2008年02月07日

建築によるコミュニティ活性化(1)

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 中国地域のチャレンジを東京から応援する東京会議(中国地域連携東京会議)
と東工大地域イノベーション研究会の共催で「地域・コミュニティの活性化」を
テーマとした講演会がありました。

 「建築によるコミュニティの活性化」というテーマで、2005年グッドデザ
イン賞を受賞された、NODESIGN(一級建築士事務所)の小倉亮子氏のお話を紹介し
ます。

 小倉さんは鳥取出身で、現在は東京で建築の設計事務所をやっておられますが、
「地域やまちづくりを専門にしているわけではないが、自分の地元に限らず、
一故郷をもつ人間として、元気がないとか経済力がないとか言われている場所を
なんとかしたいという気持ちがある。まちづくりは、小さなひとつひとつの営み
も、後で振り返るとまちづくりになっていると思う。建築の方面からアイデアを
出し、支援することで場所や日々の営みが活性化する。その1つになればいいな
と思い仕事に取り組んでいる。」そうです。

 講演では、鳥取と関わった仕事を含め、5つの作品をお話いただきましたが、
今回は、小倉さんから投稿いただいた内容と写真を5回に分けて紹介します。
お送り頂いた写真は、私のホームページの写真集に掲載しました。

1.講演:建築によるコミュニティの活性化  小倉亮子氏
「第4回鳥取県総合芸術文化祭 会場デザイン(2006年)」
2.宋文洲さんのメルマガから 「高く買って安く売る人達の欲」
3.岡部さんの暇人の独り言  「道徳なき商業」

かわら版のバックナンバーは、私のホームページからご覧頂けます。
京増弘志 PDB01260@nifty.com  http://homepage3.nifty.com/kyomasu/
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1.講演:「建築によるコミュニティの活性化」 小倉亮子氏

■第4回鳥取県総合芸術文化祭 会場デザイン(2006年)

 私は鳥取の出身ですが、仕事では無縁で年に1回帰省するだけでした。
少し地元と関わるきっかけとなったのが、2006年の鳥取県総合芸術文化祭で
す。これは建築ではなくて、色画用紙を使ったワークショップ形式のイベント
会場のデザインです。

□秋の公園で文化祭

 この文化祭では、鳥取で活動するオーケストラや絵手紙などの文化団体が、
4日間に渡って演奏会や教室などを開催します。会場が殺風景建物で盛り上がり
にかけるのでなんとかならないか、というお話があってお手伝いをすることに
なりました。認知度も高くないとのことで、大勢が準備に参加できる参加型の
インスタレーション(絵画・彫刻・ 映像・写真などと並ぶ現代美術における表現
手法・ジャンルの一つ)ができないかというお話でした。

 もともと会場構成の想定をしていなかったので、予算がほとんどありません。
とにかく、お金をかけないで大量に集まるものはないかと考えて「落葉を集めよ
う!」と思いつきました。幸い天井もガラスで外部のような広々した空間だった
ので、会場いっぱいに落葉を敷き詰めて、秋の公園に作り変えようというコンセ
プトができました。落葉は地域のボランティアの方々に声をかけていただいて、
2ヶ月かけて200袋くらい集め、会場に敷き詰めました。
また、ステージの舞台背景として、もみじのカーテンを作りました。これは市内
の小学生1300人くらいに色画用紙でモミジをつくってもらい、メッセージを
書き入れてもらいました。
写真 メッセージ入りのモミジ
(http://homepage3.nifty.com/kyomasu/syasinsyuu/photo/img/1808-2.jpg)

これが会場の風景です。
写真 小学生のメッセージ入りのモミジのカーテン
写真 会場風景

 石貼りの床と違って、落葉を敷きこむとざくざくと歩いている感覚がします。
このように掴んで投げたりさわったり、特に子供たちは、首まで埋まったり投げ
あったりと、すぐ遊び方を見つけて積極的に関わっていきます。そのうち、エス
カレートして落葉を両手一杯に抱えて撒き散らして遊び始めました。
写真 落葉で遊ぶ子供たち1
写真 落葉で遊ぶ子供たち2

 最初は、「本当にそんなに集めるの?」と抵抗もあったようですが、信じて
突き進んでもらいました。会場が出来上がって、楽しそうな来場者を見たときに
は、みなさん喜ばれていました。

□街路樹で文化祭告知

 文化祭の前に、文化祭告知のためのインスタレーションを作りました。
室内でやっていても周囲の人に気付かれないので、外に向かってアピールしよう
ということになりました。同じく予算がありません。会場前に立派なけやき並木
があるので、その場所をお借りして、風景を少し変えることで、周囲の人になに
か違うと思ってもらい、近寄るといろいろとメッセージが読めるというしかけを
つくりました。

 これも参加型で出演団体の方々といっしょに作りました。ナイロンのシートを
丸くカットし、開催日などの情報やメッセージを入れてもらっているところです。
写真 準備風景
写真 出演団体の方との準備風景


