<チェーン・金具の使い方/お手入れ方法> についての記事です

2016年03月09日

TOP CHAIN 柳瀬製作所には、時々、次の様なご質問やご相談が届きます。

『鉄製のものはなぜ黒ずむのでしょう?
錆びるなら理解できるのですが・・・。
反対に言うならステンレス製は黒ずみはないのでしょうか?
ペットショップさんと話していて二人とも???でした。
ご教授いただければ (^。^) です。 』


『お客様からハーフチョークチェーン部分のコートが変色するというお話がありました
今までこのようなことはなかったのですが 真っ白のコートの子です

ステンレスでもコートが変色したりすることがあるのでしょうか??
どういったことが原因でなるのでしょうか?
また それを回避できたり 軽減する方法がございましたら教えていただけたら と思います!』

『ステンレスチェーンと鉄製チェーンの違いはなんでしょうか?
(強度とか錆びるとかいろいろあると思うのですが)

ステンレスチェーンもメッキ加工してあるのでしょうか?
もししてあるのなら、メッキが剥げるまではメッキがしてある鉄製チェーンと汚れ具合は同じなのでしょうか??

よろしくおねがいします』


『今使っているものは、首回りの毛が若干黒くなってきてしまいまして。
ステンレス製のようなのですが、他の材質、例えばチタン?などがいいのでしょうか。
また、ゴールドなどシルバー以外の色がいいのですが、ありますでしょうか?
よろしくお願いします。』


『当店のお客様で、ラブラドールの愛犬にハーフチョーク首輪を製作しお使いいただいているのですが、
散歩でチェーンのあたる毛が黒ずみ、洗ってもすぐ黒ずんでくると連絡がありました。
画像を見せて頂き ますと、確かに黒くなっていています。
お客様は、左手でリードを持ち、犬が左側を歩くそうです。
それで、犬の右側が黒くなっています。
チェーンが使用とともにくすんでくるのは気が付いていましたがこういうことになっているとは今まで
全く知らなかったので、これは良くないなと思う次第です。
被毛の濃い子以外には使えないのでしょうか?
最初使用を始めと時からだそうです。

ステンレスチェーンは、こういったものなのでしょうか?
また、こうならないようにする方法はありますか?
お客さまからも尋ねられていますので、ご回答よろしくお願い申し上げます。
ご連絡をお待ちしております。』

ワンコの首周りの黒ずみ










ワンちゃんの数から考えると、鎖屋兄弟達へお問い合わせを頂く方はあくまで氷山の一角、実際にはもっと多くの方々が、疑問に感じたまま過ごしておられる事が想像されます。

そこで今回は、この鎖屋兄弟ブログの記事として“チェーンの使用に伴う黒ずみとチェーンのお手入れ方法について”回答していきたいと思います。

上記の通り、メッキ製品やステンレス製品でチェーンが接触する首周りの毛色が汚れてくる(黒ずんでくる)というお話は実際にございます。
特に白色や毛色の淡いワンちゃんの場合での報告が多いです。

毛色が汚れてくる一番の原因は、使用に伴いチェーン部分に溜まってきた、皮脂や分泌物と埃などが合わさった汚れが被毛に付着してくるというものです。
特に、躾用として使用されるチョークチェーンやチェーンカラーでの事例が多く報告されています。

通常使用している限り、一見するとチェーン部分は常に銀色の光沢があるように見えます。
正直、私共でも一見しただけでは汚れには気づけません。
未使用品と並べて比較すると、光沢具合に少し曇りが見られる程度の違いしかない場合もございます。

しかし実際には、チェーンのコマの内側やチェーンのコマ同士が接触しあっている箇所などに徐々に溜まってきており、これが“汚れ”となってワンちゃんの首元の毛をを黒っぽくさせてしまいます。

人間の場合では、金属製バンドタイプの腕時計を思い出してみて下さい。
ずーっと腕につけていると、だんだん汚れてきませんか?
大体材質はステンレスか、その他の金属材料にメッキをしたもの、最近ではチタン製などもあります。
これはベルトの隙間に人間の汗や分泌物が付き、そこへさらに埃などが一緒にくっ付いて“汚れ”が出来てきているためなのです。

チェーンカラーやチョークチェーンも同じ。
ワンコは人間に比べると皮脂の分泌量が多いはず。
さらに体毛もあるわけですから、使用に伴い鎖の細かい部分や内側に徐々に汚れが形成されてきているのです。
チェーンを一見しても全然分かりませんし、色の黒っぽいワンコだと、汚れ自体が目立たず、ワンコの首周りが汚れていることに気付く事は無いと思います。(私がそうでしたから)

ペット用のチェーンを洗うという発想が普段の生活の中では存在していないので、ある種仕方のないことですが・・・。
(獣医師さんでも気づかれなかったという例がございました)

ステンレス製であれば、概ね2−3日に1度程度、訓練後に、石鹸(ハンドソープ)や家庭用の食器用洗剤をよく泡立てて、チェーン部分をガシャガシャ洗い、あとはタオルなどで水気を良く拭きとって頂ければ、大丈夫かと思います。
鎖自体が手に引っ掛かるような感覚が出たら、表面の油分や汚れが取れた証拠です。
もしかすると洗う前よりちょっとキラッと光るかもしれませんね(笑)

ワンちゃんの犬種や個体によっては、皮脂の分泌が多い子もいますので、常時装着されておられる場合には、チェーンの汚れが思った以上に早く進む事があります。
毎日、ワンちゃんのお腹周りや首周り(顎下など)、目や耳をお手入れされていらっしゃるのであれば、その際、一緒にチェーン部分を拭いて頂くのもチェーン部分への汚れ付着を減らすことになり、被毛の黒ずみを低減させることに繋がるかと思います。

