ボブ・ディランが得た栄光を学べるblog

今では、ノーベル文学賞を得たことで知られているボブ・ディランですが、他にもアカデミー賞など数々の栄光を得ている人物です。まとめきれないほどの栄誉を有しているボブ・ディランについて、具体的にどのような成果、栄誉で知られている人物なのかを詳しく解説していますので、詳細についても学べるようになっています。

W640Q75_shutterstock_458805415

「朝の雨」は、ボブ・ディランにしては珍しく内容がわかりやすい楽曲になっています。

タイトルについても短く朝の雨と簡素にまとまっています。また、どのようなテーマの音楽なのか?というと、朝の雨は男性と女性の別れを男性視点で描いている楽曲となっていますので、恋愛をテーマにした楽曲と見て良いでしょう。

歌詞についても、「朝早く」という始まりから「雨の中」へと続いていくわけです。そして、男性(主人公)は「わずかのお金」を握りしめて雨の中に佇んでいます。

雰囲気だけであればドラマのワンシーンのように思ってしまいますが、朝の雨では女性視点のストーリーはまったく出てきません。つまり、男性が解決しない問題(恋愛事情)について悔やんでいる・・・とも取れる作品なのです。

基本的に、ボブ・ディランは自分の楽曲について、細かい場面の説明はあっても、具体的にどのような楽曲であるのか・・・という説明を、楽曲の説明部分で行っていません。つまり、「自分で考えて欲しい、想像して欲しい」という狙いが、ボブ・ディランの朝の雨であり、ボブ・ディランが作曲した音楽には数多く含まれているのです。

朝の雨についても、場面が切り替わってからは「ポケットには砂をかむような思い出が一杯」というフレーズが登場するようになります。悲しみにくれている・・・というより、思いでにひたっている主人公がポケットの思いでを、大事に思っているところが良く出ていますが、その次には「故郷を遠く離れて愛する人」というフレーズが登場するようになるのです。

そして、冒頭の「朝早く」、「雨にぬれて」というシーンへと巻き戻ってしまいます。要するに、思いに焦がれている時は周りのことなんてなにも気にならない・・・、しかし、そんな思いも過ぎ去ってしまうと雨に濡れている自分がいるという、悲痛な気持ちが巻き起こってくるわけです。

当然ながら、このような場面が何度も登場してからは、「冷たい風」、「僕は立ちつくす」といったフレーズも良く出てくるようになります。長く思い悩んでいた主人公も、とうとうその場で立ちつくしているのが辛くなった・・・のでしょう。

ボブ・ディランの描く恋愛というのは、音楽であっても男性のほうが優位であったりします。そのため、最終的に男性と女性が元の関係に戻る、もしくは女性のほうが男性に対して思い入れしている・・・という内容が目立ちます。

朝の雨については、ボブ・ディランが今まで打ち出したことのない画期的な作曲であり、また恋愛の中ではあっても不思議ではない現実的な恋愛でもあります。

このように悲しげな考えを元にして作られている・・・と思ってしまうのですが、彼女はなにも男性を嫌っているから別れたわけではありません。他の人もなにかの事情でこの土地を後にするのです。

つまり、人々が出て行ってしまうような土地に残っている主人公が、朝の雨に打たれながら佇み、そして、特に色濃く残っている思いでに対して、感傷的になっている様子を朝の雨では歌っている・・・というわけです。

W640Q75_shutterstock_570930910

アルバータ1を聴くと、ボブ・ディランの悲しみがひしひしと伝わってくるような、そのような気持ちにさせられるところの多い楽曲となっています。

また、「アルバータ1」というタイトルの通りで、アルバータ2も存在します。つまり、「前半、後半が存在する楽曲」という仕様になっているので、ボブ・ディランにしては珍しく独特な音楽をまとめた楽曲となっているのです。

なので、今回はアルバータ1でどのようなことをボブ・ディランが語っているのか、歌詞を日本語訳していくことで1つずつ理解していこうと思います。アルバータ2についても内容はほぼ同じとなっているので、今回はアルバータ1のみで理解を進めるという形になっていますので、そのことを理解された上で歌詞の検証を読み進めていただけると助かります。

