テレサのだいあり〜

無責任な仮説 不必要な分析 お節介な提言

ジョン・ウィック:チャプター2

前作より興行成績も批評家からの評価も高いそうで、ちょっと納得がいきません。基本的にはキープコンセプトなのですが、アクションはワンパターンで途中で飽きるので、前作のインパクトは超えられなかったと思います。

このシリーズのガンアクションは「ガンフー(銃、カンフー)」と呼ばれてるそうで、ガンカタからスタイリッシュさと派手さを取り去って、渋くしたと思えば良いのですが、冒頭から連発し過ぎるために、クライマックスでは食傷気味。

ついでに、主人公が高性能な防弾スーツを着たせいでほぼ無敵となってしまって、緊迫感もなくなりました。敵が弱すぎるのが問題なのですが、主人公と互角にやり合えるライバルが欲しかったです。ストーリーも前作よりは軽くなったと言いますか、大事な物を失った悲哀が無くなって、前作のウェットな部分が好きだっただけに残念でした。

ジーサンズ はじめての強盗

この作品はリメイクですが、どうもオリジナルとは違う結末になっているようで、オリジナルを知ってる方には楽しみな部分でしょう。もらえるはずだった年金を失ってしまった老人三人組が、その年金資金を預かってる銀行からお金を奪い返そうというストーリー。一応はコメディの範疇になっていますが、おちゃらけたシーンは予想よりは少なく、皮肉や悲哀を漂わせながら、ちょっとした「間」とか「空気」で笑わせてくれます。

クライマックスでは、銀行強盗をする主人公に感情移入して観てしまう時代になってしまっている事にぞっとしつつ、彼らの冒険が成功するかどうかハラハラしながら見守りました。予行演習や実際の銀行強盗、警察の追及、アリバイ工作、どんでん返し、に隠された事実の判明、そしてエンディングでのひっかけ、、、アメリカの批評家の評価はイマイチのようですが、しっかりと作りこまれた全年齢が楽しめる作品となっているのではないでしょうか。私は楽しかったです。

ハクソー・リッジ

宗教的な良心的兵役拒否者が沖縄戦で人命救助だけで活躍し、勲章を授与されたストーリーで、この映画の存在は予告などで知っていたのですが、沖縄戦とは知りませんでした。ちなみに、日本での予告では沖縄が舞台ということは巧妙に隠すようにしていたそうです。

主人公は「銃は撃てないけど、故郷の友達はみんんな軍に志願してて自分も志願しないと恥しいので志願しました。銃は撃ちません」という面倒なタイプで(笑)、前半は主人公を持て余す軍の方に感情移入して観ていました。主人公はかなりオタクっぽいです。

後半の沖縄戦、前田高地の戦いに絞って描かれていたので、ミリオタ的にはもうちょっと俯瞰的な戦術的説明シーンが欲しかったです。艦砲射撃シーンはあったのですが、航空機の登場は少なく、実際には常時戦闘爆撃機が上空に貼り付いていたのでは、と思いました。

クライマックスでの主人公は、史実に忠実なら勲章をもらうのも当たり前という程の活躍ぶり。主人公は人を撃ちませんが、周りでは血で血を洗う凄惨な殺し合いが繰り広げられ、グロに耐性の無い方には辛いでしょう。日本兵は、冷徹な殺戮マシーンのように描かれていて日本人からすれば違和感はあったのですが、当時の戦場で日本兵と出くわしたアメリカ兵からはああいう印象だったのでしょう。戦場での美談を元にした映画でしたが、主人公のオタクっぽさを受け入れられないと、ミリオタ以外には辛い作品だと思います。

ある決闘 セントヘレナの掟

キャッチコピーは期待度満点だったのですが、

「リオグランデ川に流れ着く死体、メキシコ人の疾走、狂信的な信者、犯人を追うテキサスレンジャーが目撃した真相とは」

真相はよくわからなかったんですけどね、、、

ネタバレを書いてしまうと、ある宗教団体が川の上流で誘拐したメキシコ人をマンハントしていて、「ちゃんと埋めとけよ」って言われてるのに面倒臭がって川に捨ててたら発覚してしまったという次第。ホラーとかスリラー要素は思ったよりも少なめで、予告がピークの作品だったと思います。

