現在、私は口から食事が食べられなくなったある患者さんに関わっています。入院当初は、表情も乏しく、自分の気持ちを他人に伝える事も出来ませんでした。栄養士・看護師と協力しながら、また患者さんとそのご家族のご努力もあり、次第に口から食べられるようになり、今では1食分を口から食べることが可能になっています。
口から食べ物が食べられないのはとても辛く苦しい事だと思います。そうした状況ですから初めての一口が食べられた時に患者さんのご家族は「今まで食べられなかったのに、ちゃんと食べられるようになった。ほんとうに良かったねぇ」と喜んで下さいました。
また、本人さんも、食事が食べられるようになった頃から、笑顔が見られるようになりました。「口から食事を食べる」ということが感情や表情がだせるようになった事に少なからず影響があったと感じます。本人さんのその笑顔を見ると、本当に「一緒に頑張って良かった」と心の底から嬉しく感じます。口から食事が取れなくなってから、初めての一口に関わらせていただくことに言語聴覚士として大きな責任を感じますが、それ以上に私自身も喜びとやり甲斐を感じます。
(記事:CS部 言語聴覚士N)