田舎のイメージって?
■大自然の中でゆったり人生
 「田舎」=「大自然」と感じる人は多いと思います。特に首都圏で生まれ育った人は、自然に囲まれた環境に憧れがあり、朝起きて山あいから日が差し込んできて・・・という情景を想像してしまうのでは。そんなところで、ゆったり過ごせたら最高に幸せですね。

■通勤ラッシュのない場所
 毎朝一斉に通勤して、あの通勤ラッシュを体験している方は、特に通勤ラッシュのない場所へ行きたいという願望は強いことだろう。私なら絶対に東京で働こうとはしないでしょう。通勤地獄が会社へ行っている間ずっと続くと考えると、精神的にもおかしくなりそう。

■人間関係がいい
 都会では、隣に住んでいる人手さえ誰だかわからない、なんてことはザラでしょう。だからとっさのときに、隣の住民へ大事な用を頼むこともできないでしょうし、自分のことばかり自己中心的に考える人が多いように思える。それに比べ田舎は近所付き合いは日常茶飯事だし、助け合って生活をしている。信頼関係と団結力で結ばれているため、他人事も近所で面倒を見てくれる。わずらわしい思う方もいるでしょうが、人間1人では生きていけませんから・・・。

■何も無いのが面白い
 今の世の中は、ムダなモノと情報にあふれている。モノによっては、体を壊す原因になるものまで存在する。何が安全で、何が正しいのかわからなくなる時がある。逆に、何も無いほうが、精神的には満たされている、そんな暮らしが理想と思う方もいる。田舎だと、目の前で食物が育ち実り食できますから、食の不安はありません。また家の作りも、機密性重視ではなく、生活重視なので、夏風通しよくて涼しく、冬は暖かい、昔の知恵が活かされた古民家が人気である。冷暖房器具などいらないのである。

■食べ物が100%安全でおいしい
 空気や水もキレイ、食べ物も新鮮。やっぱり、都会で新鮮なものを食べるのと、田舎で新鮮なものを食べるのとでは違うと思う。景色や空気もおかずだと思う。また、田舎では、庭先の畑で無農薬の食物を作っている。これは、洗わずともそのままかぶりつくことができるのである。仲良くなれば、おすそ分けしてくれるぞ!

こんな考えはNG!
1.年収が下がる
  確かに田舎での仕事で年収が下がるケースは少なくない。ちなみに、東京の企業に勤める月給額を100とした場合、全国平均は約80(労働統計年報による)という数字が出ている。北海道、茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、静岡、三重、滋賀、和歌山、岡山、広島、山口、福岡などが77〜79の水準。
しかし、田舎での収入減は生活レベルの低下にはつながらない。現に、田舎に移住して生活水準が上がった、あるいは変わらないという人は全体の70%に達している。移住後の心のゆとりや、子供の生活環境、趣味の充実など、お金では換算できないメリットがあることも頭にいれておくべきだと思う。

2.生活レベルが下がる
  人それぞれの生活水準があるが、田舎で暮らすとこの水準が下がるというのは、まったくの錯覚であり、誤解である。
生活レベルが下がるのではなく、暮らし方や生活の内容が変わるのだ。都会の生活パターンは、田舎では合わないことが多い。むしろ人間本来の生活へ戻ると言った方が正解かもしれない。

3.仕事がない
  確かに、都会の企業数に比べれば絶対数は少ない。しかし、仕事が無いわけではない。逆に、働き手や後継者を切望している企業は多いのだ。また、農業や林業、動物飼育やスキー指導員など、都会ではできない仕事がたくさんある。田舎には仕事がないのではなく、地元にはその仕事に就く人が少ないということで、逆にチャンスは大きいのだ!

