友人と魔術師さん(職業ブレイバー)と楽しく冒険中、パラレルエリアが出現

そこで待っていたのはLv80のノーヴ・リンガダールとバル・ブリュンダール。

気まぐれな私はその時、いつもやってない職業のフォースで冒険していた。

はっきり言って、どうしようもない。

何をしても効いてる気がしない。

せめて他の人の回復や補助をしようと思ったのだが、
不慣れなためそれも上手く行かない。

結果、怪獣映画の群集のようにアタフタと逃げ回る事しか出来なかった。


鳥だかケンタウルスだか分からない姿をしているノーヴ・リンガダールの攻撃。

前方に二つの竜巻を発生させ、周囲全てをなぎ払う大技を出してきた。

かわせなければ即死の攻撃である。


私は咄嗟に緊急回避ボタンを押した・・・つもりだった。


私が良くやっているファイターと言う職業ではそのボタンは緊急回避ボタンなのだが
フォースだと使える魔法が変わるだけのボタンだったりする。


当然のように愉快に吹っ飛ぶ私。


だって何もしないで棒立ちだったわけだしね。


それを見て私を復活させようとする友人。

敵の攻撃を避けながらだから結構な時間がかかったが、復活薬を空に向かって放り投げた。

その時、後ろから敵の大技、竜巻攻撃再び。


愉快に吹っ飛ぶ友人。


鮎の友釣りみたい。


「ごめwムーンないww」

パラエルエリアは一度スタート地点に戻ると、もう行けない場所だ。

ココから先は魔術師さんだけで頑張ってもらうしかない。

祈るような気持ちで待つ私と友人。


しかし。

「まみーボク1人じゃだめだったよ・・・」

魔術師さんはかなり頑張っていたと思うのだが、結局勝つ事は出来ず。


あぁ、私があんな間抜けな失敗をしなければ・・・。


私がいたところで勝てたかどうか分かったものではないのだが、それでも
もうちょっと何とか出来たんじゃないだろうか?

悔しさと情けなさでいっぱいになり、私はつい失言してしまった。


「すいません」


言った瞬間に後悔した。


確かに勝てなかったのは悔しい。

しかし、楽しかった。

それはおそらく友人も魔術師さんも同じだったと思う。

ココで謝るのは楽しかった時間への侮辱であり冒涜だ。

謝罪でなく感謝を。

楽しかったとまず伝えるべきだ。

求められてない謝罪を口にするのは無粋の極み、自己満足も良いところだ。

いつも私はそうだ。

せっかくの楽しい時間が台無しである。

そう思うのだが、もう遅い。

一度出てしまった言葉は消えないのである。


そして・・・。


しばらく後、


気がついたら、なんか三人で踊っていた。

れっつだんす

・・・何、コレ?超楽しい!

三人一緒に踊ってるだけなのに!!


どうしてこうなったのか良く分からない。

私のあの失言からどうやったらこうなるのか。

まるで魔法だ。


だから、あえて、もう一度。


この人の事を魔術師さんと呼ぼう。

こんなに楽しくワクワクさせてくれたこの人に、感謝と尊敬の念を込めて。