鉄製チェーンなどメッキ製品の場合でも、ステンレス製チェーンと同様に家庭用洗剤をつけて洗う事は・・・・、注意をすれば不可能ではありません。
メッキ製品の場合には、乾燥を速めるために、出来ればお湯と洗剤で優しく洗ってあげ、水分を良く拭き取って下さい。
鎖のコマ同士が当たっている部分やナスカンといった付属金具の内部には水分が残りやすいので、良く拭いた後、さらにドライヤーなどで温風を吹きつけ完全に乾燥させれば多分大丈夫です。乾燥が不十分だと錆が生じてきますのでくれぐれもご注意下さい。

水洗いが怖い場合には、ウェットティッシュや消毒用のエタノールを利用する方法もあります。
エタノールの場合には、薬局などで出来れば“無水エタノール”をご購入になり、水:エタノールを2:8か3:7で割ったアルコール水を作って布や紙に含ませて鎖を拭いてあげて下さい。これくらいのアルコール水であれば鎖に付着した皮脂汚れも溶け出してくれますし、アルコール水もすぐに揮発しますので錆びる心配もほぼありません。軽くドライヤーで温風を吹き付ければなお安心です。(完全にアルコールを飛ばせば、ワンコへの害もないですが、火にはお気をつけ下さい)
この方法であれば、革製のハーフチョーク首輪や首輪をお手入れする事も可能です。(アルコールできれいにした後は、長持ちさせるために保革クリームなどでのお手入れが必要になるかもしれません)

この、消毒用エタノールを利用した汚れ落とし方法ですが、何点か注意事項がございます。
70%から80%のアルコール濃度は、ばい菌を殺せるだけの能力がある反面、皮膚の弱い方やアルコールに弱い方にはご注意いただきたい濃度でもあります。(肌が赤くなる、アルコールで気分が悪くなるなど)

また、市販のハーフチョークなどの場合、テープや平紐、付属金具などは、その材質によって、強いアルコールで拭くと変色・変性してしまう場合がありますので、ご注意下さい。
(特に透明なビニールチューブ類は白く変化してしまう場合が多いです)

アルコール濃度が高いほど、油汚れが溶け出し易くなりますが、逆に水分の割合が高いと通常の汚れが落ち易くなるという性質があります。
ですので、アルコール濃度はもう少し低くなっても(=水の割合が多くなっても)良いかと思います。
でも鎖部分の乾燥だけはしっかりしてくださいね。

余談ですが、腕時計の革ベルトの肌に触れる側を清潔に保つ為、薬局などで売っている“シーブリーズ”(アルコールの入った薬用スキンローション?)をティッシュに含ませ軽く拭いておりました。
これにより、革バンドが臭くなることは防げました。
こまめにお手入れをする方であれば、ワンちゃんの皮膚への影響を確認してから、この様な商品を応用されて見ても良いかもしれませんね。

上述のようなお手入れ方法をお伝えすると、やはり次の様なお返事を貰う事が多いです。
『お世話になっております^^

チェーン使用時の黒っぽくなる原因について、アドバイスどうもありがとうございます。
その後、食器用洗剤で洗い(週1くらいで)使用しております。 ホントにたまにしか洗わずに使用していたので(月1くらい^^;)、それが原因だったようです^^;
週1で洗って使用して、今のところ首周りも黒くなることなく使用できております^^  ありがとうございます。』

無事に解決出来て私共もほっと致します。

汚れ以外の理由としては、個々のワンちゃん自身の体質もあるようです。(特に毛色の薄い子で)
鉄製メッキ製品やステンレスに含まれる、クロムやニッケルが毛色に影響するというお話を聞いた事がございます。
ただ、これについては科学的に正式な検証結果が存在しているわけではないようで・・・、どうやら仮説のひとつのようです。(文献等が見つけられませんでした)
(稀に起こる犬の毛色の変色ですし、同じ毛色の犬種でも黒ずむものと変化しないものがいたりと言ったこともあり・・・検証に値する数の正確なデータを集める事自体が難しいでしょうし、科学的な研究テーマとしても取り上げにくいのでしょう。)

チェーン部分を定期的に洗っても毛色の変色が改善されないようであれば、ワンちゃんの体質の可能性が高まってまいりますので、金属チェーン以外の材質のものに切り替えて頂ければと思います。


次に、ステンレス製チェーンと鉄製チェーン(メッキ製品)との違いについての回答です。

まず、材質面からステンレスと鉄との違いからお話させて頂きます。

ステンレスは鉄にクロムやニッケルと言った別の金属を混ぜ込んだ“合金”の一種 です。

その目的は鉄の“錆びる”という現象を抑える為にありました。
20世紀初頭から様々な研究が行なわれ、現在では混ぜ込まれる金属の種類と組み 合わせ、そして比率(割合)によって数種類のステンレスが存在して います。

私共がチェーンや金具用に使用しているのはSUS304と呼ばれるステンレスで、鉄の中にクロムが 18%、ニッケルが8%の割合で混ぜ込まれています。(その為 18-8ステンレスと 呼ばれることもあります。)
 食器(カトラリー)などにも使われているポピュラーな材質です。

素材そのものが錆に強いので基本的にメッキ処理を施すことはありません。
弊社のチェーンや金具もメッキ処理をしていないステンレス素材そのままです。(少し黄色味を帯びた銀色です)

重量的にもそんなに鉄とは変わりません。ですが、錆びに強くなるのです。不思議ですね。

ただし、鉄の一種ですから、扱い方次第では錆びる事もあります。「貰いさび」という現象です。
例えば、ステンレスの流し台にスチール製の缶を底を濡らした状態で置いておくと、丸く缶の形の錆がつきますね。
これが<貰い錆>です。
中の深い所までは錆びていませんのでクレンザーや錆び落としで擦ればピカピカに戻りますが。
このように、濡れた状態で他の金属と長く触れたままにしないことだけが注意事項です。
それと、SUS304は塩分にもちょっと弱いので、海で遊んだり、おしっこが掛かったりした場合は、その日のうちにさっと水で流して頂ければ大丈夫です。 (冬場の融雪剤の混じった水にも注意して下さいね)