4.アウトドアライフを楽しむ
  自然大好き人間や、キャンプやハイキングなどで、アウトドアを楽しんだ人の中には、それがきっかけで、田舎暮らしを始めた人もいる。しかし、ここで注意しておきたいのは、「暮らし=アウトドアライフ」ではないこと。
たまに田舎へ出かけることを楽しむだけの人が、田舎で暮らせるかどうかは別である。

5.情報化社会に乗り遅れる?
  情報化社会には、都会・田舎という国境はない。パソコンさえあれば、都会とまったく同じサービスが受けられる。むしろ田舎で、世界を股に駆けたビジネスをした方が、カッコイイと思うのは、私だけでしょうか。

6.人間関係の苦労が無い
  近所付き合いや、部落の付き合い、常会の付き合い、どれも田舎では重要だ。良く田舎は閉鎖的、保守的、仲間意識が強く外部の人を受け入れ辛いなどと言われている。まんざらウソではなく本当である。しかし、田舎では、冠婚葬祭や、お祭り、農作業など、みんなで力を合わせる時に、積極的に関わっていけば、早く溶け込めると思う。そういう積み重ねが大事なのだ。この付き合いは引っ越さない限り一生続くことを肝に銘じよ。

こんな私でも大丈夫?
Q1
 熱しやすく冷めやすい性格で、田舎に移住してもそれを続けられるかどうか不安。暮らしたいという気持ちは強いのですが・・・。

.単に憧れだけで田舎暮らしを考えているのであれば、止めたほうがいいでしょう。田舎でどんな仕事がしたいのか、そうすることで自分にどんな意味があるのか、暮らし方や内容も含めて、自分が本当に田舎暮らしに向いているかどうか、じっくり考えたほうがいいと思います。


Q2
 知人に田舎暮らしを始めて数年で都会に戻ってきた人がいます。しっかりした考えを持っていた人なのに、やはり性格なのでしょうか?

.田舎暮らしに失敗したケースでは、本人の性格というより、現実に暮らしてみて、現実とのギャップをどのようにして縮めていけるかがカギとなります。そのためにも事前に生活環境を調べたり、同居される家族との間で話し合いを繰り返しておいたほうがいいでしょう。


Q3
 不便な暮らしはイヤ。でも、都会で暮らすのもイヤ。

.意外とそういう方は多いのです。そんな方には、人口30万人程度の地方の中核都市や、県庁所在地などを移住の候補地としてはどうですか?つまり。適度に都会で、そして田舎暮らしらしさも残っている地方都市。ぴったりでは?実際にその土地を訪れて数日滞在してみれば、自分に合っているかどうかわかります。

Q4
 自分に合った仕事が本当に見つかるかどうか、そのことが気掛かりです。

.U・Iターン転職では、一般の転職以上に利用できる情報収集手段は多いのです。各自治体のUターン窓口、厚労省の人材Uターンセンターなどの公共機関が設置されています。また、一次産業希望者には、地方ごとに、青年農業センター、林業労働センター、漁業就業者確保育成センターなどが設けられているので、有効的に活用してみて下さい。


Q5
 口下手で、人付き合いが苦手。そんな自分でも、新しい環境になじめるかどうか不安でたまりません。

.その地域に溶け込むためには、特別に何かをしなければいけないわけではありません。言葉は交わさなくとも、笑顔で挨拶はできますし、ちょっとの努力で自然に受け入れられるケースが多いようです。無口で人付き合いが苦手でも、あなたの個性として少しづつ理解してもらえるはずです。自信を持って下さい。


Q6
 子供に頃から、虫やヘビなどが苦手で、キャンプなどにも参加したことがないのですが、大丈夫でしょうか?

.「田舎暮らし=自然が相手」と決め手かかることはないと思います。中核都市なら、毎日虫やヘビに合うこともないし、マンション住まいなら都会とあまり変わらない生活でしょうし、そんなことより、U・Iターンにあなたが何を望んでいるかが大事だと思います。地方にしかない仕事なのか、両親の側なのか、自然なのか、子供の教育なのか・・・。



家族みんなのコンセンサスを得よう!
まずは、話し合いが重要!
自分としては、早く都会に見切りをつけて田舎暮らしをしたいと思っても、家族の反対にあっては、なかなか前に進めませんね。こういうことで悩んでいる人は結構多いはず。今までの都会の生活を捨てて田舎で新生活するわけだから、誰でも最初は不安なものだ。家族としても、大きな決断が必要というわけだね。最初は、反対されるのが当たり前、という気持ちで話してみた方がいいかも。
自分の気持ちの整理も含めて、じっくり家族と話し合う時間を持ちましょう。そして、どうして反対するのか、じっくり話し合う中で、お互いの同意が形成されていくのではないでしょうか。





