2019年01月04日

ボヘミアン・ラプソディーとリメンバー・ミーの共通点

あけましておめでとうございます。
本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

私は1971年生まれの亥年ですから、今年が年男。
初詣で引いたおみくじは「末吉」という微妙なものでしたが、後半ほど良くなっていく「末広がり」を期待したいところです。

■お正月の過ごし方


年末年始は、いつもより家族と過ごす時間の長い人が多いのではないでしょうか。

国民生活基礎調査(平成28年)によると、日本の世帯構造は「夫婦と未婚の子のみの世帯(29.5%)」「単独世帯(26.9%)」「夫婦のみの世帯(23.7%)」で8割を超えており、三世代世帯は5.9%となっています。

とはいえ、いつでもすぐに顔を出せるぐらいの距離に住んでいる人から、1年に一度、お正月ぐらいにしか会えない距離に住んでいる人まで、物理的な距離の違いによって会う頻度は違うでしょう。「同じ建物に住んでいない」という共通点だけでは測れないこともありそうです。もちろん、近くに住んでいることと、頻繁に会うかどうかは別問題ですけど。

それでも、年末年始やお盆、GWなどの連休時には「帰省ラッシュ」が話題になるように、「1年に一度くらいは会っておこう」と考える人は少なくないようです。

■「SNS以上、直接会う未満」の年賀状


では、お正月に顔を合わせる家族や親戚以外の友人、知人はいかがでしょう。

学校で毎日顔を合わせていた友人も、卒業してからは会う機会が激減することが一般的です。
仕事が一緒でも、転職や独立、部署異動などで、お付き合いする人が変わることも普通に起こります。

日常的に顔を合わす機会が無くなった後、そのまま疎遠になる人もいれば、付き合いの続く人もいるでしょう。そして、普段はめったに会わないけど、何かのきっかけであの人はどうしているかな?と思い出す人も少なくありません。

今はSNSによって、物理的な距離とは寒けなく気軽に繋がりを持てる時代ですから、離れていても様子がわかったり、メッセージのやり取りをしたりといったコミュニケーションは取れますが、様子を知る1つである年賀状は、少し位置づけが違うように感じます。

言葉にすると「SNS以上、直接会う未満」という感じでしょうか。

SNSは、その人によって公開範囲の設定は違うものの、基本は「不特定多数」に対する情報発信です(発信対象が特定少数のこともありますが)。
でも年賀状は「わざわざ自分のために送ってくれた」ものです。もちろん、年賀状ソフトで作成して印刷しただけのモノもありますが、それでも作成する時間と郵送料を含めたコストを「自分のために」掛けてくれています。
年賀状が届くと嬉しいのは、意識せずともこうした背景を感じ取る何かがあるからなのかな、と思うわけです。

もちろん、価値観や感じ方は人それぞれですから、最近目につくようになった年賀状からの卒業を非難する気持ちはまったくありません。ただ、年賀状というのは他とは違う、何か意味をもったコミュニケーションツールの1つなのじゃないかと感じるのです。

■ボヘミアン・ラプソディーとリメンバー・ミーの共通点


2018年後半の話題の1つに、伝説のロックバンドと言われたQUEENのボーカリスト、フレディ・マーキュリーの生涯を描いた映画「ボヘミアン・ラプソディー」がありました。楽曲の良さはもちろんのこと、家族や仲間とのつながりも、共感を得た要素の1つだったと思います。

私も涙を流して観た1人ですが、この映画を観た時にふと思い出したのが、ピクサーのアニメーション映画「リメンバー・ミー」でした。

死者の世界とのつながりを描いたこの映画の中で、「2度目の死」の話が出てきます。
1度目の死が、生物としての物理的な死。そして、その後に過ごす死者の世界において、現実世界にいる誰からも思い出されなくなることで訪れるのが、2度目の死。
ここでもやはり、家族を中心とした、自分との関わりの強い人との「縁」が、とても大きな要素として感じられます。
結局のところ、人は人との関わりの中で生きているわけですから、この関わりが途絶えたり、関わりの中での信頼関係が崩れると、自分の中の何かが失われてしまうのかもしれません。

2019年はどんな一年になるでしょうか。
みなさまにとって、素敵なご縁につつまれる一年となりますように。
  
Posted by kurisuke701 at 23:59Comments(0)日常のつぶやき

2018年12月22日

株式相場の下落と長短金利の逆転現象

株式市場の下落が大きくなっています。

週末(12月21日)の日経平均株価は226円安の20,166円19銭。
同日のNYダウ平均株価は414ドル安の22,445.37ドル。
11月末の水準から見ると、日経平均株価が2,184円安、NYダウ平均は3,093ドル安と、3週間で10%前後の下落となってますから、もはや暴落といえる状況でしょう。

■10月以降の株式相場の動き


株式市場では、こうした相場の急変が定期的に訪れます。
そのたびに、短期的な変動に惑わされないことの大切さが説かれますが、自分の資産残高が減っている状況に不安が募るのはやむを得ません。
とはいえ、投資商品を保有している以上は避けられない状況なので、これはもう慣れるしかないんですけどね。

さて、振り返ると今回の下落は、10月10日の株価急落から続いているように感じます。
この時は、二日間でNYダウ平均株価が1,376ドル下落し、日経平均株価も1日で915円安となりました。
ただ、この時には市場が予想したような米国経済の失速の兆候はまだ出ていないとされていて、懸念されていた長短金利の逆転現象(短期金利が長期金利より高くなる状態)も発生してませんでした。

その後の株式市場は、11月にかけて上昇した後11月中旬には下落、そして12月にかけて再び上昇という上下動を繰り返したのち、12月4日に約800ドルの急落。この時に、米国債で3年物の利回りが5年物の利回りを上回るという、長短金利の逆転が11年ぶりに発生し、そこからはほぼ一直線の下落が続いているわけです。

■長短金利の逆転現象(逆イールド)とは


ちなみに、長短金利の逆転(「逆イールド」と言われます)をごく簡単説明すると「将来の金利低下が見込まれている時に発生する現象」です。

例えば、100万円を2年間銀行に預ける際の金利を考えてみてください。
(絵にかいてみることをお奨めします)

このとき「現在の1年満期の定期預金金利が1.0%」で、「1年後の1年満期の定期預金金利が2.0%」だとしましょう。

これは「1年後の金利上昇が予想されている」状態です。単純計算でいうと、1年目に1万円、2年目に2万円の利息がもらえますから、2年間で受け取る利息の総額は3万円ですよね。
このとき「現在の2年満期の定期預金金利」は何%になるかというと、理論的には1.5%に近い数字になるはずです。

2年満期の定期預金金利が1.5%だと、1年目に1.5万円、2年目に1.5万円の利息となり、2年間で受け取る利息の総額は3万円です。
つまり、「1年定期を2回利用する場合」と「2年定期を1回利用する場合」で、受け取る利息の総額が同じ数字になっているわけです。

この状況で、もし2年満期の定期預金金利が2.0%であれば、「1年後にお金を使う予定がある人」以外は、みんな2年満期の定期預金を利用するため、結果的に2年満期の定期預金金利は下落していきます。
世の中のお金は「より有利な運用先」を目指して流れますから、確実に得をする状況というのは長続きしないのです。

ここまでは大丈夫でしょうか?


■逆転現象が起こる理由と起こった時の影響


さて、長短金利の逆転というのは、1年満期の定期預金金利が1.5%のときに、2年満期の定期預金金利が1.0%になっている状態です。

このままだと、みんなが「1年定期を2回利用する」ことを選択するはずですが、「1年後の1年満期の定期預金金利」が0.5%に下がることが予想されていたらどうでしょう。

「1年目1.5%+2年目0.5%=2.0%」で、結果的に1年あたり1.0%の利息となります。

短期金利の方が長期金利より高くなる、というのは要するにこういう状態で、ひと言でいえば「将来の金利低下が予想されている状態」なのです。


あーややこしい。


いずれにしても、こうした状況になると、銀行等が貸し出しに慎重になります。
これも単純化していうと、銀行というのは、短期金利で資金を調達し、長期金利で貸し出すことをベースにしてますから、短期金利の方が高いと利益にならないからです。
そして、銀行等が貸し出しに慎重になると、経済が円滑に回らなくなり、景気の悪化が訪れてしまう可能性が高くなります。

もちろん、今回の株式相場の下落の理由は1つだけではないでしょうが、こうした将来予想の先取りも含まれているようです。
低調な状況は、少し長引くかもしれないですね。
  
Posted by kurisuke701 at 14:20Comments(0)金融・経済・政治

2018年12月11日

調査結果をみる際に気を付けたいこと

2018年もあと20日ほどとなりました。

12月に入ってからは、20度超えという暖かい日があったかと思えば、先週末あたりから急に真冬の寒さとなりました。
この冬は暖冬傾向だそうですが、急な冷え込みにはお互いに注意しましょう。


さて、寒くなるとついつい飲み過ぎてしまうのがコーヒーやお茶です。
私は、特別コーヒー好きというわけではないのですが、講演前にカフェで準備をするときや、仕事部屋にこもっている時などに飲むため、平均すると1日2杯は飲んでいるように思います。

