6月早々、「セゾン投信、中野会長が退任へ」という驚きのニュースが目につきました。
複数のメディアの記事を見る限り、親会社であるクレディセゾンと販売手法を巡って対立があったとのことで、「事実上の解任」とされています。

中野会長と初めてお会いしたのは震災の前後だったと記憶しているので、かれこれ12〜3年のお付き合いになります。僕が主宰している大阪の勉強会にも幾度となくお越しいただき、いつも熱いお話を拝聴していました。
まだ第一報の段階ですので、今後の成り行きを見守りたいと思いますが、是非また講師にお呼びする機会を作りたいと思います。

■異次元の少子化対策の具体案


さて、昨日(6月1日)政府から「こども未来戦略方針」案が公表されました。
異次元の少子化対策として検討されてきた内容を取りまとめたもので、全文はこちらで確認できます。

「少子化は、我が国が直面する、最大の危機である。」という言葉から始まるなど、全体的に強い意志を感じる本文で、具体的な施策として書かれているのは次の項目です。

(1)児童手当の拡充
児童手当は所得制限を撤廃し、支給期間を高校卒業まで延長。第三子以降は0歳から3万円に増額するなどの内容で、2024年度中に実施できるよう検討されます。

(2)出産等の経済的負担の軽減
これまでの幼児教育・保育の無償化に加えて、今年4月からは出産育児一時金を42万円⇒50万円に増額。また、出産・子育て応援交付金(10万円)の制度化の検討や、出産費用の保険適用の導入も検討されるようです。

その他、(3)医療費等の負担威厳、(4)高等教育費の負担軽減、(5)個人の主体的なリ・スキリングへの直接支援、(6)いわゆる「年収の壁(106 万円/130 万円)」への対応 、(7)子育て世帯に対する住宅支援の強化、などが盛り込まれています。


■児童手当の実質的な効果について


多くの検討項目の中でも、児童手当の拡充は関心が高いようです。特に、「高校生に対する扶養控除の廃止」とセットになるという報道が出てからは、「それだと意味が無い」「実質的には負担が増える」などの声も聞こえていました。

では、扶養控除が無くなった場合の影響は具体的にどの程度になるのでしょうか?

所得税の計算については過去にも何度か触れていますが、基本的に次の三段階で行います。

1.収入から経費を差し引いて「所得」を出す
2.所得から所得控除を引いて「課税所得」を出す
3.課税所得に税率を掛けて「税額」を出す

扶養控除は所得控除の1つですから、適用が無くなることで「2」の計算に影響がでます。
年収600万円の方を例に数字を入れて計算しましょう。

1.600万円−164万円=436万円

給与所得者の経費である給与所得控除額は、収入に応じて決まります。年収600万円だと「600万円×20%+44万円」なので、164万円となります。

2.436万円−186万円=250万円

ここが人によって異なるところです。上記の186万円は、基礎控除48万円、扶養控除38万円、生命保険料控除10万円に、社会保険料控除90万円(年収の15%)を合計したものです。配偶者控除を受けられる場合は38万円がプラスになりますし、iDeCoをされている方や医療費控除を受けられる方はさらに大きな金額となります。
まあでも、高校生の扶養控除が無くなる影響を見るわけですから、シンプルにいきましょう。

3.250万円×10%−97,500円=152,500円
 
課税所得に応じて税率は決まります。計算の詳細は割愛しますが、この場合は152,500円が所得税額となります。

そして、高校生の扶養控除の適用が無くなると、「2」の所得控除額が38万円減って148万円。課税所得288万円に対する所得税額は190,500円となります。
結果、所得税額は38,000円増えました。
児童手当は月額1万円なので、年額12万円。こちらは非課税なのでそのまま手取の増加として考えると、実質的な家計の増加額は82,000円(12万円−38,000円)ということです。

ただし、ここには住民税が入っていませんし、復興特別所得税も入っていません。
住民税を計算する際の扶養控除額は33万円で、税率は10%ですから、住民税の増加も含めると税額は71,000円(38,000円+33,000円)増えるため、実質的な家計の増加額は49,000円と、かなり少なくなるわけです。

■人によって大きく異なる数字


計算過程でも書いた通り、この計算は特定の前提条件の場合の金額ですから、実際には人によって大きく異なります。住宅ローン控除を利用されている場合は、そもそも税金の負担がほとんどないケースもあるため、児童手当による収入は、そのまま恩恵を受けることになります。

結局のところ、自分への影響は自分で計算するしかないわけですから、報道内容に一喜一憂するのではなく、計算の仕組みを知っておくことが一番大事なことだと思う次第です。

実はこの件について、先日テレビの取材を受けました。
その際も「前提条件をどうするか?」で随分とやり取りをしました。税金計算については、私がお世話になっている税理士さんにもお願いしてチェックしていただきましたが、結局のところ「状況によって異なる数字を、いかにわかりやすく見せるか」は、いつも悩まされるところ。

ちなみに、この放映はすでに終わっていますが、関西テレビのサイトで改めて配信されるようなので、その折にはTwitterなどでお知らせしますね。

■編集後記


5月の締めくくりは、札幌での講演でした。
これまでにも何度か訪れている北海道ですが、冬以外に行くのは初めてだったりします。今回は季節外れの気温の低さとのことで、スーツでも朝晩は肌寒かったです。

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本格的なコロナ開けということもあり、懇親会では美味しい海の幸を頂いたり、定番の味噌ラーメンを頂いたり、お仕事以外でも充実した時間を過ごさせていただきました。

ちなみに、5月は月間の講演回数の過去最高記録を更新した1ヶ月でもありました。
これもすべて、ご依頼くださる方がいらっしゃるからこそのお話ですから、ここに改めて感謝申し上げます。
喉が大丈夫かな?と心配になるタイミングもありましたが、結果的には絶好調のまま月末を迎え、51歳もまだまだ捨てたものじゃないなあと、変なところで感心した1ヶ月でした。

今日(6月2日)は、広い範囲で大雨の影響が酷くなりそうです。
みなさまくれぐれもご安全に!

「銀行誤算の20年」という特集記事が日本経済新聞で連載されています。
金融機関の職員の方を対象とした研修にも携わっている立場として、考えさせられることの多い記事である一方、書かれていることとは異なる印象を持つ点もあります。

例えば「店舗の役割の変化」について触れられている部分はその1つなのですが、この点は、もう少し自分の中でまとめた上で改めて書くつもりです。

■わかっていてもできないことが自己肯定感を下げる?


改革の必要性や変化の必要性を認識しながら、なかなか実行に移せないことってたくさんありますよね。
これは、金融機関の改革という大きな話だけでなく、個人の日常生活レベルでも同じで、身の回りの整理整頓や食べ過ぎや飲み過ぎを控えることや、ちょっとした運動を始めることなど「やらなきゃなあ」とか「直さなきゃなあ」と思いながらできていないことなんて、いくらでもあるのではないでしょうか。

お金の面でいうと、衝動買いや惰性で続けているサブスクのサービスを止められないというのがそうでしょうし、将来に向けた積み立てがなかなか始められないというのもその一つかもしれません。

人は、変化や未知のものを恐れ、今の状態が心地よいと感じる「現状維持バイアス」があると言われています。だから「わかっちゃいるけど止められない」ことや「わかっちゃいるけど始められない」ことは仕方ないと言えるかもしれませんが、これを気にしすぎることは、自己肯定感を下げる原因の1つになっているような気がします。

■FPへの相談を躊躇する理由


自己肯定感。
言葉の通り「ありのままの自分を肯定する感覚」であり、前向きに生きるために必要な要素の1つでもあります。自己肯定感が下がるということは、ありのままの自分を肯定できないわけですから、「どうせやったって・・・」という後ろ向きの姿勢になりかねません。

最近、ここにこそ「FPへの相談を躊躇する理由」があるように感じています。
もちろん、勝手な個人の感覚です。そこに統計的な根拠や科学的な根拠はございません。

例えばこういうことです。

お金に関する相談をFPにした場合「やるべきことを、すべてきっちりやること」をアドバイスされることが多いと思います。「できれば理想ですね〜」という内容です。

もちろん、人による違いが大きいため、「なるほど!」と気付きを得て、すぐさま行動に移せる人がいるのは承知していますが、実際には「やるべきこと」を頭でわかっていながらできていないことが多いように思います。
アドバイスを聞きながら、心の中では「そんなこと言われなくてもわかってるよ」と思っていて、「でもできないのは、やっぱり自分がだらしないからなんだ」という思考に陥る可能性があるというわけです。

はい、見事に自己肯定感が下がりました。

そして、自己肯定感が下がると、ますますやる気が減少してしまうだけでなく、「FPに相談すると理想論を言われるから反論できないけど、なんだかモヤモヤが残る」と思うようになり、相談自体を躊躇するようになる、という流れですね。

■理想をもちながら、今の状態も受け入れる


お金に関する理想を追いかけ始めるとキリがありません。
そもそも、何を理想とするかは人によって異なるわけですから、模範解答もありません。

ただ、誤解してほしくないのですが、ここで言いたいのは理想なんて持たない方がいいという話ではなく、やはり理想とか目標ってむちゃくちゃ大事だと思っています。

相談を受けたときは「〇年後にどういう状況になっていたいですか?」というお話からスタートすることが多いのですが、これってまさしく「理想」の確認です。FP風にいうと「目標の確認」。営業的にいうと「ゴールベースアプローチ」です。
ただ、あくまでも「将来の状況」であって、「目の前の日常」とは違うことをちゃんと認識するステップが必要なのだと思うのです。
「やるべきことができていない自分」にフォーカスするのではなく、「理想の姿を知ることができた自分」にフォーカスし、第一歩として何から始めればよいかの「足元の行動」に注目することが大事だと思うわけです。

医者の不養生という言葉があるように、お金についての理想を語る人が、みんな理想通りの生活を送っているわけではないと思います。
理想を持ちながら、今の状態を受け入れる。この心持こそが、前に進むための第一歩なのかもしれません。

■編集後記
自宅から車で5分ほど走ると琵琶湖沿いの道路に出るのですが、生まれたときからずっと見ている景色だからか、やっぱり落ち着きます。

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今月は、アウトプット過多の流れが続いているから余計にホッとするのかもしれませんね。
知識や情報のインプットとアウトプットを考えたとき、僕の平均的な状態はインプット70%、アウトプット30%ぐらいだと思っています。多分これが自分の中での心地よいバランスなのでしょう。仕入れたことのうち、外に出す(生かす)のは半分以下ぐらい。

インプットは、単に情報を仕入れるだけではなく「知る」→「背景も含めた理解」→「自分なりの思考」を経て、初めてアウトプットできるレベルになると思っているからです。
まあ、仕事の量ってどうしても偏るものですから、1年を通じてバランス取れればいいと思いますけどね。今年も夏休みを長めにとってバランスとりますー。

僕が生命保険に加入したのは22歳、大学4年生の時でした。

12月に子どもが生まれることを知った顔見知りの方に勧められるまま加入。
まだFPの存在すら知らない時期ですから、当然どんな保険がいいのかも、そもそも保険って何なのかもよくわからず、提案どおりの内容に何も疑問を持ちませんでした。

その後、FPとなってソニー生命に転職した際、改めて真剣に自分の保険を設計して加入し直しました。それからも、家族が増えたタイミンなどで随時見直しや追加はしてきましたが、ベースとなる契約は当時のまま継続しています。

■考えないようにするために考える


現時点(51歳)で支払っている毎月の保険料は、医療保険やがん保険も併せて27,321円。今後は払い込み終了を迎えるものや、保障期間が終わるものも出てきますが、必要な保障はカバーできているため、追加加入の可能性は低いように思います。

というか、基本的に普段は自分の保険のことなんてほとんど考えていません。

そもそも、保険の見直しを意識する機会は、外部からやってくることが多いと思います。
保険会社に転職した知り合いから話を持ち掛けられるというのが典型ですが、雑誌の特集やセミナー案内のネット広告、SNSでの発信など、「今こそ見直しのタイミング」という「今こそ」が常に繰り返されているのではないでしょうか。

次々に新しい商品が登場する生命保険は、いつの時代でも「今こそ見直す時」と言われる宿命にあるものですが、当然ながらその都度見直していたらキリがありません。それよりも、一度契約をしたらその後は忘れてしまってもよい状態を作っておくのが理想です。そして、そのためには「一度でよいから自分の保険を真剣に考える」ことが重要だと思うのです。

「これだけちゃんと考えたのだから大丈夫」と思えれば、その後の情報はそれほど気になりません。「話を聞いてほしい」と言われても、「ありがとう。でも大丈夫!」と自信を持って言えるようになるでしょう。

もちろん、興味があったり必要性を感じたりして、自分から調べたり話を聞いたりすることは全然問題ありません。ここでお伝えしたいのは、「自分の都合とは関係なくやってくる外部からの情報」に振り回されないようにして欲しいというお話です。

■考えるべき保険の基本


では、何を考えればいいのでしょうか?