コミュニティが、妙な教祖に牛耳られた理由もよくわかりませんし、その住民がマンハントにいれ込んだ理由もよくわかりません。閉鎖的なコミュニティーだと異常な風習が蔓延するのはめずらしい事ではないのはわかりますが、もうちょっと説明が欲しかったです。特に印象に残ったのはは女性不信。

主人公の美しい妻は序盤から重要人物かと思われていたのですが、主人公が忙しくて家に戻らないのを不満に思ってメキシコ人失踪事件への同行をせがみ、夫が捜査のため妻にかまわないのにストレスをためたのか体調を崩し、教祖の集会に顔を出し、これといった理由もないまま夫を裏切るという、真面目に仕事をしている世の男性からは噴飯物の妻でしたが、クライマックスの主人公と教祖との対決の後は出番がなく、たぶん主人公に捨てられたと思うのですが(笑)、この映画の監督は女性が嫌いなんだろうな、というメッセージは胸に突き刺さったのですが、公開劇場が少ない理由はよくわかったのでした。

マニアックな洋画好きの方なら耐えられると思います。

パトリオット・デイ

ボストンマラソン爆弾テロ事件の、事件発生の前日から犯人の逮捕までを描いたドキュメンタリー映画です。これといった濃いキャラがいるわけでもなく、これといったサスペンスやスリラーがあるわけでもなく、おいつめられた犯人との銃撃戦があるので、それなりのアクションシーンはあるわけですが、、、

映画を観た後で事件について調べてみたのですが、おおむね事実に即していると思われます。その点では、事実に忠実なドキュメンタリーと言えるのですが、犯行に至ったバックボーンや、アメリカ社会や移民が抱える問題などスルーだったために、良質なドキュメンタリーと言えるかどうかは疑問です。個人的に注目したのは、犯人の親族に対する取り調べで、弁護士を呼ぶことを許さずに「あなたに権利はありません」と言い放った取調べ官。この部分が事実に即しているのなら、アメリカと言う国が法治国家でも人権国家でもない事がよくわかります。

映画的な「何か」を期待するとガッカリする類の映画で、お金を払って劇場で観るより、NHKBSあたりで無料で観るドキュメンタリーだと思いました。

バッド・バディ!私とカレの暗殺デート

滅茶苦茶アクセスがあったのですが、アニサマのレギュレーション問題に関連して「咲きクラップ」記事への反応だったようです。最近はもう1人の更新が滞ってて申し訳ありません。

映画のほうは評判のマイナー映画でしたが、、、うーん、という感想でした。マイナーな作品は得てして高評価になりがちなのはセガサターンはサンダーフォースVあたりでわかるわけですが、元々マイナー作品に寛容な人が中心で観るわけだから当たり前ですよね。

失恋女子のマーサが新たに出合った男は凄腕の殺し屋で、彼と付き合っているうちにマーサは暗殺能力を開花させて、最終的には暗殺コンビを結成するわけですが、ヒロインにしても彼氏にしても異性よりも同性にウケが良さそうなタイプで、まぁ映画の主役カップルとしては微妙だったと思います。もうちょっとヒロインが可愛ければ、とか、もうちょっと彼氏がイケメンだったら、とか思いながら観ていました。

アクションシーンはそれなりにカッコ良くスタイリッシュでしたが、武道マニアとしてはろくな訓練も受けていないマーサが無双を始めるのは納得がいかなかったです。導入はワクワクしましたが、クライマックスからオチにかけては平凡。マイナー作品を観て通ぶりたい方向けの作品だと思います。

ジェーン・ドウの解剖

もしかしたら史上初の本格解剖映画でしょうか?ネタバレあります。

遺体安置所と検死を家業とする父子の元へ死因が不明な謎の死体が運ばれ、解剖を続けるうちに驚愕の事実が判明する、、、とでも書けば興味をそそられる方もいるかもしれませんが、

