2016年09月27日

あまり書かれないDC制度の不思議

個人型確定拠出年金に関する情報が増えてきたように感じます。

きっかけは、2016年5月24日に「改正確定拠出年金法」が成立したこと。これにより加入対象者が大幅に増えたことで注目度が高まりました。

ただ、関心はあるけど、イマイチよくわからないという人も多いのではないでしょうか。

◆確定拠出年金(DC)とは?


そもそも確定拠出年金とは、リタイア後の生活に備えた資金を貯める仕組みです。

毎月の積立額(=掛金)を決め、積み立てたお金を自分の判断で運用し、その結果貯まったお金を将来年金や一時金で受け取るというもの。
この仕組みを会社が導入し、その会社に勤めている人が加入するものを「企業型」といい、個人が自分の意思で手続きをして加入するものを「個人型」といいます。

よく「DC」という略称が使われますが、これは「Defined Contribution」の頭文字を取ったものです。日本では2001年10月の確定拠出年金法施行から制度が始まりました。
当初は、お手本となったアメリカの制度が「内国歳入法401条k項」に規定されていたこともあり、「日本版401k」と呼ばれることも多かったのですが、今では「DC制度」という呼び名が一般的になっています。

さて、このDC制度、2016年6月現在の加入者は、企業型が約579万人、個人型が約27万人となっており、65歳以下人口(約9,369万人)の6.47%程度となっています。
しかも、数字を見れば一目瞭然で、加入者のほとんどは「企業型」の加入者です。これは自分の意思で加入しているというより、勤め先の企業や団体が制度を導入したからいつの間にか加入していたという感覚でしょう。

ともあれ、制度に加入すると「自分の将来のための資金を自分で運用する」ことになるわけです。運用に利用されるのは投資信託がほとんどですから、投資信託に関する基礎知識が不可欠といえます。
では、自分で投資信託に直接投資することと、DC制度を利用して投資信託に投資することにはどういった差があるのでしょう?

◆よく言われる税制メリット


ここで一番よく伝えられるのは、「DC制度には税制メリットがある」という点。

具体的には、
”蘆瓦靴審櫃蔚發全額「所得控除」の対象となるため、毎年支払う所得税や住民税が少し安くなる
運用期間中に得た利益が非課税となる
将来受け取る時にも税金が優遇される
という3つです。

まず、,離瓮螢奪箸髻⊆分で投資信託に直接投資することと比べてみましょう。

例えば、毎月1万円の掛け金を支払うとします。ようするに、将来に備えて毎月1万円の積み立てを始める、ということです。
そしてこの人に年間200万円の所得があり、所得税5%、住民税10%の合計20%の税金を払っているとします。(実際には所得のうち195万円を超える部分の税率は10%ですが、細かい話はバッサリ省きます)

この場合、直接投資信託を買えば、税金の計算には何も変化がありません。
所得税と住民税を合わせて15%ですから、200万円×15%=30万円の税金を支払います。

一方、DC制度の掛金として毎月1万円を負担した場合、年間12万円の掛金総額が「所得控除」の対象になります。
所得控除の対象になる、というのは、「税金計算の元となる金額から差し引く」ということですから、結果として負担する税金が少なくなります。

このケースでは、200万円の所得が188万円になりますから、税金の負担は28.2万円(188万円×15%)となり、18,000円も税金が少なくなりました。
これが、所得控除によるメリット。仮に30年間同じ状況が続けば、54万円も違ってきますから、なかなかのものです。

◆自分が貯めたお金を受け取る時に課税される?


ちょっと長くなりそうなので、△枠瑤个靴騰の話をしましょう。

ここでも基本的には、「受け取るお金に掛かる税金を計算する際に優遇される」という点がメリットです。
運用した結果の資金を将来受け取る際、一括で受け取ると退職金として扱われるため「退職所得控除」の恩恵を受けることができます。また、分割で受け取ると年金として扱われるため、「公的年金等控除」の恩恵を受けることができるのです。

退職所得控除って何?とか、公的年金等控除って何?という話は今回はスルーします。
税金計算の際に優遇される仕組みだと思っていただければそれで十分です。


さて、ここでちょっと妙なことに気付きます。

会社側が掛け金を負担することがほとんどの「企業型DC」はいいとして、個人型DCの場合、掛け金を負担するのは自分自身ですよね。
「DC制度では、運用してきた資産を受け取る際の税金が優遇される」と言われると、なんとなくお得な気がしますが、そもそも自分が貯めたお金に対してなぜ税金を掛けられないといけないのでしょう?

毎月1万円ずつ銀行で積立貯金をし、30年後に貯まった360万円を一括で引き出す際に、「一括で受け取る場合は退職金となるので、退職所得として課税対象となります」という時点でなんだか腑に落ちません。これは、年金として分割で受け取る際に「雑所得として所得税、住民税の課税対象になります」というケースも同じです。

退職所得控除や公的年金等控除が使えることで、結果として税金はかからないケースがほとんどでしょう。でも、「税制優遇がある」という言葉だけにはぐらかされているような気がしないでもないわけです。

今回の記事を書いてて気付きましたが、そもそもの制度の見本となった「アメリカの内国歳入法401条k項」では、「税制優遇」ではなく「所得税繰り延べ」ってなってるんですよね。繰り延べというのは、「今は取らないけど、将来取るよ」という話。ようするに課税時期の先送りです。

まあ、結果が同じであれば、細かいことを気にする必要はないといえばそれまでですが、ちょっと不思議に感じた話をご紹介しました。  
Posted by kurisuke701 at 10:04Comments(0)TrackBack(0)社会保険

2016年09月20日

ワーク・ライフ・バランスとライフプラン

10月16日(日)に東京都内でイベントを行ないます。

内容は、私が主任研究員を務める生活経済研究所長野の「家計の見直しセミナー」の公開収録と、栗本FPスクールのガイダンス。

7月に大阪で開催して好評いただいたもので、この度都内での開催が実現した次第です。
会場は、千駄ヶ谷にある「家計の見直し相談センター(代表:藤川 太 氏)」のセミナールームをお借りすることになりました。

イベントの詳細はこちらをご覧ください


参加には事前申し込みが必要となります。
お申し込みフォームはこちら


活躍中のFPさんも多数参加くださる予定ですので、ネットワークを広めたい方にもおススメです。


◆コケコッコー共和国


さて、先週の連休初日、家族で伊勢に行ってきました。

夫婦岩


滋賀県大津市からは、新名神高速と伊勢自動車道を経由し、2時間弱の道のりです。

朝9時に自宅を出発してから、伊勢神宮(内宮)→おかげ横丁→夫婦岩→二見シーパラダイス→コケコッコー共和国と巡り、18時過ぎには帰宅。一見すると弾丸ツアーのようなスケジュールですが、実際にはそれぞれの場所で結構ゆっくりと楽しみました。

この中で、あまり馴染みがないのは「コケコッコー共和国」ではないでしょうか。

ここでは、45,000羽の鶏が「平飼い(=鶏舎内で放し飼いすること)」されています。放し飼いされている鶏は運動量が多くなるので、鶏自体がコレステロールを溜めていない為、一般卵よりコレステロール値が低いそうですが、とにかく卵が絶品です。


卵といえば、私の古くからの知人が関わっているこちらの卵も要注目です。


長女が社会人になってからは家族そろって動く機会が減っていたこともあり、久しぶりに休日らしい休日となりました。


◆いい人生とたくさんの稼ぎ


充実した仕事のためには、充実した生活が欠かせないという意味で、ワーク・ライフ・バランスという言葉がよく使用されます。

今では、内閣府のサイトにも「仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)憲章」が掲げられているなど、国をあげての取り組みとなっている事実もあります。

ただ、こうしたバランスは人による差が大きいものです。

「ワーク」と「ライフ」の割合は5:5が理想というものではなく、2:8でバランスの取れる方もいれば、8:2でバランスの取れる方もいらっしゃるでしょう。

以前読んだある本に
<いい人生を送るためには、たくさん稼がなくてはならない。
たくさん稼ぐためには、いい人生をあきらめなければならない。>
という言葉が紹介されていました。