強度は鉄よりも強いです。
http://blog.livedoor.jp/kusariya/archives/50426813.html

ステンレス製の方が鉄製より粘り強いという表現が適切かもしれません。
上記記事の写真の通り鉄よりも長く伸びて切れるので引張り強度の数値もかなり大きくなります。

参考までに以下に自宅ワンコへの係留チェーン使用記事が載っております。
鉄製とステンレス製の比較ですので、よければご覧下さい。

http://blog.livedoor.jp/kusariya/archives/50181418.html
http://blog.livedoor.jp/kusariya/archives/50831987.html

鉄製チェーンの場合には、鉄素材の上に、まず下地メッキとしてニッケルもしくは銅メッキを施し、その上から、クロムやスズコバルト合金、ニッケルなどを メッキしています。
ですがメッキ自体はとても薄いものですし、目には見えないピンホール(メッキが付いていない箇所)も必ずどこかに存在しています。
風雨などの影響がない屋内でじっとして動かさない状態であれば、割合長く持つのですが、係留用やチョークチェーンとして使用する場合、鎖同士が擦れあったり、地面などに接触したりする為に、メッキ膜が早く磨り減ってしまいます。
その為、早晩錆が発生してくる事は否めません。

メッキされた鎖の“錆止め加工”というものは私共も聞いた事がございません。メッキのの種類によっては、剥離や変色を抑えるためのニス止め処理を行う場合もありますが、チェーンが擦れるような使用の場合にはすぐにダメになってきます。
個々人で錆止めスプレー(クレのCRC556)などをかける等の工夫をされると長持ちするかと思いますが、ワンコの毛や皮膚に接触する上では?な方法でもありますね。

水に濡れても、すぐに良く拭いてしっかり乾かしてあげれば、割合長くお使い頂けると思いますが、そのままにしておきますとキケンです。
濡れたままの状態で夏の直射日光などにさらされると、乾くよりも先に、ほんの数時間で赤錆が出てきてしまいます。(特にメッキ厚の薄い、鎖同士が触れ合う部分から)

ステンレス製の場合には、材質自体が水濡れに強いのでメッキの必要はありませんし、首輪ごと洗濯して干しても大丈夫です。
鉄製とは違い、水に濡れたまま、日光や風に当て自然乾燥させるだけでOKです。(必ず真水で洗って下さいね)

使用に伴う汚れの付き具合に関しては、ステンレス製、鉄製の両者での大きな差はないかと思います。
ただし、私共の経験則では、メッキ処理後かなり経過したチェーンの表面には若干ですが粘着感を覚える場合がございました。

メッキ製品は空気に触れていると次第に変色が進んできます。
チェーンのメッキの場合にはニッケルメッキやクロム色のスズコバルト(合金)メッキが主流なのですが、いずれも時間とともに徐々に色調が暗くなってくる傾向があります。
この為、黒ずんでくるように感じられるのかと思われます。

但し、黒っぽいからといって古いメッキ処理製品とは一概には言えません。
メッキ処理を行った時の条件によって、明るい銀色から黒っぽい銀色まで仕上がりに変化が生じますので、古いかが気になる場合には、手にとって、表面の触り具合や、チェーンの内側に錆の発生は見られないか等からも判断して下さい。

ステンレス・チタン共にシルバーのような黒ずみが起きる事はありませんが、空気に触れていると徐々に光沢が失われくすんだ感じに変わってきます。
メッキ製品に比べるとかなりゆっくりとした変化に感じられるかと思います。

先述の、“首周りの黒ずみ”に関連して、『首周りに銀色の粉が付く事があった』というお話を伺った事もございます。
メッキ処理製品であれば、チェーン内側や溶接箇所付近からの細かなメッキ剥がれが原因ではないかと推測されます。
一方、メッキ処理をしないステンレス製やチタン製であっても、製造メーカーごとの研磨・洗浄処理の方法によっては“擦れによって金属粉が落ちてきている”可能性はゼロではありません。
首周りへの銀粉付着は、最終工程での洗浄処理をしっかりしていれば、起こらない現象です。

スプーンやフォークといった食器類(カトラリー)も実際のところ、工業製品です。
初めて使用する前には必ず洗いますよね。
ワンちゃんが身につける金属製チェーン類もやはり工業製品です。
少しでも気になるようでしたら、ワンちゃんに着けてあげる前に洗ってあげて下さい。

製品の特徴を理解し、大切なワンちゃんの為、上手に使ってあげて下さいね。

今回の記事が皆様の参考となれば、鎖屋兄弟達も幸いです。

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係留中にナスカンが外れてしまうトラブルを低減させるには(その1)
係留中にナスカンが外れてしまうトラブルを低減させるには(その2)



2015年10月15日

前回は、ワンコを係留中に何らかの理由でナスカンが外れてしまう誤作動を、お家にありそうなグッズで低減させる方法についてご紹介させて頂きましたが、今回はもっと楽に、そして確実にナスカン外れによるワンコの脱走を低減させる<Wナスカンタイプ>への係留用チェーンの改造についてお話させて頂きます。

(その1)で書きましたように、係留時に誤作動でナスカン外れが起きる場合の大きな要因としては“地面に体を擦り付ける癖”が挙げられるのですが、この癖を無くす事は難しいのが現状です。

その対応策として生まれたのが<Wナスカンタイプ>の係留用チェーンです。

首輪にナスカンを2個引っ掛けて使用しますので、片側が外れても、もう片方のナスカンがしっかりワンコをキープ。
これでワンコが瞬時に逃げ出してしまうという危険から解放されます。
ワンコがもう一方のナスカンまで外してしまうには暫く時間が掛かるかと思われますので、この間に繋ぎ直してもらえば大丈夫です。

今までのところ、『両方とも外れて逃げ出していました!』とのお客様からの報告は頂いておりませんので、Wナスカンは目的である“繋ぎ止める”をきちんとこなしてくれているようです。