少し前に、浄水器製造のブリタ・ジャパンが公表した調査で、コーヒーにかける1ヶ月の支出平均額が4,876円であることを知りました。

お店によってコーヒーの値段は違いますし、自宅で飲む人も多いと思いますが、1ヶ月で20杯ほどはお金を払ってコーヒーを飲んでいる様子がうかがえます。
なお、こちらの調査において「コーヒーに全く飲まない」と答えた人は11%なのだそうです。

さて、ここで気を付けたいのが、こうした調査結果をもたらした背景です。

今回ご紹介した調査は、25〜59歳の男女計400人を対象に実施されたものですが、例えば「カフェの前で行った調査」なのか、「駅前でランダムに行った調査」なのかによって結果が違ってくることは容易に想像できますよね。

例えば、まだネットがそれほど普及していない時期に「インターネットの普及に関する調査」というものがあり、この中で「ネット普及率はほぼ100%になっている」という結果が紹介されていたのですが、調査自体がインターネットを通じて行われていたので、あまり意味の無いものでした。

インターネットを使っている人に「ネットを使ってますか?」と聞けば、答えがYESになるのは当然です。少年野球チームのメンバーに「好きなスポーツは何ですか?」と聞くようなものでしょう。

実は、世の中にはこういった情報が少なからず存在します。

10年ほど前に話題となった書籍のタイトルのように、「みんなの意見は案外正しい」という面はもちろんあると思います。
ただ、それは母集団に偏りがない場合の話であり、意見を聞く人たちの背景事情によっては、まったく異なる結果となる点は意識しておく必要がありそうです。
  
Posted by kurisuke701 at 23:59Comments(0)日常のつぶやき

2018年11月23日

税金に関する3つの話題

二十四節気の小雪(しょうせつ)が過ぎ、遅かった初雪のニュースも目にするようになりました。
この3連休は、一気に季節が進むそうですので、体調には十分注意したいところです。

さて、日産自動車前会長のカルロス・ゴーン氏の逮捕が話題の中、2025年の大阪万博開催決定という明るいニュースも飛び込んできました。
そのような中、これまでになく税金関連のニュースも目立っているように感じます。

■来年度の税制改正


まず1つは来年度の税制改正に関する話題。
12月中旬頃に公表される税制改正大綱の内容について、税制調査会の議論が進んでいます。

取りざたされている改正項目は様々ですが、2019年10月の消費税率引き上げよる影響を意識した自動車や住宅関係の税負担の軽減措置、退職後の資産形成に向けた税制の整備などが盛り込まれています。

例えば、退職一時金に対する課税では、勤続年数が長いことで税の優遇が受けられる現状は、人生100年時代に向けた働き方の多様化に適していないという指摘なども出ているそうです。

また、2019年3月末で期限を迎える「教育資金の一括贈与」に関する非課税措置については、文部科学省が恒久化の要望を出しています。制度の利用件数は着実に増えている一方で、親の代の貧富の差が子や孫の世代にまで引き継がれる可能性を指摘する声もあるため、どのようになるか気になるところです。

その他、寡婦控除の見直しも議論になっています。

離婚や死別によるひとり親を対象として、税負担を軽減する寡婦控除については、「未婚のひとり親」にも適用を広げるよう議論されています。
厚生労働省によると、母子家庭で「未婚」が占める割合は8.7%(推計約10.7万世帯)で、「死別」の8%を上回っているそうです。

家族の形が多様化している現在の状況に合わせた税制改正には、慎重な意見もあり、今後の行方に要注目です。


■課税の強化


もう1つの話題は、相続税の税務調査。

高級住宅街として知られる兵庫県芦屋市の資産家らに対して、大阪国税局が一斉に税務調査に乗り出したニュースが報じられました。

その結果、昨年7月からの約1年間で、少なくとも50人以上が総額30億円超の申告漏れを指摘されていたとのこと。単純計算で1人当たり6,000万円ですから、一般に言われる「老後のために準備したいお金」以上の金額が、表に出ないお金になっていたわけですよね。

表に出ないお金と言えば、仮想通貨の税逃れ防止にもかなり力を入れているようで、交換業者に対する情報照会制度を設ける方針が固まったそうです。

相続税逃れを防ぐための「富裕層プロジェクトチーム」の設置と併せ、こうした「逃げ得は許さない」動きは今後も続くのでしょう。

■消費税アップは2019年10月から


そして最後に消費税アップの話題。

これまでのように、単純な税率アップではなく、8%のまま据え置かれる「軽減税率」の導入が決まっていることで、多くの混乱が予想されているようです。

さらに、増税後の景気を下支えする狙いとして、クレジットカードなどを使ってキャッシュレス決済した際には、5%のポイント還元を検討する考えが表明されています。これは、東京オリンピックが行われるまでの9ヶ月間実施する予定のようで、これを機会にキャッシュレス化が進むことも期待されています。

所得税の確定申告においても、これまでのe-Taxから進化した、「マイナンバーカード方式」や「ID・パスワード方式」といった手段が導入されることで、電子申告が一気に進むかもしれません。

「よくわからないから放置しておく」という態度では、これまで以上に取り残され感が強くなりそうですから、前向きな情報収集を心がけたいものです。  
Posted by kurisuke701 at 23:59Comments(0)税金

2018年11月06日

保障の見直しは、基礎知識の習得から

知人や友人との会話の中で、保険や共済に関する質問を受けることがあります。

その多くは、「こういう提案を受けてるんだけど、いいと思う?」というかなり漠然としたもの。
そもそも雑談の延長ですから、あまり突っ込んで確認することはなく、こちらも漠然とした答えしか伝えないのですが、「今入っている保険の内容を説明してもらえる?」という質問は必ず行います。

この質問に対して、明確に答えられる人はそう多くありません。
ありがちな答えは「いやぁ、実はよくわかってないんだよね(苦笑)」というものです。

そこで次に「じゃあ、年間でいくらの保険料(掛金)を支払ってる?」という質問をします。
これに対しても「はっきりとはわからないけど、だいたいこれぐらい」という答えがありがちです。
内容もよくわからず、払っているお金も正確に把握していない。不思議ではありますが、私がFPになった20年以上前から続く話題の1つです。

社会人になった時や結婚した時、子どもの誕生や住宅購入など、人生の節目といわれるイベントが発生すると、なんとなく保険を見直した方が良いように感じる人は多いようです。

その時に、
「現在加入中の保険は、あなたの現状やお考えに合っていない。今は新しい商品も出ているので見直した方がいいですよ。」
と言われると、なるほど、そうかなと思うのは、ごく自然な流れでしょう。

これは、良いとか悪いではなく、保障の見直しの際によくある、典型的なパターンです。
「良いとか悪いではなく」と書いたのは、実際に見直す方がいいケースもあるし、そのままで問題ないケースもあるからです。

そもそも自分が加入する保険や共済に「絶対的な正解」はありません。
最初は、「子どもが成人するまでに自分が今死んだら、遺された家族が経済的に困るだろう」という目的を満たすために、「自分が死んだら2,000万円の保険金が出る」という定期保険に加入したとしましょう。「子どもが成人するまで」ですから、20年間の期間でいいと考えたとします。この時点では、自分のニーズを満たした保障に加入しています。(話が長くなるので「潜在的なニーズ」は無視しますね)

その後、「煙草を吸わない人を対象とした割引ができたので、同じ内容で掛金が安くなりますよ」というご提案があれば、これは単純に掛金が安くなる話ですから、受け入れる方がいいでしょう。

一方で、「あなたが加入している保険は定期保険なので、20年間何事もなければ、何も残りません。保障を確保しながらお金も貯まる養老保険に変えませんか?」とか、「予定利率が高く、よりお金も多くたまる外貨建ての保険にしませんか?」というご提案があればいかがでしょう?

もちろんこの場合、「一定期間の死亡保障」に加えて、「資産形成(=貯蓄)」の機能が付いてきますから、掛金はアップするのが普通です。
「こんなに高い掛金は払えない」のであれば、そもそもこの提案を受け入れることはできませんが、支払いには問題なかったらどうしましょう?

「貯蓄になるなら、それもいいかも」と言って提案を受け入れるケースもあるでしょうし、「いやいや、保障商品で貯蓄するのは効率が悪いから、掛金が上がる分を、別の金融商品で積み立てた方がいい」という判断になるケースもあるでしょう。

ここでは、話を単純にしていますが、ようするに「絶対的な正解」はないのです。

さて、ここからが大切なのですが、「絶対的な正解がない」ということは、「人によって言うことが違う」ことでもあるので、「判断できるための基礎知識」がなければ、常に新しい提案に振り回されることになりかねません。

新しい提案を持ってくる人は、普通に考えて「提案を受け入れてほしい立場(=保険に入ってほしい立場)」にありますから、「今の契約にはない新しい魅力」を持ってくるか、「今の契約を続けることのデメリット」を指摘するか、どちらかになりがちです。
つまり、現在加入している契約と比べて、新しい提案には「魅力がいっぱい」なケースが多いわけです。

「隣の芝は青く見える」という言葉があるように、自分が持っているものより、自分が持っていないものに魅力を感じることは、多くの人が持つ、当然の感情なのかもしれません。

でも、それをそのまま受け入れ続けると、いつまでたっても「これでいいのかな…」という不安を持ち続けることになりかねません。だからこそ、自分にとっての判断基準とそれを全うするための基礎知識を持つことは大切なのです。

基礎知識を持つためには、FPの勉強をするのが一番良いとは思いますが、それだけでは見直し提案の良し悪しを判断することや、最新の保険や共済を知ることはできません。

また、遺族年金や健康保険の給付など、公的保障の内容を知ることはできますが、ご自身が所属する団体で準備されている制度を知ることもできません。

判断できるだけの基礎知識を身に付けることは、騙されないために最低限必要ですが、その先には必ず「実際に商品や制度を取り扱っている人の話を聞く機会」があるはずです。
自分ですべてを解決することはできなくとも、解決のお手伝いをしてれる人が、自分の意に沿った提案をしてくれているかどうかを見極めるためにも、基礎知識の習得は大切だと思のです。

あとは、本当に信頼できる営業マンや専門家とお付き合いがあるのなら、その人を100%信じるというのも、有効な解決策の1つですよ。
  
Posted by kurisuke701 at 23:59Comments(0)共済・保険

2018年10月23日

AIとロボットによって人間の仕事が奪われる未来とは?

