2016年12月06日

世界と日本の「インクルーシブ教育」

ここ数年、大学視察でアメリカ、カナダ、オーストラリア、韓国を訪問し、昨夏の学会で、イギリス、ニュージーランド、スコットランド、オマーンなどの人とお話をしました。

日本と諸外国で、常に温度差を感じるのは、「インクルージョン」への思い入れの強さです。

最も強烈にそれを感じたのは、カナダの「インクルージョンアルバータ」という非営利団体との意見交換でした。

「あなたたちは、知的障碍者の高等教育を、なぜ大学の外で行うのか・・・」と。

そこでの議論の焦点は、やっていることの中身よりも、どこでやっているのかでした。


日本でも最近よく聞かれるようになった「インクルージョン」。日本語に訳すと「包摂」。平たく言うと包み込むこと。


日本でも、国・文部科学省は「インクルーシブ教育システムの構築」を強調しています。しかし、国際標準の「インクルーシブ教育」という言葉と、日本における「インクルーシブ教育」という言葉の意味はまったく異なります。

国際標準のインクルーシブ教育の理念においては、分離主義的教育システムである「特別支援学校」の存在は正当化されません。

そこらへんの歴史的経緯やからくりが下記の本を読んでよくわかりました。
この本を読んで、私の中のモヤモヤした世界が一気に開けました。


「合理的配慮」とは何か?
清水 貞夫
クリエイツかもがわ
2016-10-26





先日、ある知的障碍者支援団体の役員の方とお話しする機会がありました。

その中で私は次のような話をしました。

「普通校は少子化で子どもがどんどん減って、学校の統廃合が進んでいます。一方、特別支援学校は飽和状態で、プレハブ校舎を増設してしのいだりしています。だったら、普通校の空き教室を1棟にまとめ、そこに特別支援学校がそのままポーンと移転したらいいのにね。そうして、障碍者と非障碍者が、可能な限り一緒に活動できるようにしたら障碍者に対する理解も広がるのにね。」

すると、「それ、私も同じことを考えていました。」と言われました。同じことを考えている人がいるんだと知って、とっても嬉しかったです。

相模原障碍者殺傷事件のような悲しい事件が二度と起こらないよう、日本も直ちに国際標準のインクルーシブ教育に舵を切るべきだと思います。






kyf2 at 10:00|PermalinkComments(0)TrackBack(0)本の紹介 | この国の福祉

2016年12月01日

4ヶ国の海外視察を経験しての私の思い

表紙
これまで視察した「アメリカ」「カナダ」「オーストラリア」「韓国」の知的障碍者を対象とした高等教育保障の現状について報告書をまとめました。(画像をクリックすると報告書が開きます。)

これまでの海外視察の集大成になっています。

よろしければ是非プリントアウトしてお読み下さい。


130ページにわたる報告書の最後に私は、今の率直な思いを「おわりに」に以下のように記載しました。政治や教育、福祉に携わる方々に是非ご理解いただければと願っています。


 2012年春、鞍手ゆたか福祉会が最初に開設した福祉型大学「カレッジ福岡」がスタートして4年8ヶ月が経過した。日本にはどこにもない知的障碍者のための大学を作り、知的障碍を持つ青年たちにも学びの機会を保障しよう。そんな思いでスタートしたこの事業も時を重ねる中で、通ってくる学生たちの日々の成長、輝き、笑顔は、彼らに関わる私たちに対し、とてつもない驚きと感動を与えてくれる。

 これは、日本の特別支援学校高等部を卒業する多くの人たちの進路先となっている福祉作業所とは明らかに異なる。最大の違いは、成長の度合いとスピードである。その差を歴然と感じたとき、福祉作業所の存在は、「罪」であるとさえ思えるようになった。人は誰しも学ぶ権利がある。社会は学びたい、成長したいという気持ちを持つ人に対し、その機会を提供する義務がある。そのような機会を保障されていない知的障碍者たちは、その権利を剥奪されていることに他ならない。

