テレサのだいあり〜

無責任な仮説 不必要な分析 お節介な提言

エイリアン: コヴェナント

エイリアンシリーズの中でも、もっとも第一作に近い雰囲気をもつ作品だと思いました。キャメロンのエイリアン2も大好きなのですが、リドリースコット作品のもつ独特の雰囲気や不穏さは格別ですよね。ストーリーはさほどややこしくはなく、前作のプロメテウスは観ていなくてもまぁ大丈夫でしょう。

謎の惑星で、
エイリアンに襲われて、
アンドロイドが怪しい、

といういつもの展開なのですが、第一作が40年近くも前の作品なので「またかよ」と思うより「懐しい」と感じました。

謎の惑星、謎の研究施設、宇宙船、と舞台が次々に移動するのが散漫な印象で、クライマックスもアッサリめでした。オチは、このシリーズには珍しいパターンでした。映画としての完成度は第一作には遠く及ばないのですが、このリドリースコットのファンなら満足できると思います。

散歩する侵略者

ネタバレあります。

侵略SF映画なのですが、いわゆるクリーチャー系ではなくて乗っ取られ系。古典SFである「呪われた村」とか「盗まれた町」系統に近いと思いました。サーボスデイでなんとなく選んだだけなので期待値が低かったせいか予想よりは面白かったです。

邦画のSFにしてはリアリティがありましたし、序盤のスプラッタ演出からの不穏な展開が良かっただけに、時折垣間見える反日左翼的政治メッセージには残念。後半に出て来たドローンなどは反米的な象徴でしょうね。

ラストのオチは「愛が地球を救う」パターンでしたが、私が脚本を書くなら、

「君から概念は奪えない」

「それが愛なんだよ」

なんて台詞があっても良かったのではないでしょうか。

クライマックスの侵略シーンがショボかったり、わかりやすいラストにしてしまったことで竜頭蛇尾になったきらいはありますが、「金返せ」とは思いませんでした。

1100円でしたしね。

忍びの国

原作は未読です。

時代劇で忍者は珍しくない存在ですが、戦国時代での忍者の不気味さをここまで描いた作品はめずらしいのではないでしょうか。アクションはコミカルかつ迫力があり、変わり身の術とか土遁の術とかは面白かったです。他にも、北畠具教が一瞬見せる新陰流の無形の位に感動したり、ライバルの日置大膳が格好良かったりと、面白い要素はいっぱいあったのですが、ヒロインが魅力的ではないと言いますか、可愛くないタイプで、しかも最後は、、、。ああいうタイプは世にはばかって欲しかったですね。

主人公も魅力的で、忍者映画としてはリアリティとファンタジーを両立させた佳作だと思いました。関ヶ原よりはエンタメだと思いますので、どちらか迷っている方にはこちらをおススメします。

関ヶ原

原作に関して、田中芳樹がおもしろい発言をしていたと思います。

一字一句を覚えていないのですが、「嫌われ者かつ無能の石田三成をあんなに魅力的に、、、」みたいな内容では無かったでしょうか。歴史的には、無用な戦乱を起こして豊臣家が滅びる原因を作ってしまった超無能なのですが、見事に魅力的な石田三成像を描く事に成功したのが原作の「関ヶ原」になります。

司馬作品のなかでは比較的短い作品なのですが、それでも太目の文庫本で上下巻ありますから、あるていど端折るのは仕方ないと思ったのですが、映像化すべきと思われたシーンがカットされていたのは残念でした。島左近の大音声とそれを思い出す黒田家家臣、島津隊の中央突破、小早川隊を押し戻す蒲生隊などなど、、、。そして、最後には石田三成を評価するナレーションが入ると思ったのですが、それもカットで残念でした。

良かった点も上げておきましょう。まず司馬遼太郎のナレーション(!)から始まったので、原作を読んでた時を思い出しましたね。豊臣家家中の尾張派と近江派の対立の描き方は面白かったですし、ワルっぽい北の政所は今まで余り見られなかったのではないでしょうか。福島正則がDQNっぽくて良い味出していました(笑)。あとヒロインの有村架純は忍者設定なので色んな衣装を着てくれますし、アクションもあります。ファンには眼福でしょう。

ダメな点はいっぱいあります。台詞が早口すぎて聞き取れなかったのと、ストーリーを端折り過ぎていたので、原作を読んでいない人には何が主題なのかよくわからなかったのではないでしょうか。合戦シーンはややショボく、ここはCGを使ってでも大軍勢の激突シーンを描いて欲しかったです。韓国人が韓国語で叫ぶクライマックスとか、小早川秀秋の設定を変えた事は意味不明。このあたりは俳優サイドやスポンサーの圧力でしょうかね。

メインキャストの演技や人間ドラマの演出などは素晴らしかっただけに、三部作にしてでも良いからしっかりと描いて欲しい作品でした。原作ファンは話のタネに観に行きましょう。

打ち上げ花火、下から見るか? 横から見るか?