仕事として保険に関わっていない多くの方は、「一度は真剣に考えましょうと言われても、どうすりゃいいの?」と思うのが普通でしょう。
ただ、考えるべき基本は本当にシンプルで、「自分に必要な保障を理解したうえで、それをカバーする保険を用意する」というだけです。

自分で考えるための基本的な手順は、こちらのnoteにまとめていますので、自分で知りたい方は参考になさってください。
「生命保険に入った方がいいかな?と思った時に考える手順」

必要保障額の計算の仕方はこちらの記事にまとめています。

「生命保険の必要保障額を計算してみる」


■信頼できる人に任せましょう


ただ、世の中には「保険のことを自分で考えるなんて面倒だし、信頼できる営業職員がいるならその人に任せたい」という方も多いと思います。というか、大多数はこちらの考えのように思います。

これは、僕も同意です。本当はすべてお任せできるのが一番です。
そうすると問題になるのは、「信頼できる営業職員はどこにいるの?」という次なるハードルです。

こればかりは、人のご縁に期待するしかありません。一番オーソドックスなのは「信頼できる人からのご紹介」なのですが、人には相性というものがあるため、友人が良いと言った人を自分も同じように良いと思えるかどうかはわかりません。

今は、SNSで情報発信している人も多いので、/頼できる人に紹介してもらう、△修凌佑情報発信されていればそれを見る、フィーリングが合えば実際に会う機会を作る。というステップを踏むことが、1つの解決策になるかもしれませんね。

なお、生命保険の考え方については、2月16日のブログでも触れていますので、こちらも参考にしてくださいませ。

「生命保険や共済を数字だけで見ていませんか?」


■お金が減ることに対する不安


以前、「医療保険は不要」という考え方が広がる時期がありました。
日本は公的な医療保険が充実しているから、そもそも自己負担が少ないことや、入院日数の短期化などによって、昔ながらの医療保険では十分な給付が受けらないことなどもあり、それなら貯金で持っておく方がいいよねって考えです。

これ、一見すると合理的に見えるのですが、実際はそうとも言えません。

例えば、入院費用として100万円を用意している人が、50歳の時に入院し、自己負担の総額が15万円だったとします。これで残りは85万円。預貯金からお金を使うのは予定通りではあるものの「お金が減った」という事実は、少なからず不安をもたらします。もしかするとまた100万円に戻そうとするかもしれません。
そう考えると、「入院に備えて用意するお金」はいつまでたっても十分にならないわけです。

こんな時、たちまちのお金に困っていないとしても、少しまとまった金額のお金を給付金として受け取ることができればうれしいものです。不安になるか、ちょっぴりうれしくなるか。論理的な計算も大事ですが、こうした精神的な安心材料も、保険の大切な役割だと思う次第です。

■編集後記


先日、久しぶりにドクターイエローに遭遇しました。
東京駅に到着するタイミングでふと窓を見ると、隣に黄色い車体の新幹線が見えたので、降りてから撮った写真がこちら。

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となりに停まっているのが、僕の乗ってきた新幹線です。

ドクターイエローは、走行日が非公表なことから「見ると幸せになれる」とされますが、実際には1ヶ月単位ぐらいの走行予測はネット上で確認することができます。
もちろん、非公式なものなので、この方たちがどうやって情報を得ているのかは存じませんが、ほぼその通りに運行しているようなので、「どうしても見たい」という方はチェックされると良いと思います。

ちなみに、今回のブログをアップする5月19日(金)、ドクターイエローは東京から博多に向かっており、明日(5月20日)は博多から東京に戻ってくる予定となっているようです。

まあ、そんなことよりも偶然出会える方が嬉しさは大きいんですけどね(^^)

最近のTwitterは、真実と虚構の境目が分かりにくくなりました。

注目を集めるためのネタ的な投稿は昔からあったはずなのですが、以前はもっと「ネタはネタ」というエンタメ性があり、純粋に楽しめるものが多かった気がします。

今は、「真実と疑わない人がそれなりに発生する」ことを前提とした上で、最終的には自分の収入につなげるような投稿が増えている感じ。
ちょっと寂しいというか、切ないというか。世の中の過ごしにくさの一端が、Twitter界にも現れているように感じる次第です。

■Twitterを始めたころ


僕がTwitterを始めたのは2009年7月なので、かなり初期からのユーザーです。勧められるがまま面白そうだと思ったことと、ちょうど初めてのスマホ(iPhone3G)を手に入れた時でもあり、スマホっぽさを実感できるツールにも思えていました。それから14年ぐらい続けているのですから、自分に合っていたのでしょう。さっき確認したら、これまでのツイート数が23,327になっていたので、年間1,666回、1日4.5回平均でつぶやき続けてきたことになります。

初期のころは、あまり深く考えず「梅田なう」とか「東京なう」とか、普通にリアルタイムに呟いていましたし、旅行の時も、旅先から写真を添えて、普通に呟いていました。
そして、「え?栗本さん東京に来てるんですか?じゃあ飲みに行きません?」という流れで合流したりして、「Twitterってすごいな〜。面白いな〜」と純粋に楽しんでいたわけです。

実際、Twitterを通じてのご縁からイベントを開催することになったり、その後の長きにわたるリアルでのお付き合いにつながったり、ビジネスを一緒に手掛けるようになったりといったこともありますから、Twitterは本当に面白いツールだと思っています。

■Twitterのリスク


一方で、負の面が多いのも事実です。

まず、実名でやっているからこそのリスクとして、自分がどこにいるかを知らせると、それ以外の場所にいないことをさらしていることになります。「3泊4日の沖縄旅行!那覇空港につきましたー!」なんて呟けば、「お、4日間は留守なんやな」と伝わってしまうわけです。

あとは単純に「〇〇にいるならなんで声かけてくれないんですか?」的な連絡もあったりするので、そういうものにいちいち言い訳するのが面倒だという背景もあります。

Twitterのリスクには、自分の発信がもとで、知らない人から攻撃的な反応を受けたり、心無い誹謗中傷にさらされるというもの(いわゆる炎上)がありますが、それ以上に、個人情報がダダ洩れになってしまうリスクがある点は、もっと意識する方がいいように感じる次第です。

そういえば、先日電車の遅延に巻き込まれたとき、「〇〇で停車中」というツイートをしたら、「当方、〇〇で止まっています。」という反応があり、しばしやり取りが続けるという出来事がありました。その情報交換によって、車内アナウンスやニュース速報より早く状況が把握でき、久しぶりにTwitterの良さを体感。こういうのはやっぱ面白いですね。

■ゆるく続ける僕流


あと、根本的に打たれ弱い性格のため、ネガティブな反応は極力避けたいし、想定以上に賞賛されるのも「うわー、そっとしておいてー」という気持ちになってしまう。結果として今は、毒にも薬にもならないツイートが大半を占める今のスタイルが、自分には合っているように思うわけです。

日本人のTwitter(ツイッター)ユーザーのフォロワー数の平均値は、400〜500人らしく、2,000人以上のフォロワー数を抱えているアカウントは全体の10%ほどなのだそうです(←ネットで拾ってきたネタで、公式データではありません)。
それからすると、一応上位10%チームの一員ではあるようですが、今後も商売的な活用は全く考えていないので、毒にも薬にもならないツイート80%、ちょっとだけ役に立ちそうな情報10%、友人知人への突っ込み10%ぐらいのイメージで、ゆる〜く続けていきたいと思います。知らんけど。

■編集後記


高校時代からの友人である、18代目永楽善五郎氏の襲名記念の個展が、日本橋の三越本店(本館6階)で開催されています。
たまたま東京出張のタイミングだったので、空き時間を見つけて現地に行ってきました。

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お茶の世界とは無縁の僕ですが、高校時代に一緒にバンドを組んでいた彼の活躍は、ただただ嬉しい出来事です。

5/15(月)までの開催となってますので、お時間ある方は是非足をお運びくださいませ!

▼「襲名記念 千家十職 十八代 永樂善五郎 展

今週は東京で過ごす時間が長く、久しぶりに大きな揺れにも遭遇いたしました。
地震、多いですよね。ライフラインが5日ほど止まっても生活できるように、水とカセットコンロとインスタント食品の備蓄をチェックしておきたいと思います。

みなさま、くれぐれもお気を付けくださいませ。

令和5年5月5日。
同じ数字が並ぶ様子を見ると、ちょっぴり嬉しく感じます。
GWの人混みは、各地で想像以上になっているようですが、予定通り自宅で過ごす時間の多い僕にとっては、遠い世界のニュースのようです。

さて今回は、ファイナンシャルプランナー(FP)の仕事について、最近感じたことの記録です。
ただ、書いているうちに、かなり長くて結局何が言いたいかよくわからない文章になりかけましたので、ここでは「こんなことを考えた」という概要だけの紹介に留めます。
※概要なのに、3,000字以上あるので、心してお読みください(苦笑)

結論を先に行っておくと、
「FP業務って、相談だけでなく講演や執筆もあるけど、これらは結構絡み合っている。情報提供を求められている場合と、行動のサポートを求められている場合を意識するといいかもね。」
ということです。

■考えたきっかけ


「FPとして独立するにはどうすればいいでしょうか?」
これは、これまでの25年以上にわたるFP活動の中で何度も尋ねられたことです。

この質問に対する唯一の答えは無いですが、僕自身は「試験対策講座の講師をすることで、FP知識の定着と話すスキルを身につけ、生命保険会社への転職によって、相談スキルと営業スキルを身につけたことで独立」という道を辿りました。

ただ、今の売上の大半を占めるのは「講演料・講師料」です。

講演内容はFPに関するものですし、実際には「FPとしての相談スキル」などをお伝えすることも多くあるので、FP資格を生かした業務には間違いないのですが、FP業そのものかと言われると、自分でもはっきりわかりません。
税理士さんが、税務申告を行うのは税理士業ですが、税に関する講演を各地で行うことは税理士業とは言えないような気がするからです。
人前で話すことによって収入を得ているという面だけを見ると、テーマは何でも成り立ちますから、「講演業」の方がぴったりきますよね。

例えば、僕が「子育て」や「心理学」や「健康」などの研究者だとして、同じように定期的に講演依頼を受けるようになったとしたら、取り上げるテーマが違うだけで、活動自体は同じようなものになると思うのです。

■FP業務で売上のある人は4.3%?


FP資格者は、日本FP協会の会員数というモノサシでいうと206,748人(2023年5月1日現在)ですが、国家資格のFP技能士試験合格者というモノサシでいうと、金融財政事情研究会受験者の累計が1,616,930人、FP協会受験者の累計が1,079,987人なので、合計すると2,696,917人。重複している人数も多いはずなので、実数でいうとこれより少ないとは思いますが、それでも100万人規模の人が資格を持っていることは間違いないでしょう。

では、この中でFP業務による収入のある人はどのぐらいいるのでしょう?

これについては、日本FP協会が実施している「2021年度ファイナンシャル・プランナー実態調査」の中で問われている「FP業務による売上の有無」という項目を見てみます。FP協会会員を対象とした調査なので、母数は約20万人。しかも、有効回答者数は11,195人であることと、回答する人はそれなりにFPに対する意識の高い人と考えられますから、あまり参考にならない気もしますが、他に見るべき統計がないので、こちらを利用します。

・FP業務で売上がある経営者:3.7%
・FP業務で売上がある勤務者:0.6%
・CFP・AFP資格を業務で活用する人:36.0%


最初の2つはわかりやすいですが、3番目の「業務で活用する人」というのは、なかなか捉え方が難しいですよね。
例えば、「保険会社に勤めているFP資格保有者である営業職員」は、FP資格を業務で活用する人に間違いないと思いますが、「保険会社に勤めているけどFP資格を持っていない営業職員」は、全く同じことをして売上があっても「FP資格を業務で活用する人」ではありません。(なんだかややこしいですね・・)
細かいことにつっこむ意図はありませんが、「FP業務で売上がある」という状況は、ひと言では説明できない」という話です。

■FP業務による売上の上位にくる「相談料」と「執筆料」


ちなみに、同調査で「FP業務で得た昨年の年間収入」という質問に対して、「平均は約470万円」となっていますが、全体の50.8%は100万円未満と回答しています。そして、収入があるものの上位5つは次のとおりです。

・相談料66.4%
・講演料・講師料40.8%
・提案書作成料31.9%
・コミッション料29.2%
・執筆料・監修料27.7%

ここで4番目にあがっている「コミッション料」とは、「募集・仲介・販売の手数料」ですから、保険商品や投資信託の販売や不動産の仲介などが典型的だと思われます。
「商品を扱うFPは中立性が保てない」とする風潮は根強く残っているものの、個人的にはこの風潮にまったく同意できません。現実にFP資格を活用した売上要素に、こうした商品の介在は欠かせないからです。

それよりも、上位5つの中に「講演料・講師料」と「執筆料・監修料」が入っていることに、FP業務の不思議な傾向を感じます。
だって、弁護士さんや税理士さん、司法書士さん、社会保険労務士さんといった他の専門家を対象に同じアンケートを取ったとしたら、講師料とか執筆料の割合はこんなに上位に来ないように思うからです。

■情報提供業と行動サポート業の両輪


ここで再び僕の話に戻ります。昨年1年間の売上をざっくり割合にすると、「講師料:65%」「教材やコンテンツ制作など:20%」「相談料や顧問料など:15%」という感じになります。
そして、講師料を得るための活動が、相談料や顧問料を得るための活動にかなり役立っている事実があります。

