2016年07月25日

良い事 残念な事

IMG_1406梅雨が明けそうで 明けませんね

雨量自体は 平年よりも少ない感じですが

この時期の こう云った愚図ついた天候は

むしろ 放牧には打って付 長い日照と適度な水分補充で

放牧地は例年以上の充実度を見せています。


今回は良い話と 残念な話し


先ず良い話

僅か80a程の放牧地で 36頭の牛が牛舎での給餌を残す程採食し

なのに 放牧地は未だ草が残って居る状態

採食時間をもう少し延長して 最大化させられれば 

計算上8haあれば完全放牧への依存が可能な事が見えてきました。

温暖な気候を如何に利用するか そして如何に低コストで経営をするか

色々な可能性が見えてきます。


そして残念な話し

先日未経産牛を売りました。

今迄と同じくらいの十分成長した体格で 親と同じ放牧地へ出したのですが

他の牛とうまく交われない様で 

2~3日は1頭だけで単独行動を続け 

落ち着かない様子で鳴き続けていましたが

やがて外に出たがらなく成り 放牧地への移動中 脱柵するように・・・


遺伝改良方向の偏りにより

近年 放牧への適性の無い牛が多くなってきているという話は聞いていましたが

我が家では初めて


群行動が出来ない牛は やはりここに置いて於く事が出来ません 

今の牛相場なら 損するような事は在りませんが

先ず この牛が稼ぐはずだった金額を考えると残念ですし

うちに居られれば 間違いなく長生きできたことを考えると残念ですし

大事に育てた牛を こういう理由で出さざる負えない事が非常に残念

飼い方等ではどうにもならない事とは言え 悔しく残念な経験でした。


人とちょっと違う事を長く続けていると イロイロな事が在ります。

けれど人の経験出来ない事もイロイロ経験できます。


kurumiruku2009 at 06:39|PermalinkComments(0)TrackBack(0)放牧よもやま話 | 牛と生きるということ

2016年07月22日

保護と愛護

IMG_140970年前まで沼だったので 

地面が出来て70年の此処は

開拓当初 植生の多くが人工的で多様性も少なく

ぼくの子供の頃ですら 古くからの台地に比べて

小鳥も 小動物も 昆虫も 木も 草も 種類が少なく

夏休み 昆虫採集も 植物標本も 作るのに苦労した覚えが在る


最近、ぼくの子供の頃には居なかった 生き物が増え 

大人ながらとても楽しんでいる

まだまだ 伸び代が在るという感じ


そんな最近 今迄に無かった問題も出てきている

いわゆる獣害

つい数年前までは珍しかった 

狸やハクビシンが頻繁に見られるようになり

数が増えすぎた為か 牛舎内の飼料を漁りに来るように・・・


鳥獣に 人との適切な距離を守らせる事は重要で

天敵もおらず 多くの人が興味が無い事も在って

鳥獣が人を恐れなくなっている。

野生動物と人間の距離が近い事は 

決して微笑ましい事では無く 

危機感を以て当たる必要が在る事を知って頂きたい


動物保護 と 動物愛護は似ているようで全く違う

保護は適正数を保ち護る活動も含むが

愛護は愛で護るのであって適正数管理は入らない

先に書いたように 天敵の居ない(居なくしてしまった)日本では

愛護では無く 保護活動が最も重要で

可哀そうだとか 殺生はいけない とかの話では

すでに無くなっている。


例えば 

あなたの家の天井にハクビシンが巣をつくり

家じゅうが獣臭くて生活出来なくなっても

動物愛護を言うのであれば ぼくはもう何も言わない

けれど、普通は市役所や駆除業者を依頼する事だろう

そして、多くの場合 駆除と云う名の殺生の後 

あなたは平穏を取り戻す事になる    


あなたは手を汚していないが 殺生を依頼したことになる。

現代人とは 一事が万事 そう云う生き物のようだが・・・


野生動物を見かけたら ( 熊 猪は逃げるに限るが )

