2009年08月31日 02:43

落〔らくせんしゃ〕

・落選

 群馬2区で、民主党前議員の石関貴史氏(37)の当選が決まった。


 8選を目指した自民党の笹川尭総務会長(73)は比例選に重複立候補していないため、落選が決まった。


 石関氏は、民主党への追い風に乗って、官僚主導の政治体制の打破などを訴え、着実に支持を広げた。


 笹川氏は、自民党の劣勢が伝えられる中、業界団体の引き締めなど従来の組織型選挙を徹底。
一方、地域の夏祭りに積極的に顔を出したり、三輪バイクにまたがって住宅街を細かく走るなど、無党派層を意識した選挙活動を展開したが、及ばなかった。




 茨城1区は、民主党新人の元経済産業省職員福島伸享氏(39)が初当選した。


 7選を目指した自民党の赤城徳彦・元農相(50)は小選挙区で敗退し、比例選での復活当選を目指す。


 3度目の挑戦となった福島氏は、民主党に対する全国的な追い風に乗って幅広く支持を集めた。


 赤城氏は農相だった2007年、参院選を前に、関連政治団体の不透明な事務所費問題が持ち上がり、ばんそうこうを張って記者会見。
理由さえ明かさなかったことが批判を浴び、自民の参院選惨敗の一因ともされた。


 選挙戦ではおわび行脚を重ねてきたが、マイナスイメージを払拭(ふっしょく)しきれず、地盤とされる県西部の農村部でも、支持者離れに歯止めがかからなかった。




 愛知9区は、民主党前議員の岡本充功(みつのり)氏(38)が3回目の当選を確実にした。


 自民党の海部俊樹元首相(78)は比例選と重複立候補しておらず、敗退した。


 全候補者の中で最多となる17回目の当選を目指した海部氏は、29歳で初当選して以来、衆院議員の在職期間は49年。
自民党への逆風に加え、高齢、多選批判という“三重苦”の厳しい選挙戦を強いられた。
党の年齢制限で比例選との重複立候補は認められないため、前回に続いて後のない戦いとなった。


 海部氏は「まだやるべきことが残っている」と訴えたが、政権交代と世代交代を訴えた岡本氏に終始リードを許した。




 大阪18区では、民主党元議員の中川治氏(58)が2回目の当選を決めた。


 比例選を含む全立候補者の最高齢で、唯一の大正生まれだった自民党前議員の中山太郎氏(85)は党の内規で比例選に重複立候補できないため、落選した。


 中川氏は、民主党への追い風を受けながら、子ども手当の実現などを訴えて幅広い層に浸透し、小選挙区選で初めて勝利をつかんだ。


 中山氏は、参院議員を3期務めた後、1986年に衆院で初当選し、外相などを歴任したベテランで、憲法改正をライフワークとし、7月の改正臓器移植法成立にも尽力した。
選挙戦では長年の実績をアピールしたが、高齢批判もあり、無党派層の支持を得られなかった。




 大阪16区で、民主党新人の森山浩行氏(38)が初当選を決めた。


 比例選に重複立候補していない公明党の北側一雄幹事長(56)は落選した。




 東京5区は、民主党元議員の手塚仁雄氏(42)が3回目の当選を果たした。


 自民党前議員の佐藤ゆかり氏(48)は小選挙区で敗れ、比例選での復活当選を目指す。


 前回衆院選で、今回引退した自民党の小杉隆・元文相に敗れた手塚氏は、落選中も朝晩の駅頭での演説を欠かさず、政権交代の必要性を訴え続けた。
7月の都議選で大勝した民主党への追い風にも乗り、雪辱を果たした。


 佐藤氏は、4年前の「郵政選挙」で野田聖子・消費者相への「刺客」として岐阜1区から出馬したが敗れ、比例選東海ブロックで復活当選した。
今回は、引退した小杉氏の後釜として、昨年2月に「国替え」し、「5区で私は新人」として「どぶ板」選挙を展開したが、十分に浸透できなかった。




 福岡3区では、民主党の元議員、藤田一枝氏(60)の当選が決まった。自民党の太田誠一・前農相(63)は小選挙区で敗退し、比例選での復活を目指す。


 2人の対決は4回目で、過去、太田氏が2勝、藤田氏が1勝だった。


 福岡3区は、無党派層が多い都市部と、保守の牙城とされる農村部などが混在する選挙区。
藤田氏は、前回、落選した後は地道にミニ集会を重ねたり、駅前などに立って演説を繰り返したりして選挙戦を優位に進めてきた。


 昨年9月、事故米への対応を巡り農相を引責辞任した太田氏は、自民党への逆風も重なり、これまでにない危機感を抱いて今回の選挙に臨んだ。
自民党の支持層を固めるとともに公明党との選挙協力を進め、こまめな街頭演説などで無党派層にも懸命にアピールしたが、藤田氏に及ばず苦杯をなめた。