 私が青年期の学びを「贅沢」と考えるのではなく、当然の「権利」と考えるに至った背景には、私たちが視察してきた国々の実践の存在がある。障害者権利条約のもとで世界は、着実にかつあらゆる場面で「障碍者の権利保障」を進めている。それは大学においても例外ではない。

 とはいえ、この分野は、世界的にみても黎明期であり緒に就いたばかりである。したがって、知的障碍者の大学教育は、どの国のどの大学も現段階では試行錯誤の連続であり、確固としたシステムは完全には確立されていない。

 私たちは、それぞれの視察先で、私たちの実践について意見や感想を求めたいため、ゆたかカレッジの概要や実践内容についてのプレゼンテーションの機会をいただいている。私たちは、ゆたかカレッジのプレゼンに対して、各国関係者がお世辞ではなく本気で称賛してくれている機会を何度も体験した。とりわけ、支援教育プログラムの中で生活スキルの獲得を大切にしていること、スポーツ・文化芸術・行事・余暇活動など、学生たちの日々のQOL(生活の質)を高めるプログラムが豊富に用意されていること、生活技能科を開設し、障碍の重い人たちにも学びの機会を提供していることなどは、海外の視察先の大学ではほとんどみられない内容であり、驚きと共に「私たちもゆたかカレッジの実践から学びたい」という声が多くの人から聞かれている。そこには、ゆたかカレッジが、福祉の視点、すなわち当事者目線での必要性からスタートしたことが背景にあると考えられる。本来、教育もそのような立場にたってカリキュラムなどを構築していくべきであるが、実際には、様々な規制や自由度の狭さからそれが難しい現状があるのではないだろうか。だからこそ、純粋に、知的障碍学生にとって必要な学びとは何かを考えカリキュラムを構築しているゆたかカレッジにうらやましさや魅力を感じたのだと思う。

 私たち視察団は、海外視察を通してゆたかカレッジが向かっている方向や指向している価値は間違っていないという確信を持つことができた。

 それとともに、諸外国の大学関係者が知的障碍者の教育を受ける権利、彼らの成長の機会を提供する権利を保障することを、大学人として、自らの使命として真摯にかつ極めて重要なテーマとして受け止め、一歩ずつ着実に前進していることを知るにつけ、我が祖国日本を顧みたとき、このことに対して前向きに取り組んでいる大学が、現段階においては私の知る限りでは皆無であることが非常に残念でならない。

 日本の大学が、国民全体の教育ニーズに応える社会的責務があることを自覚し、知的障碍者に対し高等教育の門戸を開くべく努力をしていただきたいと切に願っている。

 また、国並びに文部科学省は、各大学のそのような取り組みを後押しする政策を積極的に進めていただきたい。そのことを通じて、日本が障碍者の権利保障の分野で、インクルーシブ教育の分野で、さらには大学の社会的役割の分野で、世界のリーダーとなり世界の牽引役となることを願っている。


 最後に、大変ご多忙の中、私たちの視察を快く受け入れて下さり、多くのことを学ぶ機会を提供して下さった視察先の大学関係者の皆様、また視察をコーディネートして下さった外務省、国会議員の皆様はじめたくさんの協力者の皆様、さらに海外視察研修は法人の予算からは支出できないため、趣旨に賛同して多額の寄付をしてくださった企業様、並びに海外研修のための助成金を採択して下さった公益財団法人木口福祉財団様に心より御礼申し上げます。

 皆様のご支援を胸に、今後も日本における知的障碍者の高等教育保障の前進、実現を目指して、当法人職員一丸となって頑張って参る所存ですので、今後も引き続き、ご指導、ご鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます。