Wナスカンタイプの形状は概ね次の2タイプに分かれます。

1.Y字タイプ
Y字タイプWナスカン










名前の通り、左右のチェーン長さが同じで2又になったタイプのWナスカン係留用チェーンです。

2.U字タイプ
U字タイプWナスカン










U字タイプWナスカン伸ばした場合










係留用チェーンのチェーン先端付近に、短めのチェーンが付いたナスカンを追加した形状のWナスカン係留用チェーンです。

Y字タイプかU字タイプかはお客様のお好みでお決め頂く事になります。

両者を比較した場合、Y字タイプだと、2又に分かれた以降は、使用時も両方とも同じチェーン長さになっています。
このため、チェーン長さ分だけの空間がナスカンより下に生まれます。
この空間が大きいと、ワンちゃんが首や顎下などを後ろ足でカキカキ掻いた際に、足先がこの空間に入り込む可能性が出てきてしまいます。

一方、U字タイプの場合には、使用時には、写真のように追加した側のチェーンが半分になりますので生まれる空間は小さくなり、Y字タイプに比べると、足先が入り込む可能性は小さくなります。
ただ、この半分になったチェーンはピンと下へ引っ張られる力が加わってこない構造なので、ワンちゃんが動く度に顎下でブランブランと揺れ動くことになります。
ワンちゃんが頭をブルブル大きく振った時などには、それほど痛くは無いと思うのですが、首や顎付近にペシペシと当たってくると思います。

いずれもチェーン長さを短めにすることで、ある程度改善は可能です。
チェーン1コマの大きさにもよりますが、4〜7コマの範囲に収めるのが良いでしょう。

使用するナスカンは一般的な押し下げピンが出ている鉄砲ナスカンか突起が出ていないアイスナップになります。
アイスナップ








レバーナスカンにつきましては、鉄砲ナスカン以上に突起が出ているので、鎖屋兄弟としましてはお勧めは致しません。

鉄製ナスカンを使用してWナスカンタイプに改造することも可能なのですが、今回の冒頭や前回の記事で記載しましたとおり、ナスカン外れはワンちゃんがナスカンを地面に擦り付ける事が大きな要因なので、鉄製ナスカンだとすぐに表面のメッキが傷つけられて、錆が発生してきてしまいます。
1年ほど使ったナスカン












そのため、私共としましては値段は高くなりますがステンレス製ナスカンの使用をお勧め致します。

『Y字タイプのWナスカンに類似しているから』ということで、二頭引きチェーン(カップラー)を利用することは危険です。
確かにナスカン部分はWナスカンになりますが、二頭引きチェーンはナスカンに引っ掛けて使用する構造なので、こちら側のナスカンが外れてしまうと一気に逃げてしまいます。
二頭引きチェーンを使用した場合には、連結させるナスカン位置が首元よりもさらに地面に近い場所に来るので、ナスカンが地面と擦れるリスクは顎下の場合よりも格段に高くなってしまいます。
また、チェーン自体も長いため、先述しましたナスカンしたの空間も大きくなり、後ろ足だけでなく前足を突っ込んでしまう可能性もあります。
ですので、絶対にWナスカンの代わりとしては使用しないで下さい。

Wナスカンへの改造や加工、TOP CHAIN 柳瀬製作所へご依頼頂けると有難いのですが、様々な事情からどうしても自分でやってみたいと思われる方もいらっしゃるかと思います。

そんな方向けにDIY出来るWナスカンタイプをご紹介致します。

ナスカンが壊れていない係留用チェーンは既にお持ちという想定で進めていきます。

ホームセンターや金物店で、新しいナスカン、そしてリングキャッチやスクリュージョイントと呼ばれている下の写真のような金具を入手して下さい。
スクリュージョイント(リングキャッチ)










カラビナに似ていますが別の金具です。写真の通り、しっかり固定出来るようにネジ溝が切ってあります。
これを使って、チェーンとナスカンを連結させれば完成です。

リングキャッチでナスカンを連結








スクリュージョイントでナスカンをチェーンと連結










稼動部分が動かないように固定出来るカラビナの場合には使用してもらっても大丈夫かと思いますが、固定出来ないカラビナは使用しないで下さい。
また、二重カンは引っ張る力には非常に弱く、すぐに伸びてしまうので連結には絶対に使用しないで下さい。

リングキャッチは使用に伴い固定部が緩んできますので、緩みが出てきていないかをこまめにチェックしてあげて下さい。

『緩みなどの心配をしたくない!』方は、しっかりと溶接処理がされた柳瀬製作所のWナスカンタイプへの改造・加工作業をご検討、ご依頼頂けますと嬉しいです。

ぜひ、(その1)(その2)の両記事を参考にして、ワンちゃんのためにも、<ナスカン外れの無い係留>を行ってあげて下さい。



2015年10月08日

ワンちゃんを繋ぐには、お散歩用のリード類、主に屋外係留用としてはワイヤータイプやチェーンタイプの商品があります。
これら全ての商品に共通しているのが、ワンちゃんを繋ぐ“ナスカン”という金具がついているということ。

ただ、このナスカン、『いつの間にか外れてしまって』というご報告を受けることがあります。

特に、もっともポピュラーなタイプのナスカンで、係留の際にナスカン側面に出た突起状の小さなピンを押し下げて首輪などに引っ掛ける“鉄砲ナスカン”と呼ばれるナスカンでの報告が多く、その次がレバーナスカンやトリガーナスカンと呼ばれるタイプのナスカンになります。
レバーナスカンはお散歩リードに使われる場合が多いので、常時目を離すことが少なく、ナスカン外れにもすぐに対応が取れるのですが、係留用チェーンの場合には、係留後はワンちゃんから目を離して過ごす場合が殆どなので、ナスカン外れに気づかず、ワンちゃんが自由を謳歌しに出て行ってしまう(=脱走)という状況になってしまいます。