読んだ時の印象は人により様々だと思いますし、実際にはたくさん稼いでいい人生を送られてる方もいるでしょうが、色々と考えさせられる言葉です。
そもそも何をもって「いい人生」というのかは、人によって大きく違うはずですから、万人に共通する落としどころというのはないものでしょう。

ただ、自分や家族にとってのこうしたバランスは、しっかり意識しておく方がよさそうです。


◆ライフプランにワーク・ライフ・バランスの視点を入れる



個人のライフプランを立てる際も、ワーク・ライフ・バランスの視点を意識することが大切だと感じる場面が多くなってきました。
収入や支出、貯蓄残高といった数字上には表れない「夫婦の価値観」をお互いに認識できると、計画の実現性が高まるように感じます。

具体的には「自分にとって大切にしているもの」を書き込む作業を加えてみるのです。

ご家族のライフプランを作る場合は、夫婦お互いの想いを「見える化」できますし、
ご自身ひとりのライフプランを作る場合でも、自分の心の中を振り返ることができます。

今後の収入や支出の予測だけを基準にしたライフプランより、
「何を優先すべきか?」が明確になり、行動に対する迷いが少なくなるのではないでしょうか。

これまで、ライフプランを作成しながらも計画倒れになることが多いと感じている方は、一度こうした視点で自身のライフプランを見つめ直すのもいいかもしれません。

あなたのワークライフバランスは、何対何ですか?  
Posted by kurisuke701 at 23:59Comments(0)TrackBack(0)家計・ライフプラン

2016年09月13日

相続を「争族」にしないために大切なこと

「争族」という言葉が使われ始めたのはいつごろからでしょうか。

昨年10月に放映された向井理さん主演のテレビドラマに、「遺産争族」というタイトルが付けられたぐらいですから、関心の高い言葉になりつつあるのでしょう。

◆全体の1.2%


「争族」というのは、文字通り「家族が争う」こと。

身内が亡くなった時に、その財産を引き継ぐ相続人同士が揉めること全般を指します。
こうしたトラブルは資産家だからこそ起こり得ることであり、多くの人には関係ない話と思われるかもしれません。でも実際には、財産の多寡に関係なく争いは発生します。

相続の際に、遺された財産を分けることを遺産分割といいます。

基本的な割合は民法の中で定められていますが、みんなの話し合いがスムーズに済めばどのように分けても問題ありません。また、亡くなった人が遺言書を書いていた場合、その遺言書の内容が優先されます。

こうした話し合いや遺言書の時点でみんなが納得すれば何も問題ないのですが、納得のいかない相続人がいる場合など、話し合いがまとまらなければ大変です。最悪のケースでは裁判にまで発展してしまい、何年にも渡って争いが続くこともあり得ます。

ちなみに、こうした相続を巡る裁判を管轄するのは家庭裁判所です。

裁判所司法統計によると、遺産分割を巡る争いとして裁判所に持ち込まれた新受件数は、2014年で15,261件。この年に亡くなった人が127万人ですから、単純計算すると裁判にまで持ち込まれるのは全体の1.2%となります。


◆相続争いに財産額は関係なし


この数字だけを見ると、100人に1人程度なので、「やっぱり金持ちだけの話ね」と思いがちですが、そうではありません。
新受件数では遺産額による分類がわかりませんが、調停成立件数に占める財産額5,000万円以下の事件の割合を見ると全体の約75%であり、そのうちの約32%は1,000万円以下のケースなのです。

まあ、揉めようが揉めまいが、そもそも遺産額5,000万円以下という人が圧倒的に多いはずですから、「財産が少ないほど揉める」ということではありません。ただ「うちには争うほどの財産なんてないよ」というのはちょっと違いますというお話し。

日本が高齢化社会であることは周知の事実であり、必然的に今後亡くなる人の数が増えていきます。その結果、争いの数も増えることが想定されます。

相続が発生した際には、ただでさえ多くの手続きを余儀なくされる負担が発生します。
その上に親族間で揉め、裁判にまで発展するとなると、時間的にも精神的にも、そして金銭的にも大きな負担となり、その後の親族関係にも影響してしまいます。つまり、いつまでもスッキリしない状態が続き、ご自身の人生すら心から楽しめなくなる可能性があるわけです。

◆結局はコミュニケーション次第


揉めることを積極的に望まれる方は少ないはずなのに、こうした事態になってしまうのは、お互いにとって不幸なことです。

だからこそ、相続発生前にやっておきたい対策があります。

相続にかかる事前対策といえば、遺産分割対策や節税対策、納税資金対策などがあげられることが多く、やはり「うちは財産が少ないから関係ない」となってしまいがちですが、何よりも大切なのは「親族間のコミュニケーションを円滑にしておくこと」です。

小さいころは同じ屋根の下で家族として生活してきた兄弟姉妹も、大人になるにつれて生活の根拠が別々になっていくことが一般的。結婚して新しい家族を築く場合など、一番に考えるべき「家族」が変化することもあるでしょう。

それと同時に顔を合わせる機会が減り、コミュニケーションが希薄化することは珍しくありません。

「繰り返し接すると好意度や印象が高まる」というのは、ザイアンスの法則として知られるもので、かいつまんでいうと、「人は、相手のことを知れば知るほど好きになる」というお話。

これは逆から考えれば、「相手のことがわからなくなればなるほど好きではなくなる」(⇒「嫌いになる」とまでは言いにくいですから…)とも考えられます。

将来の相続だけを考えてコミュニケーションを取るというのはおかしな話ですが、親族間のコミュニケーションが円滑であるほど、争族になる可能性が低くなるのは当然なのではないでしょうか。

とはいえ、どうすればコミュニケーションが取れるかがよくわからない人もいらっしゃるかもしれません。
そういう場合、とにかく会う頻度を少しでも上げるように心がけてみてください。

数年間会っていないのであれば、円滑なコミュニケーションなどといったことは考えず、とにかく1年以内に会うことだけを目標にするとか。

買ってきたお土産を渡すだけでもいいでしょう。
相手の役に立つ可能性のある不用品があるのであれば、「いらないか?」と聞くだけでもいいでしょう。

そんな感じでも十分です。


ちなみに、私が主任研究員として講師を務める生活経済研究所長野の家計の見直しセミナーでは、「相続を争族にしないための5つのポイント」という演題があります。
ちょうど先日の公開収録でこちらの演題をお話し、9月20日(火)から10月4日(火)がWEB配信期間となります。この機会にじっくり学んでおきたい方は是非一度ご覧くださいませ。
  
Posted by kurisuke701 at 23:59Comments(0)TrackBack(0)相続・贈与

2016年09月06日

年金にかかる大切なお知らせは、本人に伝わるか?

今月20歳の誕生日を迎える二女宛てに、日本年金機構からの大切なお知らせとして「国民年金加入のご案内」が届きました。

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◆国民年金の掛金総額と受取年金総額


日本では、20歳になると国民年金への加入義務が生じます。
60歳までの40年間掛金(保険料)を支払うことで、老後の生活を支える収入源となる老齢基礎年金を65歳から受け取れます。
保険料は毎年少しずつ変化しますが、今年度(平成28年度)は月額16,260円。
前納すると割引されることは知られていますが、口座振替の利用にも割引があり、毎月の保険料が16,210円となることはあまり知られていないかもしれません。

今後の掛金の変化を無視して、現在の16,260円を40年間(=480ヵ月)支払うと、掛金の総額は7,804,800円。

それに対して、65歳から受け取る年金額は、年間約78万円です。(この金額も毎年変わります)

単純計算では、75歳までの10年間で受取総額が約780万円となり、支払った掛金の元が取れます。男性も女性も、平均寿命ぐらいまで生きることを前提にすると、「掛けると損」にはならないわけです。

将来の年金受取開始年齢が67歳〜70歳ぐらいに引き上げられるんじゃないかとか、受け取れる年金額がどんどん減るんじゃないかといった不安が拭えないのは事実です。ただ、こうした単純計算すら自分でやらずに、世間のイメージで「掛け金を払っても意味が無い」的な感覚をお持ちの方も多いように感じるのです。

付け加えると、国民年金のような公的年金制度は、将来受け取る老後の年金(老齢年金)だけではありません。
一定の障害状態になった場合に受け取れる「障害年金」や、自分が亡くなった際に遺された家族の生活を支える「遺族年金」という形で受け取ることもあるため、イザという時の保障の役割もあることは、ちゃんと理解しておきたいものです。

◆お知らせは正しく理解されるのか?