NHKスペシャルの「マネー・ワールド」という番組で、仮想通貨やAI(人工知能)による未来の仕事の変化が取り上げられていました。

仮想通貨の話は改めてまとめるとして、今回興味深かったのは、労働の変化に関するお話です。
AIとロボットの広がりにより、「働いて得た収入で生活を営む」というこれまでの資本主義の形が、根本的に変わる可能性を紹介していました。

番組内では、いくつかの事例が紹介されていたのですが、共通するのは「これまで人間の行っていた仕事をAIやロボットが代わりに行うことによって、労働者の収入が減る」という事実です。

同時に、収入の減った労働者は使えるお金も少なくなるため、商品やサービスが売れず、そもそも世の中にお金が回らなくなるから、こうした世界は成り立たないのではないか、という疑問が生じます。


仮に、あるお店で、10人いた従業員のうち、8人がロボット君に置き換わったとしましょう。
お店が提供するサービスに変化はなく、これまでと同じように売上があったとします。

人がいた時は、この売上から人件費としてお給料が支払われていたわけですが、ロボット君には必要ありません。もちろん、ロボット君を動かすための電気代やメンテナンス費用などは必要だと思いますが、それでもいなくなった8人分の人件費ほどはかからないでしょう。

では、浮いたお金はどこに行くかと言えば、サービス提供会社の利益になるわけで、会社の経営者や株主などの得る金額が多くなると考えるのが自然です。
こうして多くの金銭を得る少数の人々は、これまで以上にお金を使うことがあるかもしれません。


一方で、仕事が無くなった8人の従業員は、どうして生活していけばいいのでしょうか?


もちろん、ロボットに置き換わらない他の仕事を始める人もいるでしょう。
でも、全員がそうした仕事を見つけられるとは限りません。

その結果、生活に困窮する事態に陥ると、今の日本では、生活保護といった行政からの支援を受けられる可能性があります。

でも、こうした人が増加すると、生活保護の財源問題が出てきます。
こうした可能性に対して、番組の中では「ロボット税の導入」や「ベーシック・インカムの取り組み」なども紹介されていました。

先ほどのお店の例でいうと、従業員をロボットに置き換えたことで、多くの利益を得ることとなった会社に対し、それに応じた税金を負担してもらい、そうしたお金を財源として、仕事を失った人の生活を支える制度を運営するわけです。

ベーシック・インカム(basic income)とは、政府が国民の生活を最低限保障するため、
年齢・性別等に関係なく一律で現金を給付する仕組みです。

一定の条件を満たさなければ支給されない生活保護と違い、一律の支給であるベーシック・インカムは、余分なコストがかからない点でメリットがあると言われます。

もちろん、デメリットも多くあります。

この話を書き出すと長くなるので割愛しますが、以前から、実証実験を行っている地域はあるものの、思うような成果が出ずに中止となるケースが多いことからも、どうもデメリットの方が多いようです。

今回の番組内でも、カナダのハミルトンでの実証実験が紹介されていましたが、首長が変わったことをきっかけに、わずか1年程度で中止が決定されたそうです。
スイスのように、国民投票によって導入が否決された国もあり、現実的な制度として定着するのは難しいのだと感じさせられます。

さて、そうなると、仕事を無くした労働者の生活はどうなるのでしょう?
というか、そもそも本当に労働者の仕事は無くなるのでしょうか?

つい先日も、パーソル総合研究所と中央大学によって、日本の人手不足が2030年には644万人分になるという調査結果が発表されています。仕事が無くなるどころか、人手が足りなくなるという話ですから、どうにも不思議です。


番組の最後には「人類は自らの経済的な問題を解決していくだろう」という、経済学者ジョン・メイナード・ケインズ氏の言葉が紹介されていました。

10年後の世界がどのようになっているのか。
自分の仕事や生活の行く末をイメージしつつ、楽しみにしておきたいと思う次第です。
  
Posted by kurisuke701 at 23:59Comments(0)日常のつぶやき

2018年10月09日

「敵・味方」という考えからの脱却

FPフェア2018に参加してきました。
1996年の初参加から22年。行かなかったのは1度だけですが、数年前からはずいぶんと雰囲気が変わってきたように感じます。

ただこれは、「昔は良かった」という話ではありません。
人の集まる場の在り方というのは、時代によって変わるものですし、そもそも私自身の考え方や価値観が20年前とは大きく変わっているので、むしろ変わってきたと感じるのが自然なのでしょう。

それはさておき、FPが集まる場では、「お金回りの話を自分で判断できる消費者を増やす」という言い回しがしばしば出てきます。その裏には「金融機関の言いなりになるのは良くない」という意識が少なからずあると思います。わかりやすく言うと「金融機関を消費者の敵とみなし、消費者の味方であるFPがそれを助ける」という構図なわけですが、果たしてそうなのでしょうか?

そもそも、私のFP活動の根幹は「国民総FP化」です。

ひと言で説明すると、みんなが最低限のお金の知識を持ちましょうということなので、自分で判断できる消費者を増やす考え自体はとても良いと思います。実際、顧客にとって望ましくない提案を行ったり、首をかしげたくなる対応を行ったりする金融機関があることは事実ですから。

一方で、どこか極端すぎるのではないかという懸念も感じています。

私は、金融機関の職員さんを対象とした研修を行う機会が多くあるのですが、これまでのFP資格取得を目的とした試験対策研修に加え、最近は「FP相談」をテーマにした研修が増えています。
金融庁が掲げるフィデューシャリーデューティー(直訳は「受託者の責任」ですが、「顧客本位の業務運営」という感じで使われています)が影響しているのは間違いないのですが、これもまた世の中の環境が大きく変わっていることの現れかもしれません。

そもそも、銀行の基本業務は「預金」「融資」「為替」と言われています。
細かいことはさておき、すごく大雑把に言うと、1兆円の預金を平均1%の金利で預かり、7,000億円の融資を平均3%の金利で貸し出していれば、「1兆円×1%=100億円」の支払いに対し、「7,000億円×3%=210億円」の受け取りですから、差し引き110億円の利益がでます。あとは、様々な決済業務の代行による手数料収入を加えれば、運営自体に掛かるコストが100億円だとしても十分に利益を確保できるでしょう。

ただ、超低金利時代が続くとそうも言ってられなくなります。

先ほどの数字で、融資金利が1%に下がれば、たとえ支払う預金金利が「ほぼゼロ」になっても、計算上の利益は70億円に減ります。運営経費が100億円かかっていれば、一気に赤字になってしまう話です。
さらに、フィンテックの話を持ち出すまでもなく、決済業務を担う新たな仕組みが登場することで、手数料収入も減ってしまいます。

だからこそ、これまで扱ってこなかった投資信託や保険といった金融商品の販売手数料という新たな収益源を求めることになったのでしょうが、増え続ける金融商品を網羅する知識の習得は容易ではありません。
おのずと、画一的な販売手法が広がることになり、その結果が最初に触れた「金融機関の言いなりになるのは良くない」という流れにつながっているのではないでしょうか。

フィンテックはこれからもますます広がるでしょうし、それに合わせて金融機関の役割や立ち位置もさらに変化していくのでしょう。

以前、ある雑誌の特集記事の中で、「現在の店舗網からの延長線上で、次世代型店舗や軽量店舗を作っても、顧客ニーズとの乖離と中途半端さから全滅する可能性もある」という話が紹介されていました。

ここでいう「全滅」がどういった状態を意味しているかわかりませんが、世の中から銀行や証券会社、保険会社の店舗が一切無くなるという状況は想定しにくいものです。過渡期でもある数年〜10年前後は、予想もしない変化が起こるかもしれませんが、その変化は間違いなく私たちの日常生活にも大きな影響を及ぼします。

私が「国民総FP化」を標榜した根底には、「金融機関の暴走を防ぎたい」という想いがありました。そのためには、騙されない消費者を増やすことが大切だと考えていると同時に、暴走機関車を内部からコントロールできるような人がもっと増えればいいのにな、とも考えています。ようするに金融機関の人材育成です。

敵を打ち負かすことで、結果的に自分も不利益を被ることは多くあると思います。だからこそ「敵・味方」としての単なる批判ではなく、よりよいあり方を考え続けたいと思うのです。  
Posted by kurisuke701 at 09:55Comments(0)金融・経済・政治