突起が出ているというナスカンの構造上の問題はあるのですが、別の原因で外れてしまう場合の方が多いのです。

ピン部分に首輪の金具が来た状態で負荷が掛かったことによるピンの緩み(遊び)の発生は起こりうる現象ですが、毎日頻繁にナスカンの掛け外しを繰り返すことも殆ど無いはずなので、ナスカン内部のバネの力が甘くなってくる事と共に、購入時から1−2年程度では極端に低下することはないはずです。(砂などの混入で動きが変化する可能性はあります)

首輪からのナスカン外れは、ピン部分がどこかに接触し、そのあと引き続いて押し下げる力が加わってくる事によって外れるのが一連の動きなので、単純に、首輪に引っ掛ける際にピンの位置が向かって右側になるように掛けるか左側になるように掛けるかによっても(特に首輪の金具に当たって押し下げられるのが原因の場合については)ナスカンの外れ易さに違いが出てくる可能性は高いです。

首輪にナスカンを掛けた写真

















しかしながら、首輪からのナスカン外れの最大要因はワンちゃんの“癖”である場合がほとんどです。

下に2つのナスカンの写真をアップしました。

15年使ったナスカン













1つ目は15年間使用された係留用チェーンについていたナスカン。ワンちゃんが天寿を全うするまでナスカン外れは起きなかったそうです。

1年ほど使ったナスカン













2つ目は1年ほど使用されたナスカン。最近、ナスカン外れによる脱走が起こるようになったそうです。

この2つのナスカンにはある違いがあるのですが分かりますでしょうか?

1つ目のナスカンには表面に目立った傷はなくつるんとした感じになっています。

一方、2つ目のナスカンには表面に幾つもの深いボコボコ傷(実際にはナスカン全体に擦り傷が付き、所々がザラザラした状態になっていました)が付いています。

首輪につけて係留した際、このナスカン部分(特にナスカンの上部分)は地面に着く事が一番少ない箇所になります。
ナスカン全体が地面に着くのは、ワンちゃんが頭を下げて地面に伏せた状態になる時位です。

通常、ワンちゃんが地面に顎を着ける時には、ナスカンに深い傷が付くほど強い力で顎を下ろすことはありません。
ですが、2つ目のナスカンには写真のような傷がたくさん付いています。

ここから考えられるのは、このワンちゃんには“地面に体を擦り付ける癖がある”ということです。
そのため、ナスカン全体が地面に擦り付けられ、普段付くはずの無いナスカン上部にまで写真のような深い傷が付いてしまうのです。
この<擦り付け>の際に、ピン部分が地面などと接触したままさらに押し下げられて首輪が外れてしまった事が想像されます。

今までご相談を受けたワンちゃんは程度の大小はありますが、いずれも引張りが強く、地面に体を擦り付ける癖がありました。
(送付頂いたチェーンやナスカンなどの状況から私共からの指摘を受け、よくよく観察してみると、ワンちゃんに擦り付け癖があることを発見された飼い主さんもいらっしゃいます)

ワンちゃんを常に見張り、地面などに体を擦り付け始めた時に、即座に止めるように指示を出して、駄目だと覚え込ませないといけないので、この擦り付け癖を直すことはかなり難しいと思います。

なので、突起の付いたタイプのナスカンだといずれまた何かの拍子に外してしまう結果となります。

ナスカンの構造が変えられない以上、私共としてもそれ以外の手段で何とか誤作動によるナスカン外れを抑える方法はないかと考えました。

弊社製品だけではなく、形状が類似する他社の製品にも対応出来、且つ、なるべく簡単で自宅にあるグッズで対応出来る、あまりお金を掛けなくて済む方法・・・。
そんな方法、あくまで簡易的なものではありますが見つけましたので以下に紹介します。

1.輪ゴムを使用する方法
輪ゴムを利用した場合













まずは非常に簡易的な方法ですが、写真のように輪ゴムをきつく巻きつけてピンの下がりを低減させる方法がございます。

ピン下に輪ゴムを巻きつける

これならお家の輪ゴムですぐに可能かと思います。
但し、ピンの押し下げ毎に、輪ゴムも徐々に下に下がってきてしまいますので、こまめなチェックなどの注意が必要です。


2.結束バンドで動かないように固定する方法
鉄線入りビニル紐で固定する場合













次に、お菓子の袋などを止めている、中心に針金(鉄線)が入ったテープ(ビニール紐)でピンを固定する方法。
結束バンドで固定

この方法だと、ピンの下がりはほぼ止められました。 鉄砲ナスカン、レバーナスカン共に固定が可能でした。
鉄線入りビニル紐での固定表側から












鉄線入りビニル紐で固定裏側













鉄砲ナスカンの場合にはピンを下から持ち上げる形でテープを掛け、ピン下側からのテープはナスカンの上側へ、ピン上側からのテープはナスカンの下側に回して、ナスカンの裏側で両方を捻り合わせて固定して下さい。
レバーナスカンを鉄線入りビニル紐で固定













レバーナスカンの場合には押し下げ用の飛び出たピン上付近の一番くびれた箇所に複数回きつく巻きつけるようにして下さい。
使用に伴う曲げ癖はついてしまいますが、1本あれば概ね複数回の再使用が可能です。
写真の場合は、鉄砲ナスカンは全長10cmの鉄線入りビニール紐、レバーナスカンは全長20cmのタイプを使用しました。
おうちにストックが無い場合には、100均ショップやホームセンターなどで、カットされた袋入りのものやリール巻きタイプなどさまざまなタイプが入手出来るかと思います。
工事用コーナーだけでなく園芸コーナーや工作コーナーなどにも置かれていたりしますので探してみて下さい。

3.突起部分を覆う方法
ナスカン突起部をマジックテープで覆う













3番目の方法は、引っ掛かるピン自体を覆って下がりにくくする方法です。
写真のようにピン部分を覆い隠すことでピンの下がりを抑えるという方法です。
マジックテープなどを利用されると比較的楽かと思います。
ただし、この方法も覆い部分が何らかの力で押し下げられると効果は下がってまいります。 (輪ゴムの場合と同様ですね)

