この3年の間に、知人2人を舌癌で見送ることになりました。1人目は、次男の高校の先生の奥様、診断からおよそ一年半、闘病の末、力尽きました。2人目は、同じく次男が幼少の頃にお世話になった先生で、診断から10ヶ月の早さで、帰天なさいました。

舌癌を含む、口腔癌は、その発見の遅さによっては、命取りになるタイプの癌です。首から上は、小さい頭部の中に沢山の血管、リンパ、神経などが詰まっているので、傷つけば治りやすいけれども、逆に、悪性腫瘍などができると、そのスピードを増し、あっという間に悪化していきます。

ハワイ大学歯科衛生士学科在学中、学生同士の口腔ガンスクリー二ングの練習中に、下級生の1人に口腔ガンが発見されました。まだ、20歳そこそこの若い学生で、口蓋に小さくあった異物を病理解剖にわました結果、口腔ガンと診断されました。ラッキーなことに、本当に初期だったので、手術、処置、療養のための一年の休学を経て、復学し無事卒業して、今は、立派に歯科衛生士として活躍しています。あの時発見していなかったら、今頃命を落としていたかもしれません。

私の患者さんの中にも、舌癌を克服した人がいます。しかし、舌のおよそ1/3を外科的切除したので、舌の形が普通ではなく、会話や嚥下が昔のようにはできません。他の口腔ガン克服者の中には、鼻の半分や、顎の一部を切除したりして、命は助かっても、その後、その外見の醜さのために、生きてゆくこと自体が困難になります。

私達、歯科衛生士は、毎回のチェックアップとクリーニングの際に、必ず口腔ガンスクリー二ングをします。特に今回のように、身近に命を落とした人を経験すると、更に念入りに見るようになりました。私達が、人の命を救うことができるのです。6ヶ月毎の歯科定期健診の意味を、もう一度考え直してみませんか?
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第六回ハワイ国際交流セミナー

先日、株式会社T&K主催の、ハワイ国際交流セミナーのワークショップが、ホノルルで行われ、その打ち上げディナーにご招待を頂きました。このクライアントには、一昨年、第四回ハワイ国際交流セミナーに講師として呼んで頂き、それからのご縁で、日本での講義やホノルルでの会合などに、いつも声をかけて頂いています。長いお付き合いになってきました。

高知県の大学病院の外科医教授を発起人に誕生したこのグループは、その後、医療関係から、歯科関係、看護士、歯科衛生士と、それぞれの垣根を越えて、更に、関西、関東と、日本各地から勉強熱心な先生方や、クリニシャンによって構成される、ユニークな団体です。この、医療、歯科のコラボレーションは、まさに、私達HJDS(Hawaii Japanese Dental Society-ハワイ日本人歯科協会)が、これから盛り上げていこうとしていることと、同じコンセプトです。たわいのないディナー中の会話も、とても参考になります。高い教養と深い知識を持った医療関係達が、交流を深めることはもちろんのこと、更に上を目指して、学ぶ姿勢をくずさないのは、一緒にいて、とても刺激になるのです。

これからも、日米の医療界のコラボレーションを含めた、医科歯科のグローバルな発展の為に、微力ながら私も貢献できたら、と思います。T&Kの神林さん、いつも気にかけてくださってありがとうございます。
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1月の下旬から、1週間日本へ出張に行って来ました。今回の私のレクチャーのスポンサーは、大阪に本社を置く、歯科業務標準化機構という団体です。全国津々浦々から、日本の歯科業界の底上げを図ろう、と熱意を持った歯科医師、歯科衛生士の皆さん達が、参加して下さいました。

午前、午後の二部構成のレクチャーでは、まず午前中、歯科衛生士が、日本の歯科業界で、もっと活躍できるように、アメリカの臨床の現場で行われていることを参考に、歯科衛生士のレベルアップ、社会的ステータス、それに伴う収入の向上について、活発に意見が交わされました。ここで特筆すべきことは、歯科衛生士のみならず、歯科医師の先生方も、歯科衛生士のさらなる活躍の場と機会を願っているということです。1980年代から日本の歯科の現場にいる私にとっては、この、歯科医師の先生方の意識変革は、目を見張るものがあります。歯科衛生士が、もっと歯科医師と手を組んで、最善の歯科医療を提供するという同じ目標を持つクリニシャン同士として、チームとしても、歯科医院経営も高めてゆく、という環境づくりに、歯科医師の先生方のサポートがあるというのは、それだけで、もう実現に近づいたも同然です。

午後は、主に歯科医師の先生方から、事前にに質問や、リクエストのあった部分について、お話ししていきました。朝の時点で、質問、意見など、どんどん私の話の間を縫って、参加式にしましょう、と声かけをしましたが、歯科医師の先生方、本当に活発に参加して下さって、主催者の方が、予定どうりまとまるかどうか、心配なさるほどでした。どうして、アメリカの歯科医師、歯科衛生士は、そんなに人気の職業なのか?保険内診療と、自費診療の狭間にあってのフラストレーション。日本のインフェクションコントロールの現状と改革。CAMBRAなどを取り入れるかなど、歯科衛生士をどうやって効率よく活躍させて、歯科医院経営の活性化を図るか。などなど、熱く論議が交わされ、たいへん盛り上がりました。

今までの様々な改良すべき点を、今、ここに集う、改善を目指す歯科医師、歯科衛生士と変革の波に一緒に乗れるということは、私としても、とてもワクワクすることです。受講生の皆様、お疲れ様でした。そして、ありがとうございました。
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