2016年07月

<災害時におけるボランティア事情―51>
 今朝午前11時、やっと気象庁は九州地方の梅雨明け宣言をしました。今年は、熊本地震の被災者のことを考えると、この宣言がどれほど待ち遠しかったか?
 さて、九州北部地区からのボランティアバスですが、いよいよ夏休みに向けて熊本支援ボランティアを活性化するために、下記のように大学による被災地へのボランティア派遣にもボラバスを提供することにしました。

 一昨日の16日は、西南学院大学熊本地震学生ボランティアが総勢23名で西原村に行き、活動を展開しました。現場からのレポートを下記に紹介します。(武久真大)
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本日は、「高遊コミュニティセンター」で足湯・縁日お手伝いをするチームと、お花畑開墾・ひまわり迷路づくりチームに分かれ、随時メンバーを変えながら学生21名、職員2名がボランティアバスとして参加しました。以下は、被災者の声です。

・今年は毎年やっていたおまつりの場所が、がれきの集積所になっているから、おまつりはないのよ。実際、ないって聞いたわけじゃないけど、でもきっとない。だから、こうしておまつりがあるのはとても楽しい気持ちになるわ。(保護者さん)
・学校のプールが今年はなかった。だからこうして、水に入れるのは嬉しい。またプールに入りたい。(小学生中学年)
・いま娘は働きに出てるんだけど、今日は保育園も休みだから、ばばが孫の面倒を見てるの。でも家にいさせても退屈するだけだから、じいじがこのおまつりを教えてくれたの。孫も楽しそうでよかった。
・食器はねぇ、2/3が割れたから、まだまだ。もらったガラスの食器も、怖くてまだ箱から出せねぇ。
(お孫さん3人のおばあさん)
・あ!この前の食器の!今日は何してるのー?(足湯とおまつりのお手伝いですー。食器、また明日ここでやるんですけど、あの後足りてますか?)
ぼちぼちってところだねぇ。いやー、また会えて嬉しいよ。こうしてまた来てくれたんだねぇ。(若いお母さん)
・今日は知らない子もたくさんいるな。外の子も来てるんだ。そうかそうか。(高遊地区の区長さんの1人、碇さん)

◎足湯を受けられたのは、主に水遊びをしたかった子どもさんの層(でも、お湯がいい!という子どもさんもいました)と、子どもが遊んでいるのを見ている保護者さんの層が多く、高齢の方はいないという年齢層の若い珍しい足湯の場でした。だいたい15名ほどに足湯できました。予報に反して昼からは晴れていた西原村ですが、ひさしの下でやっていた日陰で、お湯に浸かりながら皆さんリラックスされていました。お子さんも水をかけてきたりもせず、水の感触を楽しんでいたのと、大人と同じく手をもまれたことが嬉しかった子もいるようです。
また東京の団体さんが仕切られた縁日全体では130食のかき氷が出た、ということなので、来場者の方もそれくらいの数になると思われます。
ボランティアを受け入れる側の反省点として、支援者側の情報共有の甘さがあったように思います。というのは、はじめは素手でお花を植えるだけ、と聞いていましたので、足湯や子どもたちの遊び相手に備えて軽装備で構いません、と言ってしまっていたのですが、蓋を開けると鍬や電動草刈機が出てくる始末。鍬はともかく、おいおい、電動草刈機のような機械は元々の話と違うやんけ、と西南の職員さんと顔を見合わせる一幕も。
また到着早々、足湯の準備もさせてもらえずに、花畑に植えるメッセージプレートを書いてもらいます!メッセージ動画も撮ります!ということになり、学生の中には「いや、俺、西原村とか知らないし。初めて来たし。」とぼやいている子もいて、事前にこういう企画趣旨でお花畑をつくります、と聞いていれば、調べ、考えてきてもらうこともできたのかな、と申し訳なくなりました。

避難所から仮設住宅へと生活のフェイズがシフトし、支援者が展開していく活動も地域に拠点を作ったり、新しい人脈づくりをしたりと変わっていく最中で混乱もしやすいかとは思いますが、(センパイ)ボランティアが(シンジン)ボランティアに、ボランティアさせることで満足してしまっている「ボランティア」になっていないか、少し足元を見つめなおさないといけないな、と心を引き締めたいと思いました。

