ホームページへ医学博士・臨床心理士 姜 昌勲

きょう こころのクリニック 院長のブログです。

2011年02月

出版書籍原稿:睡眠薬について②

きょうです。

睡眠薬の解説の続きです。

過去記事
前回記事は「睡眠障害について」
また、睡眠障害について簡単な説明は「マイタウン奈良掲載記事」を参照ください。

②ベンゾジアゼピン系
③非ベンゾジアゼピン系

睡眠薬のなかで一番多く用いられているのはベンゾジアゼピン系です。一番種類が多い。種類が多いので、作用時間で分類しますが、半減期を指標とします。半減期とは、薬物血中濃度が体内でちょうど半分になる時間をさします。薬がどの程度効果持続するのか、ひとつの目安として使用されます。

村崎光邦先生の論文から引用します。

血中濃度半減期  薬剤名(商品名)       半減期    Tmax
による分類     

超短時間型    トリアゾラム(ハルシオン)   2.9            1.2
           ゾピクロン(アモバン)      3.9            0.8
           ゾルピデム(マイスリー)    2.3       0.8

短時間型     ブロチゾラム(レンドルミン)  7        1.5
           リルマザホン(リスミー)    10.5      3
           ロルメタゼパム(エバミール) 10       1-2

中間型       ニトラゼパム(ベンザリン)  27        2
           スタゾラム(ユーロジン)    24        5
           ニメタゼパム(エリミン)    12-21     2-4
           フリニトラゼパム(サイレース)7-24      1-2

長時間型     フルラゼパム(ダルメート)   6-72      1-8
           ハロキサゾラム(ソメリン)   42-123    2-8
           クアゼパム(ドラール)     36-116    4-22

Tmaxというのは、最高血中濃度到達時間。つまり、薬が一番効果を発揮するのに要する時間を指します。
睡眠薬の場合は、短ければ短いほど「早く効く」ということになります。

上記の薬はほとんどベンゾジアゼピン系の薬ですが、ベンゾジアゼピン系の問題として前回述べたバルビツール酸系ほどではありませんが、依存性があるます。
非ベンゾジアゼピン系には依存性はさらに少ない利点があります。超短時間作用型のアモバン・マイスリーが非ベンゾジアゼピン系です。アモバンは古い薬で、副作用として「苦味」があります。マイスリーは新しく、苦味の副作用はありません。アモバン-苦味=マイスリーと考えていただければわかりやすいかと。

睡眠薬は睡眠障害のタイプに応じて、使い分けます。
睡眠障害のタイプは三つに分けられます。

入眠障害・・・ 寝つきが悪い。
中途覚醒・・・ 一旦寝付いても、途中で目が覚める。
早朝覚醒・・・ 朝早くに目が覚める。

もうひとつ、思春期の患者さんにみられるものに「概日リズム障害」というものがあります。これについては、また次回述べます。
入眠障害のタイプには、短時間作用型を。早朝覚醒のタイプには、長時間作用型を用いるというわけです。
ですから、半減期が長くてもTmaxが短ければ、たとえ中間型でも入眠障害に使用できます。

処方のポイントとしては
①出来るだけ睡眠薬の使用はシンプルに。まずは単剤から。
②複数使用する場合も睡眠障害のタイプを見極めたうえで、同じタイプの睡眠薬を複数同時に使用しない。(例:アモバンとマイスリー、という同時処方は駄目。)
③ネットで違法に流通しているような薬は処方しない。ハルシオンやエリミンは僕のクリニックではNG処方です。


このあたりの記事が参考になるかもです。
【違法】診療所がエリミンを大量に横流し……えっ!エリミン? 「ぽん太のみちくさ精神科」さん
エリミンやハルシオンの乱用|向精神薬の問題を考える5 「弁護士小森榮の薬物問題ノート」

これで作用機序でわけた①②③が説明できました。
①バルビツール酸系
②ベンゾジアゼピン系
③非ベンゾジアゼピン系
④メラトニン受容体作動薬

次回は、昨年日本で新発売された④メラトニン受容体作動薬について説明したいと思います。
ではまた!
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今後のブログ計画や出版予定について

きょうです。

出版書籍について、いろいろ記事をアップしているわけですが、一応今後の計画について記しておきたいと思います。
・このブログでは、現在出来ている原稿をアップしているわけではなく、足らない部分や改善すべき部分をアップしています。ですので、延々と書籍原稿記事がアップされていくわけではありません。

