2008年10月29日

三戦の礼

しかし、二度目の侵攻も失敗。
篭城戦へ追い詰めながら後一歩及ばず、再び撤退を余儀なくされます。
「二度同じ敵に負けない、ネミスの戦史に泥を塗ることになろうとは」
臍をかむミル・フラート。
「二度で駄目なら三度攻めるまでですっ
さぁ顔を上げてください、ミル様。きっとコレが制覇への最難関です。これまでの犠牲を無にするのですか?」
「分った、ムーンムーム。私は諦めが悪い男だったのを、今思い出した」

三たびの出兵。
2度の侵攻で野戦を展開する兵力もなく、速やかに攻城戦へ。
「今度こそ陥とすぞ。楽観するな、屍を越えあの城壁を打ち破るのだ!」
攻撃命令が下されようとしたそのとき。
城門が開き、一人の男がネミス軍の前へ進み出てきます。
「既に我々は存分に戦いました。これ以上の戦闘は、お互いの尊い命の浪費に過ぎないでしょう」
大陸最高の戦略家は手にした白羽扇へしばし視線を移し、静かに言いました。
「負けました。私の全てと引き換えに、最期まで愚か者に尽くしてくれた城兵たちに寛大な処置を願いたい」


「2度ならず3度。我が軍を迎え入れた敵は、長いネミスの歴史でも貴卿がはじめてだ」
「それをせめての慰めとして、長い幽閉のときをやり過ごすとしましょうか」
「私は無駄というものが嫌いな男だったのを、今思い出した。何より才能を放置しておくことに我慢できない性質なのだ」
「……再び戦の采配をとれと?」
「軍配より鍬を握っていたい性分なのだ。平和主義者なのだよ」
「軍令書より史書を紐解いていたい、私も元来怠け者なのですが」
「そう言うな、私に楽をさせてくれ。もっとも才ある者が職務を全うするのが、才能遺伝子によって操られる私たちにとって最善の選択だろう」
「軍を任せる意味……いつ寝首をかかれるかもしれない危険をも考慮してのことですか?」
「そのときはムーンムームが助けてくれるだろう。あの娘を安く見るなよ」
降将は薄く笑い、やがて言いました。
「それだけはご勘弁願いたい」
ミル・フラートはシュンケイへ白羽扇を与え直し、宣言しました。
「三顧の礼ならぬ三戦の礼をもって、貴兄を我がネミスの新しい軍師として迎え入れよう。全軍の指揮権を、その扇とともに貴兄へ預ける。存分に采配されよ」
「謹んでお受けしましょう」
「……コレで、手を掛けられなかった菜園に時間が割ける」
「本音はそこにありますか」
新たなネミス軍軍師は溜息混じりに、しかし微笑みながら呟いた。
「当たり前だろう?
私は戦いで領土を削り取るより、荒れた土地に鍬をいれ耕すほうが向いているのだから」

龍を得る







東南を版図に加え、西へと行軍の方向を転じるネミス軍。
その先頭にはきわどい冗談を交し合う元首と軍師、それを見てご機嫌斜めな月人の三人の姿がありました。

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2008年05月24日

知龍への挑戦

古の中国の軍師を髣髴とさせる風貌。
戦術95は大陸を見渡しても抜きんでた値です。
ネミス軍、次の標的は知龍シュンケイ。

知龍への挑戦






定石通り、ヴァレムサークと手を結び共同作戦を展開。
いざ希泉へと侵攻。総兵力の差はほぼ2倍です。
あちらは鶴翼の陣を布きました。
こちらは大軍を効果的に運用すべく、竜渦の陣を選択。
各武将の能力はネミス軍が一枚上手ですが、シュンケイの揮う白羽扇
が後押しするのか、敵軍は粘り強い戦いを続けます。
行軍速度を才能遺伝子で強化した別働隊が背後を衝き、ようやく
攻城戦へ移行し、勝ちが見えたと思ったそのとき。
堕王ヤンセの霊呼が発動!
士気を大幅に奪われてしまい、思わぬ大誤算が生じます。
落とせるはずだった希泉城を前に、全軍撤退を余儀なくされました。