     2016年11月20日

                        社会福祉法人鞍手ゆたか福祉会
                        海外知的障碍者高等教育研究班
                         代表  理事長 長谷川正人






kyf2 at 14:00|PermalinkComments(0)TrackBack(0)海外の大学 | 知的障碍者の高等教育保障

2016年11月30日

「ゆたかの里クッキー」議員会館で販売に向けて

東京永田町の衆議院議員会館(第1・第2)、参議院議員会館の地下にセブンイレブンがあります。

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そこの「障がい者による手作り品コーナー」にクッキー工房ゆたかの里のクッキーをおいていただけるようセブンイレブンの本部の方と話し合いをしました。

味、パッケージ、ロット数、販売価格、仕入価格、納品方法など、いろいろとクリアすべきハードルはありますが、何とか取り扱っていただければと思っています。





そして、国会議員の方々に、障碍者の人たちの「仕事力」をもっともっと知っていただきたいと思います。それをひとつのきっかけとして、知的障碍者の人たちの社会的地位の向上につながることを願っています。

クッキーの味と品質については、グリーンコープのカタログ商品として約20年のお取引の実績があるので、自信はあります!

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セブンイレブンの審査、どうかクリアしますように・・・。

kyf2 at 16:34|PermalinkComments(0)TrackBack(0)ゆたかの里手作りクッキー | 会議・ミーティングに参加

2016年11月21日

「鞍手町内通所4事業所 事業方針説明会」開催

housin今日は、午後1時から鞍手町内の日中活動事業所4事業所(鞍手ゆたかの里・デイゆたか・小牧ワークセンター・じょぶトレーニング筑豊)の保護者を対象に、『事業方針説明会』を開催しました。

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DSC_0816急な呼びかけにもかかわらず、54名の保護者の方々が参加されました。

私の方から「今後の事業方針」として以下の7点について約1時間お話をし、その後30分間、意見交換をしました。

1.社会から隔離された場所での生産活動からインクルーシブな場所での生産活動へ
2.療育活動中心から生産活動や学びの活動中心へ
3.生産活動中心から学びの活動の充実へ
4.「王様・女王様」から日々成長する当たり前の「人間」へ
5.バナナ・パパイヤなどの南国フルーツ・胡蝶蘭栽培で工賃の大幅アップを
6.親の高齢化、親亡き後のためのグループホームの拡充へ
7.「理事長への意見箱」の開設

保護者の皆様のご理解もいただきましたので、これから方針の実現に向けて、法人法人職員一同が一丸となって頑張っていきたいと思います。

今後とも皆様のご支援・ご指導をよろしくお願い申し上げます。







kyf2 at 15:00|PermalinkComments(0)TrackBack(0)通所4事業所保護者会 

2016年11月16日

仕事の拠点を古巣「鞍手ゆたかの里」に

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昨日より、鞍手ゆたかの里に勤務しています。

これまでは、福岡市多の津のカレッジ福岡の職員室にデスクを置き仕事をしていましたが、2012年度からスタートした「カレッジ」の事業も、福岡において無事第一期生を社会に送り出すことができ、またカレッジ職員も私の考えをしっかりと理解し任せられるようになってきたと判断したための異動です。

そこで今後は、私の仕事の拠点を古巣である鞍手ゆたかの里のスタッフルームに、13年ぶりにデスクを置き、兼ねてからの当法人の懸案であった「鞍手町内通所4事業所の改革」(作業活動の「企業内生産活動化」)と、「保護者の高齢化・親亡き後のためのグループホームの整備」(サンガーデン6・7号館新築による定員増)等の課題に着手したいと考えています。


作業活動の「企業内生産活動化」は、利用者の生き甲斐・働き甲斐の増加、社会の障碍理解だけでなく、利用者工賃の大幅増をももたらしています。

当法人で最初にこの活動に取り組んだ「ワークセンター宇美」では、障害支援区分6の最重度の利用者さまの月額工賃が1万円を超えました。おそらくまだまだ伸びしろはあると思います。(さとだより7月号に特集しています。)

