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ボブ・ディランは、大人でなければ理解できないような楽曲を、作曲することもあります。

「レット・イット・ビー・ミー」は、正にボブ・ディランらしいと感じる楽曲なのですが、どのようなところがボブ・ディランらしいのか、今回は1つずつ丁寧に案内させていただこうと思います。

まず、ボブ・ディランは「シンガーソングライター」として有名な人物なので、明るい音楽を世に放っていることが多い・・・と思われがちです。しかし、レット・イット・ビー・ミーのような明るい音楽もあれば、「風に吹かれて」のような重い内容の楽曲を作曲することもあるのです。

ボブ・ディランは、「公民権運動」などで代弁者として活動している時期もあったので、歌を作るというのは世相の反映・・・と考えている節があります。つまり、フォーク・ロックと言われるような内容としては、過激的では?と思われるような音楽性もボブ・ディランの個性なのです。

そこでレット・イット・ビー・ミーを聴いてみるわけですが、実を言うとレット・イット・ビー・ミーのような音楽、タイトルさえも似ている楽曲というのは数多く存在します。レット・イット、レット・イット・ミー・・・というタイトルに聞き覚えは無いでしょうか?、このようなタイトルの音楽は珍しいものではなく、タイトル自体の人気もあり多くの有名アーティストが作曲を行っている・・・という背景も存在します。

つまり、レット・イット・ビー・ミーや似ているタイトルというのは、アーティストが持っている心情を打ち出している作品・・・と見て問題ありません。また、先にこのことを知っておくと、数多くのレット・イット・・・という作品についても戸惑わないで良くなるのです。

そして、ボブ・ディランのレット・イット・ビー・ミーに話を戻しますが、歌詞などでも「自分、彼女」というシーンが何度も登場します。つまり、お付き合いをしている男女ではなく、恋愛などはすでに終わってしまっている、さらに先に進んでいる大人の男女を描いている作品が、レット・イット・ビー・ミーという楽曲なのです。

ボブ・ディランらしく、男女はすでに相思相愛という関係になっています。そのため、男性も女性に対して何度もアプローチするというシーンまでもが登場します。

ボブ・ディランは、大人の男女関係を歌に変えることが上手いため、レット・イット・ビー・ミーを聴いていると、まるでそのシーンを映画で見ているような気分に浸れます。女性のことを本当に愛しているからこそ、無駄なことをしない男性・・・、そして、その心を前々から知っているので気構えしないで良い女性・・・という関係が、レット・イット・ビー・ミーの中には充実している!と感じるほどに登場するのです。

また、後になって恋心が冷めてしまうということはありません。レット・イット・ビー・ミーの歌詞でも、「お互いの距離が縮まっていく」というシーンが、大人として相手を受け入れられるようになった、という成長を表しているからです。

このようなまとまりのある音楽になっているため、情景を思い浮かべやすい、ボブ・ディランを良く知らない人物であっても、レット・イット・ビー・ミーを聴くだけで、ボブ・ディランはシンガーソングライターとしても一流である・・・と感じ取れる作品に仕上がっています。