さて、このお知らせは二女宛てにきたものですから、当然二女に渡します。
どうやら、友人の間でも話題になっていたらしく、「友達も届いたって言ってたけど、これ何なん?」というごもっともな質問が。
友人の1人が親御さんに聞いたところ、「私もよくわからないから、自分で読んでちゃんと手続きしておきなさい」と突き返されたそうです(苦笑)。

残念ながら、日本の多くの学校では年金の仕組みを詳しく学ぶ機会がありません。そのため、届いた書類をそのまま渡されても「どうしたらいいの?」となってしまうケースが一般的でしょう。
さらに、「年金の仕組みを詳しく学ぶ機会がない」というのは、社会人になってからも同じです。自分の親や身近な大人に尋ねてみたとしても、正確な答えが返ってくることは少ないかもしれません。

「わからないから私に聞かないで」という反応は、ごくごく自然なものだと心得ましょう。

◆保険料は猶予(=支払いを先延ばし)する制度がある


もちろん「よくわからないから放っておこう」はいけません。

まず、お知らせに同封されている「国民年金被保険者資格取得届出書」は、誕生日の前日から14日以内に提出しなければいけません。
そして、学生である場合は「学生納付特例制度」がありますし、学生でない場合も「若年者納付猶予制度」がありますから、保険料の支払いが厳しいのであれば、こうした制度を利用する申請書を同時に提出することができます。

つまり、お知らせが届いた時点では、

  1. 「国民年金被保険者資格取得届書」を提出し、国民年金保険料を払う

  2. 「国民年金被保険者資格取得届書」と同時に、「学生納付特例」や「若年者納付猶予制度」の申請書を提出し、当面の保険料を払わない状態にする


のいずれかの行動が必要になるわけです。

ただ、この場合「学生納付特例制度」や「若年者納付猶予制度」が何なのかがわからないと、申請をするべきかどうかの判断ができないですよね。なので、この2つの制度の仕組みを知る必要があります。

同封の書類の中にも、こうした制度の説明は書かれているのですが、初めて読んだ20歳の学生に理解できる文章だとは思えない点が残念ではあります。

「学生の方が、申請により保険料の納付が猶予される制度です」

まあ、事実としては間違いないのですが、「保険料の納付が猶予されるってどういうこと?」とか、「猶予されたらその後はどうなるの?」といった、肝心な部分が伝わっていないのではないでしょうか。

限られたスペースで制度を正確に伝えることの難しさはよく理解しているので、しかたない面もあるでしょう。
ただ、「何らかの決断が必要な時に、決断するために必要な情報が正しく伝わっていない」という点は、何とか改善していきたいものです。

なお、会社や団体に勤めたり公務員となり、お給料をもらうようになると、厚生年金に加入します。
こちらの手続は、勤め先を通じてやってもらえるので、今回はまったく触れませんでしたが、やはり仕組みはしっておくべきでしょう。

ちなみに、国民年金と厚生年金の仕組みは、FP3級で学ぶので、保険料の猶予制度や、猶予制度を利用した場合の将来の年金受取への影響なども理解できます。

このように「知っておかないといけない基本的なお金周りの知識」を身に付けることこそ、私が「国民総FP化」をしつこく言い続けている理由でもあるわけです。
  
Posted by kurisuke701 at 23:59Comments(0)TrackBack(0)社会保険

2016年08月30日

自分の中にある「バカの壁」

「バカの壁」と聞いて、ピンとこられるでしょうか?

一時期大きな話題となった養老孟司氏によるベストセラー本なので、タイトルが記憶にある方は多いと思います。
2003年に出版され、累計販売部数は439.5万部とのこと。歴代の書籍販売部数ランキングでは5位にあたるそうです。(ちなみに、1位は黒柳徹子氏の「窓際のトットちゃん」です)

■バカの壁とはどんな壁?


本の中では、

<結局われわれは、自分の脳に入ることしか理解できない。つまり学問が最終的に突き当たる壁は、自分の脳だ。>

<つまり、自分が知りたくないことについては自主的に情報を遮断してしまっている。ここに壁が存在しています。>


こうしたものが「バカの壁」だと説明されています。

つまり「すべてを理解することはできない」ということと、「すべてを知りたいとは思っていない」ということが、人間にとってのひとつの壁なのだということでしょう。

■相談しても実行しない人たち


これは、FPとして個別相談を受ける際に「わかっているけど実行しない」ケースが発生することの説明にもなりそうです。

例えば、「住宅ローンの借り換えを実行すれば、将来の総返済額が確実に少なくなるのに実行しない」とか、「生命保険を見直した方がいいのはわかっているのに、そのままの状態が続いている」といったケースは、相談に来られた時点で「何らかの行動をとるべき」という気持ちはあったはずです。

「すべてを理解できなかった」ことが行動を妨げる原因であれば、それは相談を受けたFP側に責任があると考えられます。理解できるまで説明すれば解決する可能性は高いでしょう。

一方、そもそも「すべてを知りたいとは思っていない=行動したいとは思っていない」ことが行動を妨げる原因であれば、FPとしての「知識や知恵のアドバイス」だけでこの「壁」を超えるのは難しそうです。

■心理的な壁への対応


このような状態となる要因を突き詰めていくと、その人の心理的な抵抗に行き当たるようです。
「物事を理解する」のと「行動する」のは、使用している神経回路が違うらしいので、こうした「傾向」を理解できれば、知識を駆使したアドバイスだけでなく、相手の心理に焦点を合わせたアドバイスができるのかもしれません。
わかっているけど実行できないことを抱えている人って、思いのほか多いですから。

最近読み返した本の中に、

<余暇をいかに過ごすかが、仕事や人生を決定づける。>

<自分のいちばんの楽しみを、人生の最後の15年だか20年だかのためにとっておくことはなどないではないか!>


という文章がありました。

この文には私が線を引いていたので、読んだ当時(5年ほど前)に大事なところだと思ったのでしょう。
余暇を取ることは大事だし、そのために何十年も待たなくて良い、と頭では考えたのでしょう。

でも現実には、この本を読んだ後の数年間に余暇を楽しんだ時間は極めて少なく、「仕事がひと段落したら」とか「引退したら」といった条件をつけ、余暇の時間を先延ばししています。

つまり、頭で考えていることを行動にしていないわけです。
両者の間には、自分の意識では気づいていない何らかの壁があるのでしょう。

自分の中で自分の行動を妨げている「バカの壁」を認識する大切さを、改めて考えた夏の終わりでした。
(写真は単なるイメージです)

guam(大)
  
Posted by kurisuke701 at 23:59Comments(2)TrackBack(0)日常のつぶやき

2016年08月23日

為替の動きを意識しましょう

お盆休みも終わり、リオオリンピックが終わり、夏の甲子園が終わり、一歩ずつ夏の終わりが近づく時期となりました。

さて、外国為替市場で再び円高が進みだしました。1ドル=99円台を付ける場面が出てきており、警戒感が強まっています。
例えば、ニュースにおいて「日経平均反落、円高警戒で○○関連が安い」とか、株式相場見通しにおいて「円高警戒感強まり軟調推移」といった表現を見かけることが増えます。なぜ円高が進むと「警戒感」が強まるのでしょうか?


