テレサのだいあり〜

無責任な仮説 不必要な分析 お節介な提言

ひるね姫 〜知らないワタシの物語〜

ジブリより少し娯楽に振った作品を作ろうとしたのだと思うのですが、うまくいってないと思います。作画は、ここ最近の劇場アニメのクオリティからは少し落ちると思います。謎を引っ張ったおかげで、最後まで楽しめたわけですが、風呂敷を畳めていないので、観客は欲求不満がたまると思います。

あの夢の世界は結局なんなのか。

夢の中で別の人生を体験するというのは「君の名は」と似ているわけですが、あちらがストーリーを完結させていたのに対して、ひるね姫はストーリーの骨格がハッキリしていません。「君の名は」には「話が普通」という評価も聞かれたわけですが、話を普通にまとめることは、それだけでタイヘンな事だというのがわかります。

映画を見終わると、主要キャラクターでキチンと描かれていたのはあのオジイサンくらい。ヒロインは事件に巻き込まれただけで、主体的に何かしたかったようには見えません。岡山弁は可愛かったですが、終わってみればそれだけ。父親も何をしてきたのか、何をしたいのかがよくわかりませんでしたね。悪役もタブレットを奪ってオリンピックを成功させる、、、って別に悪事ではないですし、権力闘争自体は悪ではないですし、タブレット内の情報が会社の財産なら彼の行動はさほど間違っているわけではないですし。

世界観やストーリー、キャラクターの魅力など勘案すれば、ポッピンQの方がまだマシに感じられるのですが、「事件が発生して解決する」というミステリの体裁をとっているので、エンディング直前までは退屈はしませんでした。ミステリは強いですね。

「ゼロの使い魔 22ゼロの神話」(MF文庫J)

ネタバレあります。

とうとう完結しました。作者が亡くなった後にシリーズの刊行に尽力された関係者の皆様には頭が上がらないわけですが、それでも素直な感想を書いてみたいと思います。

イマイチだと思いました。

シリーズの雰囲気は再現されていました。作者が亡くなった事を知らなければ、作者が書いた事に疑いを持たなかったと思います。

この作品は20巻を超える大河作品でありながらクオリティはほとんど落ちなかった稀有なシリーズなのですが、それでも「イマイチ」な巻がなかったわけではなく、それが最終巻にぶち当たってしまったのは残念でした。クライマックスの展開が平凡だった事にくわえて、後半が駆け足気味だった事や、広げまくった伏線の畳み方が強引だったのに興が削がれました。あと1巻くらい追加したほうが良かったのかもしれません。

それでも、

それでも、元の世界に帰ったサイトがルイズと共に家族に再会するシーンがあればまったく評価は変わったと思うのですが、私が読みたかったようなシーンはバッサリとカットされていたんですよね。そこは、プロットが無かったのか、読者の想像に委ねたかったのかはわからないのですが、私にとっては残念でした。

虐殺器官

公開当初はトランプ政権の誕生直後で色々と取り沙汰されたので、どんな内容かとも思ったのですが、特にトランプ政権の政策と関係あるようには思いませんでした。中東を地獄に変え、シリアを地獄にしたのはオバマ政権ですし。

「人間には虐殺を司る器官が存在し、器官を活性化させる“虐殺文法”が存在する」というギミックは秀逸だと思います。具体的な「文法」に関しては本編をご覧になって欲しいのですが、「なるほど」と膝を打ちました。現実には、もっと簡単に人類は殺戮を繰り返すわけですが。

ラストに関しては個人的に勘違いをしていて、映画を観終わった後にネタバレサイトなどでようやく理解出来たわけですが、特に将来に不安のない社会で殺戮が繰り返されるかは疑問ですけどね。作画は上の中ですが、キャラクターに魅力は無く、プロットやストーリーはよくあるアクションスリラー。メインテーマである「虐殺文法」に面白みを感じれるなら楽しめるでしょう。

これで「Project Itoh」の全作品を観終わったわけですが、期待したほど面白くはなく、押井作品のような鑑賞中にウトウトしてしまうシリーズだったと思いますが、宣伝方法は素晴らしく「普通の人とは違う」事をアイデンティティにしているマニア層への訴求は抜群だったと思いました。

ナイスガイズ!