他の士業のように、法律で定められた手続き等の業務が無く、「人のライフプラン」という、重要だけど曖昧なことを取り扱うFPは、相談してくださる人よりも多くの知識や経験が求められるものです。そして、この知識や経験は、講師業や執筆業を通じて身につく部分がとても大きいのです。

言ってみれば、情報提供業として準備したことが、その問題で悩まれている相談者に対する行動のサポートに役立つという話です。

そう考えると、例えば「将来に向けた投資を始めたい」という人に対応する場合、次の2つのアプローチが考えられます。

1つは、「自分で投資について学びたい」という方に対して「徹底した情報提供」を行うこと。
もう1つは、「将来に向けた投資が大事なのはわかるけど、他にもやりたいことがたくさんあるから、この部分は人に任せたい」という人に対して、情報提供だけでなく、実際に商品を選び、その商品を購入してもらう行動のサポートまで行うことです。
そしてそのためには、必要な資格(証券外務員など)や業務を行うための正式な登録(投資助言業など)が欠かせない要素となります。

以上の2つは、いずれも「将来に向けた資金準備のための投資に対するサポート」という点で、間違いなくFP業務ですよね。だからこそ、「独立系」とか「企業系」と言ったくくりはもちろん、「商品を扱うか否か」によってFPを分類するのは意味の無いことだよな、と100回目ぐらいに思いましたので、本日の日記といたしました。

■編集後記


先日、家族ぐるみでお付き合いのある友人宅に行き、BBQをしてきました。

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高校時代からの友人とのお付き合いは35年を超えていますし、お互いの子どもは生まれた時からずっと知ってますから、家族ぐるみのお付き合いというより、もはや家族そのもののようにも感じています。

人付き合いって、一歩間違えると面倒なことになってしまうものなので、こうして何十年にもわたって気持ちの良いお付き合いができる仲間に恵まれたことは、本当に幸せなことだと感じる次第です。

GWもあと少し。気持ちの良い時間をお過ごしくださいませ。ノシ

4月も残すところあと3日となり、いよいよゴールデンウイークです。

人混みが苦手な僕は、GWに行楽地に出かけることはほぼないのですが、子どもが社会人になってから、その傾向が加速したように感じます。というか、加速しています。
今年も、5月以降の仕事の準備のほかは、近場への買い物や部屋の整理を行うぐらいで、あとは溜まっている本や雑誌を読む時間に充てることになりそうです。

■NISA本の決定版


本といえば、このGWにでも是非お読みいただきたいのが、竹川美奈子さんの「新NISA徹底活用術」です。この分野では真っ先に名前のあがる、文字通り第一人者の竹川さんの本は、文章が読みやすいだけでなく、「こういう場合はどうなんだろう?」という疑問をほぼ網羅している点が素晴らしいと思っています。

このテーマの本は、これから先も多く出版されると思いますが、「NISAって何?」という方からアドバイスする立場のFPさんまで、この1冊を読んでおけば間違いないと思います。
自信をもってお勧めできる1冊です。

■資産運用の目的


NISAといえば、今年最初のお仕事もNISAの解説でした。

その後、お客様はもとより、身近な友人や知り合いの方からも「NISA始めた方がいいのかな?」という質問がちょくちょく寄せられています。
関心はあるけど一歩踏み出せない、というのは、未経験の分野に足を踏み入れる際には避けられないことですが、金融資産の運用を始めるのであれば、利用すべき制度ですね。

だから、「NISAを始めた方がいいのかな?」という質問に対しては「始めた方がいい」というのが答えになるのですが、その前提として「あなたにとっての資産運用の必要性」をしっかり考えなくてはいけません。そもそも資産運用の必要性が無ければ、NISAを始める必要はないからです。

言い換えると、「NISAをやりたいから資産運用を始める」というのはちょっと違いますよってお話。

この点は、「その人のライフプラン次第」という表現でいつもお伝えしていることで、平たく言うと「資産運用の目的はなんですか?」ということです。

それは、「余裕資金の運用」かもしれませんし、「少しでもお金が増えれば嬉しい」という軽い気持ちかもしれませんし、「10年後の教育資金の準備のため」かもしれませんし、「30年後の退職時に備えた資産形成」かもしれません。

NISAは「少額投資非課税制度」という名前の通り、投資で得た利益に対する税金が非課税となる制度ですから、儲かった時にメリットがあります。

ただ、投資である以上、当然ながら必ず儲かるという保証はありません。意に反して投資商品が下落し、大きな損失を抱える可能性もある話です。そうなると、NISAのメリットが得られないどころか、「なんで投資なんてしたんんだろう・・」という後悔にも繋がりかねません。

だから、まずは「なぜ投資をするのか?」「なぜ投資をしたいのか?」という自分なりに目的を持ち、その上で「よし、投資を始めよう」となった場合にNISAを活用する、という順番を忘れないようにしていただきたいのです。

■編集後記


先日、京都から神戸の三宮に移動する機会がありました。

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滋賀県から大阪や神戸方面に行く場合、公共交通機関はJRの一択です。いや、もちろん途中で乗り換えれば様々なルートがあるのですが、時間と便利さではJRに勝るところはありません。
それもあって、京都から三宮に行く際も、地下鉄などで京都駅に戻ってからJRで移動していたのですが、たまたま阪急電車の駅に近い場所で、時間にも少しゆとりがあったので、念のため検索してみると、阪急の烏丸駅から神戸三宮駅までの料金が640円だと。。値段が安いことは知ってたけど、JRの京都〜三ノ宮は1,110円なので、思いのほか大きな差がありましたとさ。

よく知っている場所でも、一度は路線検索するのが大切だという教訓でした。

早いもので、母の死から1ヶ月が過ぎました。気持ちが癒えるにはまだ時間がかかりそうですが、少しずつ落ち着きを取りもどし、仕事の合間に相続手続きを進めています。

2007年以降、相続手続支援センターの運営に関わったり、相続手続カウンセラー協会の理事に就任したりと、FPの中でも相続を専門分野の1つとして活動していますので、手続きで困ることやわからないことはありません。
ただ、僕が現場で動いていたのは10年近く前までなので、手続きに行った窓口で最近の傾向などについて逆ヒアリングを実施しています。窓口担当者からは不審がられることもありますが、現場の状況が知れるのは興味深いですね。

■相続人同士の連絡


相続手続きを進める中で改めて認識したのは、相続人同士の関係が良好であることが、何よりの相続対策であるという点です。
そもそも、相続発生時には、役所や金融機関などで行う各種手続きにかかる物理的な負担があり、これは業者に依頼しない限り避けることができません。ただ、相続人同士の連絡がスムーズだと、手続きを進めるにあたってのストレスはほとんどありません。

親族間には外からは計り知れない歴史がありますから、無理やり仲良くする必要はないと思います。ただ、お互いを尊重し、常に連絡が取りやすい状況をつくっておくこと、なるべく情報を共有し、あとから「え?」と感じられないようにしておくことなどは、ちょっとした心がけでできますし、とても大切だと思う次第です。

■お墓の話


そのような中で、今色々と情報を集めているのは、今後のお墓についてです。

最近は「墓じまい」という言葉を目にする機会が増えました。
先祖代々守ってきたお墓は、これからも守り続けるのが当然だと考える方が多いと思う一方、自分たちの代で終わりにしたいと考える方の増加や、そもそもお子さん(=お墓を継ぐ人)がいないケースも増えているため、世の中の流れとして必然なのかもしれません。

我が家のお墓事情はさておき、生前の母から聞かされていたのは「お墓に入るのではなく、樹木葬にして欲しい」という希望でした。ちなみに、2020年に亡くなった父の時は、海洋散骨をしています。この話は2020年8月25日のブログで詳細をご紹介していますので、海洋散骨に興味のある方にとっては、少しばかり参考になるかと思います。


■樹木葬の実態


樹木葬と聞くと、「木の周りに粉末状にした遺骨を撒く」というイメージを持つ方も多いと思います。というか、僕がそう思っていました。
海に撒くのが海洋散骨で、木の周りに撒くのが樹木葬。

でも、どうやら今は少し勝手が違うようです。

もちろん、土に撒くケースもあるようですが、今回見学させていただいた霊園は、3カ所とも「自分専用のスペースを作り、その入れ物に納骨する」タイプでした。いわゆる「墓石」の代わりに名前を入れたプレートの石板が付く形式です。
価格は様々ですが、2人までが納骨できる標準のタイプで、おおむね40万円〜50万円ほど。これ以外の費用はかからないところもあれば、年間の管理料を取るところもあります。

一番大きな違いと感じたのは、最終的に合祀(ごうし)されるかどうかという点です。
専用のプレートに納めた遺骨をそのまま永遠に(=その場所が存在する限り)置いてくれる所もあれば、20年などの期限がくれば、他の遺骨と一緒に合祀塔のような場所に移されるところもあります。

こうした違いは、ホームページなどに説明はあるものの、直接お話を聞くまで正しく理解できていなかったことです。今後、樹木葬は増えるでしょうから、それに合わせて様々なサービスが出てくると思いますが、やはり複数の施設を見学することは必須と言えそうです。

■編集後記


大津市内で、密かに人気のある「開運そば」をいただいてきました。
大津市役所の近くにある「円満院」の敷地内(?)にあるお蕎麦屋さんで、もとは円満院の門番小屋だった建物なのだそうです。

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テーブルが5つほどの小さなお店なので、並ぶことは避けられないようですが、食べる価値のある美味しいお蕎麦でした。

最初にお知らせです。
4月15日(土)と25日(火)にラジオに出演いたします。

●4/15(土)16:30〜FMちゃお(79.2MHz)
●4/25(火)15:30〜ならどっとFM(78.4MHz)

ともに30分ほどの出演で、インターネットラジオでもお聴きいただけますので、お時間のある方はお聞きくださいませ。

■確定拠出年金の移管手続き


今年に入ってから、いわゆる「退職準備セミナー」でお話しする機会が何度かありました。
退職を勧めるような印象を与えてはいけないという理由で、単に「ライフプランセミナー」と称されるケースも増えているようですが、主には「退職後の生活設計の立て方」と「退職前後の手続き」についてお伝えしています。

特に、組織に所属されている方にとって、社会保険を中心とした多くの手続きを自分で行うことのハードルは高いようで、「初めて知った」という方も少なくありません。その中の1つに確定拠出年金の移管手続きがあります。

一般的に、退職金は「受け取るもの」であって、自ら手続きをしなければいけないものという意識は少ないように思います。
ただ、勤務先を通じて加入している企業型確定拠出年金(企業型DC)は、退職後に自分の資産をどうするか考え、必要に応じた手続きを行う必要があり、手続きを行わずに放置していると、これまでに積み立てられた資産がどんどん目減りする状態になってしまいます。

■自動移管と資産の目減り


具体的には、6ヶ月以内に手続きを行わないと、資産が国民年金基金連合会に自動移管され、毎月手数料を差し引かれながら現金の状態で管理される、というものです。
運用しないのに手数料がひかれることで、資産はどんどん目減りしていきます。しかも、この期間はDCの加入期間に含まれないため、受取開始時期にも悪影響を及ぼします。

この自動移管の対象となった方は増加傾向にあり、2022年3月末時点でも100万人を超える規模で存在しているそうです。
確定拠出年金関係の通知は放置しないようにご注意ください。

■通算企業年金という選択肢


ちなみに、まだあまり浸透していないようですが「通算企業年金」という制度があります。
2022年5月に始まったもので、これまでに積み立てられた資産を、企業年金連合会が所定の利率で運用してくれるものです。

最大の特徴は終身年金であるということ。
資産額に応じるため、受取額は少額となる可能性が高いものの、DC資産の移管手続きをして運用を継続する・・・という一連の流れを煩わしく思われる方にとっては、検討に値する選択肢かもしれません。

■その他の手続き


確定拠出年金以外では、公的年金や健康保険、雇用保険が関わりますし、退職して年末調整を受けない場合は、翌年の確定申告も必要となります。
手続き自体を覚える必要はありませんが、「自分にはどんな手続きが関わるのか?」「その際に窓口となるのはどこなのか?」を知っておくことは大切だと思います。

■編集後記


株式投資をしている人なら誰もが知っているであろうウォーレン・バフェット氏が来日された様子が、各メディアで報じられていました。92歳という年齢にも驚きますが、それ以上にバフェット氏の「日本への追加投資を検討」という発言を受けて、株価指数が反応したという影響力の大きさに、改めて存在の大さを感じました。

ちなみに、朝日新聞社のインタビューの中で、AI技術への投資に関して「私はわからない」として、距離を置く考えを示されたそうです。
「自分が理解できるビジネスだけに投資する」という、投資の神様のシンプルな考えは、忘れないようにすべき視点ではないでしょうか。

春になったと思っていたら、あっという間に桜も散ってしまいました。
時間の流れを速く感じるのはいつものことですが、2023年も4分の1が終わったと思うと、なんとも言えない焦りの気持ちを感じます。