 広島4区で、民主党新人の空本誠喜氏(45)が初当選し、自民党元幹事長の中川秀直氏(65)は小選挙区で敗退した。


 中川氏は比例選での復活当選を目指す。


 政府や党の要職を務めてきた中川氏は今回、選挙区に張り付き、連日、個人演説会を開くなどして徹底した組織戦を展開。
「この選挙で古い自民党は完全に終わる。しかし、民主党のバブルもすぐにはじける。その次が大事だ」などと訴えた。


 しかし、衆院解散前、自民党執行部と対立し、「反麻生」の急先鋒(せんぽう)とされた動きに対し、支持者からも「筋が通ってない」と批判が続出。
小泉構造改革を推し進めてきたことを敬遠する声もあり、10選は果たせなかった。




 公明党前幹事長で元国土交通相の冬柴鉄三氏(73)と、新党日本代表の田中康夫氏(53)が激突した兵庫8区では、田中氏が「政権交代」の風に乗り、8選を目指した冬柴氏を振り切り初当選を果たした。


 田中氏は、立候補表明が解散後の7月24日となったものの、作家、元長野県知事としての高い知名度を生かし、街頭演説などを通じて無党派層などの支持を集めた。
推薦の民主党も積極的にテコ入れし、浸透した。


 冬柴氏は、危機感を強め、地元に張り付いて自転車で地域をきめ細かく回り、中小企業対策など与党の実績をアピール。
組織票をまとめたうえ、自民党支持層にも働き掛けたが、自公政権への逆風が響いた。




 自民党の分裂選挙となった宮崎1区は、民主、社民、国民新各党の推薦を受けた無所属新人の川村秀三郎氏(60)が初当選した。


 無所属の中山成彬・前国土交通相(66)、自民党県連が推した無所属新人の上杉光弘・元自治相(67)らは落選した。


 川村氏は、労組の組織票を手堅くまとめたほか、元林野庁長官の経験を生かし、従来は自民党支持者の多い農林水産業の有権者にも浸透。
無党派層にも支持を広げた。


 自民党県連は、中山氏が衆院選不出馬を表明したことを受け、昨年10月に公募で上杉氏を擁立することを決めた。
しかし、中山氏は公示直前になって不出馬を撤回。
党本部は両者とも公認せず分裂選挙となり、川村氏の独走を許した。




 北海道12区では、民主党前議員の松木謙公氏(50)が自民党の武部勤・元幹事長(68)を振り切り、当選を決めた。


 武部氏は比例選北海道ブロックで復活当選した。


 松木氏は、過去2度の衆院選では武部氏に小選挙区選で敗れ、比例選で復活当選した。
今回は、政権交代への期待を追い風に、北見市など都市部で票を伸ばしたほか、新党大地との連携で、弱点だった農村部にも支持を広げた。
また、郵政民営化の見直しを掲げたことで、前回は自民党を応援した地元郵便局長会の全面的な支援も受けた。


 武部氏は選挙区に張り付き、公示後としては初めて離島を訪れるなどこれまでにない「どぶ板」選挙を展開。
元幹事長や元農相の実績を訴えたが、地方疲弊を招いた小泉改革の旗振り役だったことで強烈な逆風を受け、小選挙区ではこれまで自民を支援してきた第一次産業従事者などもまとめきれなかった。




 比例選北陸信越ブロックで、国民新党が議席を確保できず、名簿単独1位の綿貫民輔代表(82)の落選が決まった。


 綿貫氏は13回守った議席を失った。


 綿貫氏は運送会社社長、富山県議を経て、1969年に衆院初当選。
建設相や自民党幹事長などを歴任し、2000年の衆院選後には衆院議長に就任した。


 05年の郵政国会では、反対派の代表格として、郵政民営化関連法案に反対票を投じ、自民党を離党した。
同年の郵政選挙では、郵政造反組の亀井静香氏らと国民新党を結党。
小泉内閣の構造改革路線を「行き過ぎた改革」と厳しく批判した。


 今回の衆院選では、圧倒的な地盤を誇った富山3区を離れ、比例選で出馬した。




 北海道11区は、民主党前議員の石川知裕氏(36)が、9選を目指した自民党の中川昭一前財務・金融相(56)を振り切り、当選を果たした。


 中川氏は比例選北海道ブロックでの復活当選を目指したが、落選が決まった。


 石川氏は、前回2005年の衆院選で落選した後、毎週月曜日早朝の辻立ちで信頼を積み重ねた。
昨年11月には、同郷の鈴木宗男氏が代表を務める新党大地と民主党が選挙協力で合意したことも有利に働いた。
民主党が政権公約(マニフェスト)に「日米自由貿易協定(FTA)の締結」と書き、「促進」に改めたことで農業関係者の反発を招いたが、石川氏は丁寧な説明を繰り返して乗り切った。


