カフェと本なしでは一日もいられない。

カフェ通いと読書に明け暮れる日々。 ⓒatelier.sumire.gingetsu

お伊勢参り

IMG_4785二見が浦






IMG_4792龍宮社









IMG_4852内宮 宇治橋前の鳥居








IMG_4867宇治橋








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宇治橋の擬宝珠。16基ある擬宝珠の内のひとつ「天照皇太神宮 御裳濯川御橋 元和五己未年( 1619年)三月」の刻印がある擬宝珠の中には、饗土橋姫神社の神札が納められていて、触るとラッキーが訪れる、伊勢神宮に参拝できる等と言われています。





IMG_4877内宮











IMG_E4986内宮と外宮で購入出来る「神盃」







IMG_E4936倭姫宮にて。










◎吹く風の目にこそ見えね神々はこの天地(あめつち)に神づまります ─橘曙覧

念願かなって、伊勢神宮に参拝しました。
これまで何度か予定を立てたものの、仕事の都合でキャンセルしてしまっていたので、まさに悲願のお伊勢参り。ホテル予約も、仕事の段取りがついたのも前日、というあわただしさでしたが、心には、深尾須磨子さんのこの詩がリフレインしていました。

行き着くところをわが家にして
軽さよ、鞄は笑ひでいっぱい
朝に行き合ふのは火星の人
昨夜に行き合ふのは海王星の人
案内役の少年はいつも十六
世界語の話し手
     ──深尾須磨子「旅」

今回、参考にしたのは『”豊かな人生と最高の幸せ“を引き寄せたいなら「伊勢の神様」にまかせなさい』(清水義久著 大和出版)。一夜漬けでしたが、この本を読み、伊勢の神さまのルーツ、役割り、伊勢神宮の隠された構造、正しい「お伊勢参り」ガイドなどをしっかりからだに落とし込んで出かけました。

当日も、この本に従い、‘鷂が浦 手水のあと蛙に出合い、そこから夫婦岩に手を合わせてから橋を渡り、二見興玉神社へ。そこから龍宮社へ 猿田彦神社佐瑠女神社→秘密の通路(黙ってただ通り抜けるだけで、すべての穢れが浄化されてしまうのだそう)を通り抜けて神田へ 3圧棔ゝ祇个望茲辰毒愧罎鯑Г漾風宮へ。続いて土宮、多賀宮を参拝し、正宮へ(豊受さまの本名を唱えると、豊受さまが降りてくださるそうです)。 て盖棔ー蠖紊里△函五十鈴川御手洗場でもう一度禊ぎをしたら瀧祭神(内宮の龍神さま)に挨拶→風日祈宮(天照さまに繋いでいただくためにきちんと挨拶)→正宮参拝(天照さまの本名を言上げすることによって、お目見えすることができるそうです)→荒祭宮参拝 月讀宮参拝(ここには、月讀荒御魂宮、月讀宮 伊佐奈岐宮 伊佐奈弥宮 の四別宮が並んで鎮座しています)。
このルートが、パーフェクトなお伊勢参りだそうです。

本に書いてあった猿田彦神社の五十鈴や御富岐玉などは、生産が追い付かない状態らしく、手に入らなかったのですが、内宮と外宮で黄金色に輝く「神盃」を購入しました。
この盃は神さまとのご縁を結ぶ神器であり、酒や水を入れて少し時間を置くと、確実に味が変わるそうです。また、この神盃を使って、天照さま、豊受さまのエネルギーで浄めていただける「運命改善の塩」を作ることが出来るらしく、その作り方も書かれていました(今、この塩を作っているところです)。

ところで、この本によると、悩みが解決し、お金だったり、健康だったり、愛情だったり、そうした様々なものが手に入ったとしても、「心」で満足しなかったら、次のステージには上がれない、とあります。つまり、目で見える豊かなものがすべて手に入ったとしても、それは登山でいうところの六合目とか七合目であり、心の内側に「安心」「楽しみ」「喜び」という三つの柱がないと、次なる高みの景色は見えてこないのです。欲しいものすべてが手に入ったのに何故か心が満たされない、というのはよくある話。しかし、お伊勢参りでは、

