2015年06月06日

面白い記事だったので

Blogトップ
前の記事
次の記事
Comments(0)
TrackBack(0)
http://www.asuno-jiyuu.com/2015/06/blog-post_5.html

ある方から頂いたブログの記事が、とっても興味深かったので、若干語ってみようかと思いました。


自分が大学1年生の時、まだ法解釈学ってなんなんだか、右も左もわからない時期に、研究室の先輩から口酸っぱく言われたことは

「自分たちが勉強するのは法解釈学だ、立法論を持ち出してはいけない」

というものでした。



つまり、法解釈学というのは、すでに制定された法律を解釈する学問だから、まずは「法文がどうなっているか」を立論の前提に持ってくること、書かれていないことを勝手に付け足すのは、立法論になるから、NGだと。

だから、憲法学者の方が、憲法9条第2項の文言に拘泥するのは、当たり前の話なのです。
否、仮に今回の関連法案、個人的には賛成の憲法学者さんであっても、法解釈のレベルでは、憲法第9条第2項の文言を無視することなんて、絶対にできないはずなのです。

自民党の方にとっては、背後から弾打たれた気分だったかもしれませんが、残念ながら法解釈の世界においては、違憲という結論になるのは、避けられないこと。
この事実は、正面から向き合わなきゃいけないんじゃないでしょうか。


民主党が呼んだ小林節先生なんて、私のイメージでは、憲法学者の中でもかなり「右寄り」じゃなかったかと思うんですが、簡潔な論理で「違憲」と、抵抗なく意見していたわけですし、これはもう、憲法改正を経たうえでなければ、関連法案を「合憲」とするのは、かなり無理があるということになります。



ちなみに、憲法学の世界では、文言をあまりにも杓子定規に解釈してしまうと、憲法に抵触する法は「無効」となるわけですから、法的安定性を著しく欠くことになります。

なので、可能な限り「合憲と解釈できるように」するというのが、(特に日本の場合)暗黙の了解になっていると思います。

これまでの自衛隊、安保条約についても、違憲とする学者の方は相当数おられますが、一方で「合憲論」を唱える方もいて、ここに言う「合憲論」はまだ、法解釈学のレベルとしては、【合理的な解釈の範囲】というとらえ方もできたかと思います。

(個人的にはかなり無理があると感じてますが)


しかし、集団的自衛権、それに関連する各種文言の定義づけ、これらは、こうした合理的な解釈をもってしても「合憲とするのは無理」

どう考えても、憲法第9条第2項の文言に抵触してしまいます。

となれば、これを合憲とするためには、法解釈のレベルではなく、立法論のレベル、つまり、法律家に頼るレベルではなく、政治家である彼ら自身が何とかしなければならないレベル、ということになるのです。



もっとも、憲法改正については、限界があるというが、圧倒的な多数説。
これは、「憲法制定権力」という、かなり根源的な基礎法学の話も絡むため、一般の方のみならず、法学部の学生さんも理解が進まない分野です。

思いっきり端折って説明するならば、「憲法制定権力によって作られた憲法は、制定権力の授権の範囲を超えることはできない、憲法改正権は、憲法制定権力を一部明文化したものであるから、授権した側の権限を越えて行使することはできない」というものです。

近代立憲主義を支える重要な部分を改正するのは、改正前後で法の本質を変容させるため、不可能(改正ではなく、新たな法の制定になる)

憲法9条がこの「本質的な部分」か否かについては争いがありますが、日本国憲法の最大の特徴は、やはり「平和憲法」であることを思えば、第9条を改正することはできない、という結論になるかと思います。
(ただし、国民主権や基本的人権の尊重に比べ、そこまで重要ではないと考え、改正できるという説も、有力です)




さて、改正権に限界があるとしても、それはあくまでも「法解釈学のレベル」の話です。
改正の限界を超えて、きちんとした手続きを経て改正された憲法は、「新たな憲法」として、命を吹き込まれることになります。

これは、立法論、政治のレベルの話です。
法解釈のレベルでは、この「新しい憲法」の文言に忠実に、解釈を施すことになります。



改正論議に関しては、護憲派も、改憲派も、ときに自分たちに自信がないのではないか、と感じることがあります。
総議員の3分の2の賛成というハードルは高いですが、実はそのあとの「国民投票、過半数」のほうが、はるかにハードルが高いと私は思っています。

改正論者の方も実は、国民投票で「憲法9条は今のままでいい」という現実を、もしかしたら突きつけられてしまう、そのことから逃げているように思えてしまうのですが、私の考えすぎでしょうか。

いずれにしても、法解釈のレベルでは、関連法案を「合憲」とするのは、無理があると申し上げておきましょう。
(合憲論を唱えている学者さんが、どういう理論を展開しているのか、興味あります)

しかし、人間というのは、どこまでも「満場一致」という現象とは無縁の生き物なのだな、と、逆に異論を唱える人の存在に、納得している自分もいたりします。




トラックバックURL

この記事にコメントする

名前:
URL:
  情報を記憶: 評価: 顔   
 
 
 

Recent Comments
訪問者数
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計:

  • ライブドアブログ