■為替の変動による影響(良い面)


まず円高が進んでいるのは、円が買われているからです。
円が買われているのは、円に人気が出ているからです。
日常的に「円」という通貨を利用している私たち日本人にとっては、円が人気になるのはいいことで、最近でも輸入品の高級ブランドが値下げとなったほか、円高が進むと海外旅行なども安くなります。

ここは単純に考えましょう。
「1ドル=110円」の時は、1ドルの外国製商品は110円で買えます。
円高が進み「1ドル=100円」になると、1ドルの外国製商品は100円で買えるようになるので、値下げされたことと一緒ですよね。

そうであれば、円高の進行は歓迎できそうですが、これを逆の立場から考えると見え方が違ってきます。


■為替の変動による影響(悪い面)


海外の人が日本製品を買う際、「1ドル=110円」の時は、110円の日本製品は1ドルで買えていたのに、「1ドル=100円」になると、110円の日本製品を買うのに1ドルでは不足します。つまり、円高が進むことは、日本製品の値上げを意味します。
もちろん、日本に旅行に行こうと思っていても、旅行代金が割高になれば止める人が出てきても不思議ではありません。

日本製品が買われにくくなったり、日本への旅行者が少なくなるのは、日本にとって喜ばしいことではなく、警戒すべき流れになるわけです。

実際には、こうした個人レベルの話だけでなく、企業や国レベルのお金のやり取りにも同じようなことが起こりますから、「円高の進行=警戒感が強まる」という話なのです。
実際に、円高の進行は「株安」に繋がることが多く、こうした経済への悪い影響が警戒されます。

最近では、イギリスのEU離脱が決まった6月24日に1ドル=99円台を付けましたが、この時の終値は102円で、まさに一瞬の出来事でした。
その後、じりじりと円安方向に動き、7月の下旬ごろは1ドル=106円ぐらいの水準になっていました。それがここにきての99円台ですから、警戒感が強まるのも当然だということです。


■直近の動きを確認する


ちなみに、6月24日からの他の通貨の動きを見てみると、ユーロは、1ユーロ=109円台から118円台あたりを動き、現在の水準は113円ほど。ポンドは激しくて、6月24日に1ポンド=160円の水準から一気に133円台まで円高が進んだのち、143円の水準まで円安に動いてから、現在は132円台となっています。

外貨建ての資産運用をしている方以外には馴染みの薄い外国為替相場ですが、動きの背景を知ることは、世界的な世の中の動きを知ることに繋がります。

日本で生活する限り、海外の動きなど関係ないという気になりそうなものの、世界のつながりが強まっているグローバル経済の下では、世界の動きが日常生活にまで影響を及ぼすことがあります。
10日ごとに配信しているメールマガジンで、株価の動きや為替の動きをお伝えしているのは、こういう意図があるわけです。
  
Posted by kurisuke701 at 23:59Comments(0)TrackBack(0)資産運用

2016年08月09日

見た目の裏に隠された本音

昨日から長野県松本市に来ています。

早く目が覚めたので、ホテルの近くにある松本城までお散歩。
松本城は、私の地元滋賀県彦根市にある彦根城を含む国宝5城の1つで、現存する五重六階の天守としては日本最古だそうです。

松本城


ゆっくりと眺めるのは4月に続いて2回目ですが、お城が辿ってきた歴史に想いを馳せると、もっと頑張らねばと感じるから不思議なものです。

ちなみに、お城って「お殿様の住居」的なイメージが強いですが、実際には「軍事目的に作られた防御施設」のことを指します。諸説あるようですが、お城の象徴でもある「天守」は、いわゆる「物見の台」が起源だそうで、大きく豪華な天守は織田信長が建てた滋賀県の安土城だそうです。

ここでふと思ったのは、どんなものにも「外から見ただけではわからない本当の役割」があるということ。現在の生活に置き換えると「表面的な見た目や、耳障りの良い甘い言葉に騙されないようにしましょう」という話に繋がるのかもしれません。

先日も、講演後に参加者のお一人からご質問を受けました。

かいつまんで言うと、提案を受けている保険についてどう思いますか?というお話。
見直しのきっかけがなんだったのかを伺うと、「これまでより保障範囲の広がった商品が出たので、今の保険を見直して新しく加入した方がいい」というご案内を頂いたとのこと。

もちろん、その場のちょっとした会話だけで、すべての良し悪しを判断することはできませんが、「顧客にとって見直して新しく加入した方がいい」と伝えられた言葉は、「営業担当者にとって見直して新しく加入して欲しい」という本音に繋がっていることが少なくないでしょう。
本当に必要な保障であれば見直すべきですが、保険のような目に見えない金融商品の場合、「自分にとって必要な本当の役割」をしっかり見極めておかないと、新しい情報が出る度に振り回されてしまいかねません。

見た目の裏に隠された本音。
どんなときにも意識しておきたいものです。
  
Posted by kurisuke701 at 23:59Comments(0)TrackBack(0)日常のつぶやき

2016年08月02日

月額980円はお得なのか?

8月に入り、昼間の暑さがかなり堪える毎日が続いています。
今週末にはオリンピックの開幕と甲子園での高校野球開幕を控え、まさに夏のピークという感じですね。

それはさておき、アマゾンが月額980円の定額制サービス「Kindle Unlimited」を日本でスタートしました。
新刊やベストセラー本は含まれないものが多いようですが、12万冊以上の国内の書籍やコミック、240誌以上の雑誌のほか、120万冊以上の洋書が読み放題になるというのは、かなりインパクトのあるサービスです。
読み放題とはいっても、1度に利用できる上限は10冊までなので、11冊目をダウンロードするためには、既に持っている10冊のうち1冊を解除しなくてはいけません。

とはいえ、1ヵ月に10冊以上の本を読む方は、かなり限定されるのではないでしょうか?

総務省が公表している2015年平均の家計消費支出では、1ヵ月の書籍代は3,662円で、消費支出全体の約1.3%となっています(二人以上世帯平均)。
1冊500円〜600円の文庫本か、1,500円以上のハードカバー本かによっても随分違ってきますが、1冊の平均価格を1,000円として月に3〜4冊。

ただ、こうした平均の数値にありがちなように、みんなが万遍なく3,662円分の本を読んでいるわけではなく、実際には「ほとんど本を読まない人」と「月に5冊以上読む人」などに二分化されているはず。
少なくとも月に5冊以上本を読む人であれば、月額980円というのはかなり魅力的だと思います。

デメリットとしては、読みたい本が全て読み放題プランに含まれているわけはないので、総てを代替できるわけではない点でしょう。また、ブックオフなどに行けば中古の新書本が100円(+税)で販売されてますから、そこで探せる範囲の書籍であれば、紙の本でも1ヵ月1,000円で10冊手に入れることは不可能ではありません。

一方、アマゾンを筆頭とする電子書籍では、移動時間中などに気軽に本の検索ができる点が大きなメリットとなります。自分が気になっている分野のキーワードで検索をすれば、思いがけない掘り出し物の本が見つかるかもしれません。
さらに、レビューが付いていれば、実際に読んだ人の感想がその場で確認できるというメリットもあります。

何事も、メリットとデメリットを天秤にかけることは大切です。
今回の定額サービスも、金額に対するお得度は、本との付き合い方によって違ってきそうです。
まずは、ご自身が読みたいジャンルの本が、どの程度読み放題プランの対象になっているかを見て「お得度」を判断したいものです。

そうそう、家計調査といえば、先日発表された2016年6月の速報値では、二人以上世帯の消費支出は261,452円で、物価変動の影響を除いた実質では前年同月比2.2%の減少となり、4か月連続のマイナスとなっています。2015年の平均値は287,373円なので、金額にして25,921円、率にして9%の減少です。

それに輪をかけるように、も株価と為替も冴えない動きが続いています。
日経平均株価は8月2日に244円安、8月3日は308円安となり、二日間で550円以上の下落。為替も一時100円台の水準にまで円高が進むなど、なんとなく停滞した空気を感じます。

3日に発足した第三次安倍内閣では、デフレ脱却と財政再建の両立をにらみ「アベノミクスの再加速」を実現できるかが課題となっていますが、こうした家計や経済の厳しい状況にプラスの動きが出るかどうかに注目したいです。
  
Posted by kurisuke701 at 23:59Comments(0)TrackBack(0)家計・ライフプラン

2016年07月26日

集中力を持続してもらうための工夫

毎年恒例のFPフェアが、2016年10月8日〜9日に大阪で開催されます。
今回は、「FP実践塾」の講師として両日ともセッションを担当し、会員交流会にも参加いたしますので、多くの方との交流が楽しみです。

なお、参加申込期間は8月22日までとなっていますが、私のセッションは既に満席となっているようです。お申し込み下さったみなさま、ありがとうございます!