・出来るだけ、自分ならではの視点を入れて原稿・記事を書こうと心がけています。単なる疾患や治療、くすりの話なら書籍はいくらでもあります。「客観的な情報・事実」に加えて、(児童)精神科医としての僕の臨床経験から感じたことを積極的に盛り込んでいきます。ただし、独りよがりなエキセントリックな意見にはならないよに気をつけたいとも思っています。

・時期としては、4月中にはある程度記事のアップを済ませたいと考えています。なんとか今年中の出版を目指したい。ただ、秋の日本児童青年精神医学会には間に合わないかな。。

あまり、堅苦しい記事ばかりにならないように気をつけますが、どうしても書籍出版を優先的にブログ記事がしばらくアップしていくと思います。

日常の軽い発言は、ツイッターでつぶやいています。
こんなことを書いてほしい、聞きたいこと、なんでも @kyo556 あてにつぶやいてください。
ではまた!


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出版書籍原稿:睡眠薬について

きょうです。
本日は、書籍に載せる予定のQ&Aについて書いてみます。


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精神科で用いるくすりにはどんなものがありますか

精神科で用いる薬は、向精神薬とよび、「麻薬及び向精神薬取締法」という法律にて厳重にその管理がさだめられています。向精神薬にはさまざまな種類があります。


まずはみなさんの身近で比較的良く使用される睡眠薬から説明しましょう。僕もたまに服用していましたが、最近は運動や規則ただしい生活を送ることをこころがけ、睡眠薬に頼ることもなくなりました。睡眠薬は適切に使用することで快適な生活を送れるツールですが、使用する際は必ず医師の指導・処方の下でよろしくお願いします。


睡眠薬について教えてください

市販されている睡眠薬もありますが、これは向精神薬ではなく「睡眠改善薬」というものです。風邪薬やアレルギーの薬を飲んだときに眠くなることがありますよね。これは抗ヒスタミン薬の主成分である塩酸ジフェンヒドラミンの副作用です。で、この塩酸ジフェンヒドラミンの副作用である催眠作用を活かして作られたのが睡眠改善薬です。「ドリエル」がはじめて日本で市販された睡眠改善薬で、以降さまざまなメーカーから市販されています。


それでは、向精神薬の睡眠薬(睡眠目的で使用される向精神薬ということですね)について解説しましょう。

二つの分類方法があります。
作用機序と、作用時間からの分類です。


まずは作用機序から。

①バルビツール酸系
②ベンゾジアゼピン系
③非ベンゾジアゼピン系
④メラトニン受容体作動薬

①バルビツール系
昔ながらの睡眠薬。依存性も強くまた大量服薬にて死亡する可能性が高いので、最近はほとんど使用されることはありません。フェノバルビタールは抗てんかん薬として使用されますが、睡眠薬として使用されることは現在はほぼありません。というか僕は睡眠薬の用途では処方しません。
フェノバルビタールと、抗精神病薬である塩酸クロルプロマジン(コントミン)の配合剤であるベゲタミンという薬がありますが、これは良心ある精神科医は処方してはいけません。理由は二つ。

依存性が強い。
ベゲタミンAは真っ赤な毒々しい錠剤です。その強烈な外観から「赤玉」と呼ばれ、ネットなどで流通しているくすりです。
大量服薬にて死亡する。
依存性が強く、パーソナリティ障害などをもつ人たちから処方を強く求められることがあります。リストカットや大量服薬(オーバードーズ:ODと略されます)などの行動化を来たしやすい患者さんには絶対処方してはいけません。


ということで、それなら診療の構造化・限界設定としてすべての患者さんに処方しない、というほうがわかりやすいと思います。なぜ他の人には処方してわたしには処方しないの?となりますので。


さて、②以降はまた次回アップしましょう。

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本を出版します。「児童精神科外来101のQ&A(仮)」@遠見書房

きょうです。

twitterやら、facebookやら始めました。
徐々にブログとも連携をしていきたいと思います。

さて、みなさまにお知らせを。
遠見書房さんから、わたくし姜が本を出版します!
自費出版でなく、商業出版です。
売れたら印税入ってくる!「売れたら」ですけどね・・
現在鋭意執筆中です。

題名は「児童精神科101のQ&A(仮)」
この出版計画は実は二年前からありました。
なんだかんだと時期が延びに延びているわけですが。

人から頼まれる原稿などは締め切りがあっても、「自分の本の出版」には締め切りがありません。
ADHD傾向バリバリの自分的にはこれほど過酷な執筆状況は無いわけで。

この状況を打破すべく、「執筆(むりやり)自動化システム」を構築することにしました。

編集者の方とは、自分的には非常に気が合います。そこにつけこんで(?)ブログに足りない部分を書籍の宣伝も兼ねて適宜アップし、原稿完成を目指すことになりました。
このあたりは厳密に言うと権利関係が難しいのかもしれませんが、こういう形での完成を目指すことについて快諾いただけて本当に嬉しい。
とりあえず前書きから一部抜粋。
 多くの研修医、若手精神科医、臨床心理士などが、児童精神科医療に携わってくれることを願っています。