自分の生活に関係ないからと無視するのではなく

彼等の為にも 正しく人間は恐ろしい物と刷り込む必要がある

人と獣との境界を曖昧にしてはいけない。

アライグマ は狂犬病を媒介するし農作物や住宅への被害も出す

ハクビシンも似たような問題を持つし

狸の農業被害もバカに出来ない。


先日、狩猟免許の更新講習会に出かけた

銃猟と罠猟免許取得者に3年ごとに義務付けられた講習会だが

高齢化は甚だしく狩猟者は減少の一途 

反比例に獣被害の件数は増え 猪の被害報告域は拡大の一途 

ぼくの自宅から2~3キロの処でも被害が出たようだし

県北域では熊の被害もとうとう出たようだ。


お互いの為に 適正な距離を保つ為に 何が出来るのか

そして何をするべきなのか 全ての人が考えなくてはならない

もう そう云う時期に来ている。



kurumiruku2009 at 11:55|PermalinkComments(0)TrackBack(0)牧場よもやま話 | 狩猟雑感

2016年07月18日

効率化の果て

IMG_1399牧場の次を担う 若牛が不足し 高騰を続けている。

複雑に絡み合った事情が この現実を創り出している。


牛は生後14か月前後で人工授精され

約10カ月の妊娠期間を経て分娩、泌乳を始める。

分娩日の2~3か月前の牛を初妊牛または未経産牛と云う。

此の月齢の牛の価格が かつての倍近くまで高騰している。


旧き良き時代 多くの牧場は此の初任牛を自分の牧場で自家産して居た

自分の牧場の血統を大切にしていたし 牛は買うモノでは無かったのだ

当然、今よりもずっと 牛は大切にされていたし 長生きだった。


40年程前 アメリカから

フリーストールやフリーバーンと云った 最新の飼養法が輸入され始めた。

牛を牛舎の中で放し飼いしながら 栄養計算等で管理し

最大乳量を追求すると云う方法で

此の頃を境に 牧草の輸入量が増え 

日本の泌乳量は倍近くまで増える事になる


やがて 牛乳生産量は需要を超え 牛乳が余り 

乳価は下がり生産調整の時代が始まる。

この状況がつい5~6年前まで30年近く続き 

酪農家は激減 後継者も育たず 

その影響から回復出来づ 今も酪農家は減り続けている。


需要を満たせない状況から乳価は反転したものの

不遇の30年の間に 酪農家の経営は大きく変容する事になる

生産コストを下げる為に 安く高品質の餌を追求し

多くの牧場が購入飼料に依存するようになり

機械化し効率を上げる為に牧場は大型化し

あらゆるものが外部化され 

分業化が進み一見効率化した様でいて

30年間の不遇の時期に受けた傷は思いの外深く

あらゆる部門を外部化し効率化した筈の酪農家の需要に

応えられない国内酪農界全体の状況が

今の初任牛高騰の背景となっている。


乳価が安い為 少しでも現金化出来る物を求め

ホルスタイン種に和牛を人工授精し

F1と言われる肉用素牛の生産が盛んになった


ホ種の受精率は下がり ホ種の産仔数が減る当然メスは貴重になる

やがて技術革新が為され 

雌しか生まれない判別精液と云うモノが開発され

ホ種雌確保の為のホ授精数は必要最低限となり

F1受精率が高まるものの 酪農家数減少と肉需要の高まりを受け

価格は下がらない状況がここ数年続き

増々ホ種メスが足りない状況が続いている。


栄養学の進化 規模拡大や機械化による効率化 雌雄判別の様な技術革新

それらの進歩の結果 

乳価は下がり 肉は高騰し 牛は足りなくなる程寿命が短くなり

酪農家戸数は減り 関係産業も衰退 

それに逆らう為に 更なる効率化が進み 

海外からの雌牛輸入の動きも出てきている。


農業にとって 酪農界にとって進化、効率化とは何なんだろう?

  

kurumiruku2009 at 06:45|PermalinkComments(0)TrackBack(0)牧場よもやま話 | 牛乳の未来