さて、こちらの実践塾は「インタラクティブ(双方向)型の講義」となっています。講師の話を一方的に聴くだけのスタイルではない分、受講される方にとっても緊張感のある(=集中できる)時間になるはず。

私が普段行っている講演の多くは、一方的に話を聴くスタイルですから、90分や120分の講演時間の中では、どうしても集中力が切れる時間帯というのが発生してしまいます。
もちろん、お伝えしている内容を活かしていただくためには、途中で聴いていない時間が発生することは避けなければいけません。だからこそ、受講者の方に「集中力を持続していただく」ことは、講師側の重要な責務と考えています。

「集中力」というキーワードで検索すると様々な情報が出てきますが、どうやら人の集中力は90分が限界という説が一般的である様子。ちなみに、医学的見地からの考察では40分程度とも言われているようなので、いずれにしても1時間〜1時間半というのが1つの目安になりそうです。
もちろん、これは年齢によっても随分違うようです。例えば小学生から高校生までは、それほど長く集中力が続かないため、授業時間が45分〜50分区切りになっているのに対し、大学では90分1コマが一般的ですよね。これもこうした根拠があるそうです。

では、60分や90分を超える講演時間の間中、集中力を持続していただくためにはどうするべきでしょうか?

まず、何よりも話の内容が面白い(=興味深い)ことは大前提です。
同じ項目を伝えるにしても、事実を淡々と伝えるだけでは眠たくなってしまうかもしれませんが、話にストーリー性を持たせ、「次はどうなるのかな?」という期待感を醸し出すことで、伝え方が随分と変わってくるように思います。

また、集中力が切れてしまう前に休憩を取ることや、考える時間や作業時間を取って、能動的に参加できる仕組みを作ること、グループワークやディスカッションなどで話をする機会を作ることなども、集中力を持続していただく工夫といえるでしょう。

黙っていても時間は流れていきますが、その時間をいかに意味あるものにしていただくかについて、これからも真剣に考えていきたいものです。
  
Posted by kurisuke701 at 23:59Comments(2)TrackBack(0)FP実務

2016年07月19日

文章を書く力の本当の意義

栗本FPスクールの「執筆者・養成コース」の開講が1週間後となりました。

こちらのコースでは、「1か月間でFPとして必要な執筆スキルを身に付けること」を目標にしていますが、最もこだわっているのは「執筆によって収入を得ること」です。

カリキュラムをご覧いただくと、いわゆる「文章の書き方」より、「ターゲッティングとポジショニング」や「対象読者のヒアリングと事前調査」といった項目に時間を掛けていることがお分かり頂けると思います。
整った文章を書く力が身に付いたとしても、執筆依頼を受けることが無ければ意味がありません。そこで、執筆依頼を受けるために考えるべき戦略についてお伝えし、実践していただくことを目的としたプログラム構成となっているわけです。

そもそも「執筆」と言いますと、雑誌や本で原稿を書くことだけをイメージする方が少なくありません。もちろんこれらは、執筆によって収入を得るために重要な要素です。ただ、文章を書く機会というのはもっと日常的なものです。

ブログなどを書いている方はもちろん、SNSに定期的に投稿されている方も、言ってみれば「世界中の人の目に触れる文章を日常的に書いている」わけで、実際に、こうした個人的なブログ記事が編集者の目に留まり、原稿執筆依頼が寄せられるケースもあるから侮れません。
また、仕事の文書やメール文なども、読み手のことを意識して書かれている文章と、単に伝えたいことだけを書いている文章では、伝わり方に差が付くものです。

そして、このように意識する癖がつきますと、他人の文章の読み方にも変化が生じ、情報収集の精度も上がることが期待できます。

執筆者・養成コースは、週1度、全4日間のカリキュラムながら、自学課題を充実させることで、こうした技術や考え方を身に付けていただけるもの。
現在、栗本FPスクールの開校記念キャンペーンとして、通常108,000円(税込)の受講料が75,600円(税込)となっていますので、この機会をお見逃しなく。
  
Posted by kurisuke701 at 23:59Comments(0)TrackBack(0)FP実務

2016年07月12日

リタイアメントプランに関わる書籍のご案内

先週末(7月10日)、大阪において「栗本FPスクール」のガイダンスを開催致しました。
1日を通して多くの方にご参加いただきましたこと、この場を借りて御礼申し上げます。

栗本FPスクールのガイダンスでは、「稼ぐ」をキーワードとして、私栗本と弊社役員の宮下から各コースの概要についてご案内しました。
参加者の中には、既にFPとして仕事に携わっている方もいらっしゃいましたが、「単にスキルを学ぶだけでなく、収益を上げるためのビジネスモデルが学べる点」に興味をお持ちくださった方が多かったようです。
また、同時開催で実施した家計の見直しセミナーの公開収録については、「講演のレベルの高さに驚いた」という声を多数いただきました。

今後も、こうしたガイダンスの機会を作っていきますので、次回の開催にもご期待ください。

それはさておき、先月から複数回にわたり、退職後の生活設計プランニング(=リタイアメントプランニング)に関する研修講師を務める機会がありました。その中で「参考になる書籍を教えてもらいたい」というご質問を頂きましたので、その回答も兼ねまして、この分野の書籍を何冊かご紹介いたします。

そもそも、仕事を退職された後の生活設計を考える場合、世の中の経済環境や制度の変化を知ることが欠かせないのですが、この分野の問題点を知るには、少し古くなりますが「日本を破滅から救うための経済学」(ダイヤモンド社)が参考になるかと思います。

また、介護や相続に関する分野では、「親が倒れた! 親の入院・介護ですぐやること・考えること・お金のこと」(翔泳社)、「絶対に失敗しない相続の手続き」(ビジネス教育出版社)、
「身近な人が亡くなった後の手続のすべて」(自由国民社)、などが参考になるのではないでしょうか。あとは、実務書として「Q&A相続実務全書―税務と周辺手続きのすべて」(ぎょうせい)も役に立つ1冊であると思います。

その他、「あなたの老後資金、大丈夫? 定年に備えるお金の教科書」(学研プラス)や「退職金は何もしないと消えていく」(講談社+α新書)なども、老後生活を迎える前に考えておきたいことの概要を掴むには良い本でしょう。

各分野に関する書籍は上げだすとキリがありませんが、全体を俯瞰する本としては、ちょうど先日発売された「50歳から始める安心老後準備大全」という、日経おとなのOFFのムック本が参考になるかと思います。

そして最後になりましたが、将来を見据えた生活設計全般を俯瞰していただく本としては、拙著「40代からのお金の教科書(ちくま新書)」も是非ご一読ください。

  
Posted by kurisuke701 at 23:59Comments(0)TrackBack(0)FP実務

2016年07月05日

相続手続き簡素化の第一歩

相続手続きの簡素化に関する法務省からの発表が報道されています。

簡単に言うと、

「遺産手続きの際に、役所や金融機関に対して相続関係を証明できる証明書を法務局が発行する」

というものです。

相続が発生すると、亡くなった方名義の預貯金や不動産などを、相続人名義に変える手続きをしなければいけません。
その際、「亡くなった人(=被相続人)の正当な相続人であること」を証明するには戸籍が必要となります。

それも、亡くなった方との関係が示せればいいだけでなく、「我々の他に相続人はいない」ことを証明しなければいけないので、「被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍」が必要となります。

結婚や離婚、法改正や転籍などにより、1人の戸籍が何通にもおよぶことは珍しくないので、親族の数が多かったりすると手続きに必要となる戸籍が膨大な量になったりします。
そして、この戸籍を法務局や金融機関の窓口など、手続きをするそれぞれの窓口に提出する必要があるので、かなり大変な作業になるわけです。

私が相続相談を中心に活動していた時期に、多くの方の相続手続きをサポートして実感したのは、「この手続きを何もわからない人が漏れなくやるのはかなり大変」という現実です。
相続でもめていたり、財産が多くて相続税の納税が大変といったわけでもないのに、多くの方が「何でこんなにややこしいの」と苦労されていたことを思い出します。

今回の発表がそのまま実現されても、「被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍の取得」は必要です。ただ、その戸籍を法務局に持って行き「証明書」を発行してもらえば、それ以降の手続はすべてこの1通の証明書で進めることができるので、随分と労力が軽減されるのではないかと思います。