アルバータ1は、「アルバータ州」がテーマになっているのですが、歌詞の雰囲気からは寂しさ、悲しさ・・・といった「アルバータに対する哀愁」を感じ取れる部分が多く登場します。また、アルバータ1ではアルバータに対して、心という表現により、実際にアルバータという人物がいるかのような表現を巧みに取り入れています。

そのため、歌詞の中には「アルバータ州、あなたの心」というように、アルバータを見つめながら人物が思い描く世界観を、土地に見立てて広げていく・・・という独特な表現が目立つ楽曲でもあるのです。最初は、前述のあなたの心・・・を元にしてアルバータと会話しているような感じのままで、進展らしいものはなにもありません。

ですが、突如として主人公(アルバータを見つめるもの)は「私は心配だ」と、アルバータを心配するようになります。「すべての時間、あなたの心」というフレーズが中盤からは多く登場するようになり、これから先の変化について悩んでいる、気がふさがっている・・・といった心情がありありと伝わってくるような、そのような歌詞まで目立つようになるのです。

そのため、アルバータ1は故郷のような、大事な場所の変化を読み解くのが正しいのかも知れません。そもそもボブ・ディランは、自分の楽曲に対して細かい説明などをまったく行いません。「人によって感じ方が違う・・・」というところを、ボブ・ディランは受け入れているわけです。

作曲についても、ニュースなどのインタビューに応えるだけで、具体的にどのような状況で歌を作っているのか・・・に関しては、基本的に明かされないことが多いのです。

そして、そのようなアルバータと私の関係について、さらに進展を見せる場面では「思いやりのない私」という歌詞に触れることで、自分になにができるのか・・・と気がふさがっている人の気持ちが明確に伝わってきます。そして、何度も「多額のお金」というフレーズが、最初と最後に散りばめられているわけです。

要約すると、懐かしい場所で思いふけているのだけれど、変わっていく世の中と、変わっていけない自分(お金だけはある)・・・が、世に対してどのような影響を持つのか?と悩んでいる主人公、そしてアルバータ州への思いや、悩みが交錯している・・・という内容で、アルバータ1が完結するという流れになっているため、アルバータ2のような次の楽曲へと続いていく仕様になっています。

W640Q75_shutterstock_578398762

ザ・バンドのような有名なバンドも参加しているスタジオ・アルバムに、ボブ・ディランの「セルフ・ポートレイト」というスタジオ・アルバムがあります。

ボブ・ディランというと、今までにリリースしたスタジオ・アルバムの売れ行きが好調というだけでなく、なにかしらの話題性も含まれているスタジオ・アルバムをリリースすることが多い・・・、という評価をいただいていることが多い人物です。

前身としては、「シンガーソングライター」として活動を続けていた人物なのですが、世に出てからは「フォークの貴公子」として愛される人物へと成長していきました。そんなボブ・ディランですが、出会い、付き合いがあったアーティストにも有名な人物が多く、「ビートルズ、ジョン・レノン、ザ・バンド」といったアーティストとも一緒に活動することがあったため、現在でもその活躍に対して高い評価を行っている専門家が数多くいます。

セルフ・ポートレイトは、「1970年にリリースされたボブ・ディラン10作目」のスタジオ・アルバムとして知られていますが、ワイト島音楽祭(1969年8月31日)で、ザ・バンドをバックに演奏した楽曲(4曲)も収録されているという人気のアルバムです。

セルフ・ポートレイトは、全米キャッシュ・ボックス誌では「No.1アルバム」という記録を打ち出しました。これはボブ・ディランにとっては初の記録です。

他にも、セルフ・ポートレイトは「ビルボード・トップLP'sチャート」において4位の記録、「全英アルバム・チャート」では1位を記録したのです。そのような高い評価を得ていることもあり、セルフ・ポートレイトはRIAから「ゴールド・ディスク」の認定を受けているほど、非の打ち所がない高い実績を打ち出したスタジオ・アルバムとなりました。