 臨床心理士の資格を取得したときに使用したときのテキスト(臨床心理士・心理学試験対策標準テキスト:徳田英次著)に、知識を深めるためのプロセスについて書かれていたことが興味深かったので、引用します。
 「勉強のはじめにやるのに良い本は、それから勉強する分野のできるだけよい地図になる本です。心理学の専門用語でいうと、有意味受容学習が重要です。有意味受容学習では先行オーガナイザーが重視されます。学習は、以前からの知識に新たに学習された知識が捉えられ、記憶の場所を見つけて定着することで成立します。そこで前もって持っている知識の網の目、適切な先行オーガナイザーが重要になるのです。」

 この本は、101のQ&Aからなります。どこから読んでいただいても結構です。ひとつの「児童精神科医療」全体の地図を知るためのガイドブックと考えてください。そして、自分が行ってみたい場所がみつかったら、また新たなガイドブック(専門書)を買って、旅してください。
 そしてこの本が、そんな方々への「先行オーガナイザー」としてささやかな道しるべとなれば、こんなにうれしいことはありません。児童精神科医療にたずさわる方が増えて、多くの悩んでいる親子、先生たちの助けとなってくれることを願って。
ということで、定期的に原稿(というか、原稿のタマゴです)をアップしていきます。記事アップが途絶えそうなら読者のみなさま、尻を叩いてやってください。

ではまた!
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臨床心理士による発達相談と思春期相談

きょうです。

すっかり暖かくなってきましたね。
冬の間はダウンジャケットがお気に入りでした。リュックサックになんでもかんでも物を詰め込んで、職場であるクリニックや講演や学校医など移動していましたが、そろそろ軽装で衣替えが必要になってきました。

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職場のはなしで言えば、現在僕は学園前と大和西大寺で診療しています。メインは学園前で、学園前のクリニックの特色は児童思春期外来があることです。

児童思春期外来については非常にやりがいのある仕事なのですが、以下の問題があります。
診察の労力が大人の2倍かかる(家族への説明なども必要)が、診療報酬請求上の優遇はわずかである。

採算性の問題や、児童精神科医の不足から、児童思春期外来を持つクリニックや病院が少ない

予約待ちが非常に長い。

これは奈良県だけでなく、全国に共通している問題です。
改善するにはどうするか。児童精神科医それぞれ個々の努力に頼るような根性論でなく、児童思春期外来のシステム整備が必要です。

具体的にはどうすれば良いのか。
救急医療におけるトリアージの考え方が、解決のヒントになるのではと思っています。

何でもかんでも児童精神科医が診察していくのは不可能です。
臨床心理士とタッグを組み、まず臨床心理士の相談を活用する。そして重症度・緊急度を判断して必要なら児童精神科医の診察を利用する。

このような流れが作れないかといま模索しています。

ということで、きょうクリ学園前では臨床心理士による発達相談と思春期相談を開始しています。
児童精神科医による児童思春期外来は予約待ちが5月くらいになってしまいますが、臨床心理士の相談枠は予約待ちは比較的短いです。

発達相談
対象: 就学前のお子様で、発達の偏り(自閉症・アスペルガー障害・AD/HD・LDなどの軽度発達障害)についてお悩みのご本人、およびご家族
また、就学以降の発達相談もしておりますが、20歳以上の成人につきましては女性のみを対象とさせていただきます。
    
料金: 1コマ(45分) \4500    
    基本的に、お1人様につき1回1コマとなります
    (1時間を超える場合は6000円となります。)
    ※保険は適用されませんので保険証は不要です
       
思春期相談
対象: 就学後のお子様(18歳以下)で、不登校や心身症についてお悩みのご本人、およびご家族(ご家族だけの相談もお受けいたします)
    
料金: 1コマ(45分) 3000円   
    基本的に、お1人様につき1回1コマとなります    
    ※保険は適用されませんので保険証は不要です


お申し込み:お電話(0742-53-0556)ください。その際、「臨床心理士による相談希望」と受付にお伝えください。よろしくお願いします。


という感じで、一人でも多くの子どもさんや保護者さんの安心に役立てるように、良いシステムを構築して、引き続き頑張りたいと思います。

ではまた!

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