相続手続きの簡素化は、相続人や金融機関などの負担軽減を図ると同時に、相続の際の不動産名義変更を促すことで所有者不明の不動産を解消することも狙いとなっているそうです。

今後、パブリックコメントを実施した上で、来春にはスタートしたいという意向。
高齢化が進む日本では、今後も相続の発生は益々多くなりますから、手続きが少しでも簡素化され、ストレスやトラブルが減少することを期待したいものです。
  
Posted by kurisuke701 at 23:59Comments(0)TrackBack(0)相続・贈与

2016年06月28日

正確な情報と判断のための知識

7月10日に開催する、栗本FPスクールのリニューアル記念イベントは、現在キャンセル待ちのお申し込みを受け付けております。
空席が出た場合に限られますが、順次ご案内致しますので、ご希望の方は次のリンク先よりご登録くださいませ。

7月10日イベントキャンセル待ちフォーム

この日は、関西以外の地域からも多くの方がご参加くださいますので、FP同士の交流の場としてもご活用いただければと思います。


さて、先週から今週にかけての大きな話題と言えば、イギリスが国民投票によりEUからの離脱を選択したニュースです。「離脱ショック」として世界同時株安が進みました。
29日現在は落ち着きを取り戻していますが、経済の不安定な状況はしばらく続くことでしょう。日本経済も影響は避けられず、現状の試算ではGDP成長率で0.1〜1ポイントの下げ要因になるとみられているようです。

改めて国民投票までの数日間の日本経済新聞の報道を振り返ると、基本的には「残留が望ましい」と感じる表現が多いようでした。
ちなみに、21日時点では、残留を求める声が多く、支持も残留派が7ポイントリードしており、離脱懸念の後退した中、NYダウ平均は129ドル高と上昇していました。中国、ロシアも「強い欧州を望む」として残留に期待しているコメントを出しています。

その後、残留派の支持が衰え、FRB議長が「英離脱なら市場打撃」というコメントを出し、ドル高警戒観が強まりました。ちなみに、キャメロン首相は22日のBBC番組で、離脱になっても辞任しないと改めて強調していました。

そして投票日の23日。日本時間では24日の市場が開いている時間だったので、その動きが顕著に表れ、朝方の「残留派優勢」報道で150円ほど上がっていた日経平均株価が500円安まで急落。その後いったんプラスに戻すも、最後は14,952円と前日比1,286円安となり。為替も一時99円台を記録しました。

「離脱行為は自傷行為」だと主張してきた英フィナンシャルタイムズは、「長い不確定な時代の入り口」と題して、

人々の恐怖に漬け込んだ離脱派が勝利した。英国は衰え、おそらく国内の分断が続く。西側諸国がグローバル化から逆回転を始める歴史的な瞬間となるかもしれない。


といった趣旨の社説を掲載しました。

なお、EU離脱の動きが他の欧州諸国に広がることが懸念されているものの、26日に実施されたスペインの総選挙では、保守系の国民党が議席を伸ばして第1党を維持。ひとまずは安心材料となっている様子です。

実際のところ、イギリスのEU離脱がどのような結果を引き起こすのかはわかりません。
その後の報道では、「離脱を選んだ国民投票を後悔している国民が多い」との声が聞こえてきますし、辞任表明をしたキャメロン首相の後継者選びも含め、離脱の手続がどのように進むのかも不透明です。

それにしても気になるのは、「どうせ結果は残留になるだろうから、自分一人が離脱に投票しても影響はない」的な感覚で、「残留が望ましい」と思っているのに離脱に投じた人がいた点と、そもそもの判断材料に過ちがあったという点です。
「EUを離脱したらこんなによくなります」と言っていた内容が、「言っていたほどよくならないことが判明しました」となったわけですから、あまりにもお粗末ですね。

多数決は大切ですが、「正確な情報が伝わっていること」と「判断できるだけの知識を持ち合わせていること」が確認できない限り、本当に怖いものだと感じた次第です。
  
Posted by kurisuke701 at 23:59Comments(0)TrackBack(0)政治・経済

2016年06月21日

通信費の見直し

6月16日付の日本経済新聞に「格安スマホ、普及期に」という記事がありました。
2016年3月末の格安スマホの契約回線が約540万回線となり、3年前に比べて7倍の水準になったそうです。

家計を適切な状態に保つためには支出のコントロールが欠かせません。
私がFPとして独立した2001年当時は、支出の見直しの筆頭格は生命保険や住宅ローンでしたが、今注目されているのは携帯やスマホを中心とした通信費だと思います。

一般社団法人電気通信事業者協会の公表によると、大手キャリア3社の契約件数は合計156,480,700件。

契約件数ですから、1人が2つ以上されている場合もあるでしょうし、法人契約などもあると思われるので、1億5千万件を超えていることは驚きではありませんが、この数字を見る限り、ほとんどの家庭は通信費と無縁でいられないということになりそうです。

さて、2015年の家計調査によると、2人以上の勤労者世帯で、1ヵ月の通信費の平均は16,211円。これだけを見るとそれほど大きな影響はないようにも見えます。

でも、実際には大手キャリアの平均的なプランでは、月々の利用料が7,000円となってますから、例えば、家族4人がみんな携帯を持っているとその合計は28,000円。年間では336,000円になります。
実際にはこれ以上の金額を支払っているご家庭も多いのではないでしょうか?

そこで、最近注目を集めているのが格安スマホです。

主要キャリア以外の通信事業者を総称して「MVNO(=Mobile Virtual Network Operator」と呼びます。
このMVNOが提供する通信プランでは、一般的な5GBのプランで月額利用料が2,000円前後となるため、単純計算で1人あたり5,000円程度の削減が考えられます。

家族4人だと1ヵ月20,000円。
これが10年続くと、20,000円×12ヶ月×10年=2,400,000円となり、車1台分のお金が違ってくる計算となります。

だからこそ注目されている格安スマホも、実際には「よくわからない」「面倒くさい」「格安スマホって怪しそう」といったハードルから、なかなか契約変更までに踏み切れない方も多かったようです。そこに冒頭にご紹介した記事ですから、みなさんの周りでも実践されてる方が出始めているかもしれませんね。

ちなみに、7月10日の栗本FPスクールのイベント時に公開収録のある家計の見直しセミナーの午後の講演は、こうした格安スマホに関する、具体的な見直し効果や契約変更の手続きに至るまでの手順をお伝え頂く内容です。

講師を務める滝沢翔吾氏は1991年生まれの25歳。

通信費に精通していることはもちろん、スマートフォン用家計簿アプリの選び方や活用法について、日本経済新聞でも取り上げられ、BS JAPANの番組にも出演実績があります。
現在もFPの専門誌である「Financial Adviser」に連載を持つなど、堂々たる実績をお持ちです。
このような短期間で、対外的に認められる実績を重ねることができた背景についても、7月10日のガイダンスではお伝えしますので、FP育成の舞台裏をお楽しみいただければと思います。

イベントは既に定員となっておりますが、現在キャンセル待ちを受け付けていますので、
ご興味のある方は、是非こちらからご登録くださいませ。

7月10日イベントキャンセル待ちフォーム
   
Posted by kurisuke701 at 23:59Comments(0)TrackBack(0)家計・ライフプラン

2016年06月17日

番外編:沖縄より愛を込めて

講演のため、昨日から沖縄県那覇市に来ています。

事前の予報では曇りや雨のマークが目立っていたのですが、到着したその日に梅雨明け宣言となり、太陽の照りつける夏空が広がっています。

IMG_2232



前回の沖縄訪問は2008年で、両親や姉一家と一緒の大所帯での家族旅行でした。
今回は純粋にお仕事なので、講演の時間以外も基本的にホテルの部屋に籠って資料作りや今後の構想を練る時間に宛てています。

とは言いながらも、良いお天気ですから、気分転換に近くの国際通りをぶらぶら歩いてきました。
目に付いたお店に入って沖縄そばをいただいたり、オリオンビールを飲んだりと、普段とは違う1人の時間を過ごしていると、アタマの中で普段はあまり回転していない部分が動いているようです。

そもそも、日常と違う環境に身をおくことの大切さは実感しています。
私にとっては毎年1月に訪問する高野山がその時間にあたるのですが、今回のように完全に1人で過ごすというのは珍しいケース。