ここで、鞍手ゆたかの里をはじめ、鞍手町内日中活動4事業所の職員を見守り支えながら、これからの「インクルーシブ時代」に相応しい日中活動事業所づくりを通じて、当法人としての新たな福祉の変革に取り組んでいきたいと思います。

これからの当法人日中活動事業所の飛躍に乞うご期待です(^O^)v



また、平成15年、定員30名でスタートしたサンガーデン鞍手は、6年後の平成21年に定員37名に、さらに5年度の平成26年には定員39名となりました。

それでもサンガーデン鞍手には、まだまだ大勢の方が入所待機されています。そこで、平成29年春、サンガーデン6号館と7号館を開設し、定員を更に16名増やす予定です。

グループホームは、数年前からの建築基準法、消防法の規制強化で、従来型の中古住宅の改修による開設は非常に難しい状況があります。そのため、現状では、グループホームについては新築するしかない状況があり、ここ数年、資金面等でなかなか新規開設はありません。そのような状況の中、サンガーデン6・7号館の開設は、多くの皆様にとっての朗報だと思います。

こちらも乞うご期待です(^O^)v



もちろん、「ゆたかカレッジ」の更なる発展、知的障碍者の高等教育保障についても、引き続き奮闘して参ります!

今後ともよろしくお願い申し上げます。






kyf2 at 09:00|PermalinkComments(0)TrackBack(0)鞍手ゆたかの里 

2016年11月11日

障がい者所得倍増議連の勉強会に参加

今日は、参議院議員会館の会議室で、『障がい者所得倍増議員連盟』の勉強会が開催され、私もオブザーバーとして参加させていただきました。

今回の勉強会のテーマは、『障がい者の高等教育の機会拡大(大学等のキャンパス・空き教室の利用促進等)について政府からヒヤリング』です。

まさに、私たちゆたかカレッジが目指していることを、議連でも積極的に取り組んでいただいており、先日の「カレッジ早稲田」視察に引き続き、今回の勉強会が開催されました。
レジュメ2

まず、議連の鴨下一郎会長よりご挨拶です。
会長挨拶

藤末

勉強会の前半の司会を議連事務局の那部智史さんがされていました。
那部さん2

勉強会には、政府から以下の方が参加されました。

文部科学省 高等教育局 学生・留学生課長
厚生労働省 社会・援護局 障害保健福祉部 障害福祉課長
勉強会3

また国会議員は、以下の11名の先生方が参加されました。

鴨下一郎 衆議院議員(自民)
河野正美 衆議院議員(維新)
小宮山泰子 衆議院議員(民進)
笹川博義 衆議院議員(自民)
安藤裕 衆議院議員(自民)
赤枝恒雄 衆議院議員(自民)
野田国義 参議院議員(民進)
野間健 参議院議員(無所属)
福島みずほ 参議院議員(社民)
藤末健三 参議院議員(民進)
山口和之 参議院議員(無所属)
勉強会5

勉強会2

勉強会4

最初に、文科省より「高等教育段階における障害のある学生支援について」というテーマで報告がありました。
文科省

次に、厚労省より、障害者総合支援法の「自立訓練(生活訓練)」と「就労移行支援」についての説明があり、当当法人のゆたかカレッジの取り組みの制度的背景等について報告されました。

その後、私の方から、先日の韓国・ナザレ大学の視察報告をさせていただき、韓国における知的障碍者の大学受け入れの実情等についてお話しさせていただきました。
ナザレ大学