・猿田彦神社では「困ったことの解決」
・外宮では「この世で見える衣食住のご利益」
・内宮では「三つの柱と幸せ」

が手に入るようになっているのだそうです(つまり、すべてが手に入るということ)。

でも、ここはまだゴールではありません。ファイナルアンサーは、心に湧き上がる感謝と確信と畏敬の念。「最後に口を突く本当の思いは、次のような思い。

「お蔭さまで、ありがとうございました」
これこそが、天照さまと豊受さまの最終ゴールです。
そしてそのゴールから、また物語が始まっていくのです」

この本のおかげで、言葉よりもはるかに力を持つもの、そのことを感じ、触れる旅になり、さらには、この先にひろがる美しい景色をイメージ出来る旅にもなりました。

☆6月の「すみれ図書室」は、23日(日)の午後2時からです。場所は、上賀茂神社そばですが、詳しい場所については、このブログのコメント欄(非公開です)かTwitterのDMまたは、mail: sumiretoshoinfoアットgmail.com までお問合せください。ただし、このアドレスは案内専用ですので、その他のお問い合わせには使えません。
















『おやすみ、かけす』そして5月の「すみれ図書室」

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眠りに入るためのさまざまな儀式があります。
窓を開けて、星や月や、遠い宇宙に感謝し、祈ること。今日一日の感情をリセットすること。ラヴェンダーのほのかな香りに包まれること。すてきなことだけを思い描くこと。それから、それから……。
そうして深い眠りに入ってゆくのですが、ときには眠れない夜もあります。そんなときのおまじないはたとえば、羊を数えること。花の名前をひとつずつ思い出してゆくこと──。人それぞれの魔法があると思いますが、『おやすみ、かけす』(マリー・ホール・エッツ まさきるりこ訳 大日本図書)はいかがでしょうか。
ページをめくりながら、声に出して読んでいくと、静かな時間がゆっくり、ゆら〜り、まわり始めます。
エッツの世界、その静かな世界を感じながら、物語の中のおとこのこと一緒に、動物たちに「おやすみ」の声をかけてゆきます。

 「きのえだで ないてる かけすさん、
  もう、おやすみ。」

 「ぬまで ないてる ぴょんぴょんがえる、
  おやすみ。」

 「おやすみなさい、おねむになった
  おとこのこ」

 「みなさん おやすみ、
  おやすみなさい。」

 「おやすみ。」

ともし火のように、風のように、星のように、繰り返し、繰り返し、「おやすみ」を言葉にしながら、しあわせな気分で、眠りに向かってください。

☆5月の「すみれ図書室」は、5月26日(日)の午後2時からです。修道院のおやつは、十勝カルメル会修道院のチョコレート、クッキー、パウンドケーキをご用意します。
場所は上賀茂神社隣。詳しい場所については、このブログのコメント欄(非公開です)かTwitterのDMまたは、mail: sumiretoshoinfoアットgmail.com までお問合せください。ただし、このアドレスは案内専用ですので、その他のお問い合わせには使えません。





4月のすみれ図書室

IMG_3508IMG_3423上賀茂神社の桜









直前でのお知らせですが、4月の「すみれ図書室」は予定通り、4月28日(日)の午後2時からオープンします。
この日は、上賀茂神社の手作り市がありますので、周辺は混雑するかと思いますが、それも楽しい。そして、境内を一歩出ると、そこには日常の静かな風景が広がっているはずです。
今、私は、石窯パン研究家の竹下晃朗先生の本を作っているのですが、手作り市にも、先生が設計したオーブンでパンを焼いているお店が出店予定なので、ご案内を。
「ごはんぱん工房 つぶつぶ」。炊いたお米をパン生地に餅つき機で練り込んで焼き上げる、優しい味わいのおこめパンのお店です。境内で是非チェックしてみてください。
それから、アトリエの名前を失念してしまったのですが、銀月アパートメントで洋服を作っている方のブースも出店予定です。
何しろ280ブースもあるので、何が何やら、どこにあるのやら、いつも迷子になってしまいます。
「すみれ図書室」は、駐車場の西出口を出てすぐの場所ですが、詳しい場所については、このブログのコメント欄(非公開です)かTwitterのDMまたは、mail: sumiretoshoinfoアットgmail.com までお問合せください。ただし、このアドレスは案内専用ですので、その他のお問い合わせには使えません。