深夜アニメ風の瞳が大きいキャラクターは岩井俊二作品には合わないと思いました。特に、渡辺明夫は悪手だと思ったのですが、、、

中盤くらいまでは主人公やヒロインの選択にイライラしっぱなしでストレスが溜まりました。不思議に思って原作の実写版を探して観たのですが、主人公達の年齢設定が全然違っていて、原作では小学生だけど今回のアニメ版は中学生(?)のようです。

小学生の主人公が大人びた同級生の美少女に憧れる、というのなら少年が体験するひと夏のストーリーとして普通だと思うのですが、アニメ版では外見的に高校生くらいにしてしまったために、主人公達の言動や展開に違和感を感じる事になりました。

アニメ版が原作と同じく小学生設定なら渡辺明夫キャラでも問題なかったかもしれませんし、小学生なら、打ち上げ花火を横から見たいと思っても違和感を感じなかったかもしれないので、残念な設定変更でしたね。

メアリと魔女の花

ジブリの制作部が解体されて、関係者が作ったスタジオがスタジオポノックだとの事です。元ジブリのアニメーターが多数参加した事で、まんまジブリの作品に見えるのですが、キャラクターのプロポーションがおかしなシーンがあったりで、パヤオがいないとチェックが甘くなるのでしょうか。

主人公は考えなしに行動しては周りに迷惑をかけるという、見ていて不快感を感じるタイプで、最後まで感情移入出来ませんでした。ストーリーはひねりもなにもなく、悪い意味で平凡。娯楽性に欠ける最近のジブリ作品の悪いところを真似した作品で、監督が何を考えてこの作品を作ったのかはなはだ疑問。せめてキャラデザがオリジナルだったら、別の感想も生まれたのでしょうが、コピー商品を見たときに感じるような不快感しか漂わない作品でした。宮崎作品をコピるなら、カリ城とかコナンにして欲しかったですね。

ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ

マクドナルド創世記のドキュメンタリー映画です。日本では余り話題になっていませんが、まぁ、お察しと言いますか、主人公の守銭奴っぷりが酷すぎてマクドナルドに不興を買いそうな内容でした。スポンサーの顔色を忖度するのに長けている日本のマスコミが大々的に宣伝を打つことはないでしょう。

そもそもマクドナルドがどのように世界的な企業に成長したのかまったく知らなかったのですが、最初の店が品質とクオリティに拘った店だったのは意外でした。映画を観て、子供の頃に始めて食べたハンバーガーがご馳走だったのを思い出しました。

そのマクドナルドを主人公が乗っ取ってしまうわけですが、もう人生も終盤にさしかかろうといううだつのあがらないセールスマンが、ビジネスパートナーや献身的な妻を裏切りながら成功を勝ち取る内容でした。映像や演技は高いクオリティでしたし、興味深い内容ではありましたが、最後に「罰」が当たらない内容では日本人ウケないと思います。ハンバーガーの焼き方が上手かった従業員がトップに登りつめたってところはアメリカっぽかったですね。マクドナルドのファンや働いた経験のある方には面白いかもしれません。

ザ・マミー/呪われた砂漠の王女

私が観たのは字幕版で、悪名高い戸田奈津子。「15秒云々」というのは、日本的に言うところの「三こすり半」だと思うのですが、妙な翻訳(?)をしたせいで謎なやり取りになっています。

ハムナプラのリメイクかと思ってたら、モンスター映画のシリーズ第一作でした。興行収入ではハムナプトラに負けたようで、批評家筋からも酷評されています。

オープニングの、「ダーク・ユニバース」というクレジットに何か引っかかりながら、シリーズ作品とは思わずに最後近くまで観ました。そのせいか、通常のモンスター映画の作法通りに物語が進まなかったので、先が読めなくて面白かったのですが、キャラクターの魅力の乏しさとか、世界観の滅茶苦茶さとか、設定の強引さなどがあって、酷評も仕方ないかもしれません。ニックは主人公というより、主役にまとわりつく脇役的性格ですよね。

洋画好きの方で、週末に観たい映画がなければ候補の一つとしても良いでしょう。普通の映画ファンなら、地上波まで待つのベスト。

ライフ

ネタバレあります。

エイリアンという先駆者がなければもっと評判になっていたのではないでしょうか?

個人的には、後半のエイリアンのモンスターチックな造形が残念で、序盤のような不定形のままの方が良かったのではないかと思いました。「宇宙船の中におけるエイリアンとの死闘」というプロットに新鮮味はありませんが、宇宙ステーションが現実となった今ならリアリティは満点。どこか「SF」だったエイリアンと比べると、役者の演技も含めて、圧倒的なリアリティがあって良かったです。

ツッコミどころとしましては、今のISSなら24時間モニターされているでしょうから、騒動の発端は地球サイドに把握されているでしょうし、脱出カプセルにも一般人が近寄らないように周知しているでしょう。オチに関しましては、予告の段階で地球に降下する脱出カプセルが映っていたので、もうひとひねりして欲しかったです。

カンの良い観客ならあのオチは読めてたと思います。私なら、ヒロインが宇宙の果てに飛んでいったと思わせてなんとか地球への脱出に成功。NASA内の病院で目を覚ましたら、もうひとつの脱出カプセルも遅れて地球にたどりついていて(あいつが操縦できるほど知性を獲得しちゃった)ちょうどカプセルのドアを開けるところをモニターで観て、ヒロイン絶叫END、とかの方が良かったのではないでしょうか。

ジョン・ウィック:チャプター2

前作より興行成績も批評家からの評価も高いそうで、ちょっと納得がいきません。基本的にはキープコンセプトなのですが、アクションはワンパターンで途中で飽きるので、前作のインパクトは超えられなかったと思います。

このシリーズのガンアクションは「ガンフー(銃、カンフー)」と呼ばれてるそうで、ガンカタからスタイリッシュさと派手さを取り去って、渋くしたと思えば良いのですが、冒頭から連発し過ぎるために、クライマックスでは食傷気味。

ついでに、主人公が高性能な防弾スーツを着たせいでほぼ無敵となってしまって、緊迫感もなくなりました。敵が弱すぎるのが問題なのですが、主人公と互角にやり合えるライバルが欲しかったです。ストーリーも前作よりは軽くなったと言いますか、大事な物を失った悲哀が無くなって、前作のウェットな部分が好きだっただけに残念でした。
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