2018年09月25日

身近な制度の正しい理解

9月21日に配信したメールマガジン403号では、少し前に話題になった「年金の受給開始年齢を70歳超にすることも選択可能にしていく。そのための仕組みづくりを3年でやりたい」という安倍首相の発言を題材に、老齢年金についてお伝えしました。

詳細はメルマガをお読みいただくとして、今の制度では原則として65歳から受給する老齢年金は、本人の選択によって60歳〜70歳の好きな時から受け取り始めることができます。
今回の安倍首相の発言は、この受け取り始めの年齢を70歳超でも可能にできるようにとの話ですから、選択肢の幅を広げるというだけのことです。もちろん、将来的に受給開始年齢が引き上げられる可能性はありますが、それは随分前から話題になっているお話です。

ここから思うのは、「身近な制度の正しい理解」の大切さです。

20代、30代の方からすると、老齢年金なんて随分先の話で、全然身近ではないかもしれません。
でも、公的年金制度は、老後の生活を支える老齢年金だけではなく、障害年金や遺族年金として受け取る可能性もあるため、年齢に関係なく、自分や家族の生活を支えるベースになってくれることもありえる身近な話。

だからこそ、正しい理解が大切だと思うわけです。

そうそう、家族といえば、先日の日本経済新聞で、日本の世帯の姿が大きく変化していることが取り上げられていました。
これまで「標準世帯」されていた「夫婦と子ども2人の家族」が少数派となり、もっとも多いのが単身世帯になっているという話です。

公的年金においても、「標準世帯」を前提とした制度がベースになっています。
こちらの記事の中でも「いまだ4人家族を基準にしている統計や政策は、実態との乖離が否めない。」と書かれています。

実際、2015年の国勢調査をみると一番多いのは単身世帯で、世帯全体の34.5%。4人世帯は13.3%で、3人世帯(17.6%)と合わせても30.9%となっていました。

ちなみに、この数字だけを見ると、「えー、単身世帯ってそんなに増えたんだ」と思いますが、実は全世帯に占める割合の数字では、20年前(1995年)でも一番多いのは単身世帯(25.6%)でした。その時の4人世帯の割合は18.9%ですから、この20年間で単身世帯が大きく増加し、4人世帯がじわじわ減っているのは事実です。

ただ、「最も多いのは単身世帯」という事実は、今さら驚く話でもないのかな、とも感じてしまいます。なお、同じ単身世帯でも、その属性は変化しているようで、いわゆる大学生などの一人暮らしは減少し、高齢者の一人暮らしは大きく増加しているようです。

さらに言うと、「高齢者の一人暮らし」という同じカテゴリーに入る方でも、経済的な差はもちろん、いざという時に支えてくれる親族や知り合いがすぐ近くにいるかどうかなど、その実態は様々なはずです。
現役世代でお仕事をされている方とは違い、周りの人から情報を得ることが困難になっていると、いわゆるマスメディアからの情報への依存度が高くなる傾向もあると思います。

自分に関わる制度はもちろん、世の中の動き1つをとっても、正しい知識と情報を本当に必要な人に行き渡るようにすることはとても大切な話のはず。

そのためにできることは何かな?

記事を見ながら、そんなことを考えていた次第です。
  
Posted by kurisuke701 at 23:27Comments(0)家計・ライフプラン

2018年09月15日

一方向への動きと自己責任

リーマン・ショックから10年目となる9月15日。

ここのところ、当時の関係者へのインタビューをはじめ、関連する様々な特集が目につきました。
ちなみに、当時の金融危機を「リーマン・ショック」と呼ぶのは日本だけだそうで、英語では「the global financial crisis(世界金融危機)」といった表現が一般的なようです。

それはさておき、表向きの経済指標、例えば株価などを見る限り、リーマン・ショック前の水準を大きく上回る状況となっています。一方で、当時の影響を引きずっている不景気な話も多くあります。トルコやアルゼンチンの財政不安のニュースや、世界的に懸念されている貿易摩擦問題のように、先行きを不安視する声は日増しに膨らんでいるようにも感じます。

どのような時代にも悲観論はあるものですが、資産運用の現場では、AI(人口知能)によるシステム運用が増えていることで、次に暴落が発生すると、より深刻な影響が出るのではないかという心配も耳にします。
便利さの追求や行き過ぎた利益の追求が、結果的に人々の生活を不安定にさせ、危機を広げる要因となるのは皮肉な話です。

行き過ぎた利益の追求といえば、世間を騒がせている某銀行の第三者委員会の報告書にはかなり驚かされました。

私もざっと読みましたが、ドラマや小説の中でしか出てこないような暴言が繰り広げられてきた様子が生々しく記されており、読んでいて怖くなるくらいでした。(300ページを超える報告書の全文は、銀行のホームページで公開されています)

そして、この話とセットで語られるのが、今年7月に金融庁長官を退任された森信親氏の話です。
今回話題となった銀行を、「これからの地域金融機関の成功モデル」として賞賛されていたことがその理由ですが、本当に人生(というか、世の中)は、一寸先に何が待っているのかわからないものだと感じるわけです。

ちなみに、森氏の長官時代の功績には大きなものがあります。
不透明とされていた保険の手数料開示を進め、カードローンの拡大やアパートローン過熱への警鐘や融資先の成長性を見極める融資姿勢の推奨など、これまで多くの人がわかっていながら手を付けてこなかった問題に数多く切り込まれていた印象があります。
特に、言葉としては一般的になっていないものの、真の顧客本位の業務運営を目指す「フィデューシャリー・デューティー」の概念を金融機関に広げたことは、(実現可能性の話は別として)評価されるべきことではないかと思うわけです。

2017年4月7日に日本証券アナリスト協会で語られた基調講演は、当時多くのFPさんが紹介していたものです。

状況が変われば評価が変わるのは当然ですが、称賛するときも叩くときも一方的な話ばかりが目に付く状況に、少し怖さを感じる次第です。

では、どうすればいいのでしょうか?

一番大切なのは「誰かが言ったからそうなんだろう」という、人任せの判断を止めることなのでしょう。
以前行っていた個別相談を振り返っても、「○○さんが言うならそうします」という態度を取られる方ほど、自分の想像と違う結果となった場合の責任転嫁が激しいものです。

専門家から知識や情報を得ることは大切ですが、最後は「自分の判断で行動した」という自覚を持つこと、つまり自己責任を全うすることこそ、今の時代に求められている要素なのかもしれません。
  
Posted by kurisuke701 at 23:10Comments(0)日常のつぶやき

2018年09月04日

インフレの進行と株式投資の結果

台風が迫り、西日本では鉄道の運休やお店の臨時休業が相次いでいます。
この記事を書いているのは上陸前の時間ですが、大きな被害が出ないことを願うばかりです。

■インフレに備えた資産運用の結果


さて、通貨安の続くトルコにおいて、8月の消費者物価指数が前年同月比17.9%の上昇となったと発表がありました。
個々の商品やサービスによって値上げ幅が異なりますが、ガソリンの約30%値上げ、家庭用電気料金の9%値上げなど、生活に欠かせないライフラインの料金の値上げは厳しいものがあると想像します。

日本でも、「デフレ(物価の下落)からインフレ(物価の上昇)へ」という話題はよく出てきますが、資産運用を促すロジックとして語られることが多いようです。インフレになるとお金の価値が下がるため、預貯金だけでは資産が目減りする、株式投資なども加えた方がいいですよ、という流れですね。
ただ、トルコの株価指数である「イスタンブール100」を見ていますと、2016年から2018年にかけては40%以上の上昇となっているものの、2018年に入ってからは下落傾向で、1月と9月の比較では約21%下落しています。
2017年の上昇時には、「10%を超える物価上昇をにらんだインフレヘッジ(=インフレに備えた対応策)の買いも寄与した模様」だと報じられていましたが、実際に物価上昇が加速した場面では株価指数も下落となっているようです。

投資信託の評価サイトであるモーニングスターにおいて「トルコ」で検索すると、52件のファンドが抽出されます(2018年9月4日)。
債券ファンドや株式ファンドのいずれにしても、3年リターンは10%〜20%程度の下落。
様々な要因が重なったことで、新興国への投資が控えられている状況でもあるわけですが、資産運用は理論通りにいかないんだなと、改めて感じる次第です。

■幸せのことば


ザ・ドリフターズの仲本工事さんが、インタビューで語られていたことばをご紹介します。

「なるようにしかならないもので、お互いに何かを強要したり、求めてもストレスになるばっかりだと思うよ。だから、人生って無理せず自然でいいんですよ。」(文春オンライン/9月2日より)
  
Posted by kurisuke701 at 08:00Comments(0)資産運用

2018年08月31日

FP本試験前1週間の過ごし方

早いもので8月末を迎え、9月9日のFP本試験日まであと10日を切りました。
受検を予定されている方にとっては、大切な最後の追い込みの時期ですね。

ここまでくると、第一に体調を崩さないことを考えなくてはいけませんが、それ以上に気になるのは、直前期の学習をどうすべきかでしょう。

とにかく王道は過去問ですから、過去3回分の本試験問題を3回ずつやり、各問題の解説ができる状態にしておきましょう。
漫然と過去問をやるのではなく、人に説明することを前提にすると、あいまいな問題をあいまいなまま放置できないので、一気に理解が深まります。是非「解説するつもり」で問題に取り組んでください。

