琉球新報記事沖縄大学フォーラム

2005年01月28日

琉球新報記事2







 





2002年10 月28日の琉球新報の記事を紹介します。



沖縄における流通の変動と共同売店

山原では「生き残り策」を模索  小林 甫


 戦前から沖縄では全域にわたって共同売店が存在し、地域に密着して購買機関のみならず相互扶助や情報交換の場として大きな役割を果たしてきた。今日でも北部山村・離島地域で重要な機能を果たしている。

 本土他県にも共同売店と名の付くものは存在するが、今日ではそれらのほとんどが地域振興の物産展や観光客相手の売店だったりするのと違って、この集落住民の生活拠点であるという点に沖縄の共同売店の大きな特徴がある。

 



 しかし、一九七二年の本土復帰以降、沖縄経済が日本の経済圏に組み込まれ急速に市場経済化と流通近代化が進行したのに伴い、共同売店の所有・運営形態にも、集落直営から請け負いへ、請け負いから個人経営へという顕著な変化に一層の拍車がかかることになった。この傾向は、一九八〇―九〇年代に入ると、大型店出店規制緩和の影響もあり、沖縄でも大型店の出店ラッシュをもたらし、特に、本土大手スーパーの進出、コンビニ店のチェーン展開などは、沖縄の流通の変化に大きな影響を与え、現在、流通戦国時代といわれる様相を呈している。

 この影響は、共同売店が今日かろうじて残存している山原地域にも及んでおり、特に名護を中心とした北部商圏も近年に入り国道沿いに大型スーパー、専門量販店、コンビニなどが出店し流通近代化が急速に進んでいる。モータリゼーション化の進展とも相まって山原の人々の消費行動範囲は格段に拡大し、その結果、地元共同売店の売り上げは減少し、共同売店の存続の危機に直面している。このような現状を打開するため、昨年七月山原の共同売店を守るために国頭・東・大宜味三村の関係者による意見交換がもたれたり、今年に入って北部発展の参考にしようとスペインのモンドラゴンの協同組合の力によって地域を発展させた経験の学習会がもたれたりしている。また、一昨年の八月には北部振興方針がつくられ、共同売店を情報ネットワークで結んだり、地域物産の販売の拠点にするなどの提案がなされている。また、ツールドおきなわでの関門に共同売店がなるなど、共同売店の意味と重要性を真剣に考える動きが起こっている。地域の再生と共同売店の果たす役割を多元的観点から問い直し、今後の在り方を問い直す時期に直面していると考える。

 そこで、沖縄大学地域研究所では、十一月二日(土)午後二時から、III号館一〇一教室において、共同売店の調査・研究メンバーにより(1)共同店の歴史展開と現況(2)共同店の地理的立地状況(3)村落自治構造と共同店(4)流通経済変動と共同店(5)共同店と地域福祉展開の可能性―を内容とした発表とシンポジウムを開催する。多くの方々に参加していただき、ご意見をいただければ幸いである。問い合わせ先・沖縄大学地域研究所098(832)5599。

 (沖縄大学法経学部教授)



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