時間を気にせず色々なことを考えていると、普段は「思考のループ」に入っていることに気付かされます。

自分の中に培われてきた「自分にとっての当たり前」や「自分にとっての常識」というべきものは、無意識のうちに自分の行動の基準になっているわけですが、時にはこの基準が新しい行動の足かせになっていたりもするようです。

言うなれば、意識の世界で進もうとする自分を、無意識の世界の自分が止めようとするという感じでしょうか。
人は誰しも「現状維持」を心地よいと感じるものだというのは、以前心理学を学んでいる時に教えてもらった話ですが、他人のことであれば冷静に見れることでも、自分の中の無意識というのは以外とやっかいな存在です。

だからこそ、自分のアタマの中のリフレッシュ工事というか、リニューアル作業を行う時間を意識的にとることが大切なわけですが、これは日常生活の延長の中ではなかなか難しいのでしょう。

折しも、栗本FPスクールをリニューアルしたタイミングで、こうした自分のアタマの中のリフレッシュ工事を行う時間を得られたのは貴重なこと。

世の中に貢献できる活動を続けてるためにも、時にはネジを緩める時間が大切だなと感じた沖縄の夜でした。

  
Posted by kurisuke701 at 22:31Comments(0)TrackBack(0)日常のつぶやき

2016年06月14日

経済ニュースにも目を向ける

7月10日に開催する、栗本FPスクールのリニューアル記念イベントですが、おかげさまで既に満員御礼となりました。
この日は、関西以外の地域からも多くの方がご参加くださいますので、FP同士の交流の場としてもご活用いただければと思います。

なお、想定以上に早くお席が埋まりましたので、現在キャンセル待ちのお申し込みを受け付けております。
空席が出た場合に限られますが、順次ご案内致しますので、ご希望の方は次のリンク先よりご登録くださいませ。

7月10日イベントキャンセル待ちフォーム


ちなみに、この日の公開収録で、午後の講演を担当する講師の滝沢翔吾氏は1991年生まれの25歳です。

講演タイトルである通信費に精通していることはもちろん、スマートフォン用家計簿アプリの選び方や活用法について、日本経済新聞でも取り上げられ、BS JAPANの番組にも出演実績があります。

現在もFPの専門誌である「Financial Adviser」に連載を持つなど、堂々たる実績をお持ちです。
3年前にFP資格を取得した彼が、こうして短期間で対外的に認められる実績を重ねることができた背景についても、7月10日のガイダンスではお伝えいたします。

それはさておき、世界中で株価と長期金利が下落しています。
日経平均株価は、先週末(6月10日)の16,601円から、14日には15,859円まで下落。
2営業日で742円の下落というのは、かなりの暴落です。

世界的な経済の減速懸念とともに、今もっとも注目されているのはイギリスがEUから離脱するかどうかを決める国民投票です。
国民投票の質問は「英国はEUのメンバーにとどまるべきか、EUから離脱すべきか」
の二者択一形式で、現時点では国内世論が二分されているとのこと。

キャメロン首相は「改革後のEUにとどまることで英国はより安全で、より強靭で、より豊かになり、離脱すれば経済や安全保障にとって脅威になる」と言及しているほか、産業界や金融界の多くもEU残留を支持していますが、直近の世論調査では離脱派の比率が上待っているようです。

アメリカの金融政策を決めるFOMC(連邦公開市場委員会)が現在(14日〜15日)行われており、15日〜16日は日銀の金融政策決定会合も開催されます。
直接投資に関わっていなくとも、世の中の動きは私たちの生活にも影響を及ぼすものです。日本のニュースでは、都知事問題で連日にぎわっておりますが、こうした経済ニュースにも目を向けたいものです。
  
Posted by kurisuke701 at 23:59Comments(0)TrackBack(0)政治・経済

2016年06月07日

金利の見通しと複数の目

住宅金融支援機構が提供しているフラット35の最頻金利が、8か月ぶりに上昇しました。とはいっても、借入期間21年〜35年で融資率9割以下という基準のローンで前月より0.02%高い1.10%。超低金利の状況に変わりはありません。

フラット35は、窓口となる金融機関によって適用金利が違い、6月の金利情報を見ても、1.10%〜1.71%と幅があります。なお、こうした金融機関ごとの適用金利については、生活経済研究所長野のサイトからダウンロードできる都道府県ごとの金利情報のレポートがあるので、ご興味のある方は一度ご覧ください。無料でご利用いただけるものです。

住宅ローンを借りる際に「変動金利か固定金利のどちらがいいか?」に悩まれる方は少なくありません。
先日講師を務めた、FP向けの研修会の中で「今現時点でご自身が住宅ローンを組むとしたら固定か変動のどちらを選ばれますか?」と質問したところ、ほぼ半々に分かれたのですが、この話題は専門家でも意見がわかるという象徴のように感じました。
結局のところ、それぞれのメリットデメリットを考え、自分自身にとってどちらがメリットを多く感じるかで選ぶしかないのでしょう。

ちなみに、フラット35の最頻金利である1.10%で、借入金額2,000万円の30年ローンを組んだ場合、毎月返済額は65,250円ほどです。私が家を購入した2001年当時は、住宅金融公庫(今の住宅金融支援機構)の基準金利が2.75%で、同じ条件で計算すると毎月返済額は81,650円ほどになります。これでも当時は「これほどの低金利はもうないでしょう」と言われていたので、本当に将来のことはわからないものです。

いずれにしても、判断のためにはより多くの正確な情報が欠かせません。

未来を正確に予測することはできない以上、過去の情報と今後の見通しをもとに、なるべく確率の高い方法を検討していくしかないでしょう。
そして、この見通しが人によって違う以上、自分1人だけで判断するより、複数の意見を集約して判断する方が確度は高まりそうです。

FPは、お客様の将来の生活設計(ライフプラン)を立てるわけですが、この時にも1人のプランナーだけの判断より、複数の意見を集約するというプロセスを経た判断の方が、よいものになることが考えられるのではないでしょうか。(すべてがそとは言いませんけどね)

事実、海外のFP事務所でのプランニングの進め方として、顧客のプランニングは担当FPがメインで立てるとしても、ミーティングなどでそのプランを他のFPがチェックするプロセスを通すケースがあると聞きます。

前回のブログでは、講演の組み立ての際に複数の目を経ることの重要性をお伝えしましたが、相談や執筆業務においても同じことが言えるのでしょう。

新生FPスクールの講座は、こうした体制を築き上げるためのポイントなども学んでいただける内容となっています。講座の概要などは、7月10日(日)に予定している講座説明会でお伝えします。私が講師メンバーを務める生活経済研究所長野が提供する「家計の見直しセミナー」の公開収録も実施し、複数の目を通って準備された講演を体験していただけますので、この機会に是非ご参加くださいませ。
  
Posted by kurisuke701 at 23:59Comments(0)TrackBack(0)FP実務

2016年05月31日

曲作りと演奏者

本日はイベントのご案内です。

私が講師メンバーを務める生活経済研究所長野が提供する「家計の見直しセミナー」の公開収録が7月10日(日)に大阪で行われます。この時に新生FPスクールの講座説明会も実施いたします。

詳細の告知は改めてとなりますが、是非皆様の予定を空けておいて下さい。


そもそも生活経済研究所長野は、労働組合のシンクタンクとして、全国の主要な労働組合を中心に3,900回以上の講演実績を誇る業界屈指の専門家集団です。日本経済新聞、日経マネー等の主要メディアでも最新情報を執筆しているので、目にされることがあったかもしれません。

私がこちらの講師メンバーとなったのは2011年のこと。
2001年の独立当時から年間100回を超える講演をずっと続けてきた私が、この時に一番驚いたのは、講演内容の作り込みに対するこだわりでした。

講演やセミナーというのは、誰が講師を務めるかによって印象が随分違うものですし、講師が著名な方だとそれだけでも人は集まります。つまり最も重要な要素は「講師」だと考えられがちです。

ただ、タレントや政治家等のように「その人の話を聴くこと」が目的である場合は別として、知識や情報を得る目的で聴く場合、最も重要な要素は「講演の内容」ではないでしょうか。