これ以外にも方法があるとは思いますが、すぐに実行出来る簡便な方法としては適当かと思います。

特に2.の鉄線入りビニール紐で固定する方法は、思った以上にしっかり固定されるのでお奨めです。


4番目の方法は、ナスカン自体を突起の無いタイプに交換したり、係留用チェーンの先端をナスカンが2つ付いたタイプに改造する方法です。
この方法は個人では難しいので、私共“鎖屋兄弟”の出番となります。

次回は(その2)として実際の交換・改造例をご紹介します。

週末からの連休、突然のナスカン外れでワンちゃんと離れ離れにならないために、是非今回の方法を活用してあげて下さいね。

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先端にナスカンが2個付いた繋留用チェーンをお作りさせて頂きました



2012年08月10日

いよいよ8月に突入、お盆も間近です。飼い主さん、ワンちゃんともに体調はいかがですか?
市街地では舗装道路が多く、日中だけではなく日が暮れて暫くの間まで道路が熱い状態が続いています。
我が家でも散歩に出掛ける際には、手のひらを地面につけ、普通に耐えられる程度にまで下がっているかをチェックしてから出発しています。
ワンちゃんにはちょっと辛いでしょうが、きちんとしたお散歩は、早朝と夜だけにし、それ以外の時間帯については、嫌がらなければペットシーツのお世話になるのが安全だと思います。

またワンちゃんには体温を下げる手段が人間より少ないので、冷房や風通しの確保、そしてお水もすぐにぬるくなってきますのでこまめに替えてあげるのが良いでしょう。

さて、先月はナスカン部分の点検について書かせて頂きましたが、今回はチェーン部分についてです。

繋留用チェーンの場合には屋外に設置されるのが普通だと思います。
鉄製チェーンの場合には、メッキ皮膜が傷ついたり薄くなり、錆が目立ち始めた頃がひとつの交換の目安となります。

ステンレス製チェーンの場合には塩分や鉄分が多い(もしくは常時、鉄材に触れている)など特殊な環境でなければ、概ね錆が発生することはありません。
それは性能としてはありがたいのですが、逆にそのことが影響して点検頻度は低下する傾向にあります。

柳瀬製作所でも使用しているステンレス(SUS304)は鉄にニッケルやクロムを混ぜ合わせて作り出された合金です。引っ張り試験をした場合の粘り強さ(伸び)については、ステンレス製が勝っていましたが、金属の硬さという点では極端に大きな差はありません。
(ステンレスには曲げるなどの加工をするほどだんだん硬くなっていく加工硬化という性質はあります)

鎖屋兄弟ブログでも述べていることですが、使用環境とワンちゃんの動き回り度合いによって、ステンレス製チェーンも磨り減ってきてしまいます。

この磨耗、日頃から良く目に付く場所であれば気付きやすいのですが、それ以外の場所ではなかなか気付かれず、そのため、徐々にではありますが確実に進行していきます。

梅雨に入る前に、係留用チェーンをお使い頂いているお客様方に『チェーン部分全体について定期チェックをしてみて下さいね』との趣旨のメールを送り致しました。
その後、あるお客様から、『杭に取り付けていた末端部分のチェーンが大きく磨り減っていました』との連絡をお受け致しました。
その方は、地面が硬いので花壇の中に杭を打ち、そこにチェーンを取り付けておられたのですが、花壇の石がゴツゴツした石肌そのままの状態のものだった為、ワンコが動き回るたびに、このゴツゴツでチェーンが擦られ、石に接していた部分だけが大きく磨り減っていたらしいのです。
花壇の石で磨耗したSTチェーン花壇の石で磨耗したチェーンアップ写真
杭の位置を変えることが難しいとの事でしたので、チェーンの擦り切れを遅らせるために、石に触れる部分のチェーンを太いものに変えた繋留用チェーンをお作り致しました。

磨耗しやすい箇所のみ太いチェーンにしたST製繋留用チェーン磨耗しやすい箇所につけた太いチェーンとの比較
また、チェーンの取り付け場所が鉄生地の場合、ステンレス側にも貰い錆が移ってきますので注意が必要です。

夏のお出かけの際にワンちゃんも一緒に連れて行かれる方もいらっしゃるかと思います。お出掛け先でチェーンが切れたり金具が動かなくなったりすると大変ですので、その前に一度ご確認をお願い致します。
そしてもし金具の動きが悪かったり、磨り減り部分を発見してしまったら、応急処置ではありますが次のような対策を講じてみてください。

金具の動きが悪い場合には、まずは目詰まりが無いかをチェックし、歯ブラシなどでつまりを除去してください。次に水洗いをしてつまりを取り除き、市販の潤滑剤をスプレーしてあげてください。
少々の錆つきであれば、時間をあけながら潤滑剤を繰り返しかけてギコギコしていくと大抵動くようになってくるはずです。

磨り減ったチェーン部分については、ご自宅にゴムホースや厚手のビニールチューブのようなものがございましたら、縦に切れ目を入れ、それで磨耗の進んだチェーン部分を覆ってビニールテープのようなものでグルグル巻きにして頂けますと、その部分のチェーンが擦られることはなくなりますので、これ以上の磨耗は食い止められるかと思います。
チェーンをチューブで包んだ状態
その後なるべく早いタイミングで新しいものに取り替えると共に、擦れてしまう場所については、ゴムシートなどで覆うなどの対策を講じてあげてください。

ワンちゃんと飼い主さんとを繋ぐ大事なチェーンです。ワンちゃんのためにもしっかりとした点検と安全確認をして、安心した夏を過ごして下さいね。



2012年07月30日

柳瀬製作所ではチェーンカラーやチョークチェーンといったワンコのしつけ用チェーンや関連パーツ類を製作しています。
そして沢山のワンちゃんにピッタリサイズ(長さ)のしつけ用チェーン類をオーダーメイドでお作りしてきています。

