December 2007

December 30, 2007

KUSA. 喫茶、冬、枯れ.

5e31a9ee.jpg房総地方、曇りときどき雨。
KUSA.喫茶、明日で3度目の
大晦日。








一年目はただ無我夢中に、二年目は様々な問題を抱えながら
右往左往し、そして、三年目。
私達には、珈琲焙煎、パン焼きという職人仕事と、
カフェ営業という二つの仕事がある。
意外とこの二つの仕事の並行が難しいものだ、ということを
実感させられた一年だった。
確かに、自家焙煎のグループを見回してみても、
焙煎とカフェを一人か二人で回している店は、全国的にも
そうは多くない。


焙煎に関しては、試行錯誤の1年でした。
素晴らしい酸味と香味を兼ね備えるエチオピアの生豆。
でも、小粒で固く、キャラクターを表現するのは難儀で、
日々、排気、火力との格闘でした。
スパイシーなケニア。変わった形状の豆で、火の通りが悪く、
弱火で、その日の気候に合わせて、蒸らしを変えていく。
香水のような香りのインドネシア・リントンマンデリン。
こちらは逆に火が通りやすく、排気調節とガス圧一目盛りの
判断ミスで、ぶれる。
どれも、何度も焼き直した。
自分の目指している、体に良く、そして、産地のテノワールを
感じられる、KUSA.だけの独特の珈琲のために。

朝11時からは、接客業の仕事。
お客さんとの会話は基本的には楽しいし、年齢も仕事も
様々な人の話を聞けるのは有意義だ。
ただ、接客は、セッションのようなもの。
プロのジャズマンがいつもいつも楽しく演奏してるわけでなく
時に、しんどく、格闘し、ぶつかり、その結果最高の作品が
産み出されるのと、接客も同じ。
うまくセッションできないときもあれば、仕事とは言え、
どうしても疲れていたり、つらい日もあったりで、
失礼もあったかと思う。逆に悲しい態度を取られる時もある。
でも、珈琲一杯分のそんな数々のセッションを経ていくうち、
自分の細胞一つ一つにわずかなわずかな変化が起こり、
今現在の自分、店が出来上がっていった。
会話の内容や、話をするしないは関係ない、
店にいる人との波動の交感みたいなもの。

いずれにしろ、KUSA.を訪れ、やや低めの椅子に座り、
カップを手に取ってくれた全ての方々、色んな意味をこめて
少なくてもこの店内にいる限りこの人達を守り抜く、という
気概くらいは最低限、持っているつもり。




明日の晩になったら、店の掃除を終えたら、つかの間、
仕事を忘れ、小さな食卓で、お椀一杯の蕎麦を食べよう。
それから、家族3人、少し余った珈琲を一杯ずつ飲みつつ、
この夜の闇の深さを全身で感じてみよう。
除夜の鐘を聞きながら、
今年起こった悲しみと幸せを祈ろう。
そして、そして、村が寝静まった頃には、最後にやっぱり
お客さんのことを想い浮かべてしまうことだろう。
一人一人、もう何十人もの顔を思い浮かべることができる。
かけがえのない、大好きな人達。
言葉など、もうない気持ち。



明日、大晦日は、今年最後の営業日。


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PS. BRIAN JONES 「The pipes of PAN at Jajouka」
 (民族音楽フィールド録音の傑作)を中音で聞きつつ。



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December 27, 2007

鼓舞せよ.

暮れの珈琲屋は、ほとんどが常連さんの顔ぶれで、
ときに和気合い合いと、ときにまどろみつつ。。
珈琲豆の香りと灯油ストーブの匂い、遭遇してる。


火曜日、一日休み。
合羽橋で今年最後の備品を補充した後、目白まで。
「古道具の坂田」さんと「mon sakata」さんへ
年末の挨拶回り。
静かな店内でお話していると、今年はもうきれいに
終わってしまったよう。
帰ってからの仕込みなんか、頭から追い払いたい。

目白









駅から程無い夕方の目白通りは、喧噪こそあれ、
安らぎに包まれており、行き交う人々には、
年の瀬特有のよそよそしさと軽いせわしなさ。
でもそれはとっても愛おしく、きれいでまぶしく。

帰途、いてもたってもいられないほど、
私達の心には音楽が必要で、奥方が選んだCDは、
この街と全くマッチしない、Fabioの「FABRICLIVE. 10」
しかし、Fabioの幻惑的で骨太なdrum'n bass mixは、
5年経った今でも全く色あせてなく、
この日が沈みそうな瞬間に「輝き」を与えてくれる。


ああもう、何だか、我らの生活、命がけ。
通勤帰りの混み合った首都高5号線を、
少々強引気味にかき分けながら、
一直線に我が仕事場へGO....and Imspire!