けっこうな竜頭蛇尾映画でした。

あらすじやイントロには興味がそそられるのですが、ネタ的にはかなり平凡。地下に埋められた割には生きているかのような死体が発見され、検死解剖を続けるうちに体内から妙なモノが発見されます。オチを書くと、死体は封印された魔女の死体で、解剖を続けるうちに封印が解かれていって解剖映画から心霊映画に切り替わるわけですが、それなりに上質なオチをつけるなら、再度封印を施そうと悪戦苦闘すべきなのでしょうが、ろくな対応も取れないまま全滅エンドなのは残念でした。終盤で「心霊現象が錯覚」と思わせるシーンもあり、このあたりをうまく膨らませたほうが良かったでしょう。

メッセージ

未知との遭遇とか、コンタクトのようなファーストコンタクト系が好きな方は楽しめるかもしれませんが、SFに興味がない方やSF特有のオチに耐性がない方はちょっと遠慮したほうが良いかもしれませんね。

ヒロイン以外のキャラクターがほとんど空気かつ役立たずなので、脇役達にももうちょっと活躍出来る場を与えて欲しかったです。出てきた宇宙人(なのか異世界人なのか)、科学は進んでるようでもコミュニケーション能力が低すぎるのはどうなのかと。人間でも会話出来ない動物と意思の疎通は出来ますからね。あんな準備で、他の知的生命体にコンタクトを取ろうとするのはどうなのでしょうか。

ストーリーは比較的シンプルで、テンポも良いのでクライマックスまで退屈はしないのです、

が、

いくらなんでもオチがアレなのは、、、。公開されてしばらくたつのに、ばかうけネタくらいしか話題になってないのはそういう事です。竜頭蛇尾映画です。

「86−エイティシックス−」(電撃文庫)

電撃小説大賞受賞作で、「ラストの一文まで文句なし。」とオビに書いてありました。個人的な感想としましては、これは褒めすぎで、「ラストの一文には文句なし。」と言ったところでしょうか。

リアルなテイストの作品にしては世界観や人間の行動原理にリアリティがなかったり、会話ががラノベ臭かったりで、「大賞」をあげるよりは「奨励賞」あたりにしておいて、もうちょっとブラッシュアップした方が良かった気もします。国がヤバい状態になったら、サッサと逃げ出す賢い人達って絶対いると思うんですよね。

人種差別が国是とされる「共和国」で、使い捨ての人間兵器達と支配階級の少女の交流を残酷に描いたストーリーです。私も色んな創作物を読んできましたが、この作品と似た作品がパッと頭に思い浮かばないくらい独創的だと思いました。既存のラノベに飽きた方にはオススメですが、これは続編は出ない系の作品で、それが残念でなりません。

BLAME!

原作マンガの存在は知りませんでした。同じ原作者のシドニアのアニメ版は多少は観ましたが、CGの不気味の谷が気になって途中で観るのをやめました。本作もおそらくはフルCGだと思うのですが、不気味の谷はかなり軽減されてたと思います。明度が低くて見辛かったのは減点箇所。

ストーリーは、勝手に増殖を続ける都市機構に人間が排除される未来、食糧難で滅びる寸前の村に主人公があらわれ、一致協力してなんとかしてしまうお話です。ある意味未来型西部劇と言いますか、スペースオペラならぬサイバーオペラというかと呼ぶべきでしょうか。

設定は凝っていると思われますが、ややこしい説明には余り時間をかけずに、シナリオはシンプルに徹していて、コンパクト。メカやサイバーな描写は緻密で、そっち方面が好きな方にはオススメ出来ますが、

「感動した」

とか

「考えさせられた」

とか

「人と都市の未来について考えさせられた」

などというような感想は出て来ない系の作品です。ゾンビ映画でゾンビの代わりにマンハントマシンが出てきて、多少は萌え要素があるとでも思えば良いでしょうか。

Archives
Profile
  • ライブドアブログ