霊呼発動






今のままでは、戦局は膠着し埒が明かないとみたミル・フラート。
「龍退治はひとまず擱こう。先に龍の牙を抜きにかかるぞ」
シュンケイと一時和睦し、納めた刀をシュンケイの協同者・ヴァレム
サークへ振り下ろします。
ヴァレムサークが頼みとしていた知龍は同盟の絡みによって、ネミス・
源霊国どちらへも助力できません。
ネミスと単独で渡り合う国力は源霊国になく、国土を分断され一気呵成に
全土を斬り取られてしまいました。

孤立






「軍を増強、ただちに編成せよ。今度こそ、龍の息の根を止める」
「了解しました!ネミスは同じ敵に二度負けない、ですねっ」
ムーンムームのいつにも増して素早い処理で新たな兵士を加え、再びの
龍退治へ向かうミル・フラート率いるネミス軍。
戦場となるは、灯咲国。
灯りが咲くと名づけられた風雅な地に、鉄と血の匂いを孕んだ風が吹き、
幾多の戦旗翻り、時が満ちるのを待っています。


kuro5963 at 15:47|PermalinkComments(5)TrackBack(0)clip!VAZIAL SAGA 

2008年04月14日

生き残りを賭けて

大陸横断を成し遂げたミル・フラート軍。
次は南へと矛先を変えようとしていました。

が、堯舜国が独立。
これまで従属国として鳴りを潜めていましたが、静かに戦力を
整えていたのです。
兵力がある程度になると、COMP担当の従属国は離反して
しまいます。そのため時々共同作戦に巻き込んで、兵力を
浪費させる必要があります。
今回のプレイでもムラマサ軍にぶつける予定だったのですが、
ムラマサ軍が総力戦を避けたため損耗戦とならず、堯舜国の
離反を招く結果になりました。

かといって、兵力が少ないままでは援軍として心もとないわけで。
味方としてある程度戦力に計算できる国力を養わせながら、
敵として裏切られないよう兵力を削る機会を創り出す。
なかなか難しいのですが、家訓その14に挙げておきます。
従属国は、生かさず殺さず。

終盤、紅彩国への牽制に利用しようとあえて潰さなかった国ですが、
造反者討伐に踏み切ることにしました。
今後の方針は、各個撃破です。

造反者討伐






集結していた戦力を一転堯舜国へ振り向け、紅彩国との共同作戦で
攻略成功。法神セイドウは生かしてやることにしました。
使えるものは反逆者でも使う。家訓その15。

今度こそ、南進。
ターゲットは、“秋のない国”京核国です。
モンバルギへ軍を戻し、損なった兵を補充します。併せて武将数
制限で圧迫されてきた陣容を世代交代で一新します。
これまでネミスの中核を担ってくれたアティナ・クリース。
遺伝子「朱雀」を抽出し、
「これまでありがとう、後は若い世代に任せて」
の気持ちを込めつつ、放逐しました。←やっていることは非道ですね

世代交代






準備は整いました。ミル・フラートの剣が、南へと向けられます。
ハイネル、琉球、京核と破竹の勢いで攻略を完了。
皇陰国との鍔迫り合いで疲弊していた京核に、大陸最大の兵力を有し、
戦争系遺伝子を揃えた猛将が率いるネミス軍に対抗する術はなく、
易コウにて最後の城も陥ちました。

京核攻略






我がネミスを含め、大陸に残るは六カ国。
終息へ向け、淘汰は加速していきます。

では、今夜はここまで。


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2008年03月05日

東の果てで見たものは

ム「空白地、アラナダ・陸奥・華限の占領部隊の手配完了しました」
ミ「後は、紅彩からの援軍要請を待つのみ……」
ム「ディアナ・アディを含めたクリース一門、報讐のときを前に意気盛んですよ」
ミ「戦場の借りは戦場で返す。時を費やしたぶん倍返しでいくぞ」
ム「もっちろんです!!」