昨日、境内でまだ花を残していた枝垂桜は、日曜日まで楽しめるのでしょうか。それとも、あっという間に葉桜になって、ずっと前からそうでした、とでもいうような風情を漂わせているでしょうか。
何にしても、四月もそろそろおしまい。桃色の真珠のようにけむる五月がやってきます。


    四月の歌

   暮しを離れること
   暮しを ふっと
   離れてしまうこと
   それが大切なのさ
   そんな瞬間を持てない奴は
   語るにたりない

   ひらりと身をかわし
   一羽の蝶が落してゆく
   レポ
   春の呪文
   『茨木のり子全詩集』花神社より


「すみれ図書室」と「銀月お部屋マーケット」のお知らせ

IMG_2548上賀茂神社








IMG_2690一膳飯屋りぃぼん外観









IMG_2522一膳飯屋りぃぼん店内










すみれ図書室のお知らせ

2月の黒板に「3月のすみれ図書室は、3月24日(日)に開催するかも」と書きましたが、やはり準備が間に合わず、3月はお休みにします。
上賀茂での開催は、4月28日(日)の午後2時からの予定です(詳細が決まりましたら改めてお知らせします)。上賀茂神社から徒歩1分程の場所になりますが、詳しい場所につきましては、TwitterのDM、あるいはこちらのコメント欄からお問い合わせください(コメント欄からメールアドレスをお知らせください。その場合のコメントは非公開です)。どうぞよろしくお願い申し上げます。

さて、春ですね。いろいろなことが始まり、いろいろな思いが芽吹く春。
先日、読み返した本に、こんな引用がありました。

「自分の愛することに関する知識は自然と入ってくるものだ。何かを読んだり、分析したり、学んだりするには及ばない。それを深く愛しているならば、知識は水がしみこむように入り、どんな地図にも負けないほど、細部までありありとわかる」
           ──ジェミサン・ウェスト

自分が好きなもの、自分が愛するものがあれば、それは強力な磁石となって、必要なことを引き寄せてくれます。それは星のように光る目印となって、行く先を教えてくれます。好きなものがあるというただそれだけで、私たちの中には、あふれるほどの光やきらめきが用意されるのです。
好きなものを見つけよう。春はこんなシンプルな思いを心に届けてくれます。

さて、上賀茂でのランチ情報です。
お気に入りだったkamogamaが閉店してしまい、ご案内出来ないのはとても残念なのですが、「すみれ図書室」に来られる方にお勧めしたいのは、「一膳飯屋 りぃぼん」。
扉を開けると、予想を裏切る光景が広がっています。奥までスッと続く屋久杉のカウンター。古材の柱や梁を使った空間。ピカピカで本格的な厨房の調理器具。ズラリと並んだご飯を炊くお釜……。圧巻の眺めです。
ご飯は、無農薬の近江米、使われる野菜は地元・上賀茂産。オーダーすると、ご主人が手ぎわよく焼いたり、揚げたり、オーブンに入れたり、目の前でテキパキと準備が整ってゆきます。お値段もかなりリーズナブルです。
いちばんお手頃なのは、ごはんセット1200円。メインディッシュが選べて、食後のコーヒー付き。その他に、「銀しゃり御膳」2,100円(釜飯、前菜、デザート付き)、「旨御膳」1600円(デザート付き)があり、この3タイプの中からオーダーを選び、次にメインを8種類の中から、ご飯のサイズは大中小から選びます。嬉しいことに、どのメニューも昼・夜同一料金です。*駐車場有(2台)。持ち帰りのお弁当メニューも。
「すみれ図書室」は第四日曜日に開催することが多いのですが、この日は「上賀茂手づくり市」の日。従って、「一膳飯屋りぃぼん」も混雑が予想されますが、どうぞおいしいお昼ご飯を食べて、お越しください。

それから、3月30日㈯の午後1時から、恒例の「銀月お部屋マーケット」を開催します。木工雑貨、修道院のお菓子、紙もの雑貨などを並べます。桜見物がてらお立ち寄りください。すぐそばの「駒井家住宅」も春の連続公開が始まっており、温室カフェなどもオープンしていますので、こちらもお楽しみに。