最後に、ご列席の国会議員の先生方から、文科省、厚労省、私に、多くのご質問をいただき、活発な意見交換が行われました。

日本も知的障碍者の高等教育保障に向けて、一歩ずつ前に進んでいます。





kyf2 at 18:00|PermalinkComments(0)TrackBack(0)会議・ミーティングに参加 | 障がい者所得倍増議員連盟

2016年11月06日

日本の成年後見制度は根本的に問題

当法人では、「成年後見制度は利用者の権利擁護のための制度である」と信じ利用の促進をしてきました。

その結果、当法人が運営するグループホームの利用者さまの中には、多くの成年後見制度を利用している方がいます。

しかし、成年後見制度の実態は、これが本当に被後見人の人権を守る制度なのか、どちらかというと権利を侵害する制度ではないのかと思うことが少なくありません。

もちろん後見人の方は、一生懸命にやってくださっています。世の中のほとんどの後見人は、被後見人の権利を守るために奮闘されていると思います。実際、当法人の利用者さまの後見人の弁護士さんや、社会福祉士事務所を経営している私の友人も、しばしば被後見人さんのところを訪問し、それはそれは一生懸命にその人の自己実現のために寝る間も惜しんで奔走されています。

しかし、この制度自体の欠陥、すなわち制度の根底に流れる価値観、人間観が誤っていると思います。

今日の毎日新聞の社説は、とても興味深い内容で、まさに「我が意を得たり」という感想を持ったのでご紹介したいと思います。



タイトルは、『社説 成年後見制度 誰のための利用促進か



『認知症や知的障害などのため判断能力にハンディのある人の財産や権利を守るのが成年後見制度である。この制度の利用を促進する法律が通常国会で成立し、内閣府の委員会で具体的な方策が議論されている。

認知症の人が増加し財産侵害などの被害は多発している。制度の重要性を国民が理解し、後見人の担い手を増やすことは必要だ。不正防止のため家庭裁判所を補完する機能の強化、親族や市民後見人を支援する仕組みの導入など、委員会では大事な改善策が検討されている。

しかし、現行制度が抱える根本的問題については議論が足りない。後見人には認知症や知的障害のある被後見人の意思を尊重する義務が法律で定められているが、判断能力にハンディがある人の意思をどうやって尊重するかが現行制度には何も定められていないのだ。

たとえ後見人が認知症や知的障害の特性を理解しておらず、本人の意思に反する判断をしたとしても、誰もチェックできていない。財産流用などの不正が発覚しない限り、後見人を代えたり、後見制度の利用をやめたりすることも事実上できない。

選任件数が増えている弁護士や司法書士が後見人になると平均毎月2万〜3万円の報酬を払い続けなければならないのにである。

誰のための制度なのかという点に立ち返った見直しこそ必要だ。

むしろ、現実は逆のことが起きている。入所施設を利用する際に後見人の同意が求められ、施設に入るために後見人を付ける人は少なくない。自由やプライバシーのない入所施設で何十年も暮らすこと自体が人権侵害だと欧米では考えられ、少人数での家庭的な暮らしを保障する流れが定着しているのだ。

一方、日本では家族の意向や行政の判断で多くの障害者が入所施設におり、最近は後見人が本人の意思を確かめようとしないまま、施設入所を決めている例もよく聞かれる。

利用者からすれば、報酬を払った上に権利を制限され、しかも自分の意に沿わないことを後見人に決定されているようなものだ。

判断能力にハンディのある重度障害者の意思をどうくみ取るかという「意思決定支援」が最近は支援者の間で研究されている。海外では多数の実践例を蓄積し、本人の意思を中心にした福祉への転換を図っている国がある。日本でも通常国会で改正された障害者総合支援法に意思決定支援の必要性が明記されている。

本人の意思を十分にくみ取った支援こそ成年後見制度に最も必要だ。財産管理が中心の現行制度を根底から見直し、本人が利用したくなる成年後見にしなければならない。』




上の茶色の部分に書かれていることで、私は昨年12月に参加した成年後見制度についての学習会で、オーストラリアの取り組みの話がとても印象的で、目から鱗の学びとなりました。

その内容はこちらです。
→「成年後見制度の学習会で学んだこと」(2015年12月9日ブログ)

