2008年12月20日山形達也より
池本千恵先生あて


お早うございます。

2008年12月19日金曜日の午後総領事館に、先生のご協力で作成した資料室資料を持って、石原、松下、土屋、山形の四人で伺って資料室を探すことでのご助力をお願いしてきました。

菊田領事も同席でした。

総領事は資料室のことで何か頼むと言われても内容を知らないから資料で説明を受けようと言うつもりだったのに、最初から嘆願書とは何ですか、という具合でちぐはぐな、あるいは冷や冷やな展開だったのです。

資料室の沿革などはどうでも良いと言うことでしたので、資料室の持っている図書について私から説明をしました。

総領事の総括は、場所を借りる資金もなくその当てもない教師の会が、本をおける場所を探すと言うこと自体が無理なのではないかということでした。「出来ないことを考えているのですよ。現実を見なくてはならないでしょう?」と。

それで、「無料で場所を貸してくれる好意にすがってきたけれど、今はないし、この先も難しいでしょう。総領事から先日示唆されたように公共図書館に本を全部渡してなおかつ私たちが出入りできるようだと良いけれど、私たちが個人的に図書館に頼みに出掛けても相手にされません、どうしても総領事のお力を借りなくてはならないのです。」

だんだん雰囲気がほぐれてきて最後には、前に話したように、公共の図書館に訊いてみること、あるいは図書館、大学にふれあいの場が設置されそこに教師の会の図書を置く可能性も探してみましょうか、ということになりました。

本は誰でもアクセスできる状態に置かれるなら、そこに寄付することもOKであることもその場で4人の賛同を得て伝えました。本を置かせて貰うことになる場所の規則には従うのはもちろんだけれど、教師、学生が自由に出入りできることは必要であること(これが今まで大学や語学校に置くことをためらう理由であること)を伝えてあります。

1月半ばに日本から戻ってから行動に入ると言うことでした。春節休みにこの4人は日本に行っていますが、教師の会には数人は人がいること、池本先生も在瀋陽であるから誰かに連絡は可能であることをお伝えしました。

でも、具体的に誰に連絡が可能かはまだ言ってはありません。休暇中遊びに出掛けない池本先生が良いのですが、如何でしょうか。

さらに、石原先生が定例会に領事官を使わせて貰えないでしょうかと切り出したのですが、特定の団体の集まりには使わせられないのが原則だ。たとえば日本人会が市民相手のセミナーを企画して、それが総領事館の意向に沿うものなら、使わせられる、とのことでした。

それで総領事に文化セミナーでお話しいただけないか打診しました。陽気が良くなったら可能とのことでした。

簡単ですが、以上のような感じでした。

(資料室の歴史と経緯については、教師の会HPの「資料室の歴史」に記述してある。
http://www.geocities.jp/kyoshikai_shenyang/shiryoushitsu0.html) 



池本千恵から教師の会役員へ

皆さま

本日、瀋陽市図書館(五里河・夏宮となり)に資料室の件で行って参りました。

先日、教師会の代表の先生達が、松本総領事に資料室についてお願いにうかがい、その結果、市図書館に交渉してくださったことから、今日の面会が実現しました。

本日の出席者は以下の方々です。
領事館から松本総領事、菊田さん、平柳さん、翁さん(通訳)
瀋陽市文化局・梁利人副局長
瀋陽市図書館から李長武館長、周佳兵さん、もう一人女性の方

教師会からは有川、池本が出席しました。

総領事自ら中国語で事情を説明してくださり、終始、和やかなムードで話し合いが行われました。

基本的には資料室の図書を市図書館に移すということが承認され、以下の点を確認しました。

〇資料室の図書は、市図書館に寄贈し、保管・管理の一切を図書館に任せる。
図書館側は、外国で出版された本なので、本の紛失について、とても心配していました。図書館で一般の本は、押金(預かり金)を取って貸し出ししており、紛失した場合はそれなりの賠償をしてもらう規則があります。ですから、その規則に従って管理してもらえればいいと答えました。また、全集等の特に重要な本は持ち出し禁止にしてもらうようにお願いし、了承してもらいました。
図書館は、日本語が分かる職員を付けるそうです。

〇資料室からの寄贈ということが分かるようにする。
実際に部屋を見せてもらいましたが(実際に本を置くのと同じ広さ、形の別の階の部屋)、100平米以上ぐらいの場所を準備しているようです。
また、資料室から寄贈したことが分かるような看板も取り付けてもらうようにお願いし、了承されました。

〇教師会の会議の場所を貸してもらう。
図書館の会議室を使ってもいいと言われました。

図書館に本を寄贈すれば、広く一般の人たちに(もちろん日本人も)、いつでも利用してもらえるというメリットがあります。(教師会が管理すれば、週末しか開けないし、長期休みも閉めなければなりません。)
また、教師会が図書の管理をする負担も無くなります。
一般の人の中には、マナーの悪い人もいるかもしれませんが、それはどこの国でも同じことですし、図書館の方たちは、きちんとチェックして、本を大切にするという姿勢で管理してくれることを約束してくれました。
もし、教師会の皆さんが、市図書館への寄贈ということでよろしければ、次のような流れになります。

〇2月下旬、皆さんが瀋陽に戻られた時点で、図書館の担当者・周さんに連絡する。
※図書館の人は日本語ができないので、相談する時は通訳できる人が必要。
〇資料室の蔵書リストを作成する。

リストの詳しい形式をうかがうのを忘れてしまいましたが、図書館には日本語が分かる人が1人しかおらず、その人一人で作業するのは大変なので、リスト作成に協力して欲しいということでした。

また、領事館では、国際交流基金の助成で行っている「ふれあいの場」(注)を市図書館に設置する方向で計画を進めており、市図書館も賛成していますが、これは来年度の事業になるため、もう少し時間がかかりそうです。

これが実現すれば、従来の資料室の意義や役割が発展した形で継承されていくのではないかと思います。

(注)「ふれあいの場」は、日中両国民間の信頼醸成を目的とする日中21世紀交流事業の主要プロジェクトとして、中国国内の地方都市に日本文化の窓となる場を設置することを目的に、国際交流基金と中国側施設との共同運営等の形で開設・運営されるものである。本施設は、中国の市民に対して、インターネットや音楽ソフト、雑誌等のコンテンツを通して、最新の日本文化に触れることができる場を提供するものであり、「ふれあいの場」事業を通じて、日中両国民間の相互理解の一層の促進に資することが期待される。 (外務省ホームページより抜粋)

現在、成都、長春、南京、延辺に設置されている。
「ふれあいの場」について詳しくは、
http://www.chinacenter.jp/japanese/fureai/index.html

以上、本日のご報告でした。    2009年1月21日 池本