4月に入り猛烈な暴風に見舞われている、西原村。

地震後から時折聞かせてもらっていた、阿蘇の外輪山の一つ、俵山から吹き下ろされる季節風「マツボリ風(かぜ)」である。

あまりの強風なので、地域を回ってみると、全壊して取り壊された後に建てられた運動会に使われるようなテントを物置小屋代わりに使われているお宅が多数あるが、幾つかがすでに吹き飛ばされ、あるいは風圧によって骨組みが折れてしまっているテントも幾つかあった。

西原村の風当(かざて)地区。「この風が一番当たるから、風当なんだよ」と地区の方。

他の地区に比べて、確かに特に風がひどく感じる。

「周りに地震で家もなくなって、木も少なくなったからか、今年は特に風がひどく感じる」

「とにかくこの風がおさまらないと、どうしようもない。地震の後はなんだかいろんなことが起きる気がする。」

 

これからの作付けのために畑に張られたマルチが風で飛ばされたり、屋根のブルーシートがめくれ上がっていたり。ゴーゴーとうねる風の音、揺らされる電柱や信号機、これ以上何も起こらないことを願うばかりである。

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▲テントが飛ばされて修理も大変


そんな中、夜、布田地区の公民館において、地震の後の断層の状態がどうなのか、特に布田地区、小森地区、畑地区、風当地区に隣接する「大峯山」の中の断層の状態、亀裂なども含めて今後の余震などによる影響、また6月に迎える梅雨の時期の影響などについて、熊本大学や防災科学技術研究所の専門家の方々からの実際に実地調査をされての今の現状について、住民の方々への説明や意見交換を行う研修会が布田地区の地域再生委員会の主催で開かれた。

 

今後、昨年のような規模の地震が発生する確率が少ないこと、だが今後の大雨による影響で土砂崩れなどが発生する可能性を孕んでいるところも少なからずあること、特に人家に被害が及ぼされるところはそれほど多くないが、ただいざという時のための備えや避難ということを充分に準備しておくことなどが話された後、住民の方々からの質問など意見交換が熱心に行なわれた。

やはり気になるのは、ご自身の自宅への影響がどうなのか、またこれから住宅再建をしたとして、そこは安全なのか、そのことがやはり気がかりで、そうした具体的な「◯◯地区のここは大丈夫か?」や「安心がないと元の地域に戻ることはできない。もし予測があるのであれば教えて欲しい。今後の地震の可能性と崩落の可能性の有無について教えて欲しい。」という質問などもやりとりされた。

 

地震後に片付けのお手伝いをした、久々に再会したお母さんは、「さっきの話の中には自分の宅地のところの断層がどうかということはなかったけれど、実際はこれからの再建をどうしようか悩んでいる。住宅のすぐ裏にあった牛舎があったところに亀裂が走っていたので、それを見た父が心配をしてなかなか家族の中でも再建先について決まらない。」とこぼした。


再建をこれからどこにするべきなのか、またご自身にとって安全で安心できるところはどこなのか。なんとなくも先行きを考えつつも揺り戻し、また前を見て、という振り子のように揺れる気持ちを誰もがどこかで抱えているのを垣間見た、研修会だった。(鈴木隆太)


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