きょうです。
本日は沖縄からお届け。全国飛び回っておりますが、今回の沖縄滞在目的は、トライアスロンです!って昨日のブログでも、荷造りテンパっている様子を書きましたね。
無事に荷造りして、輪行して、ホテルに着きました!
近鉄電車で三宮まで一本、そこからポートライナーで乗り継いだらポートライナー出口がチェックインカウンターに直結!神戸空港、めちゃくちゃ便利です!
これは知らなかったです^^
しかしWikipediaをみると、結構苦戦しているようですね…
もったいないです><
 さて、僕の近況はこれくらいにして、本日は「診察室でよくある質問シリーズ」です!
そんなシリーズあったんですか、って感じですけど、確か過去記事でも書いたはず…
ちょっとまた探してタグ付けしておきます。 
本日の質問は、「精神科のお薬っていつまで飲めばいいんですか?」
さて、これはなかなか難しい問題です。
疾患や状態によってそれぞれ考え方は異なります。

飲み続けるべきケース

例えばてんかん発作や統合失調症の患者さんなどは、一生飲んだ方が良い場合が多い。
そもそも薬をやめれるなら、統合失調症というより急性一過性精神病エピソード、って言えるのかもしれません。
統合失調症の人で、ものすごく安定していて、その人の急性期エピソードを知らなかったりすると、ついつい向精神薬を減量中止したくなるのですけど、それでエラい目になったこともあります。本当にわずかの量の抗精神病薬でコントロールされていることは結構ある。
再燃するたびに、社会適応のベースラインが下がるとも言われており、やっぱり再燃予防のために服用を継続した方が良いと考えます。
女性の方でも無事に妊娠出産された方を何人も知っています。

うつ病について

うつ病なども、反復性のうつ病患者さんは一生涯飲み続けた方が良いでしょう。単回エピソードとしても、症状が安定して3ヶ月から半年程度は服用を続けた方がベターです。そこから漸減中止できるケースは結構あります。

うつ病患者さんで働いている方で、休職されている場合。よく誤解されるのが「薬を飲むのをやめてから、復職してください」って上司の方に言われたりします。これは間違いです。

復職すると、またストレス要因が増えます。薬をやめること、ストレス要因が増えること、再燃するリスクファクターが増えます。

ですから、抗うつ薬を服用しながら、復職して、そしてゆっくり減量すべきなのです。

不安障害について

さて、それでは不安障害や強迫性障害などはどうでしょうか?
不安発作で車に乗れない、パニックや回避症状のために生活がままならない不安障害の方やパニック障害、手洗いや確認を繰り返す強迫性障害などは。

パキシルなどのSSRIが劇的に効くケースを何人も経験しています。
「私の苦しみは何だったんでしょうか」「平気になりました」
と皆様喜ぶというより驚かれます。

中には、家族に「もう一生飲んでおき」と言われる方もあるようです。

この場合は、薬を服用することによって得られるベネフィットと、リスク(短期リスクと長期リスク)をはかりにかける必要があります。
リスクが無い薬はありませんから。
そしてリスクの種類にもよります。
抗うつ薬の長期服用リスク、そもそもSSRIについては日本では発売してまだ十数年程度ですから、これからデータが集積されていくことになるのでしょうが、よくあるのは「肝機能障害」です。もっともこれは抗うつ薬に限った話ではありませんよね。
市販の薬でも起こりえますし、アルコールのほうがよっぽど怖いとも言えます。
脳に何か不可逆的な変化が起こらないか?っていうことも懸念されますが、これは難しい問題で、わからないとしか言いようがありません。抗うつ薬については脳神経細胞の新生を促すことにより効果を発揮するとか、海馬の萎縮が改善したとかポジティブな研究はありますけど、製薬会社が絡んでいることもあるので、ネガティブデータがどの程度出てくるか、ですよね。

ただ、結局、前述したベネフィットとリスクの天秤、これでベネフィットが大きいのならやはり服用した方が良いでしょう。
劇的に生活改善して生き生きと日常生活を送っている患者さんをみるとそう思います。

さて、以上おとなの疾患について主に述べましたが、それでは児童についてはどうでしょう?これはまた機会をあらためてしっかり書きたいと思います。

本日はこの辺で、ではまた!
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