Wikiにはミステリー・クライム・スリラー・アクション・コメディ映画、と書かれていますが、バディムービーでもあるでしょう。冴えない中年のオッサン二人と美少女がトリオを組んで、大暴れというより大騒動。

この映画の見所はキャラクターの魅力でしょう。妻に先立たれた中年探偵ホランドはダメさ加減がたまりません。その父親をほっておけないのか危ない場面にもクビを突っ込んでくる娘ホリーは無茶苦茶可愛いかったです。腕力ですぐ解決をしようとするけど仁義は守るヒーリーはとにかくシブイ。演技だけじゃなく声もシブくて、森山周一郎かと思えるくらいです。

この凸凹トリオがポルノ女優の殺人事件に巻き込まれ、あちこちで大騒動を巻き起こすのですが、ストーリーやミステリーは単純で、演出や演技、雰囲気やギャグなどを楽しむタイプの映画です。

そろそろ上映も終わるかと思いますので、洋画やコメディが好きな方はすぐに劇場へ足を運びましょう。面白かったです。

アサシン クリード

予備知識はまったく無しで観てきました。それなりに面白かったとは思いますが、ギミックといいますか、オチに対する説明が無かったのでちょっと残念でしたね。カプコンあたりのゲームかと思っていたので、映画の後で調べてみて洋ゲーだと知って驚きました。ゲームジャンルは、潜入アクションゲームなのですが、イスラム教徒が主人公でキリスト教徒が悪役なのは珍しいのではないでしょうか。

人間の遺伝子に残されている記憶を遡る技術で、先祖(アサシン)の体験を擬似的に追体験する事をメインにしたストーリーです。アダムとイブが食べた知恵の実が重要なアイテムとして登場し、アップルシードのファンとしては期待したのですが、詳細は不明のままだったのは残念。作品内では、人間の持っている暴力衝動や自由意志のルーツとされていたのですが、だったら、主人公の幼少期のエピソードにも少しからませて欲しかったですね。先祖の体験が主人公の行動に影響を与える描写をもう少し丁寧に描いて欲しかったと思いました。

咲-Saki-

2.5次元作品としてはかなりの再現度。清澄高校のメンツだけではなく、ライバルどころかモブに至るまで原作(とアニメ)に対するリスペクトを感じました。しかし、片岡優希がリアルにいるとメチャクチャうざい(笑)。

咲と和の出会いはテレビドラマ版で描かれていて、映画は県予選の決勝戦になります。尺の関係かカットされたシーンはありますが、ほぼ原作準拠。原作と違うのは天江衣の感情の変化でしょうか。原作では決勝戦の前でも無邪気な顔を見せることがありましたが、映画では決勝が終わるまでは怖い雰囲気を崩さず、映画のクライマックスにうまく結びついて良い感じでしたね。

そろそろ上映も終わりそうなので、シリーズのファンや興味のある方は劇場に足を運びましょう。あまり話題になっていないのは残念ですが、麻雀やシリーズに興味がない人の感想も知りたいですね。

「佐伯さんと、ひとつ屋根の下」(ファミ通文庫)

青少年向けのラッキースケベ系かと思ったのですが、だいぶ違いました。これに似たラノベを思い浮かべようとしても思い浮かばないくらいに個性的な作品だと思います。

いわゆる「同居系」の作品になるわけですが、主人公とヒロインが、まだ恋愛関係におちいらないので、恋愛小説というわけでもないですし、抱腹絶倒のかけあいがあるわけでもないです。淡淡と進む日常系ですが、ちょっとしたフックはあります。主人公の一人称なのに、主人公の性格や内面がハッキリしないのはミステリックな魅力ですね。内容は説明し難いのですが、一気に読めたので、面白かったのでしょう、きっと。

劇場版 ソードアート・オンライン -オーディナル・スケール-

ネタバレあります。

それなりのファン向け映画にはなっているとは思いますが、私にはダメでした。そもそもシリーズが、アインクラッド編を頂点にして段々とクオリティが下がっている状態なので、映画になった時系列はかなりダメなあたりだと思います。私はアリシゼーションの途中でログアウト。