「屑の星 粒の星 名のない星々 うつくしい者たちよ」

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cafe STARDUST 店内





IMG_2384cafe STARDUST 店内








IMG_2388スコーンとハーブの香りの白湯。スコーンに添えられているのは、豆乳で作られたクリームとリンゴとレモン、エルダーフラワーのジャム。






IMG_2389すてきな器に入ったチコリコーヒー









◎星の降る夜は言葉も降るいふ とほいむかしの誰かの言葉
            ─咲耶児「匣入娘」より

STARDUSTの店主の清水香那さんがデンマークのSTARDUSTガーデンでふと思い出した、ある宇宙物理学者が話してくれた話。それは、

「私たち人間の身体を形成する細胞を素粒子レベルまで辿っていくと、
星を形成する成分とまったく同じ成分なんです。だから人間も星屑なんですよ」

というもの。
そのとき、バラバラだったパズルがカチッとはまったような不思議な感覚を味わいながら、清水香那さんはこんな風に思います。

「わたしたちは地上の星屑なんだ。わたしの内側に、「星の煌めきが宿っている」、そう感じたら、目の前の景色が静かに輝きだすような、そんな嬉しい気持ちになったのです。訪れてくれた人も、そこで働く私たちも、その場所にいるだけで、なぜか嬉しくなって内側の星のかけらが輝きだしてしまうような、そんな場所を作れたら。。。」

そして、生まれたのがSTARDUST。

『You are stardust on the earth – a beautiful little piece of universe.
あなたは地上の星屑、宇宙の美しいひとかけら。』

前回のブログで『クリスチャニア 自由の国に生きるデンマークの奇跡』(WAVE出版)をご紹介しましたが、本を読んで、STARDUSTにどうしても行きたくなりました。STARDUSTに行くのは初めてではないし、何度も足を運んでいるのですが、毎回、なぜか「はじめまして」の気分。紅茶なのかハーブなのか、店内に漂う微かな香りと天体が奏でる音楽のような音に包まれながら、星のかけらとかけらが吸い寄せられるように、いちばん奥のテーブルに進むと、「はじめまして」の気分は、「ただいま」の気分へと、ゆるやかに転調してゆきます。
高い天井の天窓から、言葉が降るように差し込む光、美しいガラスのコップに注がれたほんのりハーブの香りのする白湯、いつものオーダーのチコリコーヒー。
ふと思いついてテーブルの引き出しを引くと、そこには”The Book of Qualities″という一冊の本。取り出して読んでいたら、「見つけましたね」と笑顔で声をかけられ、「見つけました」と返事を。この本は日本語訳も出ているらしく、タイトルは「ジョイはきれな水を飲む」。きっとこの本も宇宙の美しいひとかけら。
一人のお茶時間を過ごしながら、家に帰ったら、茨木のり子さんの詩集を開こうと思っていました。心にあったのは、「夏の星に」、そして「水の星」、それから、それから──

     夏の星に

  まばゆいばかり
  豪華にばらまかれ
  ふるほどに
  星々
  あれは蠍座の赤く怒る首星 アンタレース
  永久にそれを追わねばならない射手座の弓
  印度人という名の星はどれだろう
  天の川を悠々と飛ぶ白鳥
  しっぽにデネブを光らせて
  頚の長い大きなスワンよ!
  アンドロメダはまだいましめを解かれぬままだし
  冠座はかぶりてのないままに
  そっと置かれて誰かをじっと待っている
  屑の星 粒の星 名のない星々
  うつくしい者たちよ
  わたくしが地上の宝石を欲しがらないのは
  すでに
  あなた達を視てしまったからなのだ きっと
            ─『茨木のり子全詩集』花神社刊より

北欧の小さな国に見つけた、希望の光の物語

IMG_8690Cafe STARDUST








IMG_8692STARDUSTで飲んだチコリコーヒー








お気に入りの場所に星をひとつずつ埋めてゆく。そうすると、街の中に私だけの星座が生まれる。リラダンが友人に語ったコントのように、その星はダイヤモンドのような光を静かに放ちはじめる。
そんな星のひとつが、STARDUST。そしてこれは、STARDUSTからのすてきなメッセージだ。

『You are stardust on the earth – a beautiful little piece of universe.
あなたは地上の星屑、宇宙の美しいひとかけら。』

STARDUSTに行くと、私の中に宿る星のかけらに気づき、心が天空の星とリンクする。そして、懐かしい場所に足を踏み入れたような思いがわき起こり、それはたとえて言うと、瞑想の時間の中で宇宙を旅し、はるか遠い場所にある私の光の場、私のエネルギーフィールドに到達したときのあの感じ。

