2016年05月27日

怪人との会談

IMG_1295「 もう2年も前なのか・・・」

改めて開いた日付に少し驚いた。

あの、印象的な登場の仕方故に 

忘れることの出来ない再会だった


日本の隅々までを 自費で周り その経験を基に

今この国に起こっている事象の本質を

独自の視点で解析した名著『 デフレの正体 』『 里山資本主義 』の著者

藻谷浩介氏が ぼくの牧場を訪れてくれたのは 2014年5月1日


数か月前 筑波大学で行われた講演会の会場で

友人の紹介で話した事を切っ掛けに とんとん拍子に訪問へと至った訳だけれど

藻谷氏とは何か不思議な縁を感じている。


2013年 第一回世界農業ドリームプランプレゼンテイション大会に出場を決め

そのプレゼンがようやく完成した直後 

当時話題であった 藻谷氏の著書「里山資本主義」を手に取った。

「 此れはマズイ 」が最初の感想だったことを今も覚えている。

プレゼンの本質的な部分の殆どが 本の内容と酷似していて

藻谷氏の『 パクリ 』と言われても仕方が無い程だったのだ。

著名な研究者と しがない牧場主 無実の証明はかなり難しいなと

真剣に悩んだものだ


ぼくのプレゼンは 此処にしか無い価値と、此処でこその資源で

如何に稼ぐかでは無く 如何に内部留保させるか

その恩恵を 地域で循環させる事さえ出来れば

過疎とは無縁の 新しい形の農村が生まれる

ザックリ言うとそんな内容


と同時に 

かなり近い考えで書かれたこの本が 此れほどの評価を受けている事に

自信を貰った気もしたものだった。解ってくれる人もいるかもしれないと。


其れから1年と少し

藻谷氏と自宅で話しをし 握手をし 牧場の説明をし

ぼくの構想でチョット驚かせ その後、ある印刷物に紹介して頂く事になるのだが

それは後の事


その日の昼前 「 今近くに居ますから 」との電話の後やってきたのは

短パンにTシャツ ひげ顔で 今や骨董品のランドナー(旅行用自転車)に跨り

満面の笑顔の藻谷氏だった。

「 この自転車で学生時代 全国を回ったんです。」何事も無かったように云う

其処に居た全員が すっかりやられてしまったのは言うまでも無い。

奇をてらうでも無く 極自然体で 

風のようにやって来て 風のように去って行った。


誤解を受けやすいタイプかも知れない

けれど 清々しい程に自己流を貫く姿は むしろ心地よく

周りに良い風が吹く人だった。

次の目標は 一献傾ける事 

また驚かせられるような空間を 早く作らなくては

kurumiruku2009 at 06:49|PermalinkComments(0)TrackBack(0)牧場よもやま話 | 牧場の夢

2016年05月23日

薪を割る

IMG_0076少しの時間を見つけて薪を割る

10分あれば1日分の薪が出来る。


薪で暖を取る事は 贅沢な事 優雅な暮らしと

言われる事が多い 家の中の火が 今や非日常

そうか 非日常が贅沢ならば 農村の暮らしの殆どは

今や贅沢な事ばかり きっとそうなのだろう。


けれど 木を燃やして 家族を寒さから守る事は 人として根源的な事だし 

木と云う燃料が身近に有るのに其れを利用せず

灯油や電気を購入する為に 

せっせと産油国や輸入商社や市場関係者にお金を払い続ける事に 

どうにも素直に納得で出来ないのだ。

現代社会の言う 合理性への 疑いとも言える


薪で暖を取る事は 食糧を日本で作る事と似ている

「 その労力で お金をもっと稼げば良いじゃないか 」

「 薪を割る。火を見守る手間が在るのなら 楽で簡単なほうが良いじゃないか 」

薪に関わるそれらの忠告を

農業や農産物に当てはめてみると 

がっかりする位 今の社会がぼく等農民に問うて居る事と同じことを言っている。


本当にそうなのかな?

楽や合理性や時間短縮を購入する事が合理的なのか? 

楽する事 早くする事が 美徳ならば 

先人の成した事の殆どは バカな事になってしまう

はて?でも ぼく等の暮らしは贅沢な事では無かったか?

だからぼく等は ある意味 優雅に暮らして居るのか?


薪を割りながら グルグル考える

薪を割りながら 資本経済 世界経済を考える夕暮れ時






kurumiruku2009 at 06:34|PermalinkComments(0)TrackBack(0)社会と農業について | 食料と環境のこと

2016年05月20日

哀しみ故に

IMG_1350野ばらが盛りを迎え 

風が止むと バラの香りで満たされる

今年は比較的気温が低い日が多く 花持ちが良いようで

満開が未だ続いている

1年の内で 最も好きなこの季節が

少しでも長く続いてくれるのはありがたい

ついこの前までの寒さも

此れから訪れる 梅雨や暑い日々も

今の美しさを引き立たせる為に必要ならば

仕方ないかと思える位 この季節を待っていた事に気付かされる

この景色 この香り は何物にも代え難く

此の悦びは 此処で生きている悦びを思い出させてくれる


沼地に水路を掘り 堤防を築き 

農地を生み出した初代達の 

気の遠くなるような苦役の末に

今 ぼくは生きていて この悦びを満喫している。


時代に翻弄され 自分の孫子が耕す事を夢見ていた農地を 

他人であるぼくに預けざる負えない哀しみは

ぼくの想像を遥かに超えている。

戦後70年余りの社会変化と云う現実は 

余りに 過酷であり残酷であったと言える。


だから せめてその想いに応える為に 

此処は浮世離れした 天国のような牧場でなくてはならない

哀しい歴史故に 美しい牧場に








kurumiruku2009 at 06:06|PermalinkComments(2)TrackBack(0)社会と農業について | 牧場よもやま話