劇場版の新ヒロインが悲しい過去をもつ歌姫という使い古されたプロット自体はまぁ良しとしましょう。問題は、新ヒロインの内面をしっかりと描かなかったために非常に薄っぺらい存在になっていました。元々、アスナという強ヒロインがいるので脇役にしかなれませんでしたね。そしてラスボスかと思われたライバルっぽいキャラが、思った以上に雑魚なチート野郎でガッカリ。ラストバトルのアクションはさすがでしたが、

100層ボスがヒースクリフじゃないのは、、、

ARや新ヒロイン、SAO犠牲者の幽霊や100層ボスなど、色々と盛り込んだ割には脚本の推敲が足りずに散漫な印象。普通にARでスカイクラッドを再現して、現実社会にデスゲームとかでも良かったと思います。映画のラスボスよりテレビのフロアボスの方が怖かったと感じるのはデスゲームならではの緊張感が秀逸だったと思いました。

新ヒロインも、SAOの犠牲者なのだったら、黒猫団がらみとかでも良かったと思うのですが、それだと神田沙也加が使えないと言いますか、商業的な色々に縛られた作品だったと思いました。シン・ゴジラで庵野監督は横槍を排除しましたが、この映画では無理だったようですね。

セル

ネタバレあります。

原作、脚本はスティーブン・キングで、キングが映画に関わるとろくなことにならないなどとも揶揄されていますが、もろもろひくるめてキングが好きな方は、

あぁ、キングだな。

ある日突然、携帯(セル)で通話していた人が凶暴になり、世界はあっという間に破滅してしまいます。主人公とわずかに残った正常な人々は携帯電波の届かないとされるカシュワクを目指しクライマックスを迎えるのですが、実はハッキリとしたオチはなく、キングが好きでなかったらイライラするかもしれません。焼くシーンは中々のアレでしたね、、、

原作者のスティーブン・キングは携帯電話を使わない主義だそうですが、携帯電話に振り回されたり、「お前も使えよ、連絡取りづらいじゃん」みたいな事をさんざ言われてこのストーリーを思いついたのでしょう。

ただ、映像化には10年遅かったと思います。

原作の発表は10年前で、その頃の、携帯電話を使わない人がそれなりにいた時代ならまだ良かったのかもしれませんが、もう子供からお年寄りまで携帯ネットワークに繋がれ、携帯に振り回される危険性を指摘されてから何年も経っている今となっては、ちょっとピンと来ませんでした。

あと、夜になると「携帯人」達は眠り込んで新しいソフトをダウンロードしているのですが、その場面は、徹夜でスマホ画面を見ているとかの演出にして欲しかったですね。ソフトの更新に一晩かけるとかいつの時代なのかと(笑)。

「ネトゲの嫁は女の子じゃないと思った?13」(電撃文庫)

ラノベを読んでいなかったわけではなく、それなりに購入はしていたのですが、モチベーションをたもつのがタイヘンな作品が多くて、業界は粗製乱造期に突入したと思います。90年代にも同じような目にあって、10年くらいラノベから離れていたのですが、またそういう時代が来たのかもしれません。

そんな中でネト嫁の13巻を見つけて、読んでみたら普通に面白かったです。キャラは立ちつつ親しみがあって、いつも通りの掛け合いやネトゲあるあるトークが楽しかったです。アニメは全般的に駆け足気味で残念な出来だったのですが、アニメの出来がアレだと原作小説のパワーも吸い取られる事もあるのですが、今のところは大丈夫のようで安心しました。

ラノベが長期連載になると、ひたすらヒロインが追加されてハーレム状態になり、お話も同じパターンを繰り返しがちになるのですが、この作品では相変わらずの単独ヒロインでめずらしい。今回のテーマは、世代交代と「勘違い」でしょうか。もしかしたら「おもいあがり」かもしれません。私はPSOくらいしかやったことがないので、レイドボス戦の経験はないのですが、時間制限のある難易度の高いクエストは経験済みでして、でもそこでは駒のように言われた通り動いてクリアー出来て満足だったので、ルシアン達はまだまだ若いなぁ、と思ったのでした。
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