きょうです。
先日の「発達障害と非行」の聴講録でも述べたように、幼少期の生育はその後の人格、パーソナリティ形成に大きな影響を与えます。ということで、本日はパーソナリティ障害について考えてみました。

Q.パーソナリティ障害について教えてください。

パーソナリティ障害はかつて人格障害と訳されていました。「人格障害」という呼び名は何かと誤解を招くので、最近はパーソナリティ障害と呼ばれるようになっています。また、パーソナリティ障害にはさまざまなサブタイプがあるのですが、「境界性パーソナリティ障害」が多くをしめるので「境界例」と呼ばれることもあり、「境界例」と「パーソナリティ障害」をほぼ同義にとらえる考え方もあります。

ただ、児童思春期においては発達の途上であり、パーソナリティが未確立であるのでこの時期にパーソナリティ障害と診断することはできるだけ控えなければなりません。また、パーソナリティ障害においてみられる両価性や中庸のない白黒をはっきりつけたい認知思考などは思春期においてかならず通過するものであり、その後自我同一性の確立やパーソナリティの確立につながります。つまりパーソナリティ障害独特の認知思考が思春期の子どもに認めたからといってパーソナリティ障害と性急に診断できないわけです。ただ、だからこそパーソナリティ障害の症状、治療方法を知ることは思春期の子どもたちに接するにあたり有用といえます。

境界例的特徴とは?

平井孝男先生の名著、「境界例の治療ポイント」にまとめられています。

小児的思考、行動化、自我同一性の障害です。
あまりに解説がわかりやすいので、一部出典ページを明記したうえで引用いたします。

小児的思考の説明をしてください。(p124)
境界例の方は、見かけの大人の裏に、実に子どもっぽい考え方がひそんでいます。たとえば、少しでも嫌なことがあると、それを人のせいにして攻撃したり(投影同一視とも呼べる)、好き嫌いが強すぎて全体としてみることができなかったり(分裂のこと)、都合の悪いことは忘れたり(否認)、他者に対する期待をもちすぎたり(理想化)、ちょっとした嫌なことがあると相手を全面的に嫌になったり(脱価値化)といった考えです。

防衛機制のあまりにわかりやすい解説ですね。
他にも非常にわかりやすい説明が満載です。若手精神科医、臨床心理士は全員平井先生の本を買うべきです

このようなゼロ百思考は最近ネット上でもよく見られますね。「all or nothing」の思考とも呼ぶのですが、中庸の感覚がわからないわけです。境界例的特徴は摂食障害患者さん、とくに自己排出型の患者さんにも非常によくみられます。

では境界例に対する治療的アプローチはどのようなものでしょうか?
次回に続きます・・・

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