のんびりいなか派の例
自然いっぱいのいなかの環境に憧れ、通勤地獄の無いゆったりした暮らしを楽しみたいという人や、アクセクしないのんびりとした、そのスピードが自分に合っているという人が、いわゆる”のんびりいなか派”と言えよう。

その名の通り、のんびりとした暮らしを楽しむことを最優先させるので、職種や年収にはこだわらないタイプが多いのが特徴だ。
それだけに、例えば藁葺きの家に住むことにこだわったり、田舎での不便さを楽しんだりと、自分の暮らし方の内容にこだわる人が多いようだ。

それでは、次に実際に、のんびりいなか派を実践している例をを紹介しょう。

土と楽しみ、花卉(かき)栽培で独立!
漠然と、いつかは土がさわれる仕事がしたいと思っていた

「農業をやりたいというような、はっきりしたものではなく、いつか土いじりが仕事になればいいなあ、という感じでした。
でも、きっと周りの誰もがそんなことを考えているが、実現はできないのだから・・・と自分に言い聞かせていました。でも、妻のガーデニングが趣味の域を超えていたこともあり、ある日、冗談のように話したら、盛り上がってしまいまして(笑)。何だか2人ならできそうな気がしてきたんですよ。」
「営業という仕事がらお客さんに合わせてのスケジュールが多い。結構振り回される日々でした。ですから、いつか独立して、自分のペースで仕事がしたいなあと思っていました。」

しかし、具体的に行動を起こすのは難しく、やはり、自分には無理かもしれないと考え始めていた時だけに、第2の人生がパッ、と目の前に開いたような感動を覚えたという。


花卉(かき)栽培なら2人が情熱を傾けられると決めた

花卉とは、花の咲く草木のことで、それを育てて専門の集荷業者に卸したり、花卉の市場へ直接持ち込む。つまり、専業の花卉栽培農家へと転身したのだ。花卉栽培に限らず、農業に従事する場合は、技術や経営ノウハウを習得するために、まず実際の農家などで働くのが一般的なケースで、彼らも花卉栽培農家で2年間、住み込んで働いた。その後、地元の農業普及センターを通じて、空き農地を紹介してもらって土地を借り、ビニールハウスを建てて独立した。


DATA
仕事
 新規就農支援資金を2200万円借りて、プレハブの自宅に500万円、ビニールハウスに建設費用に800万円、あとは設備費や軽トラック、苗の仕入れ資金にした。独立1年目は赤字。2年後には黒字の予定。妻の実家の近くということもあり人間関係も良好だ。

生活
 住まいはプレハブだが特に不便は無い。「日当たり良好は当たり前。だって花卉栽培用に選んだ土地だから」と快適さを強調するほど。最近、妻が懐妊して「これもゆとりができたせい」とニコリ。
花卉栽培は、いつ頃どんな草木を仕掛けようかというセンスも重要で、暇があれば2人で討論している毎日だ。

満足度
120%

ポイント
やはり、研修の意味でも、実際の農家で住み込んで働きながら仕事を覚えたり、教えてくれる人を探せるかどうかが大きなポイント。仮に花卉栽培の知識はあっても、実際のノウハウを謙虚に学んでいこうとする心構えが大切。そういう下準備があってこそ夢がかなう。


気持ちも癒されて山で仕事する喜びを実感!
自然への関心と山を守りたいという意識がきっかけに
「林業については、子供の頃から興味を持っていました。最初のきっかけは中学生の時にたまたま見たテレビの報道番組でした。」
当時から野鳥観察が趣味で、自然への関心は人並以上に高かった。
「このまま林業が衰退してしまうと、その大好きな鳥を始め自然環境が荒れてしまうのではないかと心配だったんです。でも自分では林業は務まらないだろうなとずっと思っていました。」25歳のときに結婚し、その後電子回路製造会社に転職してエンジニアとして働いていた。2人の子供と妻の4人家族で、妻は専業主婦。社宅で生活していたので何とか暮らしていけるといった程度だったが、3年前に森林作業員になりたいと妻に告げた。