さて、せっかくなので、今回は「試験1週間前からの理想的な過ごし方」をご紹介します。
「試験直前期にこれだけ出来ていれば、合格水準に達している」ということを念頭においたモデルケースだとお考えください。

■試験7日前


この日は、試験日と同じ曜日、つまり日曜日です。
お仕事の都合やプライベートの予定もあるでしょうから、無理される必要はありませんが、もし可能であれば、「本試験日と同じ時間帯に前回の本試験問題をやってみる」ことをお薦めします。試験の際には時間も測って、ちゃんと採点も行ってください。この時点で合格水準の60点が取れていないのはかなり厳しい話ですが、合格ラインの60点をギリギリクリアする程度の状態でも厳しいと考え、できれば80点以上は取っておきたいところです。間違えた問題については、解説の確認と、その項目のテキストの確認を行い、確実にフォローをしておきましょう。

■試験6日前


この日も、前日に間違えた問題や正解したけど自信が持てなかった問題のフォローをしておきましょう。あとは、生活リズムが違う人は、できる限り朝型の生活を心掛けるのもこの日ぐらいから意識し始めるといいと思います。

■試験5日前


このぐらいのタイミングで、一度改正事項の確認をしておきましょう。ここ1年の間に制度が変わったり数値が変わった部分を確認し、もし、テキストや問題集の記述が古いままであれば、新しい情報に書き換えておきます。この時点で「書き込む」ことによって、改正事項の整理にもなります。

そして、3度目となる「3回前の本試験問題」を解いておきましょう。3度目ということは、これまでに2回はやっておくことが前提となるわけですが、もし今までにその時間を取ることが出来ず、この時に初めて解くのだとしても、間違った問題を徹底的に復習することができるのであれば心配いりません。
学科試験と実技試験の問題を解くのに各1時間、間違った問題のフォローに2時間程度の時間が取れれば十分です。

■試験4日前


この日は、3度目となる「2回前の本試験問題」を解き、間違った問題を復習します。
前日と同じように学科問題を解くのに1時間、実技問題を解くのに1時間。間違った問題のフォローも1時間程度でできればいいと思います。

■試験3日・2日前


「4日前」「5日前」のタイミングで、過去の本試験問題をこなす時間が取れなかった方は、この2日間を利用して、しっかりと消化してください。既に終えられている方は、間違えた問題の確認に重きをおきます。いずれにしても「3回前」と「2回前」の本試験問題については、どの問題を聞かれても解説できる程度になっていれば理想的です。

■試験前日


取れる時間にもよりますが、7日前にも行った、「前回の本試験問題」をもう一度解いておきましょう。ここまでくると、新たな知識を詰め込むのはよくないので、とにかく復習に注力するようにしましょう。

あとは、試験当日です。

最近では、急な豪雨等で電車が遅れるケースも少なくありません。気持ちが焦らないためにも、早めに会場に着くように移動するように心がけてください。
そして、本番の試験の際は、できるだけ時間をフルに使って、最後は「人の答案のあら探し」をするつもりで、見返すようにしてください。

ご健闘をお祈りしています!  
Posted by kurisuke701 at 16:41Comments(0)FP学習法

2018年08月21日

メルマガ400号記念に便乗するお話

2006年11月に創刊し、今は10日おきに配信しているメールマガジンが、本日(8月21日)17時の配信で400回の節目を迎えます。

そこでふと気になって調べてみると、こちらのブログは今回の投稿が2,433回目。
2005年3月に開始しているので、気が付けば13年を超えていたようです。

ブログを始めた当時に生まれたお子さんが、中学生になっている計算ですから、月日が経つのは早いなあと実感する次第です。


メルマガは、「お金回りの情報に振り回されないための知識を身につける」ためにスタートしましたが、こちらのブログは「家族や友人・知人への近況報告」がスタートのきっかけでした。
スマートフォンが世の中に存在しなかった当時は、SNSもなかったので、今でいうところのfacebookやtwitterの位置づけだったわけです。
(twitterは2006年7月、facebookが一般に開放されたのは2006年9月)

2回目の記事で、なぜ「幸せ日記」というタイトルにしたのかについて書いており、これが原点のように思います。

2005年3月3日のブログ「幸せ日記というタイトル」


そんなわけで、自分自身の原点を振り返る機会が続きました。
そして、改めて感じたことは時間の大切さです。

時間については、何度か紹介している印象的な小話があります。
出所はよくわからないものの、アメリカのチェーンメールから始まった「時間銀行」というお話が元ネタのようで、様々なところで紹介されていますから、みなさんもどこかで目にしたことがあるかもしれません。

せっかくなので、私のメモ書きに残っている話の概略をご紹介します。

「毎朝、あなたに86,400秒の時間が与えられる。
 そして、毎晩使い切れなかった時間は消されてしまう。
 翌日に持ち越すことはできないし、過去に戻ることもできない。
 だから、与えられた時間を最大限活用しましょう。」

(中略)

「1年の価値を理解したいなら、浪人生に聞くとよいでしょう。
 1週間の価値を理解したいなら、週刊誌の編集者に聞くとよいでしょう。
 1時間の価値を理解したいなら、待ち合わせをしている恋人に聞くとよいでしょう。
 1分の価値を理解したいなら、今ちょうど電車に乗り遅れた人に聞くとよいでしょう。
 1秒の価値を理解したいなら、たった今事故を避けることができた人に聞くとよいでしょう。
 0.1秒の価値を理解したいなら、銀メダルに終わってしまった選手に聞くとよいでしょう。」


時間は戻せないし、今この瞬間も確実に時は刻み続けています。

今日も素敵な一日をお過ごしくださいませ。
  
Posted by kurisuke701 at 09:38Comments(0)日常のつぶやき

2018年08月04日

愛情空間と友情空間

8月も早や4日が経ち、いよいよ明日からは高校野球が開幕。
今年は第100回の記念大会とのことで、いつも以上に「あの時の名勝負」といった映像を見る機会が目立ちます。

高校野球を一番熱心に見ていたのは、桑田真澄氏と清原和博氏のKKコンビが活躍していた時期なので、調べてみると1983年から1986年。中学生だった私は、野球部に所属していましたから、熱心に見ていたのは当然といえば当然です。
また、この時期は、名作アニメである「タッチ」が連載されていた時期でもあり、「夏の甲子園は、日本中の人が見ているもの」ぐらいの感覚だったことを思い出します。

ちなみに、それから30年ほどを経た2014年。
母校の卒業生イベントの関係で、桑田真澄さんと直接お会いしてお話する機会があったわけですから、人のご縁とは不思議なものです。

人のご縁と言えば、私の好きな作家さんである橘玲氏の著書「残酷な世界で生き延びるたったひとつの方法」の中で
「友達になるには、同じ時間と場所を共有していなくてはならない。だからぼくたちの時代の友だちは、学校でしか生まれない」
という言葉が出てきます。

さらに、
「地球上には何十億人ものひとが生きているけれど、ぼくたちはこのきわめて限定的ンア条件を満たしたひととしか友達になれない。そのうえ仮に友だちになったとしても、それを維持するのはもっと難しい。こんなにハードルが高いのだから、「友だち」がいるということ自体がひとつの奇跡だ」
と続きます。

せっかくなので、私自身の経歴を振り返って考えてみました。

幼稚園2年間、小学校6年間、中学校3年間、高校3年間、大学4年間で、合計18年間。それぞれの時期に、お弁当を一緒に食べていたとか、授業で教室を移動する時にいつも一緒だったとか、通学で一緒だったとか、休みの日にしょっちゅう遊んだとか、そういう友達を考えると、まあ3人前後なのではないでしょうか。これで54人。実際には学年が変わるごとに総入れ替えというわけではないでしょうから、その半分と考えると27人。

日本の人口を1億2,700万人とすると、0.0000213%です。約470万分の1。
世界人口は約74億人と言われてますから、こちらを分母にすると約2億7,400万分の1ですから、確かに「奇跡のようなもの」と言っても過言ではなさそうです。

ちなみに、こちらの本の中では、このような自分中心の人間関係の輪を、「愛情空間」「友情空間」「政治空間」と名付けられています。

愛情空間は、家族や恋人などの関係で、友情空間は親しい友達。
でも、実際の生活においては、愛情空間や友情空間を共有する人たちと過ごす時間はそれほど長くなくて、政治空間の人と付き合う時間が多くを占めているのではないでしょうか。

多様化した世の中では、すべての人にとって家族が愛情空間にいるとは限らないのでしょう。
警察庁の調べによると、2016年に発生した殺人事件の55%が親族間で起きているという現実もあります。

そうそう、家族と言えば、先日ディズニーアニメの「リメンバーミー」をみました。
家族の絆や、人の思い出に存在することの大切さなどを深く考える内容で、涙が止まりませんでした。

この夏は、改めて自分自身の愛情空間、友情空間、政治空間を見つめてみたいと思った次第です。
  
Posted by kurisuke701 at 22:49Comments(0)日常のつぶやき

2018年07月21日

公的介護保険、自己負担割合3割の導入に際して知っておきたいこと

2018年8月、つまり来月から、一定以上の所得がある人の公的介護保険の自己負担割合が3割に引き上げられます。そこで、改めて公的介護保険についてまとめてみました。

■公的介護保険の概要


公的介護保険は、要介護状態や要支援状態になった場合に必要となる介護サービスなどを、一部負担金の負担のみで受けることができる制度です。40歳になると対象となり、40歳〜64歳までの第2号被保険者と、65歳以上の第1号被保険者に区分されています。

