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    現在テレビからネットメディアまで、さまざまな媒体で報道されている人気女性タレントのベッキーさんと、人気音楽グループ「ゲスの極み乙女。」川谷絵音さんの不倫騒動。
    そのほとんどが「不倫はダメ」という論調で語られていますが、はたして問題はそこだけなのでしょうか?

    過去にクライシス・コミュニケーションの冊子を手がけたことがあり、
    「ベッキーさんに3度ロングインタビューしたことがある」という立ち位置から、今回の騒動をひも解いていきます。

    会見を見た8割が「不満」の意

    不倫疑惑という事実以上にマズかったのは、ベッキーさんが開いた緊急記者会見でのコメント。
    「イメージダウンを避けるための“釈明・謝罪会見”」だったはずが、1月8日放送の『とくダネ!』(フジテレビ系)では、街頭インタビューの約8割が「不満」という印象でした。

    会見を見た人が不満を抱いた理由は、ベッキーさんの使ったフレーズと会見形式に違和感を抱いたから。
    まず最もマズかったフレーズは、言い訳を想起させる「誤解」です。
    川谷さんを友人と言うのなら、報道されている「東京ディズニーシー」「クリスマス」「ホテル宿泊」「卒論(離婚届の隠語と思われる)」などの「誤解」を解かなければいけませんし、
    既婚者であることを知りつつ彼の実家に行ったことは「誤解」として成立しません。

    そもそも「誤解」は、相手に「あなたが勘違いしている」と言っているようなフレーズなので、釈明や謝罪の会見では使わないほうがいいのです。

    そして何より問題だったのは、釈明や謝罪の会見であるにも関わらず、ベッキーさんが約4分30秒に渡って一方的に語るだけで、質疑応答の時間を設けなかったこと。
    この会見形式は、「ツッコまれると困る」「言えないことがある」とみずから認めているようなものであり、
    もしやるとしても「報道されたすべてのことに時間をかけてコメントする」ことが大前提になります。
    「一方的な4分30分」では、釈明にも謝罪にもなりませんでした。

    https://www.youtube.com/watch?v=d41Jn9_fDU4
    ベッキー、緊急会見 ゲスの極み乙女。川谷絵音との交際報道否定

    http://contents.oricon.co.jp/upimg/news/20160107/2064920_201601070896683001452141237c.jpg

    http://blog-imgs-88.fc2.com/j/y/o/jyouhouwosagasu/20160107105844pop@o@po.jpg

    http://toyokeizai.net/articles/-/99929
    2016年01月09日

    「迅速かつ適切な情報開示」が絶対条件

    ここで「クライシス・コミュニケーション」の定義と基本姿勢を挙げてみましょう。
    クライシス・コミュニケーションとは、「企業や個人が危機的状況に直面したとき、被害を最小化するために行う対人活動」のこと。
    利害関係者(ステークホルダー)やメディアに向けて、迅速かつ適切な情報開示することが求められます。

    なかでも中心になるのは会見であり、「経緯、事実関係、今後の対応などを誠実に話す」のが基本姿勢。
    つまり、包み隠さず「危機や失敗を潔く認めて、信頼性の大幅ダウンだけは避ける」という会見が、のちのV字回復に向けた再スタートにつながるのです。

    この点でベッキーさんは大きく間違えてしまいました。潔く認めたのは、「連絡を取る」「2人で食事」「実家に行った」の3点だけであり、
    多くの人が知りたいクリスマスやホテルのことなどには一切触れませんでした。
    「情報開示が必要なことを言わない(言えない)」のなら、それは釈明や謝罪の会見としては不十分であり、さらなるイメージダウンを生むだけです。

    もし不倫をしていたのなら、潔く認めた上で「気づけませんでした」「未熟でした」などと猛省する。
    もし不倫をしていないのなら、証拠になるようなことまですべてを話した上で「これだけは分かってください」と懇願して理解を求める。
    今回のケースで釈明や謝罪の会見をするとしたら、このどちらかしか選択肢はなく、都合のいいところを抜粋して「友人です」は、最も避けなければいけない方法だったのです。

    誰に対して謝っていたのか?

