楠木新(くすのき あらた)
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2016年07月21日

バンザイ!「直木賞に荻原浩さん」

上半期の直木賞に荻原(おぎわら)浩さん(60)の「海の見える理髪店」
(集英社)が選ばれた。

今回の作品はまだ読んでいないが、あらためて本棚を眺めると
彼の作品がいくつか目に入ってくる。

「あの日にドライブ」、「愛しの座敷わらし」、「さよなら、そしてこんにちは」
「なかよし小鳩組」などなど。

いつも上質な気分を味わうことができる作品だ。
組織で働く人間にたいする温かい目もある。

今まで何回か候補に挙っていた。
別に直木賞を受賞されてもされなくても、リスペクト感は変わらないのだが
やはり嬉しい。

最も好きな作品は、やはり「あの日にドライブ」だ。

主人公は43歳のタクシー運転手。
堅実な銀行マンだった彼が、支店長に対して吐いた言葉によって出向を
命じられ、結局は銀行を辞めた。

ある日、乗客を降ろしたのが学生時代に住んでいたアパートの近く。
そこから、過去に思いをはせる。「もしもあの時〜していたら…」。

もう一度人生をやり直せたらと思わない人はいない。
彼は過去に戻り、思い出をたどって行動を始める。
その結果、自分の足もとにある大切なものに気づいていくという物語である。

むかしの自分と現在の自分を比較してみると、はじめて自分の身に何が起きて
いるかが理解できる。
他の人と比較した優劣ではなく、むかしの自分に出会うことが新たな指針を
発見できる契機になる。

この小説は、忘れがちな「むかしの自分」という最も大切な友人を思い出させてくれる。

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kusunoki224 at 16:30│Comments(0)TrackBack(0)読書 | 神戸新開地

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