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December 23, 2007

師走の珈琲店.

fd43f6b2.jpg今年の12月は予想外のオーダー量でした。
ほんとにありがとうございました!!






今夜で発送の山場は何とか、過ぎました。
ギフトボックスや珈琲生豆の在庫、...問屋さんも
オーダーストップの時期ですので、色々やりとりしながら、
少々冷や汗ものでしたが...。


メッセージ

X'masギフトに添えた
メッセージカード。

パッと見、大した代物ではないのですが、こういうものは、
1ヶ月前からデザインを考えて、言葉を打ち込み、修正し、
それから一点一点切ったり貼ったりで、ようやく出来上がる。
もしかしたら、ポイとゴミ箱に捨てられてしまうかもしれない
この小さなカードを、それでも深夜、コツコツ内職している
ときの思いはこんな感じ。

この冬、色んな人が、カップルが、夫婦が、煌びやかな光の下
素敵な料理を食べ、素敵な洋服を買ったりする。
もちろん、それは素敵な瞬間で素敵な出来事だ。
しかし、そのレストランの、ブティックのすぐ先には、
残念なことに仕事にあぶれ、または体を壊し、薄い布きれに
くるまって段ボールで冬を明かす、例えば日本では3万もの
人達がいる。
それもまた、紛れも無い事実だ。
有楽町、秋葉原、市ヶ谷、新宿、品川、六本木....
数分歩けば、すぐに目にとまる。
もし気が付かない人がいたとしたら、よっぽど鈍感な人か、
恵まれきった人だ。

この冷えきったアスファルトの上で、力のないホームレス達に
一体1月の厳冬をどう越せというのだろうか。
環境、教育、経済...どれも国の重要事項だ。
それでも、政府は、大統領は、まず、今、死に瀕していて、
でもちょっと手を差し伸ばせば救える命に即刻投資してほしい
という無念さと、怒りの入り交じった感情。
そんな思いが、深夜から明け方までの手作業を支える。



どんな労働もそうだが、深夜残業は眠いし、体にこたえる。
でも、出来はともかく、手抜きはしない。眠らない。
もともとは体育会系、根性の入ってない仕事は嫌いです。


明日は、イブですね。
曇り空の下、心より祈ってます。
世界中の全ての人達、数分間の安らぎを。


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December 21, 2007

おこたで読み物.

営業中は、あまり息子にかまってやれないので、
夜、仕込みが早く終わる事があれば、絵本を読んでやる。
最初は、もちろん意味がわからないので、
暴れて、ちっとも話が進まなかったが、1歳頃になると、
何冊かお気に入りに本ができてくる。
「たんたんぼうや」とか、絵が分かりやすいもの。


ベル


「ぼくとベル」

黒い犬



「ふしぎな黒イヌ」







そして、この2冊は、お客様である二人の絵本作家さんから
頂いた、とてもとても大切な本。
どちらも、偶然にも犬が出てくる物語で、
1歳半を過ぎた子供は、段々こういうものにも
耳を傾けるようになり、今夜も「ワンワン」などと言って。




息子は、今まだ、かろうじて無垢なままだ。
しかし、あと10年、15年、そしてもう30数年も経てば、
今の私のように、無数の厄介ごとを
一杯に抱え込むようになるだろう。
でも、全身で受け止めた、その厄介ごとの重さが
生きてる証でもあるんだよ、

小さなあなた。


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December 18, 2007

Welcome to the Quiet village.

