挑戦解らない

2018年01月13日

人の時 牛の時

IMG_0434暦は新年なのですが

放牧酪農家としては 3月の放牧開始が新年な気がします。

人の暦と 放牧地や草の暦 そして牛の暦

他にもまだまだあるかも知れないのですが

農業と云う仕事には

人が考える暦をはじめとする数値的な優位性 

例えば 速さ 或は 大きさ だけでは

感じることの出来ない 味わいや妙味がある気がします。


貴重な時間を有効に使う為に

ぼく等の業界 もうずーっと効率化と言われ続けて居ます。

作業の効率化 機械化 外部化 規模拡大などがそれ

其れをすれば補助金が使えたりで 大概 施設規模が大きくなって行きます。

戦後一貫した業界常識では 牧場が大きくなり 

牛の頭数もどんどん増やす事が 成長であり進歩である と理解されています。


急速に酪農家が減り 牛の頭数も減って行く中 

国や関係団体としても

1戸当たりの生産量増大が最優先事項である背景もあるのでしょう。

そんな訳で ぼくの様な牧場は 今や小規模と言われます。

親父が牛舎を建てた 1971年当時は大型農場だったんですけどね


その我が家も牧草地の面積は3倍近くになり 拡大はしていますが 

牛の頭数は増やして居ないし 施設も機械も昔の物を使ってます。

固定資産費や減価償却費を積み上げない上に

生産費が下がり 飼料の外部依存が減り 為替や相場リスクが減り

放牧で 牛の健康寿命が延び 育成牛の保有頭数が減る

放牧地に関しては管理を牛に任せているので 省力化

数や量は増えて居ないけれど 質や率や技術は日々進化して

けど、業界的には波及も少なく 生産量こそ善なのですね 

つまり 業界的効率化の方向にそぐわない

何より生乳の生産量が増えない。


けれどそんな事とは関係無く 牧場の生産効率は 実はどんどん上がってる。

牧場の外の人の好む 人が操作する事で得られる数値 と 

牧場自身の生命力で生まれる 牧場なりの数値と云う物がやはり在り

その両方を知り生かす知恵こそが 面白みであり 妙味であると 


何時も言いますけど ぼく等は牧場と云う生命に寄り添い 

牧場と草と牛と土と共に在る暮らし生活

そう云う生き方と経営が一体になった営み

其れがぼくの考える 牧場で生きる と云う事な気がしています。 

人の数字 牧場の数字 それぞれの良さが在るとして

ぼくはあえて人の数字と牧場の数字を両方理解する人間として

発信し続けたいと思っています。




kurumiruku2009 at 06:26│Comments(2) 牛と生きるということ | 放牧よもやま話

この記事へのコメント

1. Posted by 平本佳代   2018年01月14日 10:23
上野様
昨日は、ずうずうしくも、家族でお邪魔してしまい、
申し訳なく、また、いろいろな方や、先輩にお会いできる貴重なチャンスを与えていただき、大変ありがとうございました。
とても勉強になりました。すばらしい景観、ほっと懐かしく、深い歴史のある場の力が伝わる、すばらしいところでした。息子が、ご子息さまと仲良くしていただいて、喜んでおります。また、よろしくお願いいたします。平本農場
平本英一・佳代・竜太
2. Posted by 上野   2018年01月15日 06:20
此方こそありがとうございました。
日本の農業が踊り場に居る今、次の階段が登りなのか下りなのか解りませんが、人為を尽くし天命を待つのではなく、アンテナを張り行動していかなくてはと思っています。良きアンテナになってください。ぼくもそうなれる様に頑張って行きます。宜しくお願い致します。
 また是非遊びに来てください。お待ちしております。

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