きょうです。

睡眠薬の解説の続きです。

過去記事
前回記事は「睡眠障害について」
また、睡眠障害について簡単な説明は「マイタウン奈良掲載記事」を参照ください。

②ベンゾジアゼピン系
③非ベンゾジアゼピン系

睡眠薬のなかで一番多く用いられているのはベンゾジアゼピン系です。一番種類が多い。種類が多いので、作用時間で分類しますが、半減期を指標とします。半減期とは、薬物血中濃度が体内でちょうど半分になる時間をさします。薬がどの程度効果持続するのか、ひとつの目安として使用されます。

村崎光邦先生の論文から引用します。

血中濃度半減期  薬剤名(商品名)       半減期    Tmax
による分類     

超短時間型    トリアゾラム(ハルシオン)   2.9            1.2
           ゾピクロン(アモバン)      3.9            0.8
           ゾルピデム(マイスリー)    2.3       0.8

短時間型     ブロチゾラム(レンドルミン)  7        1.5
           リルマザホン(リスミー)    10.5      3
           ロルメタゼパム(エバミール) 10       1-2

中間型       ニトラゼパム(ベンザリン)  27        2
           スタゾラム(ユーロジン)    24        5
           ニメタゼパム(エリミン)    12-21     2-4
           フリニトラゼパム(サイレース)7-24      1-2

長時間型     フルラゼパム(ダルメート)   6-72      1-8
           ハロキサゾラム(ソメリン)   42-123    2-8
           クアゼパム(ドラール)     36-116    4-22

Tmaxというのは、最高血中濃度到達時間。つまり、薬が一番効果を発揮するのに要する時間を指します。
睡眠薬の場合は、短ければ短いほど「早く効く」ということになります。

上記の薬はほとんどベンゾジアゼピン系の薬ですが、ベンゾジアゼピン系の問題として前回述べたバルビツール酸系ほどではありませんが、依存性があるます。
非ベンゾジアゼピン系には依存性はさらに少ない利点があります。超短時間作用型のアモバン・マイスリーが非ベンゾジアゼピン系です。アモバンは古い薬で、副作用として「苦味」があります。マイスリーは新しく、苦味の副作用はありません。アモバン-苦味=マイスリーと考えていただければわかりやすいかと。

睡眠薬は睡眠障害のタイプに応じて、使い分けます。
睡眠障害のタイプは三つに分けられます。

入眠障害・・・ 寝つきが悪い。
中途覚醒・・・ 一旦寝付いても、途中で目が覚める。
早朝覚醒・・・ 朝早くに目が覚める。

もうひとつ、思春期の患者さんにみられるものに「概日リズム障害」というものがあります。これについては、また次回述べます。
入眠障害のタイプには、短時間作用型を。早朝覚醒のタイプには、長時間作用型を用いるというわけです。
ですから、半減期が長くてもTmaxが短ければ、たとえ中間型でも入眠障害に使用できます。

処方のポイントとしては
①出来るだけ睡眠薬の使用はシンプルに。まずは単剤から。
②複数使用する場合も睡眠障害のタイプを見極めたうえで、同じタイプの睡眠薬を複数同時に使用しない。(例:アモバンとマイスリー、という同時処方は駄目。)
③ネットで違法に流通しているような薬は処方しない。ハルシオンやエリミンは僕のクリニックではNG処方です。


このあたりの記事が参考になるかもです。
【違法】診療所がエリミンを大量に横流し……えっ!エリミン? 「ぽん太のみちくさ精神科」さん
エリミンやハルシオンの乱用|向精神薬の問題を考える5 「弁護士小森榮の薬物問題ノート」

これで作用機序でわけた①②③が説明できました。
①バルビツール酸系
②ベンゾジアゼピン系
③非ベンゾジアゼピン系
④メラトニン受容体作動薬

次回は、昨年日本で新発売された④メラトニン受容体作動薬について説明したいと思います。
ではまた!
人気ブログランキングへぽちっと押していただければ嬉しいです☆