先日、STARDUSTのオーナーである清水香那さんが書かれた『クリスチャニア 自由の国に生きるデンマークの奇跡』を見つけた。きっとこの中にも、たくさんの星のかけらがちりばめられているはず、そう思いながらページを開く。冒頭の「旅のはじまり」で紹介されるホピ族の「聖なる予言」、東日本大震災を経験した私達へのホピのチーフからのメッセージ、著者の清水香那さんがデンマークに大きな憧れを抱くきっかけとなった「チェルノブイリの原発事故が起きる一年前の1985年に、原発を国民投票で放棄した」という記事のこと。それらは小さな光へとつながり始める。

「2011年3月11日に、東日本大震災と福島原発の事故を経験してから、この日本という国で信じられてきた薄っぺらな「民主主義」というものに、ますます大きな疑問とジレンマを感じるようになっていた私たちは、デンマークに何か希望の光を見たような気がしたのだ。遥か彼方の北欧の小さな国から放たれているその光が、とても眩しく見えた。そして2011年11月、私たちはその「光」を探す旅に出た」

そして、読みながら私も、光を探す旅に同行する。行き先は「クリスチャニア」。

世界で一番幸福な国として注目を集めるデンマーク。その首都コペンハーゲンの中心に、住民たちが創りあげた奇跡の楽園「クリスチャニア」がある。そこは、東京ドーム7.5個分に相当する敷地にある1000人に満たない人々が暮らすフリータウンで、1970年代に、廃墟となった軍の兵舎だった場所をヒッピーや若者たちが占拠したことから始まった。以来、幾度となく存続の危機に襲われながらも、住民たちの団結力でそれを乗り越え、現在に至るまで45年以上も自治区として存続してきたという。
ここでは、デンマークの法律とは一線を引いた「独自の法」が優先されていて、生活雑貨店や飲食店のほか、コミュニティセンターや病院施設も存在し、国歌や国旗もオリジナル。
入り口と出口には、木製の大きなゲートがシンボリックに存在しているが、そこに扉はなく、すべての人に開かれている。そして24時間閉まることはない。

本を読みながら、このクリスチャニアで暮らす人々の声、生き方が、私自身に、私が暮らす日本の未来に、美しいインスピレーションを与え、希望の光を灯してゆく。
そして、旅のおわりには、著者の清水香那さんと写真の稲岡亜里子さんのこんな言葉が記されている。

「途方もない問題を抱えている私たちは、まだまだ学びの途中だが、誰かが誰かを思いやるとき、未来を思い行動に移すとき、いつも見えない光の粒(魔法)が生まれ続けてきたのではないだろうか」

「生きるものすべてが幸せでありますように」

「夢(ビジョン)はかたちになる」

「ひかり輝こう」

読み終えたとき、私の中の欠けていたパズルのピースがストンとはまった!!

「老後をしあわせに生きる。そう決めて生きてきました」

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2月2日の「燈火節」を過ぎ、「節分」の行事を終えると、気持ちは少しずつ春に向かう。冬芽を見つけても、小川のせせらぎの音を聴いても、みずいろの空を見上げても、春はもうすぐそこまで、と思い、気持ちが浮きたってくる。そんな思いに、片山廣子さんの『燈火節』の中にある「或る国のこよみ」の中の「虹を織る」という二月の暦が重なり、さらにさらに、気持ちは浮きたつ。
日も少しずつ長くなってきた。土の中に隠れている球根からは緑の芽が伸び始め、庭のミモザはすでに黄色い花穂をぎっしり付けている。わたしはそこに、生きることのよろこびを重ねてみる。
ミモザの花穂の色から、玉子色を思い浮かべる。そこからさらに、古い雑誌で読んだ玉子色のファッションに身を包んだパリの女性のことを思い出す。
パリ。昼食のレストラン。そこにやってきた、玉子色の帽子をかぶり、玉子色のコートドレスを着ていた女性のすてきな様子と、88歳とは思えぬ見事な食べっぷり。
彼女のテーブルには、ウェイターたちが次々にやってきて、親しそうに握手をしてゆく。
「楽しそうですね」と声をかけると、マダムはこんな風に答える。
「年をとってからしあわせでいられるように暮らしてきました」
「老後をしあわせに生きる。そう決めて生きてきました」
年をかさねてからしあわせでいられるように生きるとはつまり、若き日を大切に、ていねいに生きるということだ。