出来た丸いシートを街路樹に巻きつけました。これが完成形です。
写真 街路樹インスタレーション完成形

 鳥取は小さい県で、経済的にもかんばしくないと言われますが、少なくとも
ここに参加されている人たちは、みなさん元気で、好きなことをやって生き生き
されていたことが印象的でした。幸いなことに、このイベントが好評で引き続い
て、次の年も同じ会場で会場構成の仕事をさせていただきました。

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2.宋文洲さんのメルマガからのご紹介です。

 ■高く買って安く売る人達の欲

「米国崩壊」、「世界同時大不況」、「底なし」・・・。専門家達がメディアを
通じて不吉なメッセージを一斉に発信すると日経指数はダウの倍も下落しました。
もともと高くない日本の株をいったい誰がさらに売り込んでいたのでしょうか。

1万4千円を割ってもまだ売っている人の多くはたぶんそれより高い値段で買っ
たのだと思います。まさに「高く買って安く売る」そのものです。こんな理不尽
なことをする唯一の理由は損の拡大に怯えているからです。

「高く買って安く売る」人は欲のない人ではなく、欲の強い人です。短期的な
評価損を許せない欲の強い人です。彼らは決して儲けたくない人達ではなく、
儲けしか考えられない人達です。

投資で利益を得る人は、間違いなく損もする人達です。彼らは自分が信じる価値
に投資を行い、損する時も淡々と納得しているのです。彼らは投資にはリスクが
あり、リスクとは実際に損もするという心の準備ができています。

不思議なことに損を気にしない人のほうが儲かるのです。不思議なことに株価の
変動に一喜一憂する人は儲かりません。不思議なことに欲を抑えられない人は
儲からないのです。

しかし、人々はよく誤解するのです。儲かる人はきっと欲の強い人だと。儲から
ない自分はきっと無欲だと。

もしこの理屈が成り立つならば、スケベな男が女性にモテルということになりま
す。ケチな人が金持ちになれるという理屈になります。東大に入りたい人が東大
に合格することになります。

以前、日本の銀行を安く買って、その後大きな利益を得る外資ファンドが禿鷹
ファンド呼ばわりされて非難されました。よく考えてみればその時、日本には
天文学的数字の貯金がありました。わずか数千億円の銀行への出資は誰もしよう
としなかったから外資が引き受けただけでした。

外資ファンドのおかげで銀行が救われました。本来の価値が認識された時点で
利益を得て当然なのに、外資というだけの理由で蔑視されていた訳です。まるで
日本人の汗水の結晶のお金を窃盗したかのように。

そんなに外国資本が嫌いで日本の資産を大切に思うのであれば、なぜ自分たちが
日本に投資しないでしょうか。なぜゼロ金利でも現金を握り締めて、自国の優れ
た企業に投資しないでしょうか。自分達が投資せず、ソースメーカーのように
外国にも投資させない市場がなぜ成長できるでしょうか。

人間社会には欲がなくなりません。無法の欲が社会を蝕みますが、法とモラルの
抑制が効いた欲は、むしろ文明の原動力となります。しかし、無欲を装って欲を
飾る風潮は、決して社会をよくすると思えないのです。
                           
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3.南風舎の岡部正敏さんのメルマガ「暇人の独り言」のご紹介です。

 ■道徳なき商業

 1月30日付サンケイビジネスアイ紙の16ページに森秀三氏(ジェトロ南西
アジア担当・貿易・投資アドバイザー、元インド三井物産社長)が「ガンジーの
“7つの社会的罪”」「道徳なき商業」と題して寄稿しておられる。私自身に
対しても、現在の社会に対しても重要な警告だと思わされた。心したいものだと
思う。一部を引用させていただく。

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*** (前略)今まで軍事力と資金力を盾にアメリカ一極主義に傾斜させられて
いた世界のバランスが崩れ始めている。単に利益を追求して動く余剰資金が世界
経済に色濃く影響し始め、市場原理が通用しない時代になりつつある。(中略)
世界の首脳がインドを訪問する際、必ずお参りする場所がある。ラージ・ガート、
マハトマ・ガンジーが荼毘にふされた場所で、ヘー・ラーマ(おお、神よ)と
刻んだ慰霊碑が建てられている。首脳も観光客も、この慰霊碑だけをお参りして
帰るのだが、そこにはマハトマ・ガンジーの「7つの社会的罪」という碑文が
刻まれている。正に現在社会への警告のような碑文である。

「理念なき政治」 「労働なき富」  「良心なき快楽」
「人格なき学識」 「道徳なき商業」 「人間性なき科学」
「献身なき信仰」

 インドもテロリストを厳しく非難しているが、米国方式の押し付けには反対で
あり、それぞれの国の独立性と自治権を尊重している。テロ戦争にも否定的であ
る。宗教には寛容の精神を基本とし、異教徒を認め合い共存共栄を図るいわゆる
世俗主義をモットーとしている。(中略)先進国は「富みて貧する社会」になり
つつある。「7つの社会的罪」を、改めて真剣に考えるべきだと思う。特に日本
は「7つの社会的罪」が妙に当てはまる気がしてならない。***

以上

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