『その頃の僕ら』
無事、全ての公演が終了致しました。
2日間、5ステージという超タイトなスケジュールで執り行われた公演でした。
個人的には、かなり心身の疲労困憊ぶりが露呈した本番回もあったかと自負しております。
その回をご覧頂きましたお客様には、感謝と共に心よりお詫び申し上げます。
気付けば個人的に、公演中に写真を一枚も撮ってなかったな^^;
だから、すみません。これは稽古中のものです。
今回、私が演じさせて頂いた役は物語のストーリーラインを築いていく『老人』という役でした。
本編は舞台上で発する自身の語りによって、物語の進行が成されていきます。
それだけに「老人」を演じるからといって脳内のイメージをそのまま模倣するような役作りをするとその役がとても平面的な印象になってしまい、舞台上にリアリティが存在しない結果となってしまいます。
そこで、あくまで全体のベースは役の内面性(枯れた人生観)だけを追求した役作りに努め、全体像から判断した各部のポイント(例えば立ち上がる瞬間とか、振り返る瞬間の背中の曲がり具合など)に「老人っぽさ」が伝わる演技性を加味させる手法を用いました。
このバランスで判断する手法は以前、どこかのワークショップで先輩の役者さんから伝授して頂いたものでしたが、それだけに実戦投入は初めて。
当初は不安を抱いた時期もありましたが、終演後は概ね好評を頂いていたようで何よりです。
しかしこれだけうんちくを述べた後でそれらを完全否定するようで申し訳ありませんが、今回の作品で私どもが観客の皆様に示したかった本来のメッセージはそうしたスキル論ではなく、あくまで人が儚い営みの中で思い描く願望や欲求、痛みの心理を舞台上の役者の声で紡いでいくこと、観客の皆さんがその一瞬に何かを感じ取って頂けるように努めることにこそ真髄があったと思っております。
「話の内容は難しくて、もう一度観てみないとわからない。だけどなんか好きでした。今日のお芝居の世界観」
そういったお声掛けを頂けたことは、少なくとも作り手側の一介に属する私には最高に励みになるお言葉でした。
「人生ドロップアウトしてしまっても、そこで何かが見つかるのかもね? そんな生き方も悪くもないかもって思わせてくれる、そんな瞬間があった…」
「なんだかうまく言えないけど、歳を重ねるって当たり前のようで、すごく素敵なことなんだと思った…」
中でも千秋楽終了後にこの感想を頂けたことは、個人的に最大に喜ばしい賛辞となりました。
この場を借りて再度御礼を申します。
誠にありがとうございました。
しかしこの作品、俺の個人的なお客さんにも是非観て貰いたかったな(´Д` )
まあ、師走は色々忙しいし、何気にこの時期は公演ラッシュだったりするので致し方ありませんが。
たった2日間の本番を濃密に過ごし、物語の骨格をお客さんに提示することに心血を注ぎ込んだ日々でしたが、最後にそれだけが心残りです。
さて打ち上げを終え、キャストの多くは今日から別現場に旅立ちます。
このメンバーがまた一同に会することは、もう未来永劫ないことでしょう。
その寂しさ、儚さを胸に彷彿させつつ、自身も次のステップに足を踏み入れたいと思います。
作演出の千頭和さん、制作裏周りで奔走してくださったてんこさん、ほぼほぼ現場合わせで少しでも役者が美しく見えることを考慮して尽力して下さったテクニカル陣の皆さん、スタッフさん……
この場を借りて、皆さん一人ひとりに御礼を申し上げます。
本当にありがとうございました!!
田村康太郎
無事、全ての公演が終了致しました。
2日間、5ステージという超タイトなスケジュールで執り行われた公演でした。
個人的には、かなり心身の疲労困憊ぶりが露呈した本番回もあったかと自負しております。
その回をご覧頂きましたお客様には、感謝と共に心よりお詫び申し上げます。
気付けば個人的に、公演中に写真を一枚も撮ってなかったな^^;
だから、すみません。これは稽古中のものです。
今回、私が演じさせて頂いた役は物語のストーリーラインを築いていく『老人』という役でした。
本編は舞台上で発する自身の語りによって、物語の進行が成されていきます。
それだけに「老人」を演じるからといって脳内のイメージをそのまま模倣するような役作りをするとその役がとても平面的な印象になってしまい、舞台上にリアリティが存在しない結果となってしまいます。
そこで、あくまで全体のベースは役の内面性(枯れた人生観)だけを追求した役作りに努め、全体像から判断した各部のポイント(例えば立ち上がる瞬間とか、振り返る瞬間の背中の曲がり具合など)に「老人っぽさ」が伝わる演技性を加味させる手法を用いました。
このバランスで判断する手法は以前、どこかのワークショップで先輩の役者さんから伝授して頂いたものでしたが、それだけに実戦投入は初めて。
当初は不安を抱いた時期もありましたが、終演後は概ね好評を頂いていたようで何よりです。
しかしこれだけうんちくを述べた後でそれらを完全否定するようで申し訳ありませんが、今回の作品で私どもが観客の皆様に示したかった本来のメッセージはそうしたスキル論ではなく、あくまで人が儚い営みの中で思い描く願望や欲求、痛みの心理を舞台上の役者の声で紡いでいくこと、観客の皆さんがその一瞬に何かを感じ取って頂けるように努めることにこそ真髄があったと思っております。
「話の内容は難しくて、もう一度観てみないとわからない。だけどなんか好きでした。今日のお芝居の世界観」
そういったお声掛けを頂けたことは、少なくとも作り手側の一介に属する私には最高に励みになるお言葉でした。
「人生ドロップアウトしてしまっても、そこで何かが見つかるのかもね? そんな生き方も悪くもないかもって思わせてくれる、そんな瞬間があった…」
「なんだかうまく言えないけど、歳を重ねるって当たり前のようで、すごく素敵なことなんだと思った…」
中でも千秋楽終了後にこの感想を頂けたことは、個人的に最大に喜ばしい賛辞となりました。
この場を借りて再度御礼を申します。
誠にありがとうございました。
しかしこの作品、俺の個人的なお客さんにも是非観て貰いたかったな(´Д` )
まあ、師走は色々忙しいし、何気にこの時期は公演ラッシュだったりするので致し方ありませんが。
たった2日間の本番を濃密に過ごし、物語の骨格をお客さんに提示することに心血を注ぎ込んだ日々でしたが、最後にそれだけが心残りです。
さて打ち上げを終え、キャストの多くは今日から別現場に旅立ちます。
このメンバーがまた一同に会することは、もう未来永劫ないことでしょう。
その寂しさ、儚さを胸に彷彿させつつ、自身も次のステップに足を踏み入れたいと思います。
作演出の千頭和さん、制作裏周りで奔走してくださったてんこさん、ほぼほぼ現場合わせで少しでも役者が美しく見えることを考慮して尽力して下さったテクニカル陣の皆さん、スタッフさん……
この場を借りて、皆さん一人ひとりに御礼を申し上げます。
本当にありがとうございました!!
田村康太郎