ただ、その当時の流行を歌に取り入れている・・・という指摘もあり、セルフ・ポートレイトの評価は二分されることが多いです。シンガーとしてボブ・ディランを評価できる・・・という声もあれば、流行を追いかけるディランに対して批評を行う人たちもいたのです。

それだけ、硬派でありロックである・・・と感じるものを、ボブ・ディランは世に多くリリースしてきました。

それと、セルフ・ポートレイトにおいてバックの演奏が収録されたザ・バンド ですが、ザ・バンドというのは「1967年から1976年」においてアメリカで活動した人気のロック・バンドのことです。

他のアーティストとの大きな違いは、「個性的な楽器の演奏」にあります。ザ・バンドは、個人個人で使用している楽器が違うという特徴的な演奏が目立ち、また音楽性も本物であるという高い評価を得ました。

ザ・バンドは、現在でもボブ・ディラン同様で、ミュージシャンから尊敬を集めているアーティストとして知られています。また、実績においては「1994年にロックの殿堂入りを果たす」というふうに、これもボブ・ディラン同様で、数多くの実績を残すことに成功しているアーティストグループです。

W640Q75_shutterstock_345129686

ユニオン・サンダウンは、貧しい人々の心をボブ・ディランが歌っているという内容になっています。

貧しい人々といっても、いつものボブ・ディランであれば元々、その土地に住んでいた人々に訪れた不幸を歌に変えることが多いのですが、ユニオン・サンダウンは、そのような定例とは違った内容になっている・・・という特徴があります。

ユニオン・サンダウンの歌詞を見ればわかりますが、「多様な国々から来た人々」というのがテーマになっていますので、新しい土地に来たものの生活が代わり映えしないという人の心を、ユニオン・サンダウンでは追っているのでしょう。ボブ・ディランは、このように人の心というものを明るい心だけでなく、暗い心も追って表現することが多いです。

また、どのように苦しい思いをしているのか表す際に、具体的な収入をユニオン・サンダウンの中では描かれている・・・という特徴もあるので、多様な国々から来た人物たちが、お互いに支えあっても貧困から中々開放されないという気持ちが、ユニオン・サンダウンを聴いていると伝わってきます。

ボブ・ディランの素晴らしいところは、このような感情を表現する際に日常をテーマにして歌ってくれるところでしょう。というのも、このような収入を得ている人の心まで、ユニオン・サンダウンでは歌詞として何度も登場するからです。

今回は、複数の人々が支えあっている・・・というテーマなのですが、登場人物たちが「まあまあ、いただいている」というふうに、薄給に対して少しだけ満足しているという歌詞も登場するのです。まるで、ボブ・ディランがその場面にいるかのような錯覚を引き起こしてしまいますが、このような人の心をありありと伝えられるのがボブ・ディランなのです。

他にも、労働者(女性)の場合は「1日30セントを12人家族に与える」という歌詞が登場します。また、この報酬を「多額の報酬」という表現にも置き換えているのですが、先ほどの収入と比較するまでもなく家族構成的に厳しい報酬でしょう。

ですが、置かれている立場から労働者(女性)は喜んでしまうわけです。思わず多額の報酬・・・と思ってしまうのですから、どれほどの窮地の中で収入を得ているのか・・・と考えさせられてしまいます。ボブ・ディランは、詩人として歌詞を作成できる力を持っていると、専門家に評価されることもあるのですが、ユニオン・サンダウンを聴いていると、その理由を良く理解できるようになります。

大まかなテーマが定まっているだけで、これだけ数多くの登場人物を長いとは言えない歌詞の中に散りばめられるのです。決して、他のアーティストが真似しようとしても真似られるものではないでしょう。

また、ボブ・ディランにとってユニオン・サンダウンは特別なものではありません。ボブ・ディランは、男女の恋愛を歌うこともありますし、社会事情、戦争、貧困といった多数のテーマを元にして、作曲を行っていることもある優れた人物なのです。