2014年11月

先日、ダイアモンドヘッドのふもとにある、私の母校でもある、ハワイ大学カピオラニ校にて、名古屋ユマニテク歯科衛生士学校の、学生の皆さん70名をお迎えして、レクチャーをしました。この学校は、毎年、私のレクチャーを聞き続けに来てくれて、今年で、四年目になります。引率の先生とも、すっかり顔なじみになりました。

レクチャーは、二部構成で、1. 米国(ハワイ)での歯科衛生士への道。2. 米国(ハワイ)の歯科衛生士の日々。からなっています。
第一部では、ハワイで歯科衛生士になるために、どこから勉強を始めて、どのようにして資格をとっていくかを、細かく解説しています。実際この学校の卒業生の一人が、現在米国ニューヨークの歯科衛生士学校で、衛生士を目指していると聞きました。私の話から、何か刺激を受け、その道を決断したとしたら、それは、誠に嬉しい限りです。
第二部では、実際、ハワイで歯科衛生士が、日々どのようにして、働いているのかを、たくさんの写真を交えて、紹介しています。日米の、歯科衛生士の働き方の相違点など、両国のライセンスを持つ自らの経験に基づいて、分かりやすく説明しています。

ここ、米国の歯科衛生士に比べると、日本の歯科衛生士は、その任務、業務内容も限られ、さらに、収入や、社会的地位にも、違いがみられます。日本の歯科衛生士学校の学生の皆さんに、米国の状況をお話することによって、志しの高い、向上のある歯科衛生士を目指してもらうのが、目的です。今後、日本の歯科衛生士も、やがて、現在の米国の歯科衛生士のように、働けるようになる日が来ることを願って、このレクチャーをお話し続けているのです。





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一週間ほど前に、息子の矯正歯科の先生のオフィスから、大きな封筒が届きました。
封筒を開けてみると、息子のプロフィールが写真に収まっていました。( 下記、写真参照)
五年前に、初めて矯正歯科医の門を叩いて、歯列の状態をみていただいた時は、息子は、まだたったの十歳でした。その時の大きな問題は、以下のようでした。
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顎が、とても小さいのに、歯は大きい。
上顎犬歯が埋伏していて、萌出スペースがない。下顎歯列が混み合っている。

そこで、私の勤め先の一般歯科医で、4番四本の抜歯を行い、犬歯四本が全部萌出してから、矯正治療を始めることにしました。十三歳半から始めた矯正治療が十八ヶ月で終わりました。
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今、十五歳を過ぎ、息子本人も、まっすぐて、きちんとした歯並びを手に入れたことを、とても嬉しく思っているようです。

このようにして、米国では、中学、高校の時期に歯科矯正をするのが、一つのトレンドとなっています。ここハワイでも、十歳から、十七歳までの、平均しておよそ四人に一人は、中高通学しながら、歯科矯正の治療を完了します。綺麗に整った歯列を保持するため、親知らずが生え始めている子供に関しては、十八歳で、大学に行く前に曲がって生えている親不知を抜歯するのが、通常です。

このようにして、米国の子供達は、ティーンエィジャーの頃から、矯正治療などをとおして、口腔衛生の重要性を、学んで行くのです…


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人々は、一体平均どのぐらい歯磨きに時間を
かけていると思いますか?驚くべきことに、大体、たったの20-30秒、もしすごくがんばって磨いていると思っている人でも、45-60秒がせいぜいです。私達、歯科衛生士は、患者さんに、最低2分は磨いて下さい、と言っています。Oral B という会社の出している電動歯ブラシは、2分磨き終わると、ピッピッとお知らせの音がなるようになっています。20秒しか磨いていない人にとっては、2分はとても長い時間です。2分間とは、どのぐらいの長さなのでしょう?私は、患者さんに、大体あなたの好きな曲一曲分ぐらいの長さですよ、と言っています。