    これまでベッキーさんのファンだった人は、報道を聞いて「信じられない」と思ったでしょうし、会見を見て「本当にベッキーはこう思っているのかな?」と感じたのではないでしょうか。
    かくいう筆者も、「ベッキーさんは言いたいことの半分も言わせてもらえなかったな」と感じました。

    ベッキーさんのような人気タレントは、影響力が大きく、所属事務所の業績を左右しやすいことから、「自分の意志で好きなように話せない」立場。今回のような釈明や謝罪の会見でも、
    所属事務所の上層部、スポンサーや広告代理店の関係者、レギュラー番組のスタッフの意向を踏まえてコメントの方向性を決める、という傾向があります。

    ベッキーさんのコメントにおける方向性で象徴的だったのは、“最大の被害者”と思われる川谷さんの妻に向けた謝罪がほとんどなかったこと。
    これは「友人でやましいことはないから、奥さんに謝る必要はない」というスタンスで会見に臨んだ証拠であり、
    「7回も『申し訳ございません』と繰り返し、12回も頭を下げた相手は、スポンサーや広告代理店の関係者、レギュラー番組のスタッフだった」ということになります。

    もし多方面の人々に謝罪しなければいけないとしても、「真っ先に謝らなければいけないのは」などの枕詞をつけて、重要度や優先順位を分かりやすくしておくべきでした。
    たったそれだけのことをしていれば、ここまで女性たちの反感を招くことはなかったかもしれません。

    「自分の意志で好きなことを言えない」という立場は、企業の管理職も同じ。
    自分の意に反したコメントを強要されることも多く、その方向性が正しければまだいいのですが、
    間違えてしまったときは本人も会社も凄まじいバッシングを免れません。
    古い体質の会社ほど、目先のお金や保身に走る余り、誤った方向性のコメントを発しがちで、大事に至るケースもよく見られます。

    あなたも“二次災害”に注意!

    ベッキーさんとは通算4時間くらい1対1でお話したことがありますが、彼女は些細なことでも「ありがとう」の感謝と「ごめんなさい」の謝罪を何度も言うなど、
    気をつかいつつも率直に話してくれる人でした。
    だからこそ、ベッキーさんがあれほど焦燥した表情をしていたのは、「自分の犯した罪の大きさ」だけでなく、
    諸事情によって「正直に話して謝ることすら許されないから」のような気がしてなりません。

    もちろん真相は分からないし、不倫をしていたのなら責められてしかるべきですが、“タレント・ベッキー”としてそれ以上にマズかったのは、
    多くの人々に「ウソをついた」という悪印象を持たれてしまったこと。
    これまで築いてきた「元気」「正直」「優等生」などのイメージが通用しにくくなっただけに、今後の芸能活動に暗雲がたちこめています。

    最後にもう1つ、クライシス・コミュニケーションにおける“二次災害”についても書いておきましょう。
    今回の騒動をワイドショーの各番組が取り上げる中で、多くのコメンテーターが、「ブログやFAXではなく会見を開いて頑張った」「ベッキーも普通の女の子だった」などとフォローしていました。
    これは「ベッキーの人柄を知っているからフォローしてあげたい」という温情かもしれませんが、ク
    ライシス・コミュニケーションにおけるコメントとしては間違っています。

    問題はベッキーさんの人柄ではなく、ベッキーさんの採った行動。
    もし行動が悪かったのなら、それをフォローした人も、当事者のイメージダウンに巻き込まれてしまいかねません。
    みなさんが公私において責任のある立場にいるのなら、
    公の場はもちろんSNSなどにも、温情に任せたコメントを発信しないことがリスク管理になるのです。




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