 中川氏は、今年2月の先進7か国財務相・中央銀行総裁会議(G7)後の記者会見での失態後、選挙区で「おわび行脚」を続け、農相経験などの実績を積極的にアピールしたが、支持回復にはつながらなかった。




 福岡2区は、民主党新人の稲富修二氏(39)が、自民党元副総裁の山崎拓氏(72)らを抑え、初当選した。


 小選挙区で敗退した山崎氏は比例選九州ブロックでも復活を果たせず、落選した。


 福岡市中心部を抱え、無党派層の多い都市型の選挙区。
「落下傘候補」の稲富氏は2007年10月に立候補が決まって以降、街頭演説やミニ集会を重ねて開き、浸透を図った。
自転車に乗って選挙区を回るなどして若さと清新さをアピールし、無党派層の取り込みに力を入れたことが功を奏した。


 13回目の当選を目指した山崎氏は、地元有力企業や約400団体の支援を取り付け、県議や市議との支持者回りを行うなど組織の引き締めを図ったが、自民党への強い逆風を受け、票を伸ばせなかった。




 東京10区は、民主党新人の江端貴子氏(49)が、自民党前議員の小池百合子・元防衛相(57)を破り、初当選した。


 小池氏は小選挙区で敗退し、比例選での復活当選を目指す。


 江端氏はIT、外資系金融企業、東大の広報担当特任准教授など多彩な経歴を持ち、2007年12月、公認候補に内定。
当時、地元では無名に等しかったが、朝の駅頭演説で名前を浸透させ、無党派層だけでなく、比例選東京ブロックに転じた小林興起氏の支援を得て保守層にも食い込んだ。


 前回郵政選挙では、「刺客第1号」として民主党候補の倍の得票を獲得した小池氏だが、今回は与党への逆風が厳しく、終盤の組織固めも及ばなかった。


 長崎2区では、薬害肝炎九州原告団の元代表で民主党新人の福田衣里子氏(28)が、自民党の久間章生(ふみお)・元防衛相(68)らを破り、初当選した。


 久間氏は比例選九州ブロックでも復活できず、落選した。


 福田氏は、「命をつなぐ政治」をキャッチフレーズに、薬害肝炎に苦しんだ経験を交えて自公政権を批判。
選挙戦終盤は、市民らによる勝手連の活動も活発化して、無党派層だけでなく保守層にも食い込んだ。


 13年ぶりに地元に張り付く選挙戦を展開した久間氏は、九州新幹線の整備など大型公共工事の実績や政治経験を強調。
県議、市議らによる組織選挙を展開し、公明党の推薦も受けたが、原爆投下を巡る「しょうがない」発言や自民党への逆風などで支持が広がらなかった。




 東京12区では、民主党元参院議員の青木愛氏(44)が、公明党の太田昭宏代表(63)との接戦を制し、当選を決めた。
太田氏は比例選に重複立候補していないため、公明党は党首が落選した。


 民主党は、小沢一郎代表代行が岩手4区からくら替えして太田氏と対決することも模索。
東京都議選の大勝などを受け、7月下旬にテレビリポーターなどを務め、小沢氏の「秘蔵っ子」とも言われる青木氏が参院からくら替えし、与党党首に挑んだ。


 青木氏は出遅れたものの、こまめな街頭演説などで浸透を図るとともに、政権交代を訴える民主党への追い風を受け、太田氏と互角の戦いを展開。
党も政権交代の象徴となる選挙区として、幹部を連日投入するなどてこ入れを図り、終盤で抜け出した。


 太田氏は、この選挙区が自公連立政権の最重要選挙区であることを訴え、比例選に重複立候補せず、背水の陣で臨んだ。
選挙区に張り付くこれまでにない厳しい戦いを強いられ、支持母体の創価学会がフル回転したが、自公政権への批判をまともに受ける形となり、青木氏の勢いを止められなかった。




 ◇自民◇


 【首相経験者】
▽海部俊樹・元首相


 【党幹部】
▽笹川尭総務会長


 【閣僚経験者】
▽尾身幸次・元財務相
▽谷津義男・元農相
▽深谷隆司・元通産相
▽杉浦正健・元法相
▽中山太郎・元外相
▽島村宜伸・元農相
▽堀内光雄・元通産相
▽柳沢伯夫・元厚生労働相
▽井上喜一・元防災相


 ◇公明◇
▽太田昭宏代表
▽北側一雄幹事長
▽冬柴鉄三前幹事長





有力者がこうも次々と…。
中川昭一先生や島村宣伸先生が落ちるとは…。

ただの落下傘じゃあない…。
FAEBでも積んでたのか…?

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