きょうです。
杉山登志郎先生の講演を聴いてきました!
もう説明の必要が無いくらい、超有名な先生ですね!
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発達凸凹ってなに?って方は、杉山先生の「発達障害のいま」を読んでください!

おもに医師対象の研究会でしたが、会場は超満員でした!
みんなの期待でムンムン(死語w
そして期待以上の、素晴らしい講演でした!
発達障害は成人の精神科医にとってもさけてとおれない。
くすりの使い方については、エビデンスはそんなにないが独特である。
一言で言うと少量処方
 リチウム 1mg、5mgとかの処方(注:100㎎の間違いではないです)

発達障害が少子化にもかかわらず増えている
 ・自閉症:1970年代0.04%→21世紀以降0.2-0.4%に
 ・自閉症スペクトラム障害 は1970年代0.08%-0.2%→21世紀以降1-2%
 ・個別指導が必要な子:2クラスに1名→クラスに5名程度に
 ・単遺伝子疾患と多因子モデル

グレーゾーンの発達障害診断こそ専門性が求められる
 発達の問題をかかえているひとが多い。そういう時代である。

診断名の告知、診断の告知
 障害と言うことばは家族に受け入れにくい
 障害という言葉は子どもたちになじまない
 だから凸凹をつかう 発達障害に展開しないように、と
 将来への希望につながる情報を出す。

発達障害対応のコツ
 医者が治すのでなく、教育が大切
 医療は側面援助

最も大切なのは健康な生活
 心身の養生ができていないと発達の全体的な向上は望めない!
 悪循環で薬をだしてもしょうがない
 養生訓
 適度な情報!
 興奮が収まりにくい脳をもっている 
 →小学校の子どもにはゲームを与えないでと言っている

○○訓練はお稽古ごとと同じ
 普遍化されないと意味が無い
 凸凹レベルでも汎化が難しい
 言語訓練 家で、学校でやれないと意味が無い

発達障害への薬物療法
 対症療法である、しかし中核的な問題に作用している
 トラウマが入ると一挙に臨床増が増悪する それぞれのくすりがピンポイントであたらない
 やはり対症療法
 子どもへの薬物療法は慎重が期せられる 大多数は少量処方

・気分障害とASD
 SMD 重度の気分の情動調律障害
 DSM-5では入ってくる
 合併している人は多い 

・3歳くらいの親 
 いまが一番大変と伝える
 ASD,通常より遅れて小学校から愛着がようやく形成される

処方例) NLP 3mg ピレチア 5mg
 なぜかNLP使える 睡眠リズムを整える 副作用が少ない

・抗多動薬(コンサータ)の適応
 非社会的行動には効かない
 
・並行治療
 親の不具合があるのに子どもが幸福に過ごすことは困難
 親のカルテをつくって並行治療

神田橋処方
桂枝加芍薬湯(ツムラ60)と四物湯(ツムラ71)の組み合わせ、朝夕
ときには
桂枝加竜骨牡蛎湯 と 十全大補湯 の組み合わせもある
                
・エビリファイ 3mg以上使わない 賦活に入ることがある
最も大切なのは健康な生活、養生訓というのは大いに納得。といいますか、最近は井原裕先生をはじめ、どの先生も規則正しい健康な生活の重要性を説いています。くすりより先にするべきことがある、というわけですね。
 また、訓練も汎化できてこそのものである、というのも大いに同意。ですから、子どもたちが長い時間を過ごす学校での具体的、構造的支援が不可欠になるのです。

質疑応答、例によってさせていただきました。今回は最前列で気合十分!

「ASDの患者さんにうつが多い、との話でしたがそもそもうつがあるから受診するのであって、背景にはうまくすごしているASDの人たちもかなりいるのではないか?バイアスの問題はどうでしょうか?」と質問しました。
 
杉山先生:アスペの会のデータでは、うつの罹患率が5倍から8倍になる。
 これは内的な問題、セロトニン系の弱さを有するということを言わざるをえない
 療育でお母さんにがんばらせないことも大切。

「同時並行治療で、親がカルテを作ることをかたくなに拒絶する場合があります。保護者の抵抗についてはいかがでしょうか」
杉山先生:子どものために親のカルテを作る、と説明します。

僕のクリニックでは、ほとんど親のカルテは作らず、子どものカルテのみで治療にあたっているのですが、親子並行治療というのもひとつの可能性を秘めていると感じました。
ただし、医療費がかかるのが問題ですね。 

他の方の質問。
「緘黙の治療はどうすればいいか?」
杉山先生:クロミプラミン 5mg~10mgをつかうこともある。しかし、緘黙はある程度の年齢になると治らない
入院治療が良い。家から離れて入院すると言うのが治療的効果が高い。

フロアから質問が途絶えたので、またまた質問させていただきました。
「EMDRに関しては、どの程度の時間をかけているのか?通常保険診療の枠でできるのか?」
杉山先生:EMDR 3分程度 
チャンスEMDRという技法もある。トラウマ的なネガティブ発言が出てきたときにその場でおこなう。
パルス刺激を発する器具を用い、数分で終了する。

このあと、どんどん質疑が活発化していきました。
素晴らしいおはなしが聞けて本当に感激しました。

そしてもうひとつ、書いておきたいことがあります。
今回は、南大阪児童思春期臨床研究会という会でした。
これは、特別講演と、そのあとにケースカンファレンスがあり、ケースカンファに特別講演の先生もコメンテーターとして参加するという非常に面白い研究会です。はじめて参加しましたが、来年以降もぜひ参加したいと思えた会でした。

阪南病院の作田泰章先生がケース発表されたのですが、非常に感動しました。
ケースに関してはもちろんこの場では書けないのですが、作田先生の熱い臨床の思いが伝わってくる発表でした。
児童精神科医には、冷静さは必要です。しかし、ときおりでも、損得勘定にとらわれない、何かに突き動かされる情熱をみせるべきだと思うのです。
その情熱を、作田先生にみれて、僕は非常に感動したのですよ。
「子どもの将来をおもって、寝るときに涙することもありました、どうなってしまうのだろう、と」
それほど大変な症例でした。
ドラマのように、精神科医の短期間のかかわりで子どもが変わっていく、なんてことはリアルではまずみられません。
でも、子どもたちの行先、道中で接点となって接することで、間違った道に子どもたちが進むのを修正するくらいの力は、精神科医にはあると思うのです。
いろいろ熱い気持ちを思い出させてくれて、作田先生ありがとうございました!

本当に有意義な会でした。
僕もさらに臨床、執筆に頑張ろうとパワーをいただけました!
本日はこのへんで、ではまた!

パワー出して書き上げた一冊です!
「児童精神科医が教える子どものこころQ&A 70」 

「他人(ひと)とうまくいかないのは、発達障害だから?」
80466-1

おとなの発達障害の本も出しました! 原因探しにとらわれない、行動指針を書きました!
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