奥さんも賛成。家族で山での暮らしを楽しむ毎日
「そのときの主人の言い草に負けてしまったみたい(笑)。昔から仕事とは社会貢献だと思っている。だから、働くことで社会に貢献したい。今の仕事では、それが出来ずにやりがいもない。多分、そんな内容でしたよ。」
その頃には年2回は家族4人で山に出かけてバードウォッチングしたりハイキングしたりしていた。子供達も、それを楽しみにしていることを知った妻は、気付いたら既に賛成してしまっていたそうだ。
夫は自分で各地の森林組合を探して、あっという間に長野県へのIターンを決めた。今では仕事も早く終わるし、子供と一緒にいる時間も増えた。


DATA
仕事
 仕事は朝早いが、夕刻前には下山する。天候の悪い日は休みになるので、実働時間は激変してゆとりが増えた。
「最初は体がきつかった。作業に慣れるまで3年は掛かりましたよ。年収は、100万円程減りましたが、出るお金も少なくなったので金銭面ではプラスマイナスゼロという感じ。不満はありませんよ。」

生活
 家族構成は、妻と2人の娘。戸建の村営住宅で、以前よりも間取りも増えて快適さは増しました。同僚には、他にも比較的Iターン者が多く、就業を歓迎してくれたし、家族同士の付き合いも始まった。子供と一緒に遊ぶ時間が増えて、都会では味わえない地域の根ざした生活を実感できるようになった。

満足度
90%

これだけは気をつけたい
都会の暮らしの便利さを享受したいという人には、山の中での何も無い生活は向かない。それに林業の仕事は、金銭面よりも使命感やそれに似た気持ちや信念の強さも必要だ。また、家族、特に妻の強力は必要不可欠。そんな価値観を共有できるかが大きな鍵だ。


浜辺の町に魅せられて釣り三昧生活を実現!
仕事よりも釣りが大事という生き方を実践したが・・・
3度の飯よりも釣りが好きという理想像が、映画のような釣り三昧の日々。仕事よりも釣りが大事という生き方に共感して、朝釣り、夜釣りを含めて週に3度は釣りに行っていた。
「でも、現実はそう甘くない。工場勤務のときは、交替制での勤務だったので釣りの時間がなかなかとれなかった(笑)。それがイヤで、比較的自由がきく住宅リフォームの営業をやったが、そこそこ成績は良かったんですよ。」
それは、釣りを通じて知り合った人脈とハマちゃんに似た楽天的な性格で、彼に任せようというファンが多かったからだ。大阪にいる恋人とは遠距離恋愛で、夏休みに彼女と2人でドライブした鳴門の海岸線に魅せられて「こんなところで暮らしたいな」とずっと思っていたそうだ。

現地のミニコミ誌の求人を見て、いきなり応募へ
2カ月に1度は、横浜から車を飛ばして、大阪で彼女を乗せ、鳴門市で釣りを楽しんだ。そのときにたまたま現地のミニコミ誌で工務店がリフォーム事業の営業職を募集していることを知り、「ほんのついでという気持ちで応募したんですよ、それがすべての始まり」になった。
独身だった彼は、その意味では身軽だったが恋人が猛反対。「というのは、彼女は勤めていた会社を辞めて、横浜の会社へ転職する気でいたようです。」
やがて「私をとるか、釣りを取るかハッキリ決めてよ」とまで言われて、結局、鳴門に移住するまで1年の歳月を要した。

DATA
仕事
 「地方の地位様会社だからこそ、がんばれば社長もすぐに報いてくれる。もうすぐ結婚するといえば、自分の子供のように喜んでくれました。」
実質労働時間は、前職時代と変わらないが、目の前が海というロケーションで、精神的にも余裕ができた。年収も360万円から700万円になった。「もう言うことなし」

生活
 現在はまだ独身。だが、間もなく例の彼女と結婚する予定。社長の配慮で会社からお金を借りて、2階建ての戸建住宅を新築中。「20代で家が持てるなんて、都会では考えられなかったこと」と、自分でも驚いているほど。顔見知りだった地元の釣り仲間とより親しくなって、人脈は以前よりも多くなったそうだ。