お歳暮&X'masギフト、
お返事がやや遅れ気味になっております。
大変申し訳ございません。

焙煎
焙煎、深夜まで
フル回転で稼働中です。。









昨夜は、仕込みの合間を縫って、旧友に会いに有楽町まで。
数寄屋橋から銀座にかけては、ゆったりとしてピースフルな
イルミネーションで、当たり前ですが長生村とは全く違った
時間が流れてました。
有楽町→長生村。わずか、電車で1時間半の、しかし、
静と動の180度違った風景。

帰途、映画化、文庫化されたこともあって、松尾スズキ著
「クワイエットルームにようこそ」を買って、
電車内で再読する。(文庫版は枡野浩一さんの解説!)
2年ぶりだが、やはり素晴らしい小説。

茂原駅を過ぎる頃には、車内の乗客もすっかりまばらで、
冬の冷気がじんわり入りこんできて、
車窓にはキラキラは一切無くなる。
本を閉じて、じっと静寂の暗闇を見続ける。
これが、今の私の帰る場所だ。


ここを訪れる全ての人たちへ。
ようこそ、この、愛すべきクワイエットヴィレッジへ!




KUSA. は大晦日まで営業です。

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December 13, 2007

Oi-SCALE を観て.

8590b92c.jpgやっぱり舞台は面白い。
映画と違って、二度とは
再現できない「リアル」が
目の前で繰り広げられるの
だから。
CDとライブが違うように。




色んな芝居がある。喜劇、悲劇、実験的、物語的、映像的...
そして、どんなジャンルであれ、素晴らしい演劇には、
絶望か希望か、そのどちらかが隠されつつも宿っている。
(場合が多い)
例えば、今回の劇場の折り込みに、昔一度だけ衣装を
担当したことのある「!ojo!オッホ」という劇団のチラシが
入っていて、そこには主宰・黒川さんの、
「ずっとパンクでありたいと思います。
 だからこそ、壊してしまおうと思いました。」という言葉が
書かれていた。もちろん全てを観劇した訳でないが、彼女の
舞台は、「希望」から発生している。(と私は思う)
そして、今回の「Oi-SCALE」は、逆に、至るところに笑いが
散りばめられているが、その根底には「絶望」が漂っている。
(と私は思う)
今回のタイトルであり、隠喩的なセリフでもある
「模様の様な汚れ」は、「ちっ、俺たちの一生は、
 模様みたいに様々だが、汚れにまみれちまってる」
という風に私には受け取れた。
決して、小難しい芝居ではないですよ。
これから演劇でも観たいなぁという人には、今週末までなので
是非足を運んで欲しい。役者さんの抑制されたトーン、面白く
ほろ苦いストーリーには、破綻無し。
良かったなぁと思える2時間を過ごせるに違いないから。

でも、いつの日か、この劇団に流れる脈が希望に転化したとき
つまり、タイトルの「模様のような汚れ」が
「汚れの様な模様」へと逆転し、
「俺たちの人生は、汚れてしまってるが、
 しかし、たとえそうであったとしても、最高に文句無く、
 掛け値なしの一生だったんだぜ、この地球上のさ!」って
なった時、この才能溢れる決起集団は、衝撃のカタルシスを
私達に授けてくれるのではあるまいか。

そんなことをちらちらと考えつつ、
「スチャダラ」だとか「所ジョージ」って
セリフを思い出してはくすくすしている今週でした。

『Oi-SCALE』 at 下北沢駅前劇場 16(日)まで。




さて、焙煎、フル回転、頑張ろうか。。


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December 12, 2007

珈琲屋、朝、カフカ.

590097fd.jpg







・村で過ごしていると、あまり実感が湧かないのだが、
 少し市街地へ出るともうお歳暮、クリスマス商戦真っ盛り。
 KUSA.も、頑張ってます。
 閉店後、仕込みして、夕飯すませて、コツコツ残業?内職?
 箱作り、箱詰め、のし紙、....。
 でも、ご注文下さった方々、ありがとうございます。
 遅れないよう、頑張ってますよ!


