<広島の土砂災害から丸2年報告2>
広島土砂災害により、いまだ手つかずのまま放置されている家もあります。まだ時が止まったままの人、やっと進みだした人、歩みだそうとしている人など、復興への道のりはまだ始まったばかりです。
私たちは安佐南区緑井の上組町の町内会で行われた追悼式に参列させて頂きました。法要を行ったのは、広島密教青年会の有志の方たちです。仏教でいうと今年で3回忌となり被災されたみなさんと祈りを捧、供養させて頂きました。忘れたいけど、忘れられない現実がそこにありました。
これからのまちづくりをどうしようか?など課題は山積みです。避難路を作ってほしいと要望したものの、受け入れてもらえなかった地域、災害では被害がなかったにも関わらず避難路の建設により、立ち退きを迫られ、コミュニティを分断させられた人など、その上で住民が望む安心・安全なまちづくり・コミュニティづくりを模索しています。
8月20日の中国新聞に「当事者の視点で検証」と題して、「それぞれの世帯が抱え込む事情や生活ニーズは、時間とともに変わってくる。きめ細かく寄り添う行政が求められる」と述べ、続けて「とりわけ災害弱者の視点は欠かせない。障害者団体でつくる日本障害フォーラムなどは今年5月、障害者と防災を巡る全国の当事者アンケート結果を公表した。6割以上が『地域の防災訓練に参加したことがない』と答え、福祉避難所のありかをほとんどが知らなかった。いざというときに障害者が取り残されかねない現実を突き付ける。改善策として自力避難の難しい『避難行動要支援者』名簿の活用を望む意見が強い。障害者の死亡率が健常者の2倍以上となった東日本大震災を踏まえ、3年前の改正災害対策基本法で作成を自治体に義務付けたものである。ただ広島土砂災害では市の名簿は安否確認などに生かされたとは言えない。」また「『災害は平時に隠れている地域の課題をあぶり出す』とは、21年前の阪神・淡路大震災以降の変わらぬ教訓だ。多様な当事者の視点を借りた地域点検こそが防災力の源になる。そのことを忘れてはなるまい。」と伝えています。
災害が多発し、過去の災害の記憶が薄れていく中で、各被災地に目を向けその教訓を生かせるよう、犠牲者の命を無駄にしないようにしていきたいものです。