作:ヨシタケシンスケ
相談:伊藤亜紗

長さ:約10分


【あらすじ】
いろんな星の調査をする宇宙飛行士が
出会ったのは、目が3つあって、
後ろも見える宇宙人。

後ろも見える宇宙人は
地球人を見て、
「後ろが見えないなんて、
不便で、かわいそう」という。

でも地球人にとってはそれが普通。
不便と思ったこともないし、
「かわいそう」と
変に気を遣われるのも何か違う。

調査を続けると
後ろだけ目が見えない宇宙人や、
まったく目の見えない宇宙人とも
出会う。

後ろだけ目の見えない宇宙人は
話が合うし、似ていてなんだか安心する。

まったく目の見えない宇宙人は
まったく世界の感じ方が全く違う。
耳や鼻、手の感覚が鋭く、
見える人にはわからないものも
感じることができることもたくさんある。

じゃあ感じ方が全く違う人って、
違う世界に住む人なのだろうか?

【感想】
やっぱりヨシタケさんはすごい。
とっても期待して楽しみにしていたのですが
期待通りなんて、とんでもない。
期待のずっとずっと
ずーーっと上をいくような
とっても素敵な作品でした。

この絵本は伊藤亜紗さんの
「目の見えない人は
 世界をどう見ているのか」をきっかけに、
ヨシタケシンスケさんが
伊藤亜紗さんに相談しながら
作られたそうです。

最初の3つ目の宇宙人に、
「後ろが見えないなんてかわいそう」
と言われる地球人を見て、
「ドキッ」としましたね。

「いや、普通だし。」と言い返すのに、
「気を遣ってあげようね!」と言う。

あ、この宇宙人のようなこと、
普段自分もやってしまってる。。。
罪悪感の「ドキッ」でした。

もちろん、違和感も感じました。
これが、変に気を遣われた方の気持ち。
確かに、
「いやいやいや、とりあえず、
話聞いてよ。これが普通やし。
気ぃ遣われるほうが困るわ。」
ってなるなぁ〜と思いました。

読み進めていくと、
視覚障害についてわかりやすく、
説明してあります。
でも視覚障害を理解するためだけの
絵本ではありませんでした。

障害があるから人と感じ方が全く違う。

でも、そもそも人はそれぞれ違っているし、
感じ方も人それぞれ。
全く同じ感じ方の人なんていない。

その違いをどう受け入れていくか。
というとってもとっても深い内容でした。

「違い」をわかりやすく「乗り物」に例えたり、
誰もが感じている、
でもうまく言葉にできないような気持ちを
「ストレート」にでも「やわらかく」
表現されてる文章は秀逸。
「じぶんたちと ちがうひとは、
 やっぱり ちょっと きんちょうしちゃう。
 じぶんと なにが ちがうかが、
 よくわからないから。
 わからないのは こわいから。」
「おなじところを さがしながら、
 ちがうところを おたがいに
 おもしろがれば いいんだね。」


終わり方も、
押し付けがましいきれいごとはなく、
難しいようで簡単なのかもしれない。
でもすぐにはできない。

ちょっとずつできるようにしていきたい。

という風なニュアンスで、
揺れ動く自分の素直な気持ちを
代弁してもらったような
安心感がありました。


重くなりがちな内容ですが、
ゆるくてかわいいイラストも加わり、
肩の力を抜いて読むことができました。

視覚障害のこと、
視野を広く持つこと、
「違い」を受け入れ、
その中からでも
共通点をみつけて繋がれること。

学校・職場・家族・友達
どんなシーンにも役立つと思います。

大人も子どもにも読んでほしい!

夏休みに、子どもたちと
じっくり読むのもいいですね。

読書感想文にもおすすめ!

伊藤亜紗さんの本

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