2018年02月09日

キツネ用に係留用チェーンをお作りさせて頂きました

TOP CHAIN 柳瀬製作所は1967年2月創業ですので、今年で満51年を迎えました。

先代の時代は国内外のペットメーカーのOEM生産を請け負う工場でしたので、企業相手のお商売でした。

1998年11月から鎖屋兄弟達が後を継いで以降、個人の方々や、新規でペット用品の製作を始められる(起業される)からのご依頼にも対応出来るように努めてまいりました。
その甲斐あって、この19年間で、様々な種類のワンちゃん用や、お仕事として人間のお手伝いをするワンコ達用にチェーンや金具類をお作りさせて頂く事が出来ました。

但し、係留用チェーンやしつけ用チェーン類(ネックレス風チェーンなども含みます)については、いずれもワンコ用としてのご依頼でした。

ところが、満19年と1カ月が過ぎた昨年の12月中旬の事、以下のようなお問い合わせメールが届きました。

『この度はホームページを拝見して、ペット用の係留チェーンの製作についてご相談したく御連絡させていただきました。

動物の種類はキツネです。
年齢:1歳7ヶ月
性格:よく動きます。突進もします。
性別:オス
係留している環境:砂利の混じった土と草地。(使用環境など画像添付します)

屋外での係留飼育をしており現在
鉄製のクロームメッキを施したマンテル型の2mm×3000mmで途中に回転カンのついたものを使用しております。
以前も同様のものを使用していたのですが回転カンの摩耗により1年ほどの使用で回転カンが抜けました。
もともと購入しておりました業者様が同様の商品の取り扱いをやめられたので、今回柳瀬製作所様で同様もしくはより適したものを製作いただけないかと思い御連絡させていただきました。

犬とは違いキツネは高所も好み、よく飛び跳ねて台の上に登ったりします、また台の上でよく昼寝をするのでどうしても鎖の重みがかかる時があります。そのため極力軽くて丈夫な鎖が希望です。
何卒よろしくお願いいたします。』

お写真も一緒に添付されていました。

間違いなくキツネさんです。

キツネさん






















首輪をしていて、確かにチェーンも確認出来ます。

細めのチェーンと少し小さなナスカンのようですので、ご連絡頂いたサイズで間違いないようです。
回転カン部分が写っていないので、どれくらいのものかは不明ですが、弊社でも過去に作っていたサイズなので概ね想像がつきました。
回転カンを繋ぐピンが細く小さい形状なので擦り減りが早かったのだと思います。

係留環境が“砂利の混じった土と草地”でしたので、チェーンの擦り減り具合も気になりました。

そこで以下のようにお問い合わせをさせて頂きました。
「 キツネさんと係留環境のお写真有難うございました。
とても良く分かりました。

回転カン部分が擦り減りによる抜けてしまったとの事ですが、チェーン部分の擦り減り具合はいかがだったでしょうか?

鉄製とステンレス製では、擦り減り具合には大きな違いがありません。
(ステンレスも材質の7-8割が鉄なので、素材の硬さはほぼ同じくらいになるようです。
ただし、引っ張った時の粘り強さはステンレス製の方が強いです。
チェーンの伸び具合から見ると、鉄よりも30%程度引きちぎれにくいようです。)

擦り減り具合が大きいようであれば、長持ちさせる観点 から、線径2.5mmのチェーンでご提案させて頂こうと思います。
チェーン部分の擦り減りが殆ど見られないようであれば、軽さを優先し、線径2mmのチェーンでご提案させて頂きます。

回転カン部分については、スッポ抜けが起きにくいよう、大型犬用の大型タイプを取り付ける形でご提案させて頂こうかと考えております。

頂いたお写真から、キツネさんの首元から1.5m程度の場所に取り付ければ、小屋の中の台の上に上がっても、回転カンは小屋の床の上にあり、キツネさんへの負担は小さくて済むのではと考えました。回転カンの取り付け位置は、ご希望の場所への変更が可能ですので、ご指定下さいね。

チェーンの擦り減り具合と、一応、ナスカンの傷み具合(地面によく体を擦り付 ける癖がある場合、ナスカン表面に擦れ傷がたくさん付きます。擦り付けた際、ナスカンの突起部分が何かの拍子で地面に押されて下がってしまい、首輪から外れる場合があるので)もチェックしてお知らせ下さい。
使用パーツ検討の参考とさせて頂きます。」

メールと一緒に線径2.0mmと線径2.5mmのマンテルチェーンで製作した場合のお見積り表を添付させて頂きました。
負荷が掛かる回転カン部分については大型犬に使用する大型タイプを取り付ける形でご提案させて頂きました。