・人と知り合い、親しくなっていくと「好きな音楽は?」と
「どんな本読むの?」って会話は定番。
 今年、知り合いになった若い子に、愛読書は何って聞いたら
「カフカと太宰しか読まない。」って返ってきた。
 私は、この素敵すぎる答えが脳裏から離れず、
 こんな風に平然と言ってのける人と友達になっておいて、
 損することは絶対ないと確信する。
 ま、これを60歳の人が言っていたら、それはそれで、
 この人、気難しそうだなぁ、と思うのでしょうが。
 20代の女の子が、そう答えるのが潔い。


・珍しく、焙煎時間より、早く目が覚める。
 まだ、明けきっていない夜の、うっすらとした間を眺めつつ
 ずっと考えていたことを、思い返している。
「自分を深く理解してくれ、そして深く共感し合える者が
 ひょっとしたらどこにもいないのではないか、という不安は
 今と言う現代においては、間違いなく恐怖だ。」
 ということだ。

 どうか、
 迷い、戸惑い、右往左往する自分へ。

『毅然と、していろ。』




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December 10, 2007

ウィーンのような...

明日発送分のお豆を焙煎していたら、あっという間に深夜。
みんな寝ちゃったし、何だか一人で庭で一服。
ふと見上げると、冬の透明な空気のせいで、
海辺の空にはオリオン座がくっきり浮かび上がり、
きれい過ぎて、ため息一つ。
今年も一年、様々な試練あり。
果たして、1年前の自分は、
今の自分を褒めてくれるのだろうか?



柿ジャム


さて、KUSA.では、定期的に、
ひっそり季節の自家製ジャムを
並べております。
今期は「柿」。


幾つもの皮をむき、種を取り出し、じっくりと時間をかけて
果実と甘さを濃縮させた、古いヨーロッパのような味。
決して、ナチュラル志向とは言えない私達、
ヘルシーな甘さ控えめデザートに逆行するかのよう。

今年のお歳暮&X'masギフトは、いたってシンプルに
このジャムを二瓶と珈琲豆を詰め合わせたもの。
粋な大人たちへの贈り物に、是非どうぞ。

詳細は、KUSA.のHP、オーダーページにて。



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December 07, 2007

野間道場、去る.

前回、ちらっと倉田百三の本のことを書いたら、
今日、ブログを読んで下さっていた常連さまから
古い本、好きだねぇと言われた。
店に置いてある古い洗濯板をご覧になられたお客様からも、
古いものが好きなんだね、と言われた。

そうなんです、好きです。古いもの。
でも、一つ誤解して頂きたくないのは、
自分が美しいな、と思える物は古い物も新しい物も、
分け隔てなく愛してます。
古くても新しくても、素敵な物は全く等価だと信じてます。
「昔は良かったねぇ」みたいな下手な懐古主義は、
私は嫌いです。

野間道場



さてしかし、東京の街からまた歴史ある美しい場が消えていきました。日本の伝統美は、何も京都や田舎だけでなく、東京にもしっかりある。
昔ながらの商店街だけでなく、歌舞伎座も皇居も靖国神社も...。

(軍国主義者ではないですよ、悪しからず)
そして、今日のご報告は、護国寺近く、野間道場が先月を以て
閉鎖されたという情報です。
私は、訳あって、20代の頃、毎週一回、野間道場へ
足を運んでいました。そこは、大正末期に建てられた、
ひんやりとした静けさに満ちた、恐るべき緊張感に溢れた
場所でした。
そして、黒光りする、飾り気の無い板張りの美しさ。
当時は場に不釣り合いな若者ながら、これは日本の魂なんだと
直感しておりました。
袴を着て真剣を携え、居合いに専念する男気ある大人たちを
見ているだけで背筋が凍り付いたものです。
KUSA.を建てる時は、野間道場のことは頭から外れてましたが
私が20代に感じとった感性が、くすぶっていなかったとしたら
きっとKUSA.店内の空気の1万分の1くらいには、
あの静謐感が宿ってるはずです。


明朝は、取り壊されてしまった貴重な日本の財産を頭の片隅に
置きながら、グアテマラの焙煎に励むことにします。



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kusacafe at 02:54|PermalinkTrackBack(0) 日々のこと 

December 04, 2007

珈琲屋、回想、雨の師走.