ポイントは、「判断能力にハンディのある人」の代わりに誰かがその人に代わって判断するのではなく、「判断能力にハンディのある人」がどのような意思決定支援をしたら、その人なりの判断ができるようになるのか、そこにこそ視点をあてて制度設計するべきだと思います。


私は、一社会福祉士として言わせていただくならば、今の日本の成年後見制度は、被後見人の権利侵害の制度であり、障害者権利条約にも違反しているため、早急に抜本的な見直しを行うべきだと思います。


今回の毎日新聞社説の論説者の見方・考え方は素晴らしいと思います。

これからの日本の成年後見制度のあるべき姿について、多くの人に考えていただければと願います。

kyf2 at 19:00|PermalinkComments(0)TrackBack(0)政治のこと | 人権擁護・虐待問題

2016年11月05日

韓国・ナザレ大学を視察

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11月3日(木)、当法人職員ら12名で韓国のナザレ大学に視察に行きました。

今回の視察では、5月のカナダ視察に引き続き福岡女学院大学の猪狩恵美子教授、拙著『知的障害者の大学創造への道』を出版したクリエイツかもがわの田島社長のお二方も同行されました。

当法人の職員たちは、11月2日(水)の通常業務を終わらせてから、18:30に福岡空港国際線ターミナル集合。
20:30福岡空港発の飛行機で韓国・仁川国際空港に21:50到着。
仁川空港近くのホテルに到着したのは、夜11時過ぎ。皆さん、おやすみzzz
それから翌朝8時にホテルを出発。仁川空港駅からAREXでソウル駅へ、ソウル駅からKTXで天安牙山駅へ。
10時30分、ナザレ大学のスタッフさん3名が、天安牙山駅までお迎えに来て下さいました。
皆さんに至れり尽くせりしていただきました。

11月3日(木)は、午前11時から午後7時半まで、ナザレ大学の皆様は、長時間にわたって私たちと交流をしてくださいました。

視察が終わった後、ナザレ大学の皆さんが再び天安牙山駅まで私たちを送って下さり、名残惜しくも皆さんとお別れしました。それから私たちはソウルに移動し、夜10時をまわっていましたが、明洞の海鮮料理屋でマッコリを飲みながら遅くまで楽しく過ごしました。

そして翌11月4日は、皆さん思い思いのソウル観光やショッピングなどを楽しみ、18:15仁川空港発福岡空港行の飛行機で帰国しました。参加者の皆さん、おつかれさまでした。


さて、視察の内容について簡単にご報告いたします。


視察のプログラムは以下の通りです。

11:00〜11:30 オリエンテーション(自己紹介・挨拶)
11:30〜12:00 リハビリテーション自立学科の授業見学
12:00〜12:30 教員、学生との昼食懇親会
12:30〜13:00 「ゆたかカレッジ」プレゼンテーション
13:00〜13:30 意見交換会
13:30〜14:00 ナザレ大学 林承安(イム・ショウアン)総長と懇談
14:00〜15:00 「障碍学生支援センター」の見学・概要説明
15:00〜16:00 「自立生活支援センター」「生活館」の見学・概要説明
16:00〜17:00 「補助工学センター」の見学・概要説明
17:30〜19:30 夕食懇親会



私たちは、アメリカやカナダ、オーストラリアなどの知的障碍者を受け入れている大学の視察をこれまで何度か行ってきましたが、日本とお隣のこんなに身近な国である韓国にこれほど素晴らしい取り組みを行っている大学が存在することを知り、正に目から鱗でした。


とりわけ私たちが感銘を受けたことは、知的障碍者を正式な「ナザレ大学大学生 」として受け入れ、所定の単位を取得したら知的障碍者も学士号をいただけるということです。

また、生活館やドウミ制度という画期的な仕組みにより、教育と生活支援が車の両輪の如くしっかりと行われている点です。

さらに、生活館や1、2年次の授業では、障碍者と非障碍者とが完全にインクルーシブな環境で生活できている点が素晴らしいと思いました。まさに、非障碍学生にとって、障碍者に対する偏見や差別をなくすためにとても有効な取り組みだと思いました。


