疲れさまでした。

栗本FPスクールでは、今回の本試験を分析し、
次回の受験に備えるための本試験検証会を公開しています。

特に次回(2018年1月)の受検を検討されている方にとっては、
今後の学習方針を立てるヒントになると思いますので、ぜひご覧ください。

本試験検証会


■仮想通貨をめぐる動き


さて、9月に入ってから仮想通貨をめぐるニュースが続いています。

まずは、9月4日に中国当局が、仮想通貨発行による資金調達(ICO=イニシャル・コイン・オファリング)を全面禁止にすると発表。
その後も、仮想通貨の取引所を当面閉鎖することを決定するなどが報じられ、代表的な仮想通貨のビットコインをみると、1ビットコイン=5,000ドルを超えていた価格が、4,000ドルを割り込む水準まで急落する事態となりました。
一方では、各国の中央銀行が、仮想通貨の活用に向けた検討を熱心に行っていることも報じられていますし、大手金融機関等も海外送金に活用するための仕組みなどの開発に取り組んでおり、今後の広がりが期待されている様子がうかがえます。

ちなみに、日本銀行は昨年11月に「中央銀行発行デジタル通貨について」というレポートを出し、フィンテックをめぐる国際的な議論で積極的に参画していく考えを示しています。


■仮想通貨って何?


そもそも、仮想通貨とはインターネット上で使うことができる通貨で「暗号通貨」や「デジタル通貨」などと呼ばれています。600種類以上あると言われている仮想通貨の中でも、もっとも残高が大きく有名なのがビットコインというわけです。

ウィキペディアでは、ヨーロッパ中央銀行の定義として「未制御だが、バーチャルコミュニティで受け入れられた電子マネー」と説明されていますが、法律による裏付けはないものの、各国の中央銀行が発行している法定通貨との換金性があること、暗号化と分散化技術によって通貨の改ざんなどの不正や消失を防いでいることが、特徴としてあげられます。

インターネットさえあれば、国境も関係なく世界のどこにいても使うことができるため、次世代の通貨としても注目されているものです。
日本では2016年3月の閣議で「仮想通貨」が貨幣の機能を持つと認め、2016年5月25日には「フィンテック法案」と言わている改正銀行法案と改正資金決済法案が可決され、

■仮想通貨による利益は雑所得


世の中の変化に合わせたこの分野の法整備も進み始めました。

この時に仮想通貨は、「物品やサービスの対価に使用できるなど財産的な価値があり、円などの法定通貨と交換できるもの」と定義されており、つい先日には国税庁が、仮想通貨の利益は雑所得にあたるという公式な見解も出しています。
利益が雑所得にあたる金融商品には、「金先物」や「FX」などもありますが、これらに適用される税率は、所得税と住民税を合わせて一律20%(+復興特別所得税)。一方のビットコインは、現時点では「総合課税の対象となる雑所得」なので、所得金額に応じて、所得税は5%〜45%の税率が適用されます。
10万円で買ったビットコインを50万円で売却した場合も、50万円分の買い物に使った場合も、利益となる40万円が課税対象となるわけです。

規制か放任かで苦慮していると伝えられる金融庁も、10月からは仮想通貨取引所の監視に乗り出すようです。

日本では、ビットコインに絡む最初の大きな話題が、2014年に発生した交換所の破綻騒動だったこともあり、なんだか胡散臭いものと感じている方も少なくないようですが、着実に広がっている事実も受け止める必要があるでしょう。
  
Posted by kurisuke701 at 23:59Comments(0)資産運用

2017年09月05日

フィデューシャリー・デューティーと消費者の態度

金融機関と聞いて、真っ先に思い浮かべるのはどこでしょうか?

■2,900超の金融機関


ウィキペディアによると、
「金融機関とは、金融取引に関する業務を営む組織のこと。狭義には預貯金取扱金融機関のみを指すが、広義には保険会社や証券会社、ノンバンクも含む」
となっています。

預貯金取扱金融機関とは、ようするに銀行のことですが、銀行にも都市銀行や地方銀行、信託銀行などの種類がありますし、信用金庫や信用組合、農協や労働金庫など、銀行以外でも預貯金を取り扱っている組織は数多くあります。

ちなみに、現在日本には、都市銀行4行と信託銀行16行、ネット銀行等14行、外国銀行の支店55行、地方銀行64行、第二地方銀行41行のほか、264の信用金庫と151の信用組合があります。これだけで600を超える金融機関数です。

また、証券会社は日本証券業協会の会員数で264社、生命保険会社41社、損害保険会社52社、少額短期保険事業者は92社が業務を行っています。
このほかにも、いわゆるノンバンクと言われる貸金業者数は、登録ベースで1,845社あり、合計すると2,900を超える金融機関があるわけです。

■銀行の未来とフィデューシャリー・デューティー


さて、これら金融機関の中で、銀行の注目度が上がっています。
注目されるきっかけは、金融庁の森長官が現在の金融機関の営業姿勢を批判したことで、週刊誌などで「金融庁VS銀行」という特集が組まれたことなどがあげられるでしょう。
そもそもこうした流れは、金融庁が2015年9月に公表した「平成27事務年度金融行政方針」の中で、「フィデューシャリー・デューティー」をキーワードにしたことから始まっており、「真の顧客本位の業務運営」が問われるようになっているわけです。