満足度
「自分ではこれからが正念場だと思っているので、まだ点数はつけたくない」
と気持ちを引き締めるが、本当に嬉しそうである。彼女も満足している。

これだけは気をつけたい
 恋人の存在よりも、むしろ彼の気持ちをわかってくれた社長の存在のほうが大きい。つまり、この社長との出会いを抜きにしては彼の成功は考えられない。転職先のトップの人柄や考え方をはじめ給与制度の内容なども決め手になることを肝に銘じておこう。

こだわり仕事派の例
田舎暮らしを実現させた人の中には、その職種や仕事へのこだわりがまず最初にあったという人は意外と多い。
例えば、漁師になりたいと思えば漁場にしか活躍の舞台はないし、自分がやりたい職種によっては、その活躍の地域が限定されているといったケースだ。

職種や仕事にこだわる場合は、年収などの収入額が決まっていたりモデルケースがあるので、その仕事に就く前に大体の額は把握できる。
それを目安にして決断したり、家族との合意を得るための説得材料にもできるわけだ。

それでは、こだわり仕事派の例を見るとしよう。

漁師の道を目指して南の島へ移住
自治体が実施している無料の漁業体験教室に参加
 鹿児島県の薩摩半島の西海岸から西方約50Kmに位置する島。自然いっぱいのこの島へのIターンを決めたのは2年前のこと。
「なぜか小さいころから漁師という職業に憧れは感じていたんです。海の男って感じで、説明のつかない魅力にはまっていたんですね。いつか、チャンスがあれば、やってみたいと思っていました。実際に、その気持ちがおさえきれず、太平洋の小笠原の小さな島で、漁船でのアルバイトも経験したんですよ。その後、違う仕事をしましたが、どうしても”漁師”の夢をあきらめきれなくて・・・」
そんな時、鹿児島で「漁業体験教室」というのがあるのを知り、交通費自己負担で参加したのだという。5日間、沿岸漁業を体験し、その思いは確かなものになった。「水泳部で身体も鍛えてましたし、あっ、これだ!と思いましたね。」

夫の熱意に妻も不安ながら賛成してくれた
 結婚してからは、いい暮らしをさせたいと、給料優先で残業も人の2倍はこなして稼いだ。「でも、どうせ頑張るなら、やっぱり自分が天職だと感じる仕事をしたい」と言う気持ちを妻に熱く語り、理解してもらったのだという。それとやはり5日間でも実際に船に乗り、漁師の仕事の現実を体験してきたことが、大きな説得の材料になったようだ。「厳しい仕事だ、ということは実感しました。でも、それでもやりた、と思えたことが自分の自信にもつながりました。」
妻のOKが出たので、早速、正式に就業を申し込み、晴れて漁師となった。

DATA
仕事
 漁場は島の沖合。天候や季節によってポイントは違うが、タカエビ網漁法が中心。勤務時間は8:30〜17:30だが、不規則。残業時間は前職時代よりも増えたが、逆に家族と一緒にいる時間も増えた。年収は半減、不漁が続いたり物価が低迷すれば、収入も減るが「先の見えた簡単な仕事はつまらない」と満足している。

生活
 住まいは一軒家を借りた。ほとんどタダ同然と言う家賃の安さが魅力。「夫と1歳の子供の3人で暮らすには十分ですよ」と妻も年収減については納得。「島というよりも孤島に近いですから、コンビニに慣れた暮らしはできません。その代わり、新鮮な海の幸や時間的なゆとりが何よりの財産だと思えるようになりました。

満足度
 60点。その理由は、「大体4〜5年でやっと格好がついてくる、漁師はそんな仕事。だからこれからの数年が正念場。不安がないというと嘘になりますが、ここで骨を埋めるんだという強い決意がありますから」ということ、挑戦は続いている。

これだけは気をつけたい
 文字通り、骨を埋める覚悟がないと、生半可な憧れやイメージだけでは漁師の仕事はできない。収入減という現実を見据えた上で、それに代わるメリットや家族との暮らし方、暮らす上ででの優先順位など、じっくりと計画を立てておく心構えが必要だ。