柳瀬製作所のサイトでは、書籍類からの情報や自分達の製作経験や依頼内容を元に、チョークチェインやチェインカラーの選び方や、選ぶ際に重要な測定箇所、装着方法などを記載しています。
写真なども交え、正しい使い方を知って頂く一助になればと思いページを作っているのですが、ワンコのしつけに直接従事しているわけではないので、不足や不正確な部分があるやも知れません。
また、実寸大とはいえ、ワンコのぬいぐるみを使用しての説明写真なので、リアリティには欠けていますし、どこまで突き詰めても素人が行っている行為に変わりはありません。
“間違った使い方によるワンちゃんの事故がゼロになるようになって欲しい”という思いで作っているのですが力不足に感じて仕方がありません。

複数のドッグトレーナーさんや警察犬訓練学校とはお取引の実績があるのですが、皆さんいずれも近畿圏以外の方々ばかり。直接お会いするのは難しい状態でした。
そんな折、柳瀬製作所のハーフチョーク金具をお買い上げ頂くという形で、大阪府下でチョークチェーン類を使ったしつけもなさっていると言うドッグトレーナーさんと出会う事が出来ました。

そこで、直接お邪魔し、道具を使ったしつけ方法を直に見せてもらとともに、犬のしつけ方法には何種類もあり、ワンちゃん自身の性格に合ったしつけ方法に出会う事と、飼い主さんが一緒にしつけに取り組む事で生まれる信頼関係で良いワンコになる事を教わりました。
(訓練士さんに丸投げのしつけだけでは、(訓練士さんと同じレベルでワンコに指示が出せるのであれば大丈夫ですが)信頼関係が弱いので、結果的には元のワガママ犬に戻ることが殆どです。)

この話を聞いて、大学生の頃1年間だけですがお世話になった大学の馬術部で聞いた、『上手な乗り手に乗ってもらうと、それ以降暫くの間は賢い馬だが、普通の乗り手が乗ることで元の馬に戻ってきてしまう』という話を思い出しました。
賢いといわれる動物ほどこの傾向が強くなってくるのでしょうね。

さらにご厚意で、後日、しつけ教室に通うワンちゃんをお借りしてチョークチェーン装着の写真を撮らせて頂けることになりました。

チェーンが見えやすいようにとのご配慮で撮影にはミニチュアピンシャーとイタリアングレイハウンドを呼んで来て下さいました。

チョークチェーンのサイズ決めには“首周りサイズプラス10cm程度”や“頭周りサイズプラス5cm程度”が適当と言われています。
チョークチェーンやチェーンカラーは頭を通して装着するものなので、頭周りサイズを測れば、確実に頭が通るチェーンを購入出来ます。

ワンコの頭で一番頭周りが大きくなるのは顎下から耳の前後付近を通るグルリ1周部分ですのでこの部分を測定してもらいます。
測定には、裁縫用のメジャーがあればそれをお使い頂くのが便利です。メジャーが無い場合には紐などを利用して頭周りグルリ1周となるところで印付けをし、その紐の長さを定規で測定して下さい。
頭周り測定にはミニチュアピンシャーのレオ君に協力してもらいました。

頭周り測定耳の前後付近から顎下をまわしたぐるり一周が最大です頭周り測定顎下を通っています
このように写真に見られる箇所付近を測定して下さい。

次に装着方法です。

ワンコが飼い主さんの左右どちら側にいるかによって装着するチェーンの方向が変わってきます。
基本的にはワンコは常に飼い主さんの左側にいるようにとされていますが、道路事情などによっては飼い主さんの右側を歩かせなければならない可能性もあります。

まず、飼い主さんの左側にいる場合。
飼い主さんの左側にいる場合のチョークチェーンの向き飼い主さんの左側にいる場合の正しいチョークチェーン装着例1
チョークチェーンは写真のようにアルファベットの“P”を横にした形(“逆「の」の字”とも呼ばれているそうです)にして頭を通してあげます。
そして後方から見た場合の写真です。
飼い主さんの左側にいる場合の正しいチョークチェーン装着例
後方から写した写真に見られるように、チョークを上にピンと引張った状態で、丸カンの位置はワンコの中心よりも右側(飼い主さん側)に来ています。こう見えれば正しく装着出来ています。


 
今度は飼い主さんの右側にいる場合。
飼い主さんの右側にいる場合のチョークチェーンの向き飼い主さんの右側にいる場合のチョークチェーン装着写真
チョークチェーンは写真のように逆向きの“P”を横にした形(“「の」の字”とも呼ばれているそうです)にして頭を通してあげます。
後方から見た場合には先ほどとは逆で、チョークを上にピンと引張った状態で、丸カンの位置はワンコの中心よりも左側(飼い主さん側)に来ています。こう見えれば正しく装着出来ています。

装着を嫌がるワンコの場合にはおやつを利用するなどして慣らしていってあげてください。

歩行前は飼い主さんの横にいるように
歩行開始時には、まずはワンちゃんが飼い主さんの横にいる状態にしておきます。

歩行見本
リードにはある程度のたるみが残る距離の範囲でワンちゃんを歩かせ、さらに離れそうになった場合には、リードをさっと強く引いてチョークしワンコに刺激を与え、すぐに弛めて、飼い主の横の位置に戻させます。
ワンコが横に着いたら、褒めてあげながらチョークチェーンの位置を元に戻して、再び歩行を開始します。
歩行動作
この動作を繰り返していき、指示が出されると必ず飼い主さんの横に戻っておとなしく出来るようになるのが最初の目標です。
これが出来るようになると下の映像のように、飼い主さん(今回はトレーナーさんと歩いています)と一緒に歩くことが出来るようになります。



実際に指示を出すタイミングを拝見しましたが、正直、我流ではなかなか難しいと感じました。
また、ワンコの位置によってリードを引く方向も工夫されておられました。
これはチョークした時に喉への負担が小さくなるようにとの配慮で、ワンコのいる位置に合わせ、横方向や斜め前方向へリードを引く場合もありました。

本やDVDの映像ソフトなどでしつけ方法の勉強は出来ますが、実際に自分の指示の出し方が正しいのかについてまでは教えてくれません。
この点から、少なくとも自分自身で正しいタイミングと方法で指示が出せるようになるまではトレーナーさんに指導していただくのがワンコと飼い主さんにとって最良だと感じました。

