P1320172

【海鮮と春野菜の彩りあんかけおこげ~黒米入り~】699円(税込733円)

「バーミヤン」春の新作メニュー先行試食会 前編(過去記事) の続き。本丸、女性をメインターゲットとして開発された 「海鮮と春野菜の彩りあんかけおこげ~黒米入り~」

福島さんは常日頃から、日本のおこげが揚げたポン菓子のようなチープなものになってしまうのに不満を抱いていたという。だから本格的な中華おこげを作れて、それを『バーミヤン』で1,000円以下で提供できるのならば、開発する意義があると感じたとか。

中華おこげは「春雷」と書いて、餡をかけた瞬間の「ジュー!」という音が悪いものを退散させると考えられた縁起物料理。そのためおこげの底に薄く油を敷いておいて派手な音を出させる工夫をしている店もある。けれどそれではタイミングが店主導となってしまう上、豪快な音がする=美味しさの追究とは必ずしも一致しないので、今回は美味しさや口当たりの良さを優先。それでも餡をかけると微かに”ピチッ!ピチッ!”というのが嬉しい

白湯(パイタン)ベースの餡は鶏肉と豚肉半々を12時間煮詰め、紹興酒で延ばしてベースに。そこに隠し味として酢を加えることで、旨みの中にもさっぱりとした後味を追究した。旬の菜の花・筍のほか、蟹爪や有頭海老も入っていて、運ばれてきた瞬間の第一印象がパッと華やかだ。

大量仕入れして卸値を下げるだけでなく、最終的なメニューを相談しながらバイヤーが産地に入り込んで交渉することも始めているそうで、「だからこそ原価を抑え、より良質な食材を確保することができているのです」と、福島さんは胸を張る。

わたしは純粋に、「中華おこげってこんなに美味しいものだったんだなー」と感じ入った。確かに、今まで食べてきたおこげは何だったのだろう?と思わせるほどグルメ度が高い。揚げたお米の香ばしさがとても力強く、餡をかけてもいつまでも熱々、カリカリ!生姜のきいた餡がやさしく春めいた味わいで、いくらでも箸が進む。

言われてみればこれまで、おこげを目的に中華料理店を目指したことはなかった。これは間違いなくメインを張れる皿だから、日本人の中華おこげに対する価値観を変えてしまう、キラーメニューになりうると思った。
P1320202

【やわらか牛肉と春筍の麻辣醤炒め】599円(税込628円)

こちらは男性を意識して開発された 「やわらか牛肉と春筍の麻辣醤炒め」

先ほどはおこげに餡をかける形だったのに対し、四川料理をモチーフにした麻辣醤ソースで牛肉・野菜とともにおこげを炒めてある。牛肉に下味をつける際に卵を使うことで卵が肉の繊維に入るので、調理時に卵が膨張してやわらかい食感を保つとともに、肉の旨みを逃がさない役割も担うそう。

豆板醤のしっかりした旨みと花椒の香りでかなり本格的。そして、噛むと熱々のソースがじゅわっと零れるのがシズル感たっぷりだ。単品よりもビールと合わせたり、白米とセットで頼むのが賢い。具にフクロダケを選んだセンスが個人的にツボ。

というわけで予想以上に美味しく楽しくリーズナブルで、ファミレスだからとナメていた自分自身に純粋に恥じ入った今回のイベント。学生時代に友だちに待ち合わせ場所として指定されて以来人生2度目の『バーミヤン』だったのだけれど、他にもこんな発見が

P1320191_1

①ドリンクバーの中国茶の種類が豊富

茉莉花茶(ジャスミン茶)・普洱茶(プーアル茶)・凍頂高山茶・鳳凰水仙茶・仏手烏龍茶・祁門紅茶などが勢ぞろい。

P1320193

中国茶器にティーバッグを入れ、お湯を注いで席に持ち帰る。マグカップではなく茶壷と茶杯が用意されているので、1杯目を捨て茶にして2杯目で聞茶という楽しみ方を今度女友だちと来てやってみよう(笑)

P1320135

②キッズメニューの中に離乳食が用意されている

チャーハンやラーメンのお子様ランチ的なものの中に、ひときわ目を引く「お母さんの強い味方」の赤い文字。月齢に合わせた離乳初期と中期の瓶詰が2種類。かゆいところに手が届くとはまさにこのことではないか。

DSC06670

そうそう。

メニュー開発担当の福島さんが最近熱を以って取り組んでいるのが、グラス(105円)、ボトル(1,048円/400ml)で提供している 紹興酒

紹興酒は極端な言い方をすると、80%が若いお酒、そこに20%の3年物をブレンドすれば3年物、5年物を混ぜれば5年物と謳えてしまえる商品。混ぜ物なしの純粋な紹興酒を『バーミヤン』価格で出せれば・・・。その思いを胸に紹興の業者さんと話し合いを重ね、先週も行ってきたばかりだそうだ。

料理に関しては開発した商品のうち、実際日の目を見るのは3割ほど。どれも思い入れが強いけれど敢えて一品挙げるとするならば、この価格で実現したという意味で、 「海老のチリソース」(税込628円)が最も自信がある とおっしゃる。

そんなエビチリをアテに、混じり物なしの紹興酒を飲める日も近いかも?

***
【今回のイベントで思ったこと】
個人的な意見ではあるけれど、「顔の見える」というキーワードが今後日本の食とってますます重要になっていくと思う。

顔の見える生産者、顔の見える卸問屋、顔の見える飲食店、そして顔の見える生活者(&口コミ発信者)。

この4者が同じテーブルに着き真剣に話し合った先に、誰もが納得できる気高い食が創造できるのだろう。どこを切ってもやましいところのない、胸を張って歩ける気高さが、4者それぞれが望んでいる本来の食ではないだろうか? そのためにメディアを使ったPR戦略とは別に、 【真の意味でのPR(パブリックリレーション)=企業と生活者の架け橋作り】 が強く求められる時代に突入したのだと思う。


『バーミヤン』の皆様、商品の裏側にたたずむ開発者の顔に触れる機会を作っていただいてありがとうございます!本当に、ほんとうに、貴重な体験でした。