「もし現在のあなたが自分の夢にほど遠い状態であっても、あせって自分を粗末にしてはいけない。あなたの「美しい年齢」がいつおとずれるにしても、それは若い「今」を大切に生きた上に築かれるのだから」─『虹を織る日々』(熊井明子著 じゃこめてい出版)

という言葉のように。
それにしても、「自分で決める」ということの潔さとその気風のよさといったらどうだろう。そこに私は、「自分で決めたことだから」という沢村貞子さんの口癖と生き方を重ねてみたりする。

☆2月の「すみれ図書室」のご案内。
Twitter、部屋の黒板では、2月11日(日)とご案内しておりましたが、こちらの勘違いで、正しくは2月10日(日)の午後2時からです。この日の「修道院のおやつ」は、十勝カルメル会修道院のチョコレート、パウンドケーキ、クッキーをご用意します。
現在の場所(北区紫野)での開催は2月が最後となり、春からは同じ北区内ですが、上賀茂神社近くでの開催となります。


心の深いところにある用意

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随分昔に読み知ったことなのでちゃんとは覚えていないが、何度か人には話したことがある。森瑤子さんが3人の子どもの母となった30代の頃のエピソードである。
あるパーティーに出席したときのこと。仕事を辞めて主婦をしていた森さんは、そこで出会った人たちに自己紹介をするときに、「名乗る」ものがなかった。後に森さんは、このときのことを「あのとき、今はこれこれをしていますが、こういうことをやりたいと思っています。そう言えばよかった」と書いていた(のか、何かのインタビューで答えていたのか、定かではない)。
これを読んだとき、私は目からウロコが落ちた。衝撃を受けた。もちろん、現状に満足しているなら、そのときに何をしていようが、していまいが、堂々とそのことを伝えればいい。だが、そうじゃない場合、自分の中にあるものを名乗ればいいんだと思って、ハッとしたのだ。多分、そのときの私は、「自分がしたいこと。なりたい自分」が定まっていなかったのだろうと思う。
それはともかく、森瑤子さんの言葉から、まだかたちにはなっていなくても、心の深いところに用意があれば、それが何かに触れて兆しになり、かたちが生まれ、やがて、育ち、花開いてゆくものなのだという確信が生まれた。そして、心の深いところにある用意もまた、まぎれもない自分なのだ、と改めて思ったのだった。
だから、「あなたは今、何をしていらっしゃるの」と問われ、明確に差し出すものがなかったとしても、心の深いところにある用意を伝えればいいんじゃないか、ということを、若い人たちに知らせたいと思う。
「なにかになるには、それだけの確信をもたなければならない」とは、中里恒子さんの言葉だが、確信の種があるのなら、それは光ることなのだと思う。

☆1月の「すみれ図書室」は、1月27日(日)の午後2時からです。修道院のおやつは、十勝カルメル会修道院のチョコレート、パウンドケーキをご用意します。






その人にとってのたったひとつの魔法

思えばここ数年、毎年12月に角野栄子さんのインタビューや記事に出合い、そこから魔法の種をもらっている気がする。
そして2018年もまた、角野栄子さんの記念講演会の記事(朝日新聞朝刊2018年12月29日)から、いくつかの魔法の種をもらった。
そのひとつ、

「本を読んでいると何ページかごとに水平線が現れる」。

水平線と言えば、『ファンタジーが生まれるとき』(岩波ジュニア新書)の中に書かれているブラジルへの二か月の船旅だ。太平洋を横切り、大西洋を渡ってのサントス港までの旅。毎日毎日海の上で、見えるものといったら水平線だけ。だが、この海と空を分ける一本の線は、実に豊かなものをかくしていたと門野さんは書いている。

「あの一本の線からいつかは何かが現れる。それはなんだろう……なんだろう……。心が浮きあがるような気持ちだ。(中略) その一本の線から見えない扉が、毎日開き続け、想像するたのしみを送ってくれるのだった。まさに贈り物をあけるときのようにわくわくする。それはおおきくって、まったく自由な心の遊び場だった。たった一本の線だからこそ持っている魔法だったと思う。本当に神様が想像力という宝物を人に与えてくださったことに感謝する」

