きょうです。

本日、NHK クローズアップ現代で「うつは心から治せるか 注目される認知行動療法」が放映されていました。

このような特集が放映されることも知らず、偶然テレビをつけたらやっていましたので、いやまあこんなこともあるもんだとバッチリ視聴させていただきました。

NHKの「ためしてガッテン!」でLOH症候群(ロー症候群)が放映されたときも患者さんからの質問が多かったのですが。

たぶん、明日以降の診察でも認知行動療法の質問が多くなると思われる。

NHKのホームページから内容をコピペしてみた。(上記リンクにもあります)

「うつ病の治療法として、従来の薬物療法に加えて「精神療法」への期待が高まっている。最新の調査で、薬の過剰投与が自殺につながる危険や、患者の3割は薬が効かないことが明らかになったためだ。中でも注目されている治療法の一つが、高度なカウンセリングによって悲観的過ぎるものの見方などを改め、うつを“心”から治す「認知行動療法」だ。英国での実験で再発率を抑えられることが判明。日本でも今年度から国が診療報酬を出し始めている。しかし日本では、心理学や社会学もマスターし“全人的”なカウンセリングを行える医師が少なく、臨床心理士なども国家資格として認められていないため、担い手が不足。思うように広がっていない。うつ対策の切り札として期待される精神療法、その可能性と課題を探る。」

う~ん、なかなか突っ込みどころの多い内容。

まず、放送では触れられていませんでしたが、基本的におさえておかないといけないポイントを。

国は、医療費の保険負担を抑制する方向であり、これは今後も変わりません。

具体的には健康保険の自己負担はかつてサラリーマンで1割でしたが、いまは3割になっています。
つまり、昔は9割、国民健康保険や社会保険で負担してくれていたのが、7割に下がったと言うことです。
おそらく、5割負担になる日もそう遠くないのでは。

このような状況で、臨床心理士を国家資格にして、診療報酬を請求できるようにしよう、という放送で紹介されていた論調は無理があります。
国の財政的に、不可能なわけです。

そもそも、精神科医の行う「精神療法」ですら、二年に1回の診療報酬改定のたびに点数が下がり続けています。自殺者は2000年から3万人オーバーが続いているにもかかわらず。毎日、100人自殺しているわけです。こんな異常な社会って許されるのでしょうか?
一人の自殺者患者さんの背景には、数倍の自殺未遂者が存在し、その自殺未遂者の背景にはまた数倍の予備軍がいると言われています。また、自殺者の多くはうつ病をはじめ何らかの精神疾患に罹患していたという報告もあります。

この「一億総うつ時代」とも言える異常事態を打開するにはどうしたら良いか?ちょっと建設的に考えて見ましょう。

国の制度に頼るのは無理があります。
内科医、外科医など一般身体科医は精神科医と連携を。
精神科医は、臨床心理士やカウンセラーと連携を。

「国の公的保険負担に頼らない」質の高いカウンセリングルームが増えていくことが望まれます。
なんでもかんでも、国民皆保険でまかなえない時代です。

つまりは、「患者さん側にも、保険を使わない治療を積極的に選択していく必要があり、それを理解していただかねばならない」というわけです。
認知行動療法を保険診療で行うのは、番組でも紹介されていたように医療機関の採算性がまったく取れません。

もちろん、短時間の認知療法は保険診療でもできます。辛い状況になると人間視野が狭くなります。柔軟な思考が出来なくなります。考えっていろんな考え方があるんだよ、というなげかけをしてあげるのが治療者の役割なので。

さて認知療法には患者さんの協力が必要です。僕が取っている方法は、患者さんに当院が作成した(というか、いろんな機関のいいとこどりをした)生活リズム表をわたし、日々の気付きを記録していただき、診察のたびにフィードバックをするものです。
うつ病患者さんは真面目な方も多いし、またエネルギーが低下しているひとも多いのであまり負担になるような課題めいたことはさせないほうがいいです。気楽にやっていただくのが一番。

カウンセリングルームなどでは、1回のカウンセリングは50分前後と充分な時間をとってくれますがその分費用も5000円から高いところで1万円かかるところもあります。
ただ、人生のトータル的に考えると、それは安い投資であり、必要な費用であった。
と、納得していただけるように、クオリティをあげていく必要がわれわれ臨床心理士にも望まれるでしょう。

と、臨床心理士資格を持っている精神科医だからあえて言ってみた。

本日はこの辺で。ではまた!

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