歯科衛生士学校時代、OHI (Oral Hygegine Instruction) の中のTBI (Tooth Brush Instruction) で、バス法、ローリング法、チャーター法等、色々な種類の磨き方を学び、
それを患者さんに教えてきました。が、
今、臨床を長く経験して言えることは、方法ではなく、単純に、磨く時間の長さが、実は、患者さんの口腔衛生の向上に、大きく影響しているとわかりました。実際、通常の歯ブラシから、2分の歯磨き時間を知らせる、電動歯ブラシに変えただけで、かなりの口腔衛生の向上がみられます。

飽きずに、慌てずに、どうしたら、じっくりと、最低2分間磨くことができるのでしょう?ここに幾つかのヒントをあげてみました。
1. 時計で、2分間を測りながら磨く。
2. 立って磨かず、座って(腰掛けて) 磨く。
(立って磨くと、どうしても慌てがちで、早く終わらせたくなる傾向がある。)
3. 歯磨き粉は、豆粒程の大きさにする。
(歯磨き粉を沢山つけると、すぐ泡が立つので、早く終わりにして、口をゆすぎたくなる。)

ちなみに、右下のベロ側の後ろの歯2本を、一分間、徹底的に磨いてみてください。きっと不快な味がしてくると思います。それが、何ヶ月かに渡って溜まってきた、プラーク(バクテリア)の味なのです…2分間の歯ブラシでの歯磨きに加え、毎日のフロスが、大切なことは、言うまでもありません。舌についた汚れををとるために、舌クリーナーもつかってみましょう。できれば電動歯ブラシを使えば、より良い結果を期待できます。

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写真に写っているのは、プロフィーアングル、サライバイジェクター、ハイスピードサクションチップ、
そして、エアーウォーターシリンジチップです。これらは全てディスポーザブルです。
アメリカの法律では、患者さんの口腔内に挿入された、全ての物は、高圧蒸気滅菌器で滅菌するか、
各患者さん毎に、完全に使い捨てにしなければならないと、定めてあります。

その理由は大きく分けて、二つあります。
一つ目の理由は、OHSA ( Occupational Health and Safety Act )という機関が、米国内で働く、
全ての医療従事者の健康を守るために、感染防止のための処置を、厳しく取り締まっているからです。
二つ目の理由は、各歯科医院内での、患者さん間の感染防止です。院内感染を防ぐためにも、
厳しい処置は、必須です。

歯科衛生士が行う、予防処置の部屋では、写真にある通りの、使い捨ての器具がが大活躍します。
ドクターサイドでは、歯牙を削る時に使用するバーをはじめとして、ハイスピードタービンの
ハンドピースに至るまで、全て、各患者毎に滅菌します。OHSAは、予告無しで各歯科医院を訪ね、
感染防止処置が適切に行われているか、隅々までチェックして、指導していくのです。

去年、米国オクラホマ州の口腔外科医が、長年に渡り、使用歯科器具の、
適切な滅菌処置を行っていなかったとして、全米で大変大きなニュースになったことがありました。
その歯科医にかかったことのある、約7000人の患者さんが、B型、C型肝炎、更にHIVの感染の危機に
あるとして、オクラホマ州保健局は、過去、この歯科医にかかった、全ての患者さんを対象に、
感染症疾患の無料の検査の実施を決行しました。その歯科医が、巨額の訴訟ケースになったことは、
言うまでもありません。

私が始めて歯科医院で働き始めた、1970年代末は、日本の感染予防処置は、全くもって、
お粗末なものでした。驚くことに、80年代、歯科衛生士学校時代でさえ、私達は、グローブ無しの
素手で患者さんをみていました。今から思えば、よくぞ、いろんな感染症を、
うつされなかったものだと思います。
あれから、四半世紀、1980年代後半のAIDS発症発見から、米国における感染症予防を取り巻く環境は、大きく変わりました。この三十年の感染症予防に関する、ここ米国での、私達、
医療従事者の意識の変化は、目を見張るものがあります。それに伴い、このように、使い捨ての器具も、多く発明され、使用され、現在に至るのです。


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