皇陽で会いましょう







ム「紅彩国より使者が届いたようです。
『皇陽にてお待ちしております。再会を勝利で彩ることを祈りながら』」
ミ「これより、大和の虎退治に向かう。
4年前の屈辱を思い出せ、辛酸の日々磨き続けた矛の切れ味、存分に見せつけるがいい!」

主力投入






天を衝くどよめきとともに、ネミス軍皇陽へ進発。
紅彩軍と合流し、陣容編成へ。
紅彩神王「久しぶりですね、ミル・フラート様」
ミ「挨拶は後にしよう。陣立て、我々も主力部隊として働くつもりだ」

陸奥は背水の陣で援軍到着まで持ちこたえる構え。
紅彩・ネミス連合軍は爪虎の陣。別働隊に霧抜才能部将を配して、殲滅戦を狙う。
ム「圧倒的攻勢です。このまま一気に押し切りましょう」
ミ「あちらの援軍の集結が鈍いな……、もしやこの戦いは切り捨てたのか」
ム「味方を見殺しに、ですか?」
ミ「大のために小を捨てる冷徹さを持つとするなら、なお厄介な敵かもしれないな。陸奥神王ムラマサ……」

羅刹発動






戦いは、クリース家棟梁ディオの羅刹が発動し、一方的な展開へ。
陸奥主力の援軍を各個撃破する意図は、肩透かしを食う結果となった。
ミ(紅彩の戦力をも削っておくつもりだったが……、まだ手はある。
温存された陸奥主力軍が中央でのたうつ隙に、大陸東部を掌握するとしよう)

紅彩・ミルフラート両神王の無礼講の掛け声で始まった宴。
肩を組み合い、勝利の美酒を酌み交わす紅彩・ネミス両軍兵士たちの笑い
談ずる声は、いつ果てるともなく皇陽の夜を騒がせたのだった。

大陸横断







ム「空白地の制圧も、滞りなく完了しました。ついに大陸東端に辿り着きましたね」
ミ「西端から発して、ここまで来たか。長いような短いような征旅だったな」
ム「記事20回分ですからねー。この神王様なら、確実に2回は完結してますよー」
ミ「うちはうち、よそはよそ。家訓その13だ。よれよれなのが、うちの持ち味」
ム「世界制覇するまで、後何回かかるのかなぁ」
ミ「それは誰にも、管理人にも分らないそうだ。今夜は、ここまで」



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2008年03月01日

捲土重来

ミ「これより全軍撤退する!
この風景をよく目に焼き付けておけ。
軍を進め、我らネミスの旗を再び立てる日のために」

今は、退くとき






陸奥との全面対決を避けるため、ミル・フラートはモンバルギを放棄することを決意。素早い撤兵(情報力が高い順で進軍フェイズは進行する)により、兵を損なうことなくリヴァス・ジィーアに再布陣し、機が熟するのを待ちます。

モンバルギを無血占領した陸奥は矛先を中央に向け、皇陽・真陽へ進軍。
領土分断された龍戒王ソウリュウを攻め立て、遂に滅ぼします。
西南の強国・龍戒滅亡。
神王ソウリュウは、意外にも陸奥神王に臣下の礼をとりました。このまま駒として使われる立場であり続けるとは思えないのですが……

龍戒滅亡








神暦315年。
屈辱の撤退から4年。陸奥の戦線は細く延び、ネミスの戦備は整いました。
捲土重来。
モンバルギ・ベルナへの同時侵攻。瞬く間に2国を占領。
ミル・フラートの宣言通り、再びネミスの旗が東方大陸に翻ることとなりました。

捲土重来






すると、紅彩神王より外交の使者が。
要請は皇陽侵攻作戦への援軍。
ミ「東と西より猛虎を掴み獲ろうというわけだな……
紅彩神王に伝えてくれ。
『皇陽で会おう。両軍の凱歌を聴きながら、久闊を叙すのも一興だ』と」



今夜はここまで。次回、「東の果てで見たものは」


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