さらに先日、国際通貨基金(IMF)が公表したブログの中で、「日本の地方銀行の一部は、20年間で預貸率が40%低下する可能性がある」という警鐘を鳴らしたことも注目されているようです。

銀行は、私たちから集めた預金を、個人や法人に対する融資に回すわけですが、この比率が預貸率です。
例えば、1,000万円の預金を集めた銀行が、そのうち700万円を貸し出しに回していれば、預貸率は70%ですし、300万円しか貸し出しに回していなければ預貸率は30%となります。
地方銀行の平均預貸率は2017年3月期で73%だそうですが、これが40%下落するということは33%になるという話。

貸し出しに回らないお金を運用しようにも、世の中は超低金利を通り越してマイナス金利時代なわけですから、なかなか思うようにいきません。

■受動的なお付き合いと、能動的なお付き合い


こうした状況を受けて、銀行は生き残りをかけた様々な営業努力をされています。
その一環で伸びているのが、保険や投資信託といった金融商品の販売であり、個人向けの無担保ローン(カードローン)です。

これを消費者(利用者)目線で見ると、万一の際に備えて保険に加入する時や、将来のための資産形成を行う時に、身近な銀行が窓口になってくれるという便利さがある反面、その気がない(あるいは必要がない)にもかかわらず、進められるがままに契約をして、結果として不利益を被ってしまう危険性があるといえます。

無担保のカードローンについても、消費者金融等では年収制限によって新たな借り入れができなくなった人が、銀行のカードローンだと利用できることもあるため、困った時の助けになるメリットがある反面、過剰な借り入れで益々状況が悪化する危険性があります。

能動的に活用すれば利便性が高まることでも、
受動的なお付き合いになると生活を不安定にしてしまう可能性がある。

つまり、金融機関が掲げているフィデューシャリー・デューティーの実現には、私たち消費者の態度も問われているのだという点を、意識しておきたいものです。
  
Posted by kurisuke701 at 23:59Comments(0)日常のつぶやき

2017年08月29日

9月のFP本試験に向けて

早いもので、8月も残すところあとわずかとなりました。

夏らしい日の少なかった今年は、東京都心で21日連続の降雨記録となったほか、仙台ではこれまでの最長記録(35日連続)を更新し、36日間の連続降雨だったそうです。

とはいえ、子どもの成長とともに、海(滋賀県民にとっては琵琶湖を含みます)やプールに行く機会が無くなったこともあり、「夏らしくなかった」と言われても実感はありません。

ただ、「あっという間に8月が終わった」と思うばかりです。


■FP本試験まで約10日


さて、8月が終わるとFP本試験です。
9月10日の試験日まで、残すところあと10日あまり。

ここまでくると、とにかく「過去問を繰り返す」ことが大切です。
仮に1回の過去問を解くのに、学科1時間、実技1時間をかけたとしても、1日2時間の学習時間を取れば、10日間で10回分を消化できます。
試験実施期間のサイトでは、PDF形式で本試験問題が公開されていますから、スマホなどに取り込めば、移動時間を有効に使って解くことも可能です。


■1日2時間の確保


1日2時間の確保はなかなか難しいと感じるかもしれません。ただ、多くの「時間活用術」でも指摘される通り、自分の時間の使い方を振り返ると、よくわからないけど使ってしまっている時間(=無駄遣いしている時間)は、結構あったりするものです。

お金と同様、時間を生み出すのにも「天引き」が有効。
まずは、1日1時間でも2時間でも、勉強のための時間を天引きしてみてください。

さらに、直前期に効率よくインプットの学習を進めたい方には、恒例の「2級FP直前総まとめ講座」を提供しています。

家計の見直しセミナー2ch「栗本FPスクール」


FP試験の6課目について、それぞれ40〜55分ずつ、合計4時間44分。
出題頻度の低い分野や、出題は多くても得点源になりにくい分野は思い切ってカットし、
合格に必要な点数を最短距離で取っていただける内容となっています。


■6課目で82ページ


この講座の一番の特徴は、教材のページ数が圧倒的に少ないことです。
業界一「要領がよい」FP資格取得講座、と言ってもいいでしょう。

2級FP技能士は6課目から成りますが、一般的な講座の教材は、1課目あたり120〜150ページ程度の分量なので、6課目合計で700〜900ページ。
それに対し「直前総まとめ講座」は、6課目合計でわずか82ページでまとまっています。
それでいて、前回(5月)の本試験問題(学科)に当てはめると、出題カバー率は60%を超えておりますので、こちらの講座をしっかり勉強していただければ、合格水準の60%正解は果たせるのです。

時間を有効に使い、短期間での合格を勝ち取ってください!

家計の見直しセミナー2ch「栗本FPスクール」
   
Posted by kurisuke701 at 17:33Comments(0)FP学習法