*なお、同大学は次回派遣を8月中旬に予定しています。

◎こうしたボランティア・バス企画に、ご支援くださいましてありがとうございます。また、ボランティア・バス企画を提案していきますので、今後ともよろしくお願い致します。

<災害時におけるボランティア事情-50>
 熊本地震から3ヶ月が経ちました。亡くなられた方は49人、関連死は10人となりました。亡くなられ方には心よりお悔やみ申し上げます。また、被災者の方には心よりお見舞い申し上げます。そして、県内の避難所にはまだ13市町村で4592人(14日現在)が避難されています。
 仮設への移行が少しずつ進んでいますが、梅雨に入り九州各地で豪雨が続き、思うように復旧作業も進まないどころか、大雨により各地でがけ崩れや土砂崩れなどの2次災害が起きています。被災者に追い打ちをかけるような災害続きで、被災者の心労も絶えません。
 ちなみに、被災地での「危険」とされた住宅の敷地が約2700件に上ることも判明しました。

 現地にいるスタッフの鈴木が被災者の方から聞いた言葉を紹介します。
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「見てみなっせ。畦が全部くえて(崩れて)もうファイトも出ません。これを見てると。もう何の気力も出てきませんです。上もほれ、くえとるでしょ。水が上からこっちに流れるけん、どうしようもなかです。」

 6月からの雨は、地震による傷跡にしみ込み、いたるところで大小様々な崩落が見られます。

「でも、ウチ(みなし仮設で入居しているお宅)にいても缶詰と同じで、何も仕事がないから結局毎日ここの畑に来たら、仕事がたくさんあるから。」

仕事とは、生き方、生き様の意であることを教えられました。
住む土地に生かされていることを痛感する毎日です。
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 震災から、3ヶ月が経ち当然のことではありますが、被災地はそんなすぐには復旧も復興も進まないという事実をつきつけられる言葉です。阪神・淡路大震災で、高齢者向けのグループハウスをつくった園田苑の中村大蔵さんが「仮設住宅はあくまでも『仮設』。生活に『仮』はない」と言いました。そんな言葉を思い出すような被災者の方の言葉が心に響きます。
 あたりまえだった生活を奪われた人たちにとって、そんな当たり前の生活や暮らしを取り戻すには時間がかかるとともに、その土地に生きる、生きようとするひとり一人の生き様があるのでしょう。私たちに求められているのは、そのひとり一人に寄り添うことです。
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◎引き続きご支援をよろしくお願い致します。
「熊本地震」活動支援金を募集しています。
 郵便振替 口座番号:01180-6-68556/加入者名:被災地NGO恊働センター
 *お手数ですが、通信欄に「熊本地震」と明記下さい。
銀行から振り込む場合は、
 ゆうちょ銀行 支店番号:一一九(イチイチキユウ)店/店番:119/当座0068556/受取人名:ヒサイチNGOキヨウドウセンター

(なお、「熊本地震」支援活動の一部は、公益社団法人Civic Forceからのご支援を戴いてパートナー事業として展開しております。)

<災害時におけるボランティア事情-49>
 九州では、立て続けに雨雲が流れ込み、各地で大雨が降り続いています。被災地では家屋の片付けや屋根の補修が思うように進まず、不安な日々が続いています。

 西原村では、木造仮設50戸、プレハブ仮設252戸の計302戸が完成し、順次引っ越しが進んでいます。雨の晴れ間をぬうように引っ越しされているようです。
 引っ越した被災者の方は、「やっぱここは落ち着くわ。一晩寝て、今日で2晩目だよ。やはり6人で狭いし、息子たちは自宅(全壊)で寝てます」と。他の方は、「やっぱ狭いね。3人で4畳半2間だもの。外に水道はないし、どうなることか。でもしてもらっているから、我慢しないといけないね」とあきらめ模様です。また、別の人は「孫が泊りにきてね。押し入れのところが、ドラえもんみたいで、めずらしがってそこに泊まっていったよ」、「車がないとお年寄りは買い物が不便よね。近くにスーパーもないし」と話してくれました。仮設生活が始まったばかりで、みなさんほっとしながらも不安と期待に心が揺れています。
 西原村では、買い物ができるように仮設住宅にお店を作る予定をしています。50戸に1つの集会所も建設されています。今後ボランティアも関わりながら、住み心地のよい仮設生活ができていくといいなと思います。
 19日には当センターのスタッフわかばちゃんが開く「わかばmeeting」の人たちや西原村社会福祉協議会とともに仮設でサロンのお手伝いや食器市を開催する予定です。