家族に介護を必要とする人がいる場合、外部のサービスを何も利用せず、家族内だけで全てが完結するのであれば、費用がかかることはありません。一方で、介護事業者のサービスを利用する場合、利用したサービスに応じた負担が必要となります。

この際に公的介護保険を活用すると、かかった費用の1割だけを負担すれば、残りの9割は保険でカバーしてくれるわけです。
もちろん、誰でも利用できるわけではなく、1割負担でサービスを受けるためには、市区町村に対して介護認定の申請を行い、要支援または要介護認定を受ける必要があります。

■自己負担割合の引き上げ


さて、この「1割」という自己負担割合について、2015年から一定以上の所得のある方は「2割負担」に引き上げられていました。

引き上げの対象をざっくりというと、合計所得金額が160万円以上であり、単身世帯の場合で「年金収入+その他合計所得金額=280万円以上」の人、二人以上世帯の場合は「年金収入+その他合計所得金額=346万円以上」の人です。介護保険利用者のうち、約10%の方が2割負担の対象になっているようです。

ここに、2018年8月から「3割負担」となる人が追加になります。

これも、世帯の状況によって細かく規定がありますが、ざっくりいうと、合計所得金額が220万円以上であり、単身世帯の場合で「年金収入+その他合計所得金額=340万円以上」の人、二人以上世帯なの場合で「年金収入+その他合計所得金額=463万円以上の人」となっています。

今回の引き上げで3割負担に該当する方は約12万人で、受給者全体に占める割合は3%程度と試算されているようです。

ちなみに、介護保険を利用している受給者1人当たりの費用額は、要支援の方に対する介護予防サービスでは 27,500円、介護サービスでは 194,200円となっています。

つまり、介護サービスを受けている方が1割負担に該当する場合、自分のお財布から出るお金は19,420円(194,200円の1割)だったのに、2割負担に該当すると38,840円、3割負担に該当すると58,260円となるわけで、家計からするとかなり大きな支出増となるでしょう。

■高額介護サービス費を忘れないように


では、1割負担から2割負担、そして3割負担になった方の支出は、計算通り2倍や3倍になるのでしょうか?

実は、そうではありません。なぜなら、介護保険には「高額介護サービス費」という制度があるからです。
この制度は、介護サービスを利用する場合、1ヶ月に支払う利用者負担の合計額が、定められた上限額を超えたときは、超えた分が払い戻されるものです。

こちらの上限額も、世帯の所得状況によって異なりますが、「世帯の全員が市区町村民税を課せられていない方」は、世帯としての自己負担上限額が24,600円、「世帯のどなたかが市区町村民税を課税されている方」は44,400円です。
先ほどのケースで、自己負担額が月58,260円になったとしても、実際の負担は24,600円や44,400円といった上限額までとなるのです。

いずれにしても、自己負担が上がったから大変だというだけではなく、こうした様々なサポート制度を正しく理解すること、そして、こうした制度を忘れずに活用することが大切なのです。

■地域包括支援センターを確認しておく


最後に1つ。

いろいろな制度を知ることが大切だといっても、当事者意識がない限り、なかなか頭に残らないものです。そこで知っておきたいのが、地域包括支援センターの存在です。

ここは、保健師や社会福祉士、主任介護支援専門員などの専門家が常駐しており、高齢者に対する総合的な公的窓口という位置づけになります。つまり、高齢者問題で困った時に頼れる心強い窓口なのですが、その存在を知らない人も多いのが実態です。

すでに全国で5,000を超えているセンター。近くにあるセンターを確認したうえで、何かがあった時には、まず地域包括支援センターに相談する、ということをしっかり覚えておきましょう。
  
Posted by kurisuke701 at 23:59Comments(0)社会保険

2018年07月14日

夏のある日の徒然日記

西日本を中心とした記録的な大雨は、改めて自然の怖さを思い知らされました。

川の氾濫で自宅が浸水した知人の方は、事前に避難指示は出ていたものの、これまでの経験から大丈夫だろうと自宅に残っていたようです。最終的には、1階が完全に水没する事態となり、命の危険を感じたと言われてました。

今までが大丈夫でも、これから大丈夫とは限らないのが最近の天災。
慎重になり過ぎるぐらいでいいのかもしれません。
亡くなられた方のご冥福をお祈りし、被災されたみなさまが、1日でも早く日常の生活に戻れますことをお祈り申し上げます。

■琵琶湖の氾濫


今回の豪雨では、琵琶湖の水位上昇もニュースになっていました。
6月ごろから8月ごろまでは、マイナス0.2mが水位調整の基準とされているそうですが、7月7日には「氾濫注意水位」の0.7m超えを記録。ちょうどそのころ、琵琶湖から流れ出る瀬田川撮った写真がこちらです。

瀬田川20180707


普段の写真との比較がなければ、どの程度なのか想像つかないと思いますが、いつもは人が入っても溢れない程度のお湯が入っている浴槽に、縁ギリギリまでお湯が張っているようなイメージといえばいいのでしょうか。

とはいうものの、危機感を感じることはなく、実際にも0.77mをピークに落ち着きました。
ちなみに、0.8mに達すると「避難判断水位」、そして1.15mになると「氾濫危険水位」となるようです。
最近では、平成7年に0.95mにまで達した記録がありますが、明治29年9月の台風時には3.76mに達した記録も残っていましたが、いまより湖岸の整備も整っていなかった時代ですから、大変だったのではないかと想像してしまいます。


■ハザードマップの確認


今回、西日本の各地で発生した川の氾濫などを受け、地域のハザードマップが改めて注目されているようです。琵琶湖でも、水位が2.1mに達した状況のハザードマップが公表されています。

ハザードマップとは、被害予測地図ともいわれ、自然災害による被害を予測し、その被害範囲を地図化したものです。
各自治体が公表しているほか、国土交通省ハザードマップポータルサイトでも確認できますので、お住まいの地域やお仕事場など、いざという時に想定される状況を知っておくようにしたいものです。
6月の大阪北部地震の際にもブログを書きましたが、「何が起こる可能性があるのか?」を想定し、その時にどうするのかを一度でも考えておくことは、とても大切だと思うのです。


■お祭りと花火の季節


さて、7月も中旬となり、全国のほぼ全域で梅雨明け宣言がなされています。
何が起ころうとも季節は流れていくのです。

そしてお隣の京都では、日本三大祭りの1つである祇園祭が、最高潮の時期を迎えています。
八坂神社のお祭りである祇園祭は、7月1日から1ヶ月間にわたり続いていますが、山鉾巡行(2018年は7月17日)と、その前三日間の宵山の時期が、なんといってもクライマックス。
猛暑日となる中、多くの観光客でにぎわっている様子です。

祇園祭2018


そして、これから全国各地で開かれるであろう花火大会。

ここ数年は、お祭りや花火を純粋に楽しむ機会がありませんが、やはり昔から脈々と続く行事にはそれなりの意味があるものですし、心安らぐ独特の時間の流れがあると思います。

経済合理性だけではない時間も大切にしたいですね。
  
Posted by kurisuke701 at 23:59Comments(0)日常のつぶやき

2018年07月03日

変動金利型住宅ローンで金利が上昇した際の影響

住宅ローンを借りる際に、変動金利を選択する方が増えているそうです。
住宅金融支援機構のアンケート調査によると、2017年度下期に借り入れした人の56.5%が変動金利型だった様子。

ローンの決め手となった理由を見ると、69.7%でダントツ1位は「金利が低いこと」ですから、当然といえば当然の結果なのでしょう。

ちなみに、「将来金利上昇でどのくらい返済額が増えるか」を理解しているかどうかを尋ねた質問に対する回答は「全く理解していない(3.2%)」「理解していない(11.1%)」「理解しているかどうか不安(37.7%)」となっているようで、変動金利でローンを組んだ際のリスクを認識していない方が多いことは気がかりです。

■金利上昇による返済額の変化


では、金利上昇によってどの程度の影響があるのでしょうか。
ある大手銀行の変動金利水準である0.625%を例に計算してみます。

2,000万円を30年返済で借りた場合の毎月返済額は、ボーナス払いなしの元利均等返済で60,941円。このままの水準が変わらないとしたら、30年間の支払利息総額は1,938,750円です。

比較となる、固定金利の水準も確認しておきましょう。

全期間固定金利の代表であるフラット35は、窓口となる金融機関によって水準が異なりますが、2018年7月で一番多い適用金利は1.34%となっているので、この数値を使います。

2,000万円を30年返済で借りた場合の毎月返済額は、ボーナス払いなしの元利均等返済で67,499円。
変動金利との差額6,558円を大きいと見るか小さいと見るかは人によると思いますが、支払利息総額は4,299,633円なので、30年間で約236万円の差。これは大きいですね。

ただ、これはあくまでも、変動金利ローンの金利水準が30年間変化しなかった際の数字ですから、世の中の金利上昇によって変化します。

仮に10年後に金利水準が3%になったとしましょう。

0.625%で組んだローンの10年後の残債は1,375万円。
この残高を基に、残り20年間の返済を3%の金利で計算すると毎月返済額は76,257円。差額は15,316円なので、それなりに大きな金額です。
ちなみに、変動金利ローンには、返済額が上がるときは直前の返済額の1.25倍が上限になるというルールがあります。60,941円の1.25倍は76,176円なので、3%で計算した数字がほぼ上限というわけです。
上限を超えるような金利上昇があるとどうなるのか?というお話は今回は割愛しますが、考えるだけでもちょっと怖いですよね…。

さて、先ほどの3%への上昇で、最終的な利息の支払総額を計算すると5,614,600円となり、全期間固定金利のローンより131万円ほど多くなります。

ここまでの話はあくまでも皮算用です。

実際、過去20年ほどを振り返ると、金利上昇の局面はほとんどなかったため、変動金利や固定金利選択型のローンを組んだ人の方が、利息の支払総額が少なかった事実があります。

これを受けて、金利水準が低いから固定金利を選びなさいとするアドバイスは間違いだったという論調も見受けられますが、これはあくまでも結果論です。
変動金利を選択した人は、「金利変動による返済額の変化」というリスクを取った結果、「支払総額が少なくて済んだ」というリターンを得たわけです。

リスクを取る以上、リスクコントロールが不可欠ですが、この場合に考えておくべきことは、金利が上昇した際にも対応できるように、余力を持った返済計画を立てておくことなのでしょう。

■人生で一番高い買い物を衝動買い?


