2015年10月08日

係留中にナスカンが外れてしまうトラブルを低減させるには(その1)

ワンちゃんを繋ぐには、お散歩用のリード類、主に屋外係留用としてはワイヤータイプやチェーンタイプの商品があります。
これら全ての商品に共通しているのが、ワンちゃんを繋ぐ“ナスカン”という金具がついているということ。

ただ、このナスカン、『いつの間にか外れてしまって』というご報告を受けることがあります。

特に、もっともポピュラーなタイプのナスカンで、係留の際にナスカン側面に出た突起状の小さなピンを押し下げて首輪などに引っ掛ける“鉄砲ナスカン”と呼ばれるナスカンでの報告が多く、その次がレバーナスカンやトリガーナスカンと呼ばれるタイプのナスカンになります。
レバーナスカンはお散歩リードに使われる場合が多いので、常時目を離すことが少なく、ナスカン外れにもすぐに対応が取れるのですが、係留用チェーンの場合には、係留後はワンちゃんから目を離して過ごす場合が殆どなので、ナスカン外れに気づかず、ワンちゃんが自由を謳歌しに出て行ってしまう(=脱走)という状況になってしまいます。

突起が出ているというナスカンの構造上の問題はあるのですが、別の原因で外れてしまう場合の方が多いのです。

ピン部分に首輪の金具が来た状態で負荷が掛かったことによるピンの緩み(遊び)の発生は起こりうる現象ですが、毎日頻繁にナスカンの掛け外しを繰り返すことも殆ど無いはずなので、ナスカン内部のバネの力が甘くなってくる事と共に、購入時から1−2年程度では極端に低下することはないはずです。(砂などの混入で動きが変化する可能性はあります)

首輪からのナスカン外れは、ピン部分がどこかに接触し、そのあと引き続いて押し下げる力が加わってくる事によって外れるのが一連の動きなので、単純に、首輪に引っ掛ける際にピンの位置が向かって右側になるように掛けるか左側になるように掛けるかによっても(特に首輪の金具に当たって押し下げられるのが原因の場合については)ナスカンの外れ易さに違いが出てくる可能性は高いです。

首輪にナスカンを掛けた写真
















しかしながら、首輪からのナスカン外れの最大要因はワンちゃんの“癖”である場合がほとんどです。

下に2つのナスカンの写真をアップしました。

15年使ったナスカン












1つ目は15年間使用された係留用チェーンについていたナスカン。ワンちゃんが天寿を全うするまでナスカン外れは起きなかったそうです。

1年ほど使ったナスカン












2つ目は1年ほど使用されたナスカン。最近、ナスカン外れによる脱走が起こるようになったそうです。

この2つのナスカンにはある違いがあるのですが分かりますでしょうか?

1つ目のナスカンには表面に目立った傷はなくつるんとした感じになっています。

一方、2つ目のナスカンには表面に幾つもの深いボコボコ傷(実際にはナスカン全体に擦り傷が付き、所々がザラザラした状態になっていました)が付いています。

首輪につけて係留した際、このナスカン部分(特にナスカンの上部分)は地面に着く事が一番少ない箇所になります。
ナスカン全体が地面に着くのは、ワンちゃんが頭を下げて地面に伏せた状態になる時位です。

通常、ワンちゃんが地面に顎を着ける時には、ナスカンに深い傷が付くほど強い力で顎を下ろすことはありません。
ですが、2つ目のナスカンには写真のような傷がたくさん付いています。

ここから考えられるのは、このワンちゃんには“地面に体を擦り付ける癖がある”ということです。
そのため、ナスカン全体が地面に擦り付けられ、普段付くはずの無いナスカン上部にまで写真のような深い傷が付いてしまうのです。
この<擦り付け>の際に、ピン部分が地面などと接触したままさらに押し下げられて首輪が外れてしまった事が想像されます。