飼い主さんと一緒にしつけを学んで信頼関係が強まると、ノーリードで、こんな楽しい事も出来るそうです。



今回は大阪府の箕面市、高槻市をメインに犬のしつけ教室を開催しておられる Dog.2.Be のトレーナー斉藤さんと前葉さん&それぞれのパートナー犬であるアッシュ君とジュディちゃん、そして飼い主さんと一緒に訓練を受けているミニピンのレオ君とイタリアングレイハウンドのクレアちゃんに本当にお世話になりました。

ドッグトレーナー斎藤さんとクレアちゃんドッグトレーナー斎藤さんのパートナー犬アッシュ君ドッグトレーナー前葉さんのパートナー犬ジュディちゃん
前述の通り、訓練士さんの考え方と訓練の方法は様々ですので、可能であれば一度訓練風景を見学させてもらい、ご自身の考えとワンちゃんの性格に合う訓練学校や教室を見つけて下さい。
二人三脚(正確には一人一犬六脚になりますが)で頑張って得られた結果は、充実感たっぷりのようですよ。

チョークチェーンやチェインカラーを準備される時には、ぜひTOP CHAIN 柳瀬製作所へご用命下さいね。宜しくお願い致します。

お問い合わせは メール (お使いのメールソフトが立ち上がります)お問い合わせフォームお問い合わせフォームページお電話 にてどうぞ



2012年07月18日

海の日が過ぎた今週、各地から梅雨明けの便りが聞かれるようになってきました。
鎖屋兄弟達の柳瀬製作所がある東大阪市も火曜日に梅雨明けが宣言されました。
大阪は土曜日から一気にセミの鳴き声が聞こえ始め、日曜日の午後以降は真夏のような日差しと気温が続いていましたので、梅雨明け宣言を知った時には『ああ、やっぱりね』といった印象でした。

梅雨が明けるといよいよ夏本番。ワンコを伴ってのお出掛けなどされる機会もあるのではないでしょうか?

その前に梅雨の間使ってきた金具類にちょっと目をやってみませんか?

まず最初に確認して頂きたいのが<ナスカン>類です。
これはワンちゃんと飼い主さんやワンちゃんの飼育環境とを繋ぐ一番重要な金具です。

市販品の多くが鉄素材や亜鉛ダイキャスト、真鍮素材にメッキ処理を施したものかと思われます。
これら商品は差こそあれ、いずれも水濡れや湿度のより錆の発生が懸念されます。

梅雨シーズンを過ごしたナスカン、次のようなことは起こっていませんか?

一度手元でご確認下さい。鉄素材の場合には小さな赤茶色の斑点が出来ているかもしれません。
経年使用でメッキ変性、錆発生が起こったナスカンと新品ナスカン
亜鉛ダイキャストの場合には粉っぽい感じがするねずみ色や暗い灰色の変色箇所として現れることが多いです。
雨ざらしによりメッキが失われた角ナスカンと新品
真ちゅう製の場合には緑色っぽい緑青状のものが出来ているかもしれません。
小さなものであれば、布などで拭き取ったり尖ったもので注意しながら変色場所を削って取り除き、その部分を防錆剤や潤滑剤を染み込ませた布でよく拭いてあげると、錆の進行を遅らせることが出来ます。

但し、その箇所は錆が出来やすい箇所なので、天気や湿度の状況に合わせて、その後も定期的に拭いてあげて下さい。
ナスカンを水洗いした場合には、開閉ピン内部や回転部分の内側まで良く乾燥させてから上述の方法で錆を予防して下さい。
ナスカン稼働部への潤滑スプレー注入
潤滑剤を吹き込むのも錆と磨耗を抑える有効な手段です。
ワンちゃんが舐めたり皮膚に触れたりする可能性がある場所の場合には、蜜蝋などの体への影響の小さい天然のワックス剤を染み込ませた布でこまめに拭いてもらうと、概ね錆の進行を遅らせる事が出来るはずです。

使用に伴う磨耗もありますので、ナスカンの稼動部(開閉ピンや下部の回転リング)の確認も一緒にお願い致します。
稼働部に砂や小石が詰まっていると誤動作や磨耗を早める原因となりますので使い古しの歯ブラシ等を利用して取り除いて下さい。

鉄製の場合には黒っぽい金属色や赤錆系の色が見られた場合には生地が見えてきている状態です。
回転部内部のメッキが薄くなった状態
亜鉛ダイキャスト製品の場合には灰色に見える部分はメッキ膜が磨り減って生地が見えてきている状態です。
真鍮製の場合には金色っぽいもしくは茶色味を帯びた黄色、または緑青系の色をしていた場合には生地が見えてきている状態です。
真鍮生地とクロム色メッキ済みナスカンの比較
この部分についても上述の処理をお勧め致します。

また、ステンレス製品も経年使用に伴い、表面の光沢がくすんでまいります。
雨ざらしで光沢が低下したステンレス製ナスカンと新品
そのような場合には市販のステンレス用研磨剤(なるべく研磨剤の細かいタイプをお勧め致します)を布などに染み込ませてやさしく磨いて頂ければ、ある程度まで光沢が戻ってまいります。

使用環境に存在する鉄分の影響でステンレスの表面に出来た“もらい錆”もこの方法である程度までは落とせると思います。

研磨剤使用後は、家庭用の食器用洗剤等でよく洗い流して下さい。
(ペット用や肌に触れるようなご使用の場合は必ずよく洗い流して下さい)

お手入れや確認を行い、長く安全にナスカンをご使用頂ければと思います。

使用上でご不明な点などがございましたらいつでもお気軽に柳瀬製作所までお問い合わせ下さい。

今年の夏も皆様がワンちゃん達と楽しく素敵な日々が送れますように。
蚊が飛び交う季節ですのでフィラリア対策を是非お忘れなくお願い致します。