住宅価格は地域差がとても大きいのですが、一般的に数千万円規模のお買い物のため、多くの人にとって人生で一番高い買い物です。
一番高い買い物であるがゆえに、慎重に慎重を重ねて買うことを決めると思いがちですが、実はそうでもないという実態が、今回の住宅ローン利用者調査から見える気がしました。

そこでふと思い出したのが、FPになりたてのころに住宅メーカーの社員さんから聞いた言葉です。
それは「栗本さん、家を買う時ってすごく慎重になるものと思うかもしれませんが、実は衝動買いする人が多いんですよ」というもの。

そんなバカな…とは思ったものの、その後多くの方の相談をお受けする中で、「なるほど、確かに衝動買いといっても過言ではないな…」と感じるケースは少なくありませんでした。
「買いたい気持ち」がすべてに勝ってしまい、冷静な判断が遠のいてしまうというわけです。

今回は、金利上昇の影響だけで見ましたが、実際には収入の減少という事態もあるため、いずれにしてもギリギリのラインでの返済計画にはリスクが伴います。特に変動金利型や固定金利選択型でローンを組む際は、金利上昇による返済額アップに対応できる余力は残しておくようにしましょう。
  
Posted by kurisuke701 at 23:59Comments(0)住宅・不動産

2018年06月26日

働くことによる収入増と老齢年金受給額の関係

公的年金といえば、退職後の生活を支える「老齢年金」をイメージする人が多いでしょう。
原則として65歳から受け取りが始まる老齢年金は、保険料の納付実績によって受給額が変わるほか、受け取り開始時期や年金以外の収入による受給額の調整の仕組みもあります。

■老齢年金はいくらぐらいもらえるのか?


公的年金には、ベースとなる国民年金(基礎年金)と、企業などに勤めている人が加入する厚生年金があります。

このうち、国民年金から受け取る老齢年金を「老齢基礎年金」と呼びます。
受給額は20歳〜60歳までの40年間(480月)のうち、何ヶ月保険料を納めたかによって決まり、一度の滞納も無く支払っている場合受給額は年額779,300円です(平成30年度価格)。

これは月額にすると約6.5万円。家賃やローンの返済などが無ければ、何とか生活できるかもしれませんが、これだけでは厳しいのも現実でしょう。

なお、以前は保険料の納付実績が25年(300月)以上なければ1円も受け取ることができませんでしたが、この受給資格期間は10年以上に改められています。
つまり、40年間のうち10年以上保険料を納めれば受け取れるわけですが、その場合の受給額は、年額で19.5万円。月額16,200円ほどですから、生活するために必要なお金には程遠い金額になります。

厚生年金の受給額は加入月数に加えて、勤めていた期間の平均報酬額によっても大きく違うため、平均を出すのはあまり意味がありません。毎月2万円もらえる人と、毎月20万円もらえる人がいた場合に、「平均は11万円です」という情報が2人にとって役に立たないのは当然でしょう。

ただ、それではイメージすらできないので、厚生労働省のモデルケースを見ると、「40年間会社員だった夫と専業主婦の世帯」で、月額約22万円。先ほどの老齢基礎年金が夫婦2人分で約13万円ですから、そこから逆算すると厚生年金の受給額は約9万円となります。

「厚生年金保険・国民年金事業の概況」による老齢基礎年金の受給額平均は月額5.5万円で、老齢厚生年金を加えた受給額平均は14.7万円です。ここから逆算した厚生年金だけの受給額は月9.2万円となるので、やはり9万円ぐらいが1つの目安となりそうです。

■働くと年金が減るから損なのか?


さて、老齢年金は退職後の収入を支える制度ですから、退職せずに働き、生活するのに十分な収入がある人には必要ないという考えが出てきます。
この点は制度として確立しており、これを在職老齢年金といいます。簡単に言うと、その人が得ているお給料と年金額の合計に応じて、年金が減額される仕組みです。

65歳までの人を例にすると、「お給料+月額換算した年金額」が28万円を超えると、超えた金額の2分の1が年金からカットされます。
平均的な厚生年金の受給額が月額9万円程度ですから、お給料が19万円を超えると、カットの対象となるわけです。

さて、この制度に絡んで「働いてお給料が増えると損する」という話を聞くことがあります。
これは本当でしょうか?

計算しやすいように、月換算の年金額を10万円として考えましょう。この人が月18万円の収入を得ても、ちょうど28万円なので年金カットはありません。

では、収入が20万円になったケースを考えてみます。

年金+お給料は30万円となるため、28万円を超えた部分の2分の1、つまり1万円の年金がカットされます。この結果、お給料20万円+年金9万円=29万円となり、確かに1万円カットされています。
でも、この人の収入金額は29万円ですから、お給料18万円+年金10万円=28万円よりも増えているのは明らかです。
ようするに、収入が増えると損する、ということにはならないのです。「年金がカットされる」という話と、「世帯の収入合計が減る」という話はイコールではないという点の正しい理解が大切ですね。

■退職後のキャッシュフローを考える


退職を何歳に想定するかは、人によって様々です。

老齢年金を受給する年齢になった後も、働くことによる年金カットが世帯の収入減につながらない点は、先ほど説明しました。働くことが許される環境で、働く意思があるのでしたら、できる限り働く方が将来のキャッシュフローは改善するわけです。

ちなみに、老齢年金には繰り上げと繰り下げという仕組みがあります。
受給開始年齢の65歳を基準として、受給開始を早める(=繰り上げする)と減額され、受給開始を遅くする(=繰り下げする)と増額されます。

増額の仕組みは、「1ヶ月遅らせるごとに0.7%増」なので、仮に70歳からの受給を選択すると、5年間(60ヶ月)遅らせることになるため、42%の増額となります。

先ほどご紹介した、月額14.7万円の年金が42%増になると、約21万円。年額にして約74万円の増額になるので、キャッシュフローの改善に大きく貢献するでしょう。

ちなみに、繰り下げ受給は、老齢基礎年金と老齢厚生年金を別々に利用できます。
細かい話は割愛しますが、年下の配偶者がいるケースでは、老齢厚生年金を繰り下げることで、加給年金(年額約39万円)がカットされる影響も考慮する必要があります。

様々な仕組みが絡み合って、正しい理解が難しい公的年金ですが、自分の生活に直結する大切な制度である点を改めて意識し、キャッシュフロー表に当てはめ、その影響を数字で確認することが大切なのです。
  
Posted by kurisuke701 at 23:59Comments(0)社会保険

2018年06月19日

地震の度に感じること

6月18日の地震には驚きました。

当時私がいた場所は、震源の大阪府北部から、距離にして約50キロの滋賀県大津市。震度5弱と公表されていますが、短い時間ながらも下からの突き上げるような揺れは、23年前の阪神淡路大震災を思い起こすものでした。
今回の地震による被害を受けられた方々に対しまして、心よりお見舞い申し上げます。また、尊い命が犠牲になったことは、本当に心が痛みます…。

■地震はいつでも起こっている



地震大国の日本では、震度1以上の地震が毎年2,000回程度発生しています。
こちらのサイトによると、2017年は2,025回ですから、1日平均5.5回。ちなみに、熊本地震が記憶に新しい2016年は6,587回、東日本大震災が発生した2011年には、10,681回もの地震が発生しています。

このサイトの中で、地震の発生個所を日本地図に落とし込んだ資料があるのですが、こちらを見ると、ここ数年の関西圏は地震が多くありません。滋賀県在住の私の感覚でも、ほとんど揺れの記憶がない感じです。

その結果、「日本に地震が多いことはわかっているけど、自分たちのところは大丈夫だろう」という気持ちがどこかにあったことは否めません。でも、日本全国のどこかでいつでも自身は起こっているのです。改めて、いつ身近で大きな地震が起こってもおかしくない、という認識を持ち続けることの大切さを実感しました。

■日頃の備え


では、何に対して備えておくべきなのでしょうか?
FPという立場上、地震の備えというと、まず地震保険や地震共済(自然災害共済)の話題が出ます。これはもちろん大切です。でも、それ以前に大事なのは、イザという時に必要なモノの用意と、家族間での連絡手段等の確認でしょう。