この後、現在使用されていらっしゃるチェーンの写真を添付したお返事を頂きました。

『早速のご返信ありがとうございます。
また大変親切で丁寧なご対応に感謝いたします。

チェーン部分のすり減り、ナスカンの写真添付させていただきます。
約1年間使用後1、2ヶ月ほど雨ざらしの環境で置いておいたのでだいぶサビがまわってしまっておりわかり難いかと思いますが
参考になればと思います。
素人目にはメッキは剥がれてしまっておりますが、そこまで減っている感じはしませんでした。

線径2.5mmと線径2mmの場合どれほど耐久年数に差が出ますでしょうか?
一概には言い難いかとは思いますが仮に3年ほど持つのであれば2mmのもので極力軽くしてやれるといいなと思っております。

回転カンの摩耗については正直諦めておりましたが大型タイプを使用するという提案をいただき相談させていただいてよかったとつくづく思いました。
現在使用しているものも首元から1.5m程度の場所に取り付けられております。
ご提案いただいた通り首元から1.5m程度の場所であれば、首への負担も今までとほとんど変わりないかと思います。

ナスカンの傷みについては私に把握している限り極端に地面によく体を擦り付けるような癖はないように思いますが、参考の写真も見ていただき
ご判断いただければ幸いです。

何卒宜しくお願い申し上げます。』

キツネさんが使っていた市販の鉄製係留用チェーン

















チェーン部分には、かなりの錆が出てきているのが分かりました。
ナスカン部分にも貰い錆かもしれませんが、錆の発生が見られます。

雪深そうな地域ですし、この点についてはステンレス製への変更で解決出来るでしょう。
チェーン線径と耐用年数については私共の経験を基に次のように返答させて頂きました。

「お送り頂きましたナスカンのお写真を拝見させて頂いた限り、表面に擦り付けによる傷はなさそうでしたので、通常タイプのナスカンで大丈夫かと思います。

 チェーン太さと長持ち具合の関係ですが、線径2.5个離船А璽鵑鮖藩僂靴疹豺隋∈巴察2年半で部分的に擦り切れてしまったというデータがあります。この時には、ごつごつした石が多く混じった地面と、コンクリートという庭で、突進や走り回りがとても多い中型のMix犬という条件でした。

 一方、同じ2.5个任皀灰鵐リート打ちっぱなしの条件で、亡く なるまでの15年間使用して、切れなかったという例もございました。(かなりの擦り減りは見られました。弊社ブログにも紹介記事がございます。)

 2.0丱好謄鵐譽浩愁船А璽鵑砲弔ましては、係留用チェーンとしての依頼がないため、データがございません。

 ただ、鉄製の1.9丱船А璽鵑鮃場で飼っていたワンコ(中型Mix犬の老犬 ブログにもチビクロという名前で写真などがアップされています)の係留用として実験的に使用しておりました。
 コンクリートの地面で、ワンコ自身は突進などの突発的な動きはあまりなく、寝ていることが多かったので、チェーンの擦れは小さかったかと思いますが、亡くなるまでの3年程度の期間、目立った擦り減りなどは見られませんでした。

 ですので、条件 が良ければ、線径2.0个任3年超も可能かと思われますが、弊社としましては確実に持つという保証は出来ません。

 この点をご了承の上で、チェーン太さをご検討頂けますよう、宜しくお願い致します。」

『見積もり、チェーン太さについての御説明ありがとうございます。
今回は軽さを重視して線径2mmのものでお願いいたします。』

『可能であれば年内にお送りいただけると大変嬉しいのですが、いかがでしょうか?』との事でしたので、急ぎ製作させて頂きました。


今回ご依頼頂いたキツネさん用の係留用チェーンは以下のような構成となりました。
キツネ用のステンレス製係留用チェーン









マンテルタイプ回転カン付きステンレス製係留用チェーン(線径2.0mm)
STGMK-2.0SW×3m T-M Tカンタイプ ロック用丸カン1個
商品価格    ¥8400(消費税・送料別 2017年12月末時点での価格です))
 
商品発送後、キツネさんの追加のお写真と共に、ご感想を頂きました。
『ちゃんと測ってないのでなんとも言えないのですが、つけている感じを見ていると今まで使っていたものよりも軽そうに感じます。キツネ自身も快適そうです。大型の回転カンも全く問題なさそうです。
ありがとうございました。
今回、柳瀬製作所様に相談させていただき、最初のメールから一貫して大変丁寧に、迅速に御対応いただきとても安心してお願いする事ができました。
今後、交換など必要になった際もぜひ柳瀬製作所様にお願いしたいと思っております。
本当にありがとうございました。』