今までご相談を受けたワンちゃんは程度の大小はありますが、いずれも引張りが強く、地面に体を擦り付ける癖がありました。
(送付頂いたチェーンやナスカンなどの状況から私共からの指摘を受け、よくよく観察してみると、ワンちゃんに擦り付け癖があることを発見された飼い主さんもいらっしゃいます)

ワンちゃんを常に見張り、地面などに体を擦り付け始めた時に、即座に止めるように指示を出して、駄目だと覚え込ませないといけないので、この擦り付け癖を直すことはかなり難しいと思います。

なので、突起の付いたタイプのナスカンだといずれまた何かの拍子に外してしまう結果となります。

ナスカンの構造が変えられない以上、私共としてもそれ以外の手段で何とか誤作動によるナスカン外れを抑える方法はないかと考えました。

弊社製品だけではなく、形状が類似する他社の製品にも対応出来、且つ、なるべく簡単で自宅にあるグッズで対応出来る、あまりお金を掛けなくて済む方法・・・。
そんな方法、あくまで簡易的なものではありますが見つけましたので以下に紹介します。

1.輪ゴムを使用する方法
輪ゴムを利用した場合












まずは非常に簡易的な方法ですが、写真のように輪ゴムをきつく巻きつけてピンの下がりを低減させる方法がございます。

ピン下に輪ゴムを巻きつける

これならお家の輪ゴムですぐに可能かと思います。
但し、ピンの押し下げ毎に、輪ゴムも徐々に下に下がってきてしまいますので、こまめなチェックなどの注意が必要です。


2.結束バンドで動かないように固定する方法
鉄線入りビニル紐で固定する場合












次に、お菓子の袋などを止めている、中心に針金(鉄線)が入ったテープ(ビニール紐)でピンを固定する方法。
結束バンドで固定

この方法だと、ピンの下がりはほぼ止められました。 鉄砲ナスカン、レバーナスカン共に固定が可能でした。
鉄線入りビニル紐での固定表側から












鉄線入りビニル紐で固定裏側












鉄砲ナスカンの場合にはピンを下から持ち上げる形でテープを掛け、ピン下側からのテープはナスカンの上側へ、ピン上側からのテープはナスカンの下側に回して、ナスカンの裏側で両方を捻り合わせて固定して下さい。
レバーナスカンを鉄線入りビニル紐で固定












レバーナスカンの場合には押し下げ用の飛び出たピン上付近の一番くびれた箇所に複数回きつく巻きつけるようにして下さい。
使用に伴う曲げ癖はついてしまいますが、1本あれば概ね複数回の再使用が可能です。
写真の場合は、鉄砲ナスカンは全長10cmの鉄線入りビニール紐、レバーナスカンは全長20cmのタイプを使用しました。
おうちにストックが無い場合には、100均ショップやホームセンターなどで、カットされた袋入りのものやリール巻きタイプなどさまざまなタイプが入手出来るかと思います。
工事用コーナーだけでなく園芸コーナーや工作コーナーなどにも置かれていたりしますので探してみて下さい。

3.突起部分を覆う方法
ナスカン突起部をマジックテープで覆う












3番目の方法は、引っ掛かるピン自体を覆って下がりにくくする方法です。
写真のようにピン部分を覆い隠すことでピンの下がりを抑えるという方法です。
マジックテープなどを利用されると比較的楽かと思います。
ただし、この方法も覆い部分が何らかの力で押し下げられると効果は下がってまいります。 (輪ゴムの場合と同様ですね)

これ以外にも方法があるとは思いますが、すぐに実行出来る簡便な方法としては適当かと思います。

特に2.の鉄線入りビニール紐で固定する方法は、思った以上にしっかり固定されるのでお奨めです。


4番目の方法は、ナスカン自体を突起の無いタイプに交換したり、係留用チェーンの先端をナスカンが2つ付いたタイプに改造する方法です。
この方法は個人では難しいので、私共“鎖屋兄弟”の出番となります。

次回は(その2)として実際の交換・改造例をご紹介します。

週末からの連休、突然のナスカン外れでワンちゃんと離れ離れにならないために、是非今回の方法を活用してあげて下さいね。



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