 そんな中で、7月10日の読売新聞「簡易住宅を『仮設』認定 大規模災害で初」という
ニュースが飛び込んできました。記事には「熊本地震で被災した農畜産業者らを対象に内閣府が、自宅敷地内に設ける簡易住宅「ユニットハウス」を災害救助法に基づく仮設住宅として認めることが9日、 わかった。同法の適用により、設置費用は国と市町村が負担する。農作業や家畜の世話などで自宅を離れにくい被災者の声に応えた。大規模災害で簡易住宅を仮設住宅とするのは初めてという。」ことが書かれていました。
 すでにボランティアがモデル的に敷地内に簡易住宅を建てている動きもあります。このような建物を仮設として災害救助法で支援してくれれば、被災者にとっても安心して自宅を再建できるのでしょう。
簡易住宅_s

 これは、前から私たちも提言していました。昨年の常総市でも半壊家屋が多く、大工さんを待ちながら、いまだに応急修理の水周りだけ工事が終わったまま、不自由な生活をしている人もいます。水害で半壊でもほとんど家財道具は水につかり、一階の天井近くまで水が染み込んでいる家屋が多く、農家や広い敷地ではそこで仮設があればどれだけ被災者の方が救われるかと感じていました。
 熊本地震では、半壊でも仮設に入居できるようになり、敷地内にユニットハウスが認められれば、仮設と同じもので、お風呂も台所もつけることができれば、特に農家の人は地元を離れずに住み慣れた環境で生活を続けることができます。もっと災害救助法を柔軟に運用し、被災者に寄り添った制度を認めてもらいたいです。
絆_s

<災害時におけるボランティア事情-48>
 今年に入って初めての台風1号が観測されています。とても勢いが強いそうで、九州から本州でも大雨の影響が懸念されています。これまでも、屋根のブルーシートのことを何度も訴えていますが、これから台風シーズンを迎える九州では、心配の種は尽きません。被災者の方にとっては、余震や雨など心休まるときがありません。
作業前_s

 今回、屋根だけではなく豪雨により被災各地で土砂崩れが発生し、地震で被害を免れた方でも土砂が家屋に流入し避難生活を余儀なくされた方もいらっしゃいます。「台所にいきなり土砂が流れてきた」という被災者の方に足湯をさせてもらいました。

 また、今回の地震の後に出産され、3人のお子さんを抱え、新築されたばかりの自宅の前の石垣がこの大雨で崩れかけた方もいらっしゃいます。それでその石垣にブルーシートを張り、2次災害を防ぐ処置を施しました。
擁壁_s

 地震により、地盤が緩んでいるところへ、雨水が染み込みいつ崩れてもおかしくないような状態の危険個所が各地に点在しています。

大工さんの指導のもと、擁壁の上に建つ家がこれ以上崩壊しないように、家屋から擁壁にブルーシートをかけ、被害拡大を防いだ家屋もあります。そのためには、丹精込めた庭木も伐採しなくてはなりません。それで、僧侶でもあるスタッフの鈴木に伐採をするために、そのお宅にあった家を守ると言われている「荒神様」を祀る南天の木にご家族とともにお参りをして、作業にとりかかりました。
荒神様_s
お参り_s
ブルーシート1_s
ブルーシート2_s
ブルーシート中_s
ブルーシート3_s

 また、もともと土砂災害の危険区域に指定され、自宅をどうするのか悩みながら、県や国の対応を待ちながらも、再建への道を歩みだそうとしている人もいます。
危険地域_s
土砂災害_s
お地蔵さん_s