そうそう、この時期に旬を迎えるタケノコですが、高校時代からの友人が生産、販売しているタケノコをご紹介しておきます。

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もともと、タケノコは好きでも嫌いでもなく、ごく普通に「あれば食べる」という程度の意識だったのですが、こちらのタケノコを食べるようになってから、タケノコに対する認識が変わりました。
我が家の子どもは、小さい時にこちらのタケノコを食べるようになってから、他のタケノコを食べなくなりました。

とにかく美味しいので、ご興味を持たれた方は直売所のサイトから注文してみてください。

京都山城たけのこ直売所

CMでした。


■行動を変えたければ環境を変える


人が焦りを感じる一つに「やるべきことができていない」状態があると思います。

運動をやるつもりだったのにできていない。
部屋を片付けるつもりだったのにできていない。
勉強をやるつもりだったのにできていない。

ちょっと考えてもいくつもの「できていないこと」が出てくるのではないでしょうか。

こんな時に思い出すのが『スイッチ 「変われない」を変える方法』という本です。
超絶かいつまんで言うと、「人は頭で考えても動けないことが多いので、行動を変えたければ環境を変えなければならない」という感じでしょうか。

本の中で、自分の「感情」を、怠け者で気まぐれな「象」に喩え、「理性」を、長期的に考え、計画を立てて、先を見すえる「象使い」に喩えています。
像使いが「右に行こう」と思っても、圧倒的に力の強い像が左に向かったら、それを止めることはできないわけで、ようするに頭で考えるだけではダメって話です。

ダイエットをしたい(=食べる量を減らしたい)なら、あれこれ頭で考えるより、器を小さくしたら(=環境を変えたら)ご飯の量が減るよねって話です。

■やりたいことリストの功罪


新年を迎える1月や、新年度を迎える4月には、「今年のやりたいことリスト」を作る人も多いと思います。
こういうリストって、作成するときにはやる気に満ち溢れて、実行する気満々でいるのですが、3カ月たった時にほとんどできていない状況を目の当たりにして呆然とする、というのも、よくありがちな光景です。

やりたいことリストの作成は、自分にとって前向きな素晴らしい行動である一方、できていない自分に焦ったり、自信を無くしたりするのであれば、やらない方が良い行動でもあります。大切な「自己肯定感」を下げてしまうわけですから。

こういう時は、リストを振り返ってみて、「具体的な行動に落とし込めているかどうか」をチェックすると良いようです。(注:僕ができているという話ではありません)

「ハワイ旅行に行く」というリストの項目はなかなか達成できませんが、「旅行サイトの○○でハワイ旅行の料金を調べる」というリストだと、もしかすると今すぐにできるかもしれません。
そして、実際に料金表などを見ていると、「この時期は高い」「この時期がねらい目」という具体的な情報に触れることができ、行く時期が決まることで、具体的な計画に繋がるかもしれません。
「ハワイに行きたい」という頭で考えていたことを、「サイトを調べる」という行動に落とし込むわけです。

もちろん、すべてがこんな風にうまくいくわけではないでしょうけど、「すぐにでも実現可能な行動に落としこむ」ところがポイントなのでしょう。

■ライフプランの実現性


これは、ライフプランでも同じことが言えます。

「10年後に1,000万円貯める!」という目標は、時期と金額が明確ですし、モチベーションも上がりそうに思いますが、これだけでは実行が難しそうです。

「今年こそNISAを始めようと思っているんだけど、何もできていないんですよね」という話や、「口座開設まではやったのですが、そのままになっていて・・」という話を聞くことは多くあります。

その場合も、「○○証券で口座を開設する」「積み立ての設定をする」という具体的な行動を上げておく方が実現可能性は高まるでしょうし、なんなら、「友だち(家族)と一緒に積み立て設定までを行う」という予定を作ってもいいかもしれません。

ひとりでやろうとしても、なかなか行動に移せないなら、日時を決めて外に出て、人を巻き込んで無理やり行動する環境を作るというイメージですね。
このやり方は、一緒にできる仲間や家族の存在が前提になりますが、別にリアルに合う必要は無くて、「今日の14時から口座開設を一緒に行うZoom会を開く」でもいいと思います。

オンラインで繋ぎながら、それぞれが黙々と自分の口座設定を行い、わからないことや引っかかることがあればお互いをサポートする。何なら、そこにFPを巻き込んでもいいかもしれません。(注:付き合ってくれるFPさんがいるかどうかはわかりません)

あ、ちなみにですが、こういう相談をFPにする場合、そのFPさんが投資関連の業務を行える人なのかどうか(証券仲介業の登録をしているかなど)は、ちゃんと確認しましょう。
単なる勉強会ではなく、具体的な運用アドバイスなどになると、相応の資格がなければいけませんので、この点はご注意くださいませ。

最近のSNSでも怖いなって思うのは、投資情報を発信している人が、おそらくこうした登録を全くしていないにもかかわらず、平気で具体的な金融商品の名前を挙げて勧めていることです。
ご本人はそんな意識を持っていないのでしょうが、明確に法令違反である場合もありますので、特に「断言します!」という文言を見かけられたら、速やかにその人から離れるようにしてくださいませ。

■編集後記


以前から話題になっていたChatGPTが、イタリアで利用禁止になるというニュースがありました。この動きはEU各国に広がる動きになっているそうです。

僕も、ある人との会話がきっかけで、改めてChatGPTを使うようになったのですが、使い方次第で全然違うのだということを理解しました。
セミナーの資料作成のために、今まで30分かけてネットで調べていたことでも、適切な問いかけをすれば、30秒もかからずにわかったりします。

一方で、便利であればあるほど、その効用に気付く人が多くなればなるほど、利用禁止になった時の影響も大きくなるでしょうから、過度な依存にも気を付けたいとは思います。

今日は2022年度(令和4年度)の最終日。
お仕事や学校等、今日が一つの区切りで、来週から新たな環境での生活が始まる方もいらっしゃるのでしょう。

■4月からも値上げが続く・・・


4月1日から、5,000品目近い食料品で5%〜10%の値上げがあるそうです。宅配便の料金や電気料金の値上げもありますから、家計に厳しい環境はまだしばらく続きますね。

それに追い打ちをかけるように、社会保険料が値上がりする人もいます。

お勤めの方がお給料から差し引かれる保険料では、雇用保険料率が0.1%の引き上げに。
月額30万円を受け取る方は300円の引き上げですから、毎月コーヒー1杯分の負担が増えるわけです。

健康保険料は、お住いの地域や健康保険組合によって違います。協会けんぽでは、13の都府県が値上がりとなる一方、33の道県で値下げ。静岡県だけが横ばいとなっています。
ただ、全国一律の介護保険料率は、2022年度の1.64%から1.82%に引き上げられるので、40歳以上だと全体として値上げになる方が多いのではないでしょうか。

ちなみに、お勤めの方以外が加入する国民健康保険料は、市区町村ごとにかなりバラツキがありますが、値上げとなる自治体が多い様子。年間上限額も2万円の引き上げとなります。一方で、国民年金保険料は、16,590円から16,520円に70円引き下げです。

■電気料金の話


昨年来、話題になることが多い電気料金は、今後も厳しい環境が続きそうです。
ただこの電気料金は、2016年の電力小売り完全自由化以降、様々な契約パターンがあるので、「どうすれば節約できますか?」という質問に対して、明確に答えることができません。

スマホや自宅のインターネットなどとセット契約している方も多いでしょうし、オール電化なのかどうかでも随分差が出ますから、電気代単独での比較が難しいの。

なお、一般的な家庭で使用される低圧(従量電灯)では、政府補助の恩恵で1月〜3月は値下げされたケースもあったので、直近の請求書を見て安心されている方もいらっしゃるようですが、大手電力会社は4月からの電気料金の値上げを発表していますし、政府補助は2023年9月までの措置なので、10月以降はさらに値上がりが予測されているという、ありがたくない情報もあります。

これを機会に、自分の家の消費電力量を確認したり、古い電化製品から節電効果の高い電化製品に買い替えたりするなど、根本的な見直しが大事ではないでしょうか。

ちなみに、現在3人暮らしの我が家の消費電力量は月平均480kwh。
あまり「節電」意識はなく、使い時に使っている感じなので、一般家庭の平均的な消費電力量とされる400kwhよりはちょい多めですね。2021年度から2022年度にかけて、電力使用量は1.3%減少したのに、電気料金は13.6%上昇しているところに、値上げの影響を感じます。


■年金受給額の引き上げ


公的年金の受給額については、2月3日のブログですでに触れているので、そちらをご覧ください。
結論は、67歳以下の年金は2.2%、68歳以上の年金は1.9%の引き上げになるということ。ただ、給付を抑制する「マクロ経済スライド」が発動されていますから、物価上昇ほどの引き上げになっておらず、実質的に目減りすることになります。


■制度改正について


その他の制度改正では、給与のデジタル払いが解禁され、厚生労働省が決済アプリ事業者の申請を受け付けるそうです。また、残業代に関して、中小企業で月60時間を超える時間外労働の割増賃金率が25%から50%に引き上げられます。

また、子育て支援に関しては、出産育児一時金が原則42万円から50万円に増額されるほか、改正育児・介護休業法により、従業員1,000人超の企業は男性社員の育児休業の取得割合を年1回公表することが義務付けられるようになります。
ほかにも、異次元の少子化対策として、児童手当をめぐる所得制限の撤廃や、支給対象年齢の引き上げ、給付型奨学金の所得制限も緩和するなど、様々な施策が検討されています。
なお、少子化や虐待など、担当が複数省庁にまたがっていた子に対する課題に一元的に対応するための「こども家庭庁」が4月1日から設置されます。

そうそう、NHKの受信料について、正当な理由がないのに受信料を支払わない人に対し、受信料の2倍に当たる割増金を請求できるようになるので、適正に支払いをしていない方はご注意くださいませ。 

書き出すとキリがないのですが、あとは「マイナ保険証」普及のため、オンライン資格確認システムを導入または申請中の医療機関で、従来保険証で受診すると受診料がアップするケースが出てきます。こちらも今後の動きに注意が必要です。

■編集後記


そんなこんなで、年度替わりは何かと変化も多いし、慌ただしくもある一方、外を歩くと春の訪れを感じる穏やかな日が多く、満開の桜の景色とも相まって、心華やぐ感じもします。

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亡くなった母が、桜を楽しみにしていたこともあり、この景色をもう一度見せてあげたかったな・・・という残念さを消すことはできませんが、その分、自分たちの目にしっかり焼き付けておこうと思います。

父が83歳、母が82歳で亡くなったことを受けて、自分の仮の寿命を82歳に設定すると、ちょうどあと30年なんですよね。桜を見れるものあと30回か〜と思うと、人生無駄に過ごしてはいけないなと実感します。

2023年3月15日、23時53分。
1人の女性が死出の旅路につきました。

栗本紀美代、享年82歳。私の実母です。

82歳は十分に長生きとはいえ、日本人女性の平均寿命まではまだ6年ほどありますし、何より、調子が悪くなってから亡くなるまでの期間が2ヶ月に満たなかったことで、葬儀が終わった今も、母を亡くした悲しみの感情が渦まいている感じです。

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3年前に父を亡くした時と同様、超個人的な日記となりますが、自分の気持ちの整理も兼ね、母への想い出を綴ります。

◾︎いつもそばにいた母


時代的な背景や、3年前に亡くなった父が外国航路の船乗りだったこともあり、母はずっと専業主婦でした。
朝は必ず見送ってくれて、帰ると必ず迎えてくれる。
もちろん、用事で不在の時はありましたが、基本的に家でご飯を食べる時に母がいないということは無かったように記憶しています。

そして、つい先日までは実家に帰ると必ずそこに母がいました。

だから、誰もいなくてがらんとした実家が未だに信じられないというか、なんだか別の空間のように感じます。明らかに空気が違うこの空間にも、いつしか慣れる日がくるのでしょうか。

◾︎香港在住の時代


僕は長女、長男に続く3人きょうだいの末っ子です。その僕が小学3年生の時、一家で香港に引越しました。1981年のことです。

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父の想い出でも紹介した場面ですが、中学3年の姉、小学6年生の兄、そして小学3年生の僕の3人を連れての初めての海外生活には、不安や苦労も多かったと思います。というか、多かったはず。でも、僕の記憶の中では「社交的な母」というイメージが強く、人が集まる場所に出かけることは多かったし、どのような場所でもちゃんと自分の居場所というか、立ち位置を確保していたように思います。

世の中が何となく華やいでいた時代だったからかもしれません。

ちなみに、香港に住んでいたのは3年間。その間に香港のいろいろな場所に遊びに行き、夏休みには船で近くの島に行って海水浴もたくさんしました。
現在、香港ディズニーランドや香港国際空港のあるランタオ島は、僕にとって夏休みの思い出の場所なのです。

■海外旅行


思い出の地である香港には、できればもう一度一緒に行きたかったのですが、いつからか「もう海外に行こうとは思わない」と言っていた母。

先日、実家の本棚を見ていると、旅行先ごとに整理されたアルバムを見つけました。

父の若いころ(=僕たち子どもが小さかったころ)は、父の休暇に合わせて国内旅行に行くことが多く、その中でもキャンプの記憶が割と鮮明に残っています。
ただ、この時に見つけたアルバムはすべて海外旅行のときのもので、これは50代から60代にかけて、父と二人で行っていたものです。