128afe28.jpg・KUSA. 定休日。小雨。
 実家へ帰り、Uターンで
 「gallery TEN」さんへ。
 閉店間際に滑り込み。
 今年最後の展示は、
 素晴らしき作家さん達の、
 様々な表情のポットたち。
 
丁度、作家さん面々が在廊されていて、和気あいあい。
どれも、個性豊かで美しく、購買意欲はそそられまくり。
でも、今回は実用で、沖縄の木工作家・宮良耕史郎さんの
小さなストゥールを選ぶ。というのも実は、珈琲焙煎機の
ガス圧計というのは非常に重要なのですが、KUSA.の古い
焙煎機は、とても低い位置にそれが付いていて、秒単位で
チェックするのが、腰を痛めている身としては、大層
しんどかった。
焙煎スペースもいたって小さいため、このストゥールの
ポジションはベスト!
こんな雰囲気ある無垢の作品は、店内に飾りたいものですが
焙煎用にしっかと座らせて頂くことにします。
引き締まった姿勢と心は、
仕事をワンランク充実させるものだから。


・ふと立ち読みした雑誌で、サトエリさんの粋な記事。
 海外ロケでスタッフが詐欺に合い、「日本人はすぐに人を
 信用するから」と言われたそうだが、サトエリさんは、
「すぐに人を信用してしまう国民に生まれた事を、心から
 誇りに思う」と。
 全く以て同感で、これは私の高校時代の愛読書、倉田百三の
「出家とその弟子」に出てくる親鸞の言葉の一節、
『信じてだまされるのは、
 まことのものを疑うより どれほどまさっているだろう。』
 という感覚とぴったり重なるのだ。
 人畜無害な音楽の鳴り響く騒々しい本屋さんの一角で、
(しかし何故、一部の大型ブックセンターはこんな余計な
 BGMを大音量でかけるのだろうか...)
 しばし、ぼんやりと立ちすくんでしまいました。


・深夜、音楽通の若きお客さんに借りたフリージャズのCDを
 フルヴォリュームで。この手のインプロビゼーションは、
 耳に心地良くは全然無いのだが、JOHN ZORNの緩く素早い
 SAXにBill Laswell のスペーシーなベースが絡み、
 Hamid Drakeのドラムがクールにリズムを刻んでいき、
 曲がどんどんディープに深化していく過程の記録であり、
 それを感じ取れたとき始めてシビレル。
 ヒップかスクエアかで分けたなら、間違いなくヒップな類。
 私には、DON CHERRY「Mu」や、Fela Kutiあたりの方が
 はまれるが、この音楽的音圧はやはり魅惑的で、もう少し
 聞き込ませてもらおう。

・追記。
「TEN」さんへ向かう坂道で、見下ろすと谷間に紅葉の一群、
 途端に奇跡のごとく雨上がり、夕陽射しこむ。
 学生時代の、懐かしい雨上がりの匂いだ。
 家族三人、JEEPの中で、もう言葉も無く。


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kusacafe at 03:35|PermalinkTrackBack(0) 日々のこと 

December 01, 2007

珈琲屋、回想、もう冬.

・約2ヶ月間のオータムギフト、ほんとに沢山のご注文、
 ありがとうございました。
 今日から、最後の仕込みに入ります。
 深夜まで、精一杯、頑張るつもりです。

・12月には、恒例のお歳暮ギフト&X'masギフト、今年は、
 珈琲豆と自家製ジャムのシンプルなお詰め合わせの予定。
 近々、HPでお知らせ致します。


・最近、自分の決断に確信が持てないときがある。
 悪い兆候だ。
 そう言えば、店を始める前はそんな事は無かった気がする。
 迷いや失敗は人一倍だったけど、決断したときは戸惑いは
 無かった。歳のせいなのか、仕事が変わったからなのか。
 多分、どちらもだ。

・ひと足早く、子供にクリスマスプレゼント。
 念願の「ROMER load」を買う。ベビーシート卒業。
 少し奮発して、「ERGO」のおんぶ紐も買う。
 素晴らしい使い心地。
 何だ、どちらも、親の為?
 でも、子供も気持ち良さそう。

・ある人の日記でリルケの事が書かれていたので、
 昔、書き留めといていたノートを読み返してみる。
 リルケの詩は、難解だが、信念に貫かれている。

「孤独なる個人のみが、深遠なる法則に従う物体のようであり
 その人が明けかけた朝に出ていくか、
 いろいろなことが起きている夕べを見やるなら、
 そして、何がどうなっているか感じとるなら、
 たとえその人が世間の真ん中に立っていても、
 すべての状況は、さながら死人から離れるように、
 その人からも遠ざかっていく。」



・この、あやふやな時代にあっては、そうだ、
 確信こそが最大の希望なのだ。




      
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