 先日6月27日の熊本日日新聞「新生面」で報じられた阪神・淡路大震災時の神戸新聞社説を以下に紹介します。

―1995年の神戸新聞に「被災者になって分かったこと」という社説がある。阪神・淡路大震災が起きて3日目、当時 論説委員長だった三木康弘さん(故人)が書いた▼「あの烈震で神戸市東灘区の家が倒壊し、階下の老いた父親が生き埋めになった。三日目に、やっと自衛隊が 遺体を搬出してくれた。だめだという予感はあった」と社説は書き出されている▼つづられているのは社論というより、全くの個人の体験である。自力ではもちろん、消防団や消防署に頼み回っても父を助け出せない筆者は、無力感にさいなまれる。そして「これまで被災者の気持ちが本当に分かっていなかった自分に気づく」と書いた。社説は大きな反響を呼んだ▼その神戸新聞社を先ごろ訪ね、震災を知るベテラン記者に話を聞いた。烈震で傾いた社屋は解体され、前より港に 近い場所に移っている。神戸市内に残る震災遺構の在りかを尋ねると、「実はあまり残っていないんですよ」と浮かぬ顔になった▼わずかな遺構の一つ「神戸港 震災メモリアルパーク」には、波止場の一部が保存してある。割れて折れ曲がった岸壁を見れば、破壊のすさまじさを感じられる。だが、それも熊本地震を経験 したばかりの身だからではないか、とも思う▼被災しなければ実感できないこともある。それを伝えていくことの難しさは、震災から21年たった神戸の課題でもある。まだ早い、それどころではない、と言われるかもしれないが、熊本でも何を残すか考えておかなければならない。

<災害時におけるボランティア事情-47>
前号のニュースで、当NGOと共に活動した大工さんの話を紹介しました。今回のような余震が長く続く地震災害の場合は、屋根の瓦がずれることで被害を増大させることが明らかになったが、そのためには大工さんのような専門家がボランティアと一緒になり、適確な指導のもと、ブルーシートがけをすることで被害の増大が免れることもある。そのためには、大工さんのような専門家に災害時のブルーシートがけという仕事に従事してもらうか、ボランティアに即戦力として役に立つような、最低限の研修を受けてもらい、大工さんに準じて、ボランティアの自己責任でブルーシートがけに関わってもらうかという方策を考えることが急務だ。今回の熊本地震の場合、ブルーシートがきちんと張られており、雨漏りがしなければ、補修再建が可能であった被災家屋も少なくなかったようだ。
災害ボランティアセンターが、こうしたニーズにどう対応するかが緊急の課題でもあり、今後につなぐ必要のある課題であると思う。

 丁度、先日6月27日の熊本日日新聞「読者のひろば」に「役に立ちたいボランティア」という投稿があったので以下に紹介したい。

「本震後、ブルーシートが手に入ったころ、宇土の友人宅にボランティアの方が『何かお手伝いはありませんか』と来てくれました、『屋根のブルーシート掛けを手伝ってほしい』とお願いしたところ『屋根に上ることはできません』。もちろんボランティアの方の安全管理もあるでしょうし、この段階では当たり前だと思います。それで、ブルーシートを張る専門のボランティアさんを作ってはいただけないでしょうか。本職の方やそういうお手伝いをしたい方もいると思います。遅ればせながら、私も6月になってやっと時間がとれるようになったので何かボランティア活動に参加しようと思い調べました。すると、熊本市、益城町、阿蘇地区は募集は出ていましたが、大抵の市町村ではボランティア募集は終了していました。『そんなものなんだ・・・』と調べていくと午前9時受け付けであっても、午前8時過ぎには人数が達してしまうみたいで、初参加の私は、多分行っても間に合わないだろうと考えました。がれき撤去では足手まといになりそうですが、草取りでも掃除でも何かないでしょうか。何か出来ることはないでしょうか。もう本当にボランティアは必要ないのでしょうか。益城町を流れる木山川が決壊しました。残念なことに、また多くのボランティアが求められるかもしれません。何かお手伝いしたいです。」

 せっかくボランティアに来ても、待ち時間が長かったり、受付がすぐに終了したり、思うように活動ができずに悶々として帰る人はどこの被災地にも少なからずいると思います。どうしたら、もっと被災者の声に柔軟に応えられる活動ができるのでしょうか?  
                           (村井雅清)

◎引き続きご支援をよろしくお願い致します。
「熊本地震」活動支援金を募集しています。
 郵便振替 口座番号:01180-6-68556/加入者名:被災地NGO恊働センター
 *お手数ですが、通信欄に「熊本地震」と明記下さい。
銀行から振り込む場合は、
 ゆうちょ銀行 支店番号:一一九(イチイチキユウ)店/店番:119/当座0068556/受取人名:ヒサイチNGOキヨウドウセンター

(なお、「熊本地震」支援活動の一部は、公益社団法人Civic Forceからのご支援を戴いてパートナー事業として展開しております。)

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