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カナダ、ニュージーランド、そしてヨーロッパの各国。
だからこそ、「行きたいところには連れて行ってもらったし、もう十分」と言っていた母の言葉を素直に受け入れることができましたし、実際にそうだったのだと思います。

行きたいところには、行けるうちに行くことが大事。
誰もが言葉では理解していますが、それを実行できた母は幸せだったのでしょう。


◾︎鎌倉在住の時代


父が船会社を辞めて水先案内人(正式には「水先人」)となったとき、末っ子の僕は高校2年生だったかな。昭和の時代が終わり、ベルリンの壁が崩れ、バブル経済の崩壊とともに文字通り日本や世界が激動していたころです。

大学生の姉が一緒だということもあり、母は父に付いて鎌倉に引越しました。
ここから約17年に渡る、栗本家の鎌倉時代が始まります。

成長した子どもが家を出るのではなく、両親が出て子どもだけが残るという珍しいパターン。その後、一緒に暮らしていた姉が結婚したため、大学2回生からは僕が実家で一人暮らしをしていました。当然この時期は、家に帰っても母の姿はないわけですが、月イチぐらいのペースで大津に戻ってきてましたね。

高校卒業のタイミングで車を購入し、諸事情によりナンバー登録を横浜陸運局で行うことになったとき、母と二人で大津から横浜までをセリカXXという、決して乗り心地の良くない車で移動しました。湘南海岸が大渋滞だったため、9時間ぐらいかかったんじゃないかな。
免許をとって間もない18歳の息子がハンドルを握る乗り心地の悪い車で、結果として生涯最も長いドライブをした母は、随分と気分を悪くしていた記憶があります。ごめんなさい。

ちなみにこの車では、19歳の時にド派手にスピード違反をやらかし、家庭裁判所に呼び出されることがありました。保護者としてついてきた母には申し訳ない気持ちでしたが、「こんな経験一生に一度だろうから、なんか嬉しいわ。ありがとう。」ってお礼を言われ、母の強さとやさしさを確信した思い出があります。ホントにごめんなさい。

◾︎結婚と子ども(孫)の誕生


母との思い出の中で、個人的に一番印象深いのは、大学4回生で子どもを授かったことを報告した時のことでしょう。

自分の目が行き届いていなかったからだと思い悩み、「お父さんに申し訳ない」と言ってました。「いやいや、お母さんは何も悪くない」といくら言ってもダメで、食事が喉を通らない日が続いていたようです。早い時間にベッドに入る母の横で、毎日毎日、自分がどれだけ相手の女性を好きで大切に思っているか、一時の気の迷いでもなければ、結婚を軽く考えているわけでもないこと、そして自分自身の人生観などを延々と話していました。

最終的には、父から「お前が決めたのならそれでいい」と認めてもらったわけですが、その日までの期間、1週間だったか10日だったかは、生涯で一番母に心配をかけたように思います。ホントにホントにごめんなさい。

世の中には、自分よりも自分のことを心配してくれる人がいるのだということ。
その人のためにも、自分だけではなく、周りの人とも幸せな時間を築き上げることが大切だということ。
いま思うと、こうした人生の価値観は、この時の母との時間が育んだように思えてなりません。

でもね。何年か前に母が僕に話してくれたんですよ。

「あんたが結婚する時はホンマに心配したけど、今から考えたらホントによかったね。楽しいことを一緒に経験させてもらえたのも、そのおかげやね。」と。

少しは親孝行ができたのかな。そうだといいな。


◾︎孫との時間


姉は二人の息子、僕は三人の娘を授かったので、母には5人の孫がいました。
この5人の孫と一緒に、1995年にハワイ、2008年に沖縄旅行に行けたことは、今も心に残る大きな思い出です。

その他にも、姉や僕は、子どもの夏休みや春休みに合わせて何度も鎌倉に行き、鎌倉の家を拠点に色々なところを旅行しました。少し結婚が遅かった兄も、両親との時間を楽しんでいたようです。

とりわけ思い出深いのは、ディズニーアンバサダーホテルに一緒に泊まったことと、千葉県の館山に行ったこと。あとは八ヶ岳への旅行でしょうか。

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僕の娘の七五三のうち2回は、父と母に見守られ、鶴岡八幡宮でおこないました。あの時に買ってくれた着物は、僕の友達の娘さんにも着てもらうなど、その後大活躍しました。


■仲良し4姉妹


そんな母は、四人姉妹の末っ子として1940年11月16日に生まれました。

15年ほど前に長女である叔母が亡くなるまでは、4人でしょっちゅう会っていましたし、旅行にも出かけていたようです。僕の実家に仏壇があったため、お盆のお参りのときは4人が集合し、一時期は叔母たちの送迎をよくやっていました。

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叔母の営む旅館で、子どもや孫たちも含めた20名程度が集まっていた毎年恒例のクリスマスパーティーも本当に楽しい時間だったと、今でもよく思い出します。


◾︎大津での生活


父が72歳で水先人を辞め、大津の実家に戻ってきて2年ほど経ったある日、父が脳梗塞で倒れました。後遺症が残ったものの、比較的早く自宅に戻ることはできたのですが、それからは、母もほとんど出かけることはなくなりました。

そして、2014年12月に大動脈解離で手術をした父の下半身が動かなくなり、そのまま4年半に及ぶ在宅介護で父を支えた母。
2020年1月に父が亡くなり、悲しみの中にも、これから残りの人生は自分のやりたいこともやっていこうねって話をしていましたが、非情にも世の中を新型コロナウイルス感染症が襲いました。

2009年にキリスト教の洗礼を受けた母は、毎週日曜日のミサと、その帰りに西武百貨店(西部大津)で買い物をすることを楽しみにしていたのですが、そのささやかな楽しみさえもままならない世の中となってしまったんですよね。

2020年8月31日の西武大津店閉店のニュースを見た時は、本当に残念そうにしていました。

■コロナ禍のひとり暮らし


コロナに対しての警戒心が強かった母は、必要最小限のお買い物ぐらいしか、外に出る機会が無かったように思います。車で20分程度のところに住んでいる僕は、なるべく顔を出すようにしてましたが、それでも仕事や日常の生活に追われる中、1〜2ヶ月空いてしまうことはあります。

「忙しいのはいいことやから、こっちのことは気にせんとき」と言いながらも、「次はいつごろ来れるの?」と聞いていた母は、僕が想像する以上に寂しい時間を過ごしていたのかもしれません。
そう考えると、今でも胸が締め付けられる思いです。

これは後日談ですが、母の葬儀の翌日、backnumberのライブに行く機会がありました。
そのライブの中で演奏された「手紙」という曲は、涙なしに聴くことはできませんでした。

「離れていても守られているんだ」

親の無償の愛って、やっぱり人として生きる原点なのだと思います。


■最後の遠出


そんなコロナ禍の中で、唯一母親が遠出をしたのは2020年10月2日。

ニュース番組で紹介された、びわこ箱館山の「風鈴のよし小道」を見てみたいと言ったので、母と姉と僕の3人で高島市までドライブしました。

実家のある大津市南部地域からは、車で2時間弱の距離。
マキノのピックランドでランチを食べ、メタセコイア並木を見たあと、ロープウェイで箱館山へ。10月とは思えない暖かい日で、涼しげな風鈴の音はもちろん、琵琶湖を一望できる景色を喜んでくれました。

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結果的にこれが、母の生涯で最後の遠出になりました。


◾︎運命の2023年


結婚してからの28年間、お正月は常に一緒に過ごしてきました。
手作りのおせち料理が、いつごろからか、お店で注文するおせち料理に変わりましたが、父が亡くなった後も1月1日はできる限り家族そろって過ごしていました。

もちろん、今年のお正月も。

やっぱり歳とってきたし、物忘れも多くなっているし、身体も弱ってきているなあと感じる面はあったものの、孫にもかこまれたいつもと同じお正月。
その後、1月6日に僕が久しぶりにテレビに出ることになった時も喜んでくれたようで、母の葬儀の前にお話した近所の方からも「嬉しそうに話されてましたよ」と聞きました。

ただ、自分が一軒家でひとり暮らしを続ける厳しさは実感していたようで、「そろそろ私も施設に入ることを考えた方がいいかな」という会話とともに、新聞に折り込まれていたパンフレットを見せてくることも。

「じゃあ、今年1年かけて今後の住まいのことを考えていこう」
そんな話をしていた矢先、1月24日から25日にかけて大雪が降ったあたりから、なんだか急激に様子がおかしくなってきたんですよね。夜中に突然電話がかかってくることもありました。

どうやら、認知機能の低下が急速に進んでいたらしく、相談した地域包括支援センターの方やかかりつけ医の先生も、皆さん進行の速さに驚いていました。とにかく、要介護認定の申請を行い、地域の民生委員さんなどとも情報を共有していただく状況になったのですが、そこからも日々悪化していきました。
そして、2月末に自宅で転倒して大腿骨を骨折。その後は一度も話すことができないまま、最期を迎えることになってしまったのです。

■最後の2ヶ月間


1月末に調子を崩してから、入院するまでの1ヶ月間。
家族の誰かが一緒にいるようにし、関東在住の兄も5日ほど実家に泊まり、母の様子を見守りました。
ある日、僕の奥さんと娘が病院に一緒に行ったときは、帰りがけに「ホットケーキが食べたい」と言ったそうで、美味しそうに食べる母の写真が送られてきました。

それからわずか1ヶ月後にこの世からいなくなるなんて、この時は想像すらしていませんでした。

何度も何度も「ありがとう」と言っていた母。
違うよ。「ありがとう」を言うのは僕たちの方だよ。
僕たち子どもにとって、そして孫たちにとって、最高の母親でありばぁばちゃんでした。

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■人生のスイッチ


人には目に見えない「人生のスイッチ」があるのだと思います。
そして、スイッチが切れると人生が終わるのです。

スイッチが切れかかっていることを認識して、最期の時間を過ごすことができるケースもあれば、突然スイッチが切れてしまうこともあります。どちらが良いのかはわかりませんし、恐らく自分で選ぶことはできないのでしょう。

ただ、あまりにも突然に人生のスイッチが切れてしまった母を見て、これからは自分の人生のスイッチをもっと意識して生きようと思うのです。

「とにかく健康にだけは気をつけなさいよ。あなたももういい歳なんだから。」
いつも帰り際に言われていた母の言葉が、今でもずっと耳の奥に残っています。

「子どもに迷惑をかけたくない」と言っていた母にとって、もしかすると理想に近い人生の幕引きだったのかもしれません。3年経って寂しくなった父が「もう子どもたちは大丈夫だから、そろそろこっちでゆっくりしよう。」と呼び寄せたのかもしれません。

何が正解かわからないままですが、これからの人生、父と母の存在を身近に感じながら、スイッチが切れるその日まで、しっかりと生き抜いていこうと思います。


ありがとう。
そして、ひと時のさようならです。
またいつか、天国で手料理を食べさせてください。

じゃあねー(^^)/

あなたの息子:大介より

おはようございます。

今朝の滋賀県大津市は曇り空。
今にも雨が降り出しそうな空模様です。

さて、1週間ほど前から、アメリカでの銀行破綻のニュースが話題になっています。
シリコンバレー銀行(SVB)の経営破綻に続いて、シグネチャー・バンクが事業停止になったというもの。

今のところ、素早い当局の動きによって、パニックや危機に繋がることは避けられそうですが、日経平均株価はこの1週間で1,500円超の値下がりとなっています。

今回の件は、金融業界全体の問題ではなく、特定の銀行の資産管理に関する問題のようです。
急速に伸びたスタートアップに融資する銀行が、経済の冷え込みとともに、有望な融資先を見つけられず、急速に増えた預金を債券投資に向けていた、
そこに急な利上げが始まり、債券価格が急落した。。

というのが、基本的な状況として伝えられている概要です。
金利が上がると債券価格が下がる、というのは、FP3級の学習ででてくる基本事項ですね。

もちろん、実際にはこんな単純に説明できる話ではないでしょうが、昨年からの急速な利上げによる影響は、今後も出てきそうです。

ちなみに、これらの問題や今後の見通しなどについて、ネット上では「その筋の専門家」さんがかなり詳しく語られていて勉強になる一方、え?それ違ってない?と感じる怪しい情報(正確さに欠ける情報)も散見されます。

一刻を争って情報を得なければいけない、という状況の方は多くないと思うので、とにかく怪しい情報に惑わされないようにご注意ください。

ちなみに、Facebookにも書いたのは「元〇〇」という方が、必ずしもその分野の最新情報に精通していないということです。
変化の激しい時代なので、考えてみたら当たり前なのですが、「誰から(どこから)情報を取るのか?」「どの情報を信用するのか?」という情報リテラシーはホントに大切だと思いました。

◾︎

そして、個人的なことですが、一昨日の深夜に実母が他界いたしました。

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このことは、改めて日記にするつもりですが、葬儀などの現実的な対応とともに、2〜3日は家族の思い出に浸る時間としたく、今回のブログはこれにて失礼いたします。