今回の地震では、交通機関こそ終日のマヒで混乱したものの、日常生活に支障を来す事態になった地域は限定的でした。
そのため実感がわかないのですが、電気やガス、水道といったライフラインが止まった場合のことを想定し、せめて3日間ぐらいは過ごせる状態を確保しておくべきでしょう。

一般的に、大人1人につき、一日2〜3リットル飲料水が必要と言われているそうです。
2リットルのペットボトル1本分。家族4人であれば、4本×3日分として12本。
この程度は、常にストックしてある状態が最低限なのでしょう。
それ以外にも、生活用水として同じぐらいの水を用意しておくべきです。、実行するのは難しいかもしれませんが、ペットボトル10本ぐらいに水道水を入れておき、3日〜1週間程度で中身を入れ替えておくことが望ましいようです。
それよりも、水が出ない時には、食事をしても洗い物が出ないように、紙皿や紙コップをストックしておくことが大切かもしれません。
こうした知恵は、インターネットを検索するとたくさん出てきますので、できることから実行することが大切なのです。

■無形資産と情報リテラシーを大切にする


また、こういう時に大切になるのは、お金や不動産などの「有形資産」より、人とのご縁や情報などの「無形資産」です。
以前、ある経営者の方との会話の中で、「無形資産というのは、自分自身のスキルや人とのご縁など。そのつもりで努力をして築き上げていけば決して減ることがなく、イザという時に自分を助けてくれる。本当の意味でのセーフティーネットになる」というお話を聞いたのですが、本当にそうだと感じます。

そして、SNSで発信されるデマ等を判断するだけの「情報リテラシー」もとても大切です。東日本大震災や熊本地震の際にも問題となりましたが、「発信されている情報が正しいか否かを取捨選択し、正しい情報に従って行動する力」は、今の時代に必須の基礎力になっていると感じます。
意図的なデマ情報はもちろん、リツイート等による知り合いからの情報であっても、ネット上の真偽不明の情報を鵜呑みにするのは危険です。
必ず情報の出元を確認し、最初の第一報が信頼できる人や団体からの発信であるかどうかを確認する癖をつけたいものです。
  
Posted by kurisuke701 at 23:59Comments(0)日常のつぶやき

2018年06月12日

理屈の話と感情の話

日本FP協会から毎月手元に届く会報誌(FPジャーナル)の中で、米国のFP事情が紹介されるコーナーがあります。

■感情に基づく行動の裏にある理由


ここでは、以前より心理学的要素からのアプローチに言及される機会をよく見かけます。
お金との向き合い方だけに限りませんが、世の中には理屈に沿った合理的な考え方に基づいて動く人もいらっしゃれば、自分の気持ち(感情)の欲するまま、あまり先のことを考えずに動く人もいらっしゃいます。また、同じ人でも時には合理的に動き、時には感情的に動くことがあるでしょう。

2002年に、ダニエル・カーネマン教授がノーベル経済学賞を受賞されたあたりから、行動経済学や行動ファイナンスという概念が広く知られるようになりましたが、人が感情の赴くままに取っている行動にも、ちゃんと理由があることがわかる点で興味深いものです。

■損失回避と未達回避


今回、改めて面白いなと思ったのが、損失回避の願望と、未達回避の願望について紹介された記事でした。

例えば、「自分の投資した10万円が50%の確率で2倍になり(=10万円儲かり)、50%の確率でゼロになる(=10万円損する)状況」は、多くの人が避けるそうです。これは、多くの人が自然と理解している「損失回避」の行動そのものでしょう。

一方で、同じことを「10万円の含み損がある人」に対して尋ねると、別の答えになるそうです。
つまり、「50%の確率で10万円儲かる(=含み損がなくなって収支ゼロとなる)が、50%の確率で新たに10万円損する(=トータルでは20万円の損失となる)という取引は受け入れる傾向があるというお話です。

合理的に考えると、今の状況がどうあれ、儲かる確率と損する確率が50%ずつの取引ですから、受け入れる人は受け入れるし、受け入れない人は常に受け入れないと思われがちです。

しかし、10万円の含み損がある人は、何もしなければ10万円の損失が確定してしまいますが、取引を行うことで、10万円の損失を避けられる可能性があります。逆をいえば取引を行わなければ10万円の損失を避けられる可能性がゼロになるから、少しでも可能性の高い方にかけるわけです。「達成しないことを避ける」という意味で「未達回避」というわけです。

■理屈だけで説明できない行動を大切に


確率論でいうと、買った瞬間に50%以上の損失となる宝くじも、この未達回避の理屈で説明ができるそう。
合理的な判断では誰も買わない宝くじも、買わなければ当たる可能性はゼロです。
でも、買うことで何億円というお金が手に入る可能性がゼロではなくなる。つまり、未達の回避のためには「買う」という行動になるわけです。

様々な場面において、統計に基づく確率論が大切なのは間違いないのでしょう。ただ、理屈ではわかっていてもその通りの行動をとらない人もいますし、そこには本人も気づいていない合理的な理由があるのかもしれませんね。

改めて、理屈で説明できない行動も大切にするべきだなと感じた次第です。  

2018年06月05日

仮想通貨の最近の話題

仮想通貨交換事業者のコインチェックにおいて、約580億円分の巨額流出事件が発生したのは1月26日。早いもので約半年が経ちました。

コインチェックの口座を持ち、流出したNEM(ネム)を(ほんのわずか)保有していた私は、当事者の1人として一連の成り行きを見てきましたが、最近は関心の薄れを実感します。
ましてや、仮想通貨取引と無縁の多くの方にとっては、ほとんど終わった過去の話なのかもしれません。

■広がりを見せる仮想通貨関連の動き


国際決済銀行が報告書の中で「仮想通貨の本源的な価値はゼロである」と言うなど、本質的な存在について疑問を呈される場面が多くなっています。
一方で、4月にはマネックスグループがコインチェックの買収を公表し、6月4日からはSBIホールディングスの完全子会社であるSBIバーチャルカレンシーズを通じて、仮想通貨販売所の営業開始を発表するなど、仮想通貨そのものは、少しずつ根を広げているようにも感じます。

仮想通貨技術を使った資金調達であるICO(=イニシャル・コイン・オファリング)の実績も拡大している様子。日本経済新聞の記事(5月11日付)によると、世界での資金調達実績は1〜3月だけで63億ドル(1ドル=109円換算で約6,867億円)となり、昨年1年間の54億ドル(同、5,886億円)を超えたとのことです。

■時価総額が伸びている仮想通貨


仮想通貨の代表格であるビットコインは、昨年の急騰時に約220万円まで上昇した後に急落し、現在の価格は約84万円と、約4割の水準になっています。時価総額も約27兆円から14.1兆円と落ち込んでいるもののこちらは約52%の水準。

さらに言うと、仮想通貨全体の時価総額は37兆2,455億円で、昨年12月10日に調べた際の43.7兆円の85%の水準を維持しています。

ちなみに、時価総額2位のイーサリアムの時価総額は、昨年12月時点の4.9兆円から約6.5兆円、リップルも約1兆円から約2.8兆円と、大きく拡大しています。
両者とも、価格は大きく下落しているわけですから、取引規模の拡大が時価総額の拡大につながっており、まだまだ投機の域を出ないとは言われながら、その裾野は確実に広がっているようです。

■ブロックチェーンの信頼性を揺るがす事件


このような中、ブロックチェーンと呼ばれる仮想通貨取引の根幹技術において、その安全性を揺るがす事件が発生しています。標的になった仮想通貨は「モナコイン」。2013年末に公開された日本発祥の仮想通貨です。

報道によりますと、モナコインの取引記録を改ざんする形でブロックチェーンが書き換えられ、ロシアの仮想通貨交換所(ライブコイン)に1,000万円ほどの損失が発生したそうです。

技術的な深い話はさておき、仮想通貨が財産として価値を持つのは、このブロックチェーンがあってこそです。

例えば、私が日本円80万円を1ビットコインに交換したとしましょう。
仮想通貨は文字通り「仮想」ですから、現実の紙幣や硬貨は存在しません。でも私が1ビットコインを保有している事実はあり、仮に1ビットコインの価格が100万円に上昇した後に売却すると、ちゃんと日本円で100万円が振り込まれることになります。

この場合に、私が「正当な1ビットコインを保有している」というお墨付き(=承認)を与える技術が、ブロックチェーンだと考えればいいかもしれません。
承認された取引データが「ブロック」として鎖のようにどんどん繋がっていくからブロックチェーン。

ということは、この承認作業を意図的に書き換えられたら、存在しない取引記録を作ったり、あるはずの取引記録を無効にできたりしてしまうわけですが、今回モナコインで発生したのは、まさにこうした書き換えでした。

以前から、ブロックチェーンの特性を悪用した不正は、理論上可能と指摘されながらも実際には行われた例がほとんどなかったようです。ビットコインのように、取引量が莫大になってくると、書き換え自体が不可能だともいわれています。それでも、現実に発生した今回のモナコイン事件は、ブロックチェーンの安全性に対する大きな警鐘となったのでしょう。

まだまだ「よくわからない」と言われることが多い仮想通貨ですから、一般への普及に際して超えるべきハードルはまだまだ多い気がします。
  
Posted by kurisuke701 at 23:59Comments(0)金融・経済・政治