例えば「年金の仕組み」について学ぶために講演にいったとします。

せっかくなので「一度話を聴いてみたい」と思っていた講師のセミナーを探して行ったところ、話自体は上手だし面白かったけど、内容があまり頭に残らず、レジュメを振り返っても、どういう話だったか今イチ思い出せない。
一方で、全然知らない講師だったけど、タイトルが興味を引いたので聴きに行ったところ、話自体も上手だし、内容も要所要所がしっかり頭に残り、レジュメも復習用として役に立つ。何より今まで気づいていなかった視点からの情報で目からウロコだった。

極端な例ではありますが、こういう場合、次に行きたいと思うのは後者の講演になると思います。つまり、講師も大事だけど、それ以上に内容の充実が重要ということです。

言うなれば、どれだけ上手な演奏者であっても、良い曲を奏でなければ聴く人の満足にはつながらないというところでしょうか。
「良い曲」と「上手な演奏者」が揃ってこその名演というわけです。


こうした「充実した内容」をお届けするには、当然ながら徹底した準備が欠かせません。さらに、1人で準備するより複数の目でチェックし、何度もやり直しながら作り込んでいく方が充実度は増していくものです。
私が生活経済研究所長野のメンバーとなった時に最も驚いた点が、こうした内容の作り込みだったというわけです。

その講演が、家計の見直しセミナーという形でご自宅からWEBで受講いただけます。さらに今回は、関西での
公開収録という初めてのイベントとなります。
新しいFPスクールの活動についても、存分にお伝えいたしますので、みなさまのお越しをお待ちしております。

なお、現在こちらの家計の見直しセミナーでは、年間パスポート無料体験キャンペーンを実施中です。

6月2日までのお申込みで4回分の講演、6月16日までのお申込みで2回分が無料体験できる、人数限定のキャンペーンですから、こちらも是非ご検討くださいませ。
  
Posted by kurisuke701 at 23:59Comments(0)TrackBack(0)お知らせ

2016年05月24日

資産運用の三方よし

5月24日の衆議院本会議において、確定拠出年金法の改正法案が可決、成立しました。

今回の改正はかなり大きなもので、これまで加入できなかった「公務員」や、「専業主婦を始めとする国民年金の第3号被保険者」の加入が認められるほか、中小企業の導入時の事務的な負担の軽減や、他の制度との移行範囲の拡大などが盛り込まれています。

実際の施行は来年(平成29年)1月以降となりますが、今回の改正によって、日本の確定拠出年金制度は第2段階に入るような、そんな気が致します。


それはさておき、5月23日の日本経済新聞朝刊に、『投信「毎月分配」曲がり角』という見出しの記事がありました。
一時は7割に迫っていた「毎月分配型投信」の株式投資信託に占める割合が、2016年4月に45%まで低下しているとのこと。世界的な低金利による運用難で、高い分配金の支払が難しくなっていることが背景にあるようです。

以前より、専門家の間では毎月分配型投資信託の評判はよろしくありません。
長期間の投資を考えた場合、分配金を受け取ってしまっては複利効果が得られないとか、分配金(普通分配金)が支払われる際に課税されるので不利だとか、収益が出ていないのに元本を取り崩してまで分配金を払っているとか、その理由はいろいろと言われてます。ただ一方で「効率とか理論的にはどうかわからないけど、毎月分配金がもらえるのは単純に嬉しい」というように、メリットを感じる方がいらっしゃるのも事実です。

ここでお伝えしたいのは、分配金が良いか悪いかではなく、商品の仕組みやリスクをあまり理解しないままに、勧められるがままの金融商品を購入されている方が多いという点と、勧められる金融商品が必ずしも自分に合っているものとは限らないという点です。

平成26年9月に金融庁が公表した「金融モニタリング基本方針(監督・検査基本方針)」において、

「金融庁としては、各金融機関が、真に顧客のニーズに応え、顧客の利益になる経営を行っているかとの観点から検証を行っていく。」
「家計や年金、機関投資家が運用する多額の資産が、それぞれの資金の性格や資産保有者のニーズに即して適切に運用されることが重要である。」

と示されています。

毎月分配型の投資信託にしてみても、それが利用者のニーズにあっているのであれば問題ないですし、そうでなければよくないですね、というものです。決して、「毎月分配型が良いのか悪いのか」を判断するものではないわけです。

この一環で話題になったのは、4月に行われた森長官の基調講演です。

金融庁のサイトで全文を読むことができますが、かいつまんで言うと

  1. 金融経済教育を広げることが重要である

  2. 確定拠出年金は累積投資型の資産形成に役立つ制度だけど、商品選択に偏りがある

  3. 金融機関、特に銀行における個人の資産形成への取り組みについて(=ようするに販売姿勢について)考える
ところがある

ということを述べていらっしゃいます。

私の地元滋賀県で活躍した近江商人には、「買い手よし、売り手よし、世間よし」という「三方よし」の活動理念があります。

制度の充実と同時に、消費者に対する金融経済教育、そして販売サイドである金融機関の姿勢といった、いわば「資産運用の三方よし」が益々重要になってきたように感じた次第です。  
Posted by kurisuke701 at 23:59Comments(0)TrackBack(0)資産運用

2016年05月22日

栗本FPスクール、リニューアルオープンのお知らせ

本日、栗本FPスクールがリニューアルオープンしました。

栗本FPスクール


これまでは「資格取得のための学習」のみに的を絞ったサービスを提供してきましたが、
リニューアル後は、FPとして仕事をしていくための、就職サポートを中核に据えたサービスを展開いたします。

FPの資格を取り、実務を行うためのスキルを身に付けても、実際の仕事に繋がらなければ意味がありません。そこで、本気でFP資格を活かした仕事を考えている方に対して、FP資格者を求めている事業者とのマッチングの場を提供するというものです。

具体的には、次の3つの講座を順次開講致します。


1.執筆スキル修得講座

執筆スキル修得講座は、「1か月間でFPとして必要な執筆スキルを身に付けること」を目標としたプログラムです。
ブログやメールマガジンを我流で行うのではなく、収入に結び付く文章を作成できるようになるための執筆スキルを習得することができます。

開講日:2016年7月28日(木)
カリキュラム:2時間×4回+自宅課題
会場:大阪市内

執筆スキル修得講座のご案内はこちら



2.相談スキル修得講座

個別相談スキル修得講座は「2ヶ月間でFPとして必要な相談力を身に付けること」を目標にしたプログラムです。
基本的なコミュニケーションスキルはもちろん、FPが関わる各分野における幅広い相談を受ける際のポイントを学ぶほか、ロールプレイングを取り入れることで、即実践可能な相談スキルを身に付けていただけます。

開講日:2016年9月1日(木)
カリキュラム:2時間×8回+自宅課題
会場:大阪市内

相談スキル修得講座のご案内はこちら



3.プロ講師養成講座

プロ講師養成講座は「2ヶ月間でFPとして必要な講演スキルを身に付けること」を目標としたプログラムです。
人前でわかりやすく話をする基本的な講演スキルはもちろん、実際に講演を行うことによって、評価の高い講演を行う力が身に付く講座です

開講日:2016年11月下旬予定
カリキュラム:全22時間+自宅課題
会場:大阪市内

プロ講師養成講座のご案内はこちら



いずれの講座も単にスキルを修得するだけでなく、修得したスキルを活かして「最初の収入」を得る機会を作り、FPとして稼ぐ力を身に付けていただくプログラムとなっています。

また、講座修了者にはオーディションを実施致します。
オーディションとは、スキルを修得した講座修了生が、そのスキルを実際に活かせる可能性のあるFP事業者と直接対面する機会です。

講座ごとに設定されたオーディションには、その分野でビジネスを展開しているFP事業者が、一緒に働いてくれるメンバーを探してこられます。
そして、オーディションにて認められた場合、直接その事業者との業務委託契約を締結したり、インターンシップや正職員として働く機会を得られる可能性があるのです。

なお、リニューアルを記念して、メールマガジンの購読者や過去のFPスクールの受講生に対しては、ささやかではございますがお得なクーポンをご用意しております。

詳しくは本日配信のメールマガジン臨時増刊号をご確認ください。

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Posted by kurisuke701 at 12:00Comments(0)TrackBack(0)お知らせ