春はすぐそこまできています。
みなさま、良い週末をお過ごしください。

10年来のお付き合いがあり、チャンネル登録者数34万人超のヒロ税理士さんが、新しい書籍「なんで私の給料からイロイロ引かれるの?税金弱者サラリーマンのお金の取り戻し方」を出版されました。
税について知りたいことがひと通り網羅されていて、何より会話形式で読みやすい本ですから、税金について知りたい方におススメの一冊です。

■給与所得者の確定申告


税金といえば、所得税の確定申告の締め切りである3月15日が近づいてきました。

勤め先からお給料を受け取っている人は、基本的に12月の年末調整で税金の精算が終わるため、確定申告の締め切りなどほとんど意識されていないかもしれません。
ただ、2022年に新たに住宅ローンを組み、住宅ローン控除の適用を初めて受ける方や、給与所得(および退職所得)以外の合計所得金額が20万円を超える方、医療費控除など、年末調整で受けられない所得控除の適用を受ける方は、給与所得者であっても確定申告が必要となります。

実際、国税庁の統計年報書によると、2021年分の所得税の確定申告書を提出した人は約2,284万人で、そのうち約1,101万人が給与所得者となっています。

申告をした人のうち、「申告納税額のある者(=所得税を支払った人)」が261万人、「還付申告をした者(=申告によって税金が戻った人)」が784万人ですから、圧倒的に「還付を受ける」人が多いという感じですね。
ちなみに、年金受給者が多く含まれる雑所得者では、申告書の提出者566万人に対して還付申告をした者が406万人です。
申告をすることで払い過ぎた税金の還付を受けられる人は多くいますので、ご自身の状況に合わせてしっかりと手続きをしたいものです。

■医療費控除とセルフメディケーション税制


還付を受ける代表的なものに医療費控除があります。

1年間に支払った医療費が一定額(基本は10万円)を超えた場合に、超えた金額が所得控除の対象となるもの。家族の分を合算することができますし、年間の所得金額が200万円未満の場合は、10万円を超えていなくても対象となることがあります。
さらに、2017年分の所得税から始まったセルフメディケーション税制の適用を受ける場合は、1年間に支払った薬代のうち12,000円を超えた金額が控除対象となります。
こちらの制度は、健康診断などをしっかり受けている人が、「スイッチOTC薬」という、対象の市販薬を購入した場合に所得控除になるものですから、この機会にご自身の状況を整理することをおススメします。

■要介護認定者は障害者控除が受けられるのか?


そして、この話題になった時、意外と知られていないと感じるのが障害者控除です。

障害者控除とは、納税者自身又は控除対象の配偶者や扶養親族が、所得税法上の障害者に該当する場合に差し引けるものです。
この「所得税法上の障害者」は、法律によって限定列挙されており、介護保険の要介護認定者は含まれないため、要介護認定者は、そのままでは障害者控除を受けることはできません。ただ、介護保険の要介護認定を受けている人が市区町村に申請すると、障害者控除対象者認定を受けられる場合があります。申請すれば必ず認定されるというものではありませんが、認定されると、27万円(特別障害者の場合は40万円)の障害者控除の適用を受けることができるので、該当される方は、まずは市区町村の介護保険認定窓口に確認してみましょう。

確定申告の期限は3月15日で、例年3月14日と15日に提出が集中しているようです。今は電子申告も一般的になりましたし、マイナンバーカードがあると電子申告を便利に行えます。
初めて利用する時や、通常とは違うパターンでの申告が必要な時など、最初の手続きに戸惑われるケースはあるものの、入力内容に沿って申告書が正確に作れますし、3月15日の23:59までできますから、できれば活用したい制度の1つだと思います。

ちなみに、締切日の夜中はアクセスが集中して、エラーが出ることがあります。その場合は、時間を過ぎても大丈夫なような配慮もされるようですが、なるべく余裕をもって提出するようにしましょう。

■編集後記


先日、栂池高原スキー場に行ってきました。
今年も晴天に恵まれて、素晴らしい二日間となりました。

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写真の場所は、ゴンドラで一番上の「栂の森駅」まで登ったあと、さらにリフト1本を上ったところ。この日は、春のような温かさ(=スキーウェアでは暑い)で、雲一つない青空が広がってましたから、本当に気持ちよかったです。

スキーは、高校生の時からほぼ毎年行っているので、経験年数では35年ほどになるんですよね。レストランでは、60代ぐらいに見える方もたくさん見かけましたから、あと15年は行きたいなって思っています。

そして、今回も「白馬ベルグハウス」さんのお世話になりました。
初めて利用したのは2004年でして、そのころは友人家族も一緒に、総勢15名〜20名ほどで毎年行ってましたから、とにかく思い出の多いホテルです。

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ゲレンデに隣接しているロケーションはもちろん、美味しい料理、露天風呂付きの素敵な大浴場、親切&温かいスタッフのみなさん。本当にいつも素晴らしい時間を過ごさせていただいてます。

スキーが終わり、確定申告が終わると、気持ち的にも春の訪れを実感します。
花粉症の方には辛い季節でもありますが、暖かくなると気持ちも穏やかになる気がします。

今日は3月3日。ひな祭りです。
3人の娘がいる我が家にとって、ひな祭りは大きなイベントでしたが、子どもの成長とともにイベント感が薄れてしまうのは仕方ないことですね。

さて、今回はFIREに関するお話です。

といっても、FIREって何?とか、どうすればFIREできるの?ということではなく、最近耳にすることが多くなった「FIREからの卒業が増えている」というニュースから考えた、リタイアとの向き合い方に関するお話です。

◾︎20年以上前からあったFIREの概念


FIRE。
これは「Financial Independence, Retire Early」の頭文字を取った言葉で、文字通り「ファイア」と発します。「ファイアー」と伸ばしてしまうと、何となくニュアンスが変わるので、冷静沈着なテンションで「ファイア」という方が良いように感じています。
いうまでもなく、経済的に自立して(=お金を貯めて)、早期に退職しようという考え方で、いつのころからか随分目にする機会が増えました。

ただ、労働による収入だけに頼らなくてもいいように経済的に自立する、という概念自体はかなり昔からあります。
個人的に記憶しているのは、2000年ごろにあるイベントでご一緒したさわかみ投信の澤上社長(当時)が、運用の目的の1つはfinancial independent situationだとおっしゃっていたお話です。経済的に自立した状況を作れば、自分の人生を自分でコントロールする裁量が大きくなり、より人生を楽しめるという感じです。

これには、何の異論もありません。それが実現できれば素晴らしいことだと思います。

一方で、最近急速に広がっているFIREの概念には、何とも言えない違和感を覚えていました。多分、主従の逆転というか、「人生を楽しもう!資産運用はその一助になるよ」という考えではなく、「資産運用に成功したら楽しい人生が待っているよ」というニュアンスを感じてしまうからなのでしょう。
もちろん、しっかりとした軸をもってFIREを達成し、その後の生活を楽しんでいる方は、私の周りにもいらっしゃいます。ですから、FIREに対してネガティブなイメージを持っているわけではないのですが、その裏で違和感を覚えるケースも多いというだけです。

■FIREからの卒業が増加している背景


そんな中、最近は「FIREからの卒業」という話題を目にする機会が増えているように感じます。

先ほど、今のFIREの概念に違和感があると言いましたが、僕自身、FIREに対しては賛成も反対もなく、ひとつの価値観として理解しているというだけでした。ただ、人生を楽しむことが目的というより、今の生活を変えたい、今の状況から離れたいと思う人が、「資産運用に成功する=投資でお金を増やす」ことこそが求めている道だと捉えるのは、ちょっと違うかもしれないなとは思っていました。

投資でお金を増やし、経済的に自立し、今の状況から離れたとします。
でも、当然ながら多くの人はその後も自分の人生は続くわけですし、投資の成功が永遠に続くことは考えにくいものです。
実際、FIREを達成した方の多くが関わったであろう株式投資では、ここ10年ほど上昇傾向が続いていました。

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これは、日経平均株価の動きですが、海外の主要な株式市場だともっと上昇しているところもあったでしょう。
一方、同じ日経平均株価ですが、直近2年間だけをグラフにすると次のような動きとなっています。

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下がってますよね。
FIREを達成したとして、仕事を退職した方の多くは、この状況(=自分の資産が目減りしている状況)の中、生活に必要なお金も資産から取り崩すことになるはずです。
そうすると、当然ながら資産の減り方が加速するので、不安がどんどん大きくなることが想像できます。
FIREを卒業する人の背景は、それこそ十人十色だと思いますが、こうした相場の変調も大きな要因のひとつなのではないでしょうか。

■お金ではなく、価値観や時間という概念を大切にする


この分野のバイブル的な存在として紹介される「最強の早期リタイア術」という本があります。
筆者はFIREムーブメントの第一人者と言われる方で、本の内容には共感できるところが多いし、多くの学びもあります。そして、この本で筆者が伝えたいポイント(と私が思っている部分)は、次の一文ではないかなって思っています。

「結局、大切なのはお金では無くて時間なのです。できる限り充実した人生を送るために、いかに時間を賢く使うかなのです。


ここから思うのは、同じFIREを達成した人でも、「FIREそのものが目標だった人」と、「真の目標を達成するためにFIREを目指していた人」では、その後の生活が大きく違ってくるのだろうなということです。
FIREの達成で生み出した時間を何に使うのか?
その点について、自分なりの軸が無いと、世の中の相場環境に振り回される結果になるのかもしれません。

■リタイア後の生活設計の大切さ


さて、人は必ず死を迎えるという話を、前回のブログで書きました。
そして、その前には仕事を引退してからの生活、つまり、リタイア後の生活を過ごすことになる人が大半だと思います。

老後資金は、FPが学ぶ「人生の三大資金」のひとつであり、リタイア後の生活設計を破綻させないために大切なものです。そのための資金準備として投資の重要性が語られるのは必然だと思います。

ただ、今回ご紹介した「FIREからの卒業」の現実は、経済的な準備以前に「人生における優先順位をどこに設定するか」を自分なりに考えておくことの大切さを気付かせてくれるように感じるのです。

今の日本で生活をするためには、お金が全くゼロというわけにはいきませんが、必要な金額は人によって違います。経済的な準備の前に、自分自身の人生における優先順位や価値観を見つめることが大切だというお話でした。

日本国内に数多くある、戦争の現実を後世に伝える資料館や博物館などの中で、個人的に一番行ってみたかった知覧特攻平和会館を訪れてきました。

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中途半端な感想で伝えたくない気持ちが強い(=是非直接行っていただきたい)ので、訪問記を書くことはしませんが、とにかくこの目でみることができてよかったです。

さて、今回は人の「死」に関するお話です。

相続税や遺言書という「相続への備え」や、誰もが知っておくべきと考えている「相続後の手続き」などのお話では無く、そのままズバリ「死」について。ちょっと重たいかもしれませんが、とても大切なことだと思うので、感じたままに書いてみました。

■人が亡くなる確率は100%


生命保険会社にいた当時、
「栗本さん、生命保険は『万が一の際に』ってよく言うけど、人が亡くなる確率は100%なんやで。ただ、それが『いつなのか』は自分も含めて誰にもわからへん。予期せぬ早い死が自分や家族に降りかかった時に、せめて経済的な心配を遺さないように保険があるんや。そのことを絶対に忘れたらあかん。」

と教えていただいたことは、今もずっと頭に残っています。

人口動態統計で確定数が出ている、2021年の年間死亡者数は1,439,856人で、この数字は今後も増えることが予測されています。というか、増えていくのはほぼ確実です。

もちろん、ひと言で「死」といっても、平均寿命を大きく超えての大往生がある一方、世の中には自死という現実があります。多くの方に見守られながら亡くなる人もいれば、人知れず亡くなり、何日も何週間も経ってからその事実を周りが知ることになる孤独死や、行方不明という状態のまま何年も時間が流れてしまうケースもあります。
だから、そもそも「死」を1つの事実としてだけ捉えること自体に無理があるのかもしれません。

■生と死の捉え方


FPの分野では、冒頭にあげた生命保険の他、遺族年金の分野でも人が亡くなる場面を取り上げますが、やはりその事実と一番向き合うことになるのは相続です。

僕が相続相談に関わるようになったのは2007年なので、それからもう15年以上が経ちました。
様々な状況での相続相談を受ける中で感じるのは、生と死を対極のものとして捉えるか、同じものの延長として捉えるかの違いが、事前準備に大きな違いとして出るんじゃないかなということです。

同じものの延長という表現が正しいかどうかわかりませんが、ようするに「死は生の反対側にあるのではなく、生の先にあるものだ」という感覚です。

これは考えてみれば当たり前ですし、「人の生は死に向かう旅路だ」などという表現もあり、色々な場面で使われる言葉です。でも、その話を聞いたり読んだりしている時点での死は、多くの人によって今の自分が向かっている先ではなく、直接関係のない「あちら側」の話だと感じるのでしょう。

だから、今はまだ準備など必要が無い。その時が近づいたら考えたらいい。と思うわけですが、当然のように「その時」が近づいているかどうかなんて誰にもわからないわけで、結果として準備ができないままその時を迎えてしまうのかもしれません。

■確実に決まっている唯一のライフイベント


人生における様々なイベントの中で、起こることが100%決まっているのは「死」だけのように思いますが、どう向き合うかはかなりデリケートな問題で、話題にすること自体難しい問題でもあります。