日本は、まだまだゼロ地点で、スタートラインにすら立っていない状況ですが、ナザレ大学という具体的な目標が見えたことで、私たちもなお一層、 知的障碍者の高等教育保障に向けて奮闘していきたいと心を新たにしたところです。

本当にありがとうございました。




その一方で、ナザレ大学の林総長はじめ、教授の先生方は、「ゆたかカレッジ」の実践も素晴らしいと称賛してくださり、今後も大いに切磋琢磨してよりよい教育的支援を進めていきましょうと評価して下さいました。




詳細は、後日報告するとして、とりあえず視察の様子を写真で紹介します。


11:00〜11:30 オリエンテーション(自己紹介・挨拶)
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11:30〜12:00 リハビリテーション自立学科の授業見学
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12:00〜12:30 教員、学生との昼食懇親会
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12:30〜13:00 「ゆたかカレッジ」プレゼンテーション
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13:00〜13:30 意見交換会
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13:30〜14:00 ナザレ大学 林承安(イム・ショウアン)総長と懇談
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14:00〜15:00 「障碍学生支援センター」の見学・概要説明
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15:00〜16:00 「自立生活支援センター」「生活館」の見学・概要説明
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16:00〜17:00 「補助工学センター」の見学・概要説明
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17:30〜19:30 夕食懇親会
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今回のナザレ大学視察が実現した背景には、多くの方々のお力添え、ご支援がありました。


神戸大学大学院の渡辺昭男教授、ナザレ大学の知的障碍者の高等教育について長年にわたり研究をされてきている神戸大学大学院の津田英二教授、神戸大学大学院院生の金丸彰寿さん、それから神戸大学大学院院生で韓国人留学生の張主善(チャン・ジュソン)さんです。

また、私たち視察団の受入れを中心的に対応して下さったのが、ナザレ大学教養学部の崔得鎭(チェ・ドゥクジン)教授、リハビリ自立学科学部長の金宣奎(キム・ソンギュ)教授、それからナザレ大学リハビリ自立研究所所長の禹周亨(ウ・ジュヒョン)教授です。

そして、皆様のお取りはからいで、今回の視察では、ナザレ大学総長の林承安先生にもお会いすることができました。

また、通訳の李昌建さんには、とてもわかりやすく丁寧な通訳をして下さり、私たちの学びをより充実させてくれました。ありがとうございました。

皆様には、本当にお世話になりました。
ありがとうございました。



おまけ・・・無事ナザレ大学視察研修を終えて明洞へ・・・
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参加者のみなさん、おつかれさまでした!





kyf2 at 20:00|PermalinkComments(1)TrackBack(0)海外の大学 | 知的障碍者の高等教育保障

2016年10月30日

社会福祉事業特別功労者表彰

去る10月26日(水)、春日市のクローバープラザ大ホールで、『平成28年福岡県社会福祉大会』が開催されました。

その中で、社会福祉事業特別功労者として、福岡県社会福祉協議会会長より表彰されました。両親、法人職員の皆さんはじめ、これまでお世話になった多くの方々のおかげです。

私もまもなく56歳。還暦まで後4年。
このようなものをいただく年になったんだ・・・。

でも、まだまだ頑張ります!

福祉大会

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kyf2 at 22:00|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

2016年10月17日

「大学創造への道」書評掲載

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日本知的障害者福祉協会が発行している月刊誌『知的障害福祉研究〜さぽーと〜』の今月号(2016年10月号)に拙著「知的障害者の大学創造への道」の書評が掲載されました。(画像をクリックすると拡大します。)

福祉協会様、ありがとうございました。



kyf2 at 17:00|PermalinkComments(0)TrackBack(0)知的障碍者の高等教育保障 | 『知的障害者の大学創造への道』