今回、キツネさんの事を紹介するにあたっては、飼育することが法律に抵触しないかが心配でしたので、その点を飼い主さんに伺ってみました。

『ご心配いただきました鳥獣保護法に関しては動物を獲るための法律で、キツネの飼育には許可はいりませんのでご安心ください。
私もキツネを飼うことになるまでは全くその辺のことがわからず、県の担当部署に何度も問い合わせて勉強しました。』

<鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律>というものがあるのですが、大丈夫なようですね。
これで安心致しました。

キツネさんの名前は“ネム”君です。ホンドギツネ(北海道のキタキツネとは“亜種”ということで少しだけ違います)です。
1歳8ヶ月で紆余曲折があって、飼い主さんのお家で暮らすことになりました。
飼い主さんのお家は田舎の山奥にある小さな集落の一番高台で、集落や谷向かいの山が見渡せる庭がネム君のスペースになっています。
雪深い地域で冬には1mを超える雪が積もりますが、ネム君は寒さにはヘッチャラだそうです。

それ以外にもキツネの習性やネム君について沢山の事を教えて下さいました。

『そもそもキツネは暑さに弱く、寒さに強い動物です。基本的にキツネのが横穴を使用するのは子育ての期間や、緊急避難の用途で使用します。
冬場は基本巣穴は使わず、風の当たらない木の根元などで眠ります。』

ネム君は平地で飼われているので横穴は掘りませんが、キツネの穴掘りの血が騒ぐらしく、あちこち掘りまくって塹壕の様になっているようです。
眠るキツネさん1












普段は写真に写っている通り、小屋の中の台の上がお気に入りの場所で、冬の夜や吹雪の日などは台の下が犬小屋の様になっているのでその中で眠ります。

雪降る小屋のキツネさん1

















小屋の下で眠るキツネさん












また小屋は裏に回り込むと床下に入れる様になっているので、夏は床下で寝ます。(写真のような感じですね)
嫌なこと(知らない人が近づいてきた時など)があった場合も床下に避難するそうです。

枯れ木に上るキツんさん

















『散歩にも行きます。散歩では一緒に草原を走ったりお気に入りの切り株に登ったり、柿を拾って食べたり、埋めたりしますが、気ままな生き物なので、犬の散歩の様には行きません。
警戒心が強いので大きな音が聞こえたりすると怖がって藪の中にかがみこんで動かなくなることもあり、そんな時は30分〜1時間付き合うことになります。
一度散歩に出かけた際に有害駆除の罠にかかっている鹿が暴れているのに出くわして、飛ぶ様に家に帰ってきて以来、あまり遠出をしたがりません。』
この感性は、やはり野生のなせる業なのでしょう。

『とても賢いです。お座りやジャンプなど簡単な指示は割とすぐ覚えます。ただ犬と違い単独生活のキツネには「群」の概念がないので主従関係はありません。どちらかというと行動や性格も犬より猫に近いです。
お座りするキツネさん













僕との関係も自立した対等な関係です。ご飯をくれるので少しいうことを聞いてやろうかという感じです。
耳も良いので僕が家の中でネムの食事の用意を始めるとその音を聞いてお座りをして待っています。』
確かにスタンスは猫に近いかもしれませんね。

『我が家には他に犬(トイプードル)が2匹いますが2匹との関係は全くダメです。犬を見ると床下に逃げます。』

長く一緒に暮らしていても、やっぱり駄目なんですね。

分類学上、キツネは<哺乳綱ネコ目(食肉目)イヌ科イヌ亜科>で、イヌとは(かなりの)遠縁にあたる生き物なのですが。
(見た目にキツネっぽいワンコもいますが、遠くで繋がっているからだったのかもしれないですね。ちょっと納得です。)

雪降る小屋のキツネさん2












『係留飼いの利点だと思うのですが、係留しているので自由に小屋を出入りする事が出来、暑い時や怖い時は床下へ入り、寒い時は小屋の中で寝れます。
風の気持ち良い時や天気のいい日はお気に入りの台の上に飛び乗って遊ぶことも昼寝することも出来ます。好きな時に思う存分穴掘りもできます。
雪上のキツネさん1












冬には雪で遊び、秋にはバッタを追いかけてます。夜には時折友達が遊びに来ています。』

野生のキツネたちとの接点が保たれているのはすごいことですね。(野生のキツネさんの集まるところを見てみたいです)

『今回、柳瀬製作所様に作っていただいた軽くて丈夫なチェーンのおかげでこれまで以上にネムも快適な生活を送れると思います。』

そうなって頂けると、鎖屋兄弟としてこれほど嬉しい事はありません。

雪上のキツネさん2











今年は積雪量が多く、ネム君や飼い主さんも大変かと思います。

是非、元気に春を迎えて下さいね。
小屋で眠るキツネさん











春の穏やかな日差しの中のネム君のお写真、楽しみにしています。

有難うございました。


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