発生が不確定な多くのイベントについて、早い段階から備えることの大切さを意識しながら、「確実に起こる唯一のイベント」に対する備えを別のものとして考えるのは、人の中に根強くある「死に対する不安」というか、「死を考えたくない気持ち」なのかもしれません。

そして、今回訪問した知覧特攻平和会館で、特攻に向かう若者が遺した多くの遺書を読み、死に対する覚悟と同時に、こうした不安を強く感じたことが、想像以上に自分の心を揺さぶったのだろうと感じました。

実は先日、僕たち夫婦が29年前に結婚式を挙げた時に仲人をしてくださった方の訃報に接しました。73歳だったそうです。つい先日訃報が報じられた笑福亭笑瓶さんは66歳でした。
日本人の平均寿命は女性87.57歳、男性81.47歳ですが、これを数字だけで捉えてはいけないのでしょう。

どこまでいっても「死」を身近なものとして考えるのは難しいことですが、平均寿命の伸びや人生100年時代という長寿への備えが話題になる中でも、時々は考える時間をとりたいなと感じた次第です。

■編集後記


知覧特攻平和会館を訪れた後、帰路につく前に立ち寄った宮崎県で、10年ぶり(正確には10年1ヶ月ぶり)の嬉しい再会がありました。

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SNSで繋がった小さなご縁から、初めて直接お会いしたのが2013年の1月。その時のことは、ほんの2行ですがしっかり当時のブログに記録していました。

いや、続けることは財産ですね。笑

その後のご縁は、時々SNSでコメントをやり取りするだけの「細い糸」でしたが、切れずに繋がっていることの大切さを実感する時間となりました。
WBCの日本代表チームが練習を行っている「ひなたサンマリンスタジアム宮」も、遠目にですがちらっと見ることができました。

Yさん、ありがとうございました!
次は10年以内にお会いしましょう(^^)/

何かと話題に上ることの増えた「チャットGPT」。
個人的には凄さよりも怖さの方が強いのですが、世の中の流れ的にはますます注目度が高まりそうなので、情報は追いかけておきたいですね。

さて、今回は久しぶりに生命保険を話題にしてみます。

ちなみに、生命保険というと「民間保険会社の保険」だけをイメージする方が多いと思いますが、コープ共済やJA共済、こくみん共済といった共済制度もあります。いちいち「保険や共済」と書くのも煩わしいので「保険」で統一しますが、共済にも同じ機能がある点は忘れないようにしましょう。

■生命保険は何が一番いいの?


僕自身、生命保険と一番向き合っていたのはソニー生命時代(1998年〜2001年)ではあるものの、FPとして独立した後も、代理店のメンバーとして動いていた時期もありましたし、保険の見直し相談を受ける機会は今でも少なくありません。

この20年間で、新たに発売された保険商品は数えきれないほどあります。ネット生保の登場や保険ショップの増加など、保険について調べることや相談することのハードルもグッと下がったように思いますが、よく聞かれる質問はあまり変わっていないように感じます。

ひと言でいうと「生命保険って、何が一番いいの?」という質問です。

■生命保険が必要な理由


この質問には明確な回答がありません。
それこそ、冒頭で触れたチャットGPTに質問すればどんな答えになるのか気になりますが、これはまた別の機会に試してみるとして、僕が「どんな生命保険がいいんですか?」と聞かれれば、最初に返すのは「何のために生命保険が必要なんですか?」という逆質問です。
(↑こういうのは、チャットGPTにはできない気が・・・)

多くの人は、そこで初めて「何のためだろう?」と、保険が必要な理由を本気で考え始めます。

ちなみに、この流れの中で「保険、いらないかも」という結論になることもありますし、「思っていたのとは別の保険が必要だった」という結論になることもあります。
今加入している保険の掛金が高いので減らしたいと考えていた方が、自分に必要な保障が足りていないことがわかって追加で加入する、というケースも何度も見てきました。

「保険のことがよくわからないから相談する」というのは当然なのですが、それ以前に「自分が何を求めているかもよくわかっていない」ケースが少なくないという話です。

そもそも、生命保険が必要な理由には大きく3つあると思います。

ー分が思いがけず早く亡くなってしまった場合にお金を遺すため
∋廚いけない大きなケガや病気の時、経済的に困らないため
将来の支出に備えて、計画的にお金を準備するため


今は、就業不能保険や認知症保険、介護保険など、必ずしも上の3つに当てはまらないものもありますが、これらも大きなくくりでいうと△亡悗錣襪發里箸い┐襪任靴腓Α

そして、この3つに共通するのは「十分なお金があれば不要」という点です。
思いがけず早く亡くなっても、遺してあげるお金が十分あれば保険は不要ですし、思いがけない大きなケガや病気に遭遇しても、お金が十分あれば対応できますし、そもそもお金が十分あれば将来の支出に備える必要がありません。
△力辰任いΔ函日本は公的な医療保険制度が充実しているから大丈夫、という考え方もあります。

だから生命保険(や医療保険)は、ここでいう「十分なお金」が準備できていない人にこそ必要なものであり、お金が準備できればその時点で不要と考えることができます。
実際にこのような感じで、「生命保険(や医療保険)って本当に必要ですか?」という論調で語られることも少なくありません。

でも、本当にそうでしょうか?

■保険商品だからこそ実現できることは以外と多い


確かに「金銭的な準備」という面だけを見ればそうかもしれません。
でも、実際に保険金や給付金を受け取った人を何人も見てきてわかるのは、保険で得られる効果は「数字としてのお金」だけではないということです。

一番わかりやすいのは死亡保険金です。人が亡くなると、精神的なショックはもとより、様々な手続きにお金の支払が必要な場面も少なくありません。その際、亡くなった方名義の預貯金が十分にあっても、相続後の手続きがスムーズに進んでいなければ、すぐにそのお金を引き出すことができないことがあります。
そのような時、受取人が単独で請求でき、書類さえ整っていればすぐに受け取ることができる生命保険の機能は、本当にありがたいものです。

また、医療保険でいうと、たとえ「計算上」は入院費用の支払いやその間の収入減に対応できるだけの貯金を持っていたとしても、気持ち的には大きな不安を持たれるケースが少なくありません。だからこそ、保険から受け取れるお金があることが大きな安心や精神的なゆとりに繋がることもあるのです。

個人年金保険も、「計算上」は効率の悪い運用かもしれませんが、一定の年齢になった時に「定期的に振り込まれるまとまったお金」がもたらす安心感は、なかなかインパクトがあるものです。

現在の僕は、保険や共済を直接扱う立場ではありませんが、受け取る場面を多く見てきたからこそ感じるのは、数字だけでは測れない、こうした効果なのです。

■一番良い保険とは?


「生命保険って何が一番いいの?という初めの質問に戻ると、「自分の目的に合っていて、内容に納得できるのであれば、それが自分にとって一番いい保険です」というのが、僕なりの回答になります。
そして、この「納得」という部分には、数字だけでは測れない面があるのだというのが、今回ブログでお伝えしていることなのです。

最後になりますが、保険を考える際には公的保障やお勤め先の制度の理解もとても大切です。
将来の収入の柱として認識される公的年金一つをとっても、加入されている被保険者が死亡した際の遺族年金や、所定の障害状態になった際の障害年金といった、いざという時の保障機能があります。
また、お勤め先に、従業員を対象とした保証制度が整備されているにもかかわらず、そのことをよく知らない方は少なくないようです。

保険を考える際には、こうした制度も調べるようにしましょう。

■編集後記


昨日、東京から自宅に戻る際、ニュースにもなっていた新幹線のトラブルにきっちり巻き込まれておりました。
幸い電車に乗る前だったので、車内で長時間を過ごすということではなかったのですが、東京駅で2時間近く足止めをくらってしまいました・・。

こうしたトラブルがあると、日ごろ当たり前のように享受している「公共交通機関の定時運行」がいかにありがたいかを実感します。
年間100回は利用している新幹線ですが、支えてくださる多くの関係者があっての快適な移動に、改めて感謝する機会にもなりました。

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2024年から大きく変わるNISAの話題と同時に、資産運用(=投資)に関するご質問を受ける機会が多くなっています。
「これを機会に始めてみようかな」と考える方からの、「どこの証券会社で口座を開けばいいですか?」というものが典型的ですが、「NISAは安全なんですか?」という趣旨のご質問も少なくありません。

■投資におけるリスクとは?


NISAは「少額投資非課税制度」といい、一定の投資から得た収益に対する税金が非課税となる制度です。そして、投資には多かれ少なかれリスクがあります。
ここで、投資におけるリスクを説明する際、「リスク=危険ではなく、リスクとは不確実性のことを指す」という説明がよく使われます。「損をする危険」ではなく「損をするか儲かるかわからない度合い(=不確実)」という意味です。

例えば、銀行の預貯金は、預けた元金が変動することはなく、万一預け先の銀行が破たんしても一定金額までは法律で守られているため、「自分が預けたお金+利息」を確実に受け取ることができます。つまり不確実性がないので「リスクゼロ」という表現になります。

一方、株や債券、投資信託といった投資商品は、自分が投じたお金が必ずしも守られているわけではありません。株や投資信託の価格は、運用状況に応じて日々変化しますし、債券も途中で換金する場合、時価での売却となるため、いくら戻ってくるかはその時にならないとわかりません。こういう状況は「リスクがある」と表現されます。

■リターンにはプラスもあればマイナスもある


そして、リスクを取ることによって、それに応じたリターン(=収益)が期待できます。
ここで大きな誤解があるのですが、リターンには「プラスのリターン」と「マイナスのリターン」があるので「リターンを得られる=儲かる」ではないということです。

「リスクを取ったからリターンを得られる」という際のリターンは、多くの人が「プラスのリターン」だけ、つまり「儲かる」ことだけを考えているというように思います。でも、現実にはマイナスのリターンとなって損をする可能性が当然のようにあります。
将来の価格がいくらになるかわからない株は、大きく損をする可能性もあれば、大きく儲かる可能性もあります。つまり、リスクの大きい商品はリターンも大きく、そしてそのリターンはプラスにもマイナスにもなりうるということです。
投資である以上リスクがあるのは明らかなのに、「リスクをとったんだから(プラスの)リターンがあるはず」と思ったり、「リスクとは危険ということではなくて・・」という説明があることで「危険じゃないなら安全なの?」という認識に繋がったりしかねない点は、投資初心者に話をする際に気を付ける必要がありそうです。

■おススメと後押しは違う


さらに、NISAに関してはもう一つ誤解があります。

それは、制度の浸透を政府が後押ししているという点です。これによってNISAが安全な制度だと誤解する人が時々いらっしゃいます。だって、国がススメているんですよね?という感じでしょうか。
でも、政府が行っているのはあくまでも「後押し」であって、決して「おススメ」ではないんですよね。何となくおススメしているようなニュアンスがあるのも事実ですが・・・。

おススメというのは、文字通り「やった方が良いよ」ということですし、後押しというのは「やりたいんだったら応援するよ」ということです。
日本の家計が持つ金融資産が預貯金に偏っているというのは、ずっと以前から課題の1つとされていて、投資を増やすための様々な試みがなされてきました。その1つが2014年に導入されたNISA制度であり、これまで以上に力を入れているのは事実だと思います。

ただ、あくまでも自主的な投資を始めるにあたっての「後押し」であって、決して無理やりおススメしているわけではありません。
これからもNISAに関する話題は増えると思いますが、「やらなければいけない」と焦るのではなく、その気になったときに後押ししてくれる制度だという認識を忘れないようにしたいものです。

正確だけど複雑で理解しにくい説明と、少し雑だけど単純でわかりやすい説明の2つがある場合、個人的には単純でわかりやすい説明が良いと思っています。ただ、単純にするあまり「かなり雑」な説明になってしまうのは、事実の誤認に繋がるからよくありません。

先日、このことをTwitterで呟いた時に教えていただいた「ちょうどいい雑さ」というフレーズは、情報を発信する立場として意識したい言葉だと思いました。

■年金で知りたいことはねんきん定期便で確認できる


さて、この話題が当てはまるネタの1つに年金があります。
ファイナンシャルプランナーの学習では必ず学ぶ大切な分野ですが、どこまでを押さえればいいのかに悩む分野でもあります。

ましてや、多くの方にとっては、自分に関係する部分が気になるだけであり、正確な仕組みを学ぶ対象ではありません。
究極的に言えば、「自分はいつからいくらぐらいの年金が受け取れるの?」ということだけがわかれば、目先の疑問は解消することが多いわけですし、これに対しては「ねんきん定期便で確認できますよー」という答えがあればおしまいです。
↑これも、かなり「雑」な説明ですけど。笑

ねんきん定期便は、毎年誕生月に日本年金機構から届くお知らせです。50歳未満の人と50歳以上の方では、載っている情報が少し違いますが、手元に届いた時にしっかり確認し、できれば次のお知らせが届くまでは保管しておきましょう。

■2023年度の年金額改定について


それはさておき、年金額は毎年4月に改定されまして、2023年度の金額は1月20日に厚生労働省から発表されています。


年金は、現役世代の賃金の変動、世の中の物価の変動、そして人口構成の変化によって毎年改定されることになっており、それぞれ、賃金スライド、物価スライド、マクロ経済スライドと呼ばれています。今回の改正では、令和4年度と比較して、年金額が少し増額されることになりました。