読書には、そうした水平線が現れるよろこびがあり、そこから見えない扉が次々開いてゆく魔法が隠されているのだろう。「はじめまして、あなたって、そんな人だったの」と自分に言うように、「はじめまして、あなたって、こんな物語だったの」という驚きとわくわくした気持ちに、私たちは何度も出合う。

もうひとつの魔法、それは、

「自分が本当に好きな本だけ30冊ほど並べる小さな本棚を持っては」
「お孫さんがいるなら、ランドセルの代わりにそんな本棚を贈ってあげて」

という角野栄子さんの提案。

続けて角野さんは言う。

「その本棚は『その人』になっていく。人の面白さがおのずと現れてくる」

この言葉にグッと来た。
『魔女の宅急便』のキキは、ほうきで飛ぶというたったひとつの魔法を使うが、好きな本だけを並べた小さな本棚にも水平線が現れ、そこから誰かに出会い、何かに出合う。そして、その人のたったひとつの魔法になってゆくのだと思う。


☆1月の「すみれ図書室」は、1月27日(日)の午後2時からです。修道院のおやつは、十勝カルメル会修道院のチョコレート、パウンドケーキをご用意します。

"じっと見つめてごらんなさい。風に言葉 光に言葉 木々の葉に言葉"

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妙心寺・東林院の「小豆粥で初春を祝う会」のお膳 2019年1月15日〜31日 11時−15時




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妙心寺東林院の「小豆粥で初春を祝う会」のお膳






原稿を書こうとして、手が止まってしまうことがある。どう書き始めればいいのか、その入り口が見つからず、時間だけが過ぎてゆく。
そんなとき思い出すのは、高田敏子さんのこんな言葉。

「詩を書きたいな、と思っても、なんにも書くことがうかんでこないときは、手近なものをじっと見つめてごらんなさい。
 机の前に窓があったら、窓のそとの風景を、また、目の前に花びんがあったら、それもじっと。じっと見つめることで、普段気づかなかったそのものの姿や形にも、あらためて気づくでしょうし、そのものから連想もひろがって、思いがけない詩が生まれるものです。
   (中 略)
 詩を書くことは、何かしら新しく知ってゆくことなのですから。そうしたさびしさをおそわれはじめると、わたくしは何でも手近なものを、じっと見つめる時間をもつのです」
(『詩の世界』高田敏子著 ポプラ社)

じっと見つめていると、何かが立ち上がってきたり、何かを思い出したり、ふと心が動いたり。そうしているうちに、扉が見つかる。この言葉に何度助けれれたことだろう。

高田敏子さんは、ある晩、手近にある雑誌をめくっているうちに目についた動物の写真をじっと見続ける。そこから生まれた詩。

   風に言葉

  馬は優(やさ)しい目をあげて
  耳を澄(す)ます

  太陽はきらめき
  ポプラの枝先はゆれて 風が渡(わた)る

  風に言葉
  光に言葉
  木々の葉に言葉
  私たちにはわからない動物たちだけに
  聞える声が
  あ あるのだ きっと!

「何を書いてよいかわからない、というときも、自分にいま詩が必要と思ったら、とにかくペンをもち、はじめにうかんだ一行でも書きはじめることにしましょう。
 そして、なお思いがひろがらなかったら、デッサンでもするように、目の前にある物、風景、そのままを写しとることをしてごらんなさい。きっとなにかが見えてくるはずです」

「わたくしは詩がすきです。自分が詩を書く、ということよりもむしろ、詩そのものが好きなのです。詩というものがある、存在する、ということがうれしく、また、詩によって結ばれた友人のあること、詩から学び、知ってゆく生き方がすきなのです」

この『詩の世界』には、さまざまな詩の紹介とともに、詩の世界についての話など、高田敏子さんの思いがたっぷりとしたためられている。中学生のために書かれた本ではあるが、詩が好きな人すべての心に響くと思う。

☆12月の「すみれ図書室」は、23日(日)の午後2時からです。米村晴美先生の生おみくじ、山口カルメル会修道院のシフォンケーキ、なやカフェのタルトを用意したします。*なやカフェのタルトは、「すみれ図書室」からのクリスマスプレゼントとして来室者の方に振る舞います。






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