2023年度年金改正


この表は、先ほどのリンク先にある厚生労働省の資料の抜粋ですが、表にあるとおり2023年度の年金額(基礎年金の満額)は月額66,250円となります。現在受給中の令和4年度の月額が64,816円なので、金額にして1,434円の引き上げです。
FPの学習で学ぶときは年額で出るのでわかりにくいですが、現在の777,800円から795,000円に上がることになるわけです。

ただ、今回はそう単純でもありません。

先ほどの表の下に書かれている「※1」をご覧ください。

※1 令和5年度の既裁定者(68歳以上の方)の老齢基礎年金(満額1人分)は、月額66,050円(対前年度比+1,234円)です。


ちなみに、もう一度表の上を見ていただくと、そこには「令和5年度の新規裁定者(67歳以下の方)の年金額の例」と書かれているので、年金受給者には「新規裁定者」と「既裁定者」がいるということがわかります。
そして今回の改正は、新規裁定者と既裁定者の改定率が異なる初めてのケースになったというわけです。あー、ややこしい。

ざっくり説明で十分な方は、ここまでで読むのを止めていただいて大丈夫です。


なお、今回の改定率を正確にいうと、「新規裁定者(67歳以下の方)は前年度から 2.2%の引き上げ、既裁定者(68 歳以上の方)は前年度から1.9%の引き上げ」となります。
2022年の物価上昇率は2.5%だったので、世の中のメディアでは「実質目減り」といった表現が出ています。しかも、12月の物価上昇は4.0%ですから、足元の物価上昇の感覚とのギャップが大きいのは事実でしょう。


◾︎新規裁定者と既裁定者


足元の感覚とのギャップが発生するのは、年金制度を維持するための仕組みが正しく機能している結果でもあるのですが、この点の詳細説明は長くなりすぎるので止めておき、新規裁定者と既裁定者の違いだけ説明します。

多くの人にとっては初めて耳にする言葉かもしれませんし、FPの学習でも3級や2級ではほとんど出てこない言葉です。そもそも、年金の請求手続きを「裁定請求」というので、新規裁定者は新たに年金受給が始まる人を指し、既裁定者はすでに年金を受給している人を指すと思っていただければ大丈夫です。

正確には「その年度中に達する年齢が67歳以下の方」を新規裁定者と呼ぶので、今回でいうと、2023年4月2日〜2024年4月1日の誕生日で67歳になる人ですね。

この新規裁定者の年金額は「現役世代の賃金」で決まります。年金は現役世代からの仕送り制度(世代間扶養)なので、現役世代のお給料が減れば、仕送りが減るのは仕方ないよねって話です。これが「賃金スライド」です。

そしてこの賃金スライドは、名目手取り賃金変動率を使うのですが、昨年どうだったか?ではなく、2〜4年度前の3年間の平均実質賃金変動率と前年の物価変動率、可処分所得割合変化率を用いて計算することになっています。で、この影響がなくなるのが68歳になる年からなので、67歳以下が新規裁定者となるわけです。

一方の既裁定者の年金額は、物価水準に応じて決まります。年金受給者は、今の生活費を年金で賄うので、物価の上下を年金額に連動させています。これが「物価スライド」で、前年の全国消費者物価指数を参考にします。

ようするに、2023年度の新規裁定者の引き上げ幅のほうが高くなったのは、物価の上昇よりも賃金の上昇が高かったからなのですが、これが実現したのは、今の制度になって初めてなのだそうです。
ですから、令和5年度(2023年度)からの基礎年金の満額は、新規裁定者が795,000円になるのに対して、既裁定者は792,600円となり、2つの数字がベースになるのです。


■年金は奥が深い


こんなことがあるんだ、ということを僕自身も初めて知りました。いや、正確に言うと知ってはいたけど、具体的にどうなるのか想像できていなかった感じです。と同時に、ホントに考えられている制度だなぁと感心しました。

その流れでいうと、年金額改定に影響を及ぼす「マクロ経済スライド」の存在も、よく考えられているものです。
ここまでの説明で、年金額は「現役世代の賃金」と「物価」の要素で決まることがわかりましたが、そもそも保険料を支払う現役世代の人数が減ってしまったり、年金を受給する高齢者世代が増えてしまうので、この計算だけでは制度が維持できません。そこで、人口構成の影響を受給額に反映させるマクロ経済スライドという仕組みがあるわけです。

僕は年金の専門家ではありませんし、年金制度を絶賛したいわけでもありません。
ただ、将来の年金に対しては、否定的な意見が目立ち、不安が語られることも多いのですが、公的年金は多くの人の想像をはるかに超えて優秀な制度に設計されていることは知っていただきたいなと思っているだけです。

今回は、遺族年金や障害年金には全く触れていませんが、公的年金制度は「保険」であり、いざという時の保障機能がある点も含め、改めて年金制度を正しく知る機会になりましたら幸いです。

2月11日(土)に、野尻哲史さんを講師にお迎えして行う勉強会。
会場参加は定員まであとわずかとなっていますので、ご検討中の方はお気を付けください。
ちなみに、会場参加者限定で行う懇親会は、あと2名で締切となります。
※オンライン参加は定員無しです。

ご参加希望の方は、下記の告知ページよりお申込みくださいませ。

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■情報収集スキルより、情報と向き合うスタンスが大事


こちらのブログでもご案内してきた「知って得する 知らなきゃ損するお金の話」。
最終回となる第4回目を昨日行いました。

個人事業主やフリーランスとして開業されて間もない方を対象に、「税金と社会保険」「お金の管理と資産運用」について取り上げたこちらのセミナー。最終回のテーマは「必要な情報の取り方・見極め方」でした。

人が何らかの決断や行動をする際に欠かせない情報は、世の中に溢れています。

その中には、個人がネットで発信する情報のように「速報性は高いけど、信頼度は低い」ものもあれば、新聞や雑誌等のメディア情報のように「ある程度の信頼性は担保されているものの、速報性は低く、立場による偏りが否めない」というものもあります。

だからこそ、「情報収集スキル」を身につける大切さが説かれるわけですが、「絶対正しい情報」というのはめったに存在しないので、本来必要なのは「スキル」ではなく「スタンス」だと思っています。「情報と向き合うスタンス」ですね。

スタンスとは、ある行動を取る際の姿勢や立場ですから、ここでは「情報に対してどのように向き合うか」という意味で使っています。

例えば、「A社の株は大きな上昇が見込める」という情報があるとします。
その際、この情報を信じてA社株を買う人もいれば、情報を疑って買わない人もいるわけですが、各自の判断の背景には、その情報の信憑性が大きく影響しています。

情報の信憑性は、「誰が発している情報なのか?」でほとんど決まるでしょう。
「この人が言うなら大丈夫!信じられる!」という場面や、「いやあ、あの人のいうことは信用できないなあ」という場面があるのは、容易に想像がつくでしょう。

この場面で、情報収集スキルというのは、「信用できる情報をいかに集めるか」という点にフォーカスしていると思うのですが、情報に向き合うスタンスでは「得た情報をどのように判断するか」という点にフォーカスしています。

■正確な情報を得ても、行動できないことは多い


そもそも、どれだけ正確な情報があっても、その情報が生かせない場面はいくらでもあります。
先ほどの株が上がるという情報でいえば、情報を信じたとしても、株を買うお金が無ければどうしようもありません。
そうなると、「情報の信憑性を見抜く」だけではなく、「得た情報を生かせる状況を普段から意識して準備しておく」ことこそが大切ではないかと思うわけです。

24日から25日にかけての大雪の際でも、事前の天気予報から公共交通機関の運行情報、周辺道路の渋滞情報や通行止め情報など、様々な情報を得た上で、自分の行動を決められた方は多かったと思います。

情報の正確性という面では、一部の鉄道事業者に対する信頼が揺らぐ事態はあったものの、天気予報そのものは、多くの人が信頼していたでしょう。もちろん、未来の予測ですから「絶対」はありませんし、実際に予報が外れることもありますが、「今日は午後から雨が降る」とか「明日は冷え込む」といった天気予報は多くの人が信頼しているものです。

一方で、「天気予報や交通情報は信頼できるんだけど、休むわけにはいかないからとにかく駅まで行ってみる」というケースも少なくないわけです。電車が動くというラッキーに巡り合えればそれでよしという感じですから、情報の正確性はあまり意味を成しません。

そうであれば、「自然災害で動きが取れない時にどうするのか?」を普段から検討し、ルールを決めておくことが、正確な情報を得る以上に大切なように思うわけです。
もちろん、これについても、自分がルールを決められる立場にない場合は、どうしようもありませんが。。

■編集後記


それにしても24日から25日にかけての大雪はすごかったです。

雪だるま


滋賀は、雪の多いイメージがあるようですが、僕の住む大津市南部で積もるような雪になることはほとんどありません。

それが今回は15センチほどの積雪となりました。周辺地域の大雪と合わせて、高速道路の立ち往生やJR西日本の運転見合わせによる大きな影響が出たのは、ニュースで報じられている通りです。
今週末にかけても寒波は続き、雪の影響の出る地域も多いようですから、くれぐれもお気を付けください。

タイトルに「投資信託」が入っていますが、投資信託のお話ではありません。
ファイナンシャルプランナーを選ぶのって、投資信託を選ぶのに似てるよね、というお話です。

■FP実務家のグルーピング


今年に入ってから5回の講演を行い、そのうち2回は「FP実務」をテーマとした内容でした。
FP実務に関しては、ずっと昔から「企業系FP」と「独立系FP」という区分が一般的ですが、これでは説明できないことが圧倒的に多いです。
グルーピング自体に、大きな意味はないと思うものの、僕の頭の中で何となく考えているものを見える化すると、こんな感じでしょうか。

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「どの立ち位置のFPに話を聞いたか」によって、大きく印象は異なるでしょうから、「結局のところファイナンシャルプランナーってなんなの?」という疑問が浮かぶのももっともですよね。

FPに相談することを考えている人は、ご自身の悩み(=相談しようと思っていること)と、相談相手になるFPの属性がズレていると、高い確率で「FPに相談したけど役に立たなかった」という結果になりかねませんので、ご注意ください。

■投資信託とFP


この話を考えていて、ふと頭に浮かんだのは「投資信託に似ているな」ということでした。

同じ投資信託という名称でも、日本の株式市場を投資対象にする投資信託と、海外の不動産を投資対象にする投資信託では、属性が大きく違うため、結果にも違いが出て当然です。

また、公社債投資信託を購入した方は「投資信託ってあまり値動きがないですよね」という印象を持つでしょうし、「レバナス」と呼ばれるような、レバレッジをかけた運用を行う株式投資信託を購入した方は、実際の相場指標よりも大きく変動する様子を見て「投資信託って値動きが激しいですね」という印象を持つでしょう。
ただ、この結果だけで「投資信託はこうだ」と語れないのは明らかです。

同じように、実務としてのファイナンシャルプランナーも、「FPはこうだ」という説明ができないというわけです。

とはいえ、投資信託の適切な活用が長期的な資産形成に役立つように、FPの適切な活用は、長期的な幸せな家計運営に役立つものだと思います。

よくわからないから触れない、というのではもったいないかもしれません。

■目的は何ですか?


そうなると大切なのは、相談する方が求めている目的です。

長期の安定的な運用を目指している方と、短期の儲けを求めている方の利用すべき投資信託が異なるように、目先の家計改善や保険の見直しを求めている方と、長期の資産形成や円滑な相続を求めている方の相談すべきFPは異なるのです。

もちろん、マルチに何でも相談を受けてくださるFPさんもいらっしゃるでしょう。
でも、相談前からその判断をすることは困難なので、やはり「相談の目的」を明確にして、その分野に明るいFPさんに相談するという姿勢が大切なのだと思います。
ここまでくると、「自分の目的に合ったFPを見つけることが難しい」という次の課題も出てくるのですが、この辺りは実務家側の情報発信を頼るしかないでしょう。

■セミナーのお知らせ


最後にお知らせです。

2月11日(土)に、野尻哲史さんを講師にお迎えして勉強会を開催します。

テーマは「60代のお金との向き合い方 〜資産形成で退職後の生活は満足するものになるのか」。
野尻さんとのご縁も、もう10年以上となり、関西にお越しの際はお声がけをいただくのですが、より多くの方に聞いていただきたいということで、今回は会場を用意いたしました。
(私は司会進行を務めます)

2022年2月に実施された「60代6000人の声」のアンケート調査結果を中心に、これからの時代に不可欠となる資産との向き合い方についてお話しくださいます。
質疑応答の時間も長めに取りますので、勉強会の内容以外のことも含め、野尻さんに直接ご質問いただける貴重な機会ですので、是非ご参加ください。

会場参加は定員20名。
オンライン参加は定員無しです。

会場参加の方限定で懇親会を行いますが、こちらは定員が15名となりますので、満席の際はご容赦ください。
ご参加希望の方は、下記の告知ページよりお申込みくださいませ。

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来週にかけては、この冬一番の寒波が来襲とのこと。
くれぐれもご安全に!

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