九州合同法律事務所

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給費制廃止問題

司法修習生の給費制廃止違憲訴訟第4回期日の報告

12月に入りめっきり寒くなりましたね。
冬らしい感じがしてワクワク(?)しますが、まだ身体が寒さに慣れていないって感じですね。

さて、先月26日に福岡地裁で行われました司法修習生の給費制廃止違憲訴訟の報告です。

司法修習生とは、司法試験に受かった後、裁判官、検察官、弁護士になるための実地研修である司法修習を行っている人たちのことです。

3年前までは、1年間の司法修習の間、司法修習生には給与が支払われていました(給費制)。ところが、裁判所法の改正によって、司法修習生は「無給」とされ、1年間の生活費や家賃、交通費、書籍代など諸処の経費を賄うために必要があれば国から借金することができる、という「貸与制」が導入されることとなりました。

ただ、修習は、単なる学習の場というわけではありません。弁護士事務所で実際に書面を書いたり、検察庁では被疑者の取り調べをしたりするなど、修習終了後すぐに実務家として活動できるだけの素養を身につけることを目的としたれっきとした「職務」なのです。それにもかかわらず、法律を変えて「無給」としたことは憲法に違反する、と主張しているのがこの訴訟です。

今回の期日では、原告の藤井祥子さんが、法学部志願者数の減少など、国民の権利擁護を担うべき法曹を目指す人が減少しており、それは給費制の廃止が影響していること、それは単に法曹だけの問題ではなく国民全体の権利擁護についての危機であること、ゆえに本訴訟の真の原告は国民なのだということを、自身が法曹を目指した理由、本訴訟の原告となった理由を踏まえながら、熱く意見陳述しました。

続いて、私の方から、国民の権利擁護の担い手である法曹を育成することは憲法によって国に課された義務であり、旧裁判所法はそれを具体化していたものなのであるから、司法修習生の給費を受ける権利は憲法そのものによって保障されたものであり、給費制を廃止することは憲法に違反すること、また国民の権利擁護の担い手となるために司法修習を受けることを義務付けられている司法修習生にとって、修習とは「職務」なのであるから給費制の廃止は憲法27条に違反することなどについて意見陳述を行いました。

給費制廃止の問題は、司法修習生という一部の人たちだけの問題と捉えられがちですが、実際にはそうではなく、国民の権利擁護・戦後民主主義の確立のために創設された制度の大転換であって、長い目で見て、国民の権利擁護の担い手たらんとする人材の減少という重大な影響をもたらすものだと思います。



次回期日は、平成27年1月26日(月)11時から福岡地方裁判所301号法定で開催されます。
多くの皆さんに本訴訟を傍聴していただき、原告らの声をお聞き頂きたいと思いますので、お忙しいこととは思いますが、ぜひ法定に足をお運びください。


(高木)

司法修習生の「給与」とは何か〜給費制廃止違憲九州訴訟第3回弁論

 本日、福岡地方裁判所大法廷で、給費制廃止違憲訴訟の第3回口頭弁論が行われました。

 本日の弁論では原告の金丸祥子弁護士(宮崎)と、代理人の小林が意見陳述を行いました。
私は、貸与制以降以前に司法修習生に支給されていた「給与」とは何なのかというテーマで意見を述べました。
 金丸さんの弁論は、給費制が廃止される過程(司法制度改革審議会及び国会での議論)において、政府が繰り返し強調してきた「給費制には国民の理解が得られない」という言説がいかに根拠のないものであったかを明らかにするとともに、自分が司法試験をめざした頃の思いや実際の弁護士活動を踏まえて、「万が一、本当に理解が得られていないならば、国は、万難を排し、早急に理解が得られるように措置を講ずるべきだ」と強く求めるものでした。

 以下、私の弁論の全文です。


 昭和38年1月に発行された司法研修所要覧というパンフレットがあります。ここでは、司法修習生の身分について以下のように説明されています。

 司法修習生は公務員ではないが、給与、監督その他の身分関係については公務員と類似の取扱いを受ける。すなわち、司法修習生は、修習期間中、国庫から一定額の給与を受けるほか、暫定手当、扶養手当などが支給される。また、国家公務員共済組合法の適用を受け、毎月一定額の掛け金を負担し、療養費、出産費その他所定の各給付を受ける資格を取得することになる。研修所入所、滞在などに必要な旅費についても公務員に準じた取扱いを受ける。
 その反面、司法修習生は、修習の全期間を通じて司法研修所長の監督に服するとともに、実務修習の間はその配属地の高等裁判所長官、地方裁判所所長、検事長、検事正または弁護士会長の監督を受ける。また、司法修習生は最高裁判所の許可なくして、公務員となり、または他の職業に就き、あるいは財産上の利益を目的とする業務を行うことができないのみならず、修習にあたって知りえた秘密を漏らしてはならない義務を負うなど、公務員と同様の規律を受けているのである。
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給費制廃止違憲九州訴訟第2回弁論

 本日、福岡地方裁判所大法廷で、給費制廃止違憲訴訟の第2回口頭弁論が行われました。

 第1回弁論については、このブロク(司法修習の給費制の復活を求めて〜第1回弁論)でもお伝えしたところです。本日は、被告国側と原告側のそれぞれの第1準備書面が陳述されました。

 国側の主張の要旨は、以下の2点です。

 平成16年改正前裁判所法の「給費制」のもとで修習生に支給されていた「給与」は、職員の職務の対価としての、いわゆる「給与」ではなく、修習生をして修習に専念させるための配慮に過ぎない。
 修習に専念させるための手段は給費制以外にもあり得るところであり、どのような手段を採るかは立法裁量に委ねられている。したがって給費制を廃止しても憲法上の問題はない。


 これに対して、原告側は以下のように反論しています。

 改正前裁判所法67条2項は、「司法修習生は、その修習期間中、国庫から一定額の給与を受ける」と何の留保もなく「給与」という用語を使っているし、制定過程において司法省は「給与というのは、手当、俸給を含む趣旨」との説明を行っている。「給与」が文字通り修習生の職務の対価としての「給与」であることは明らか。
 法曹としての能力を高めることを司法修習生の職務と位置付けた司法修習制度は、日本国憲法制定に伴う司法制度改革の中核的な内容の一つであり、給費制もまた憲法の要請に基づくものである。

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司法修習の給費制の復活を求めて〜第1回口頭弁論

 2014年1月20日午前11時、この季節にしては温かな陽光の降り注ぐ中、司法修習生の給費制廃止違憲国家賠償九州訴訟の第1回口頭弁論期日が、福岡地方裁判所の大法廷で開かれました。この訴訟の概要については、この弁護団の事務局長を務めている高木士郎弁護士が記事を書いていますので、こちらをご参照下さい。
 全国から原告や代理人が集まり、また関心を寄せる多くの市民も詰めかけ、100席を越す傍聴席の後方に設置された補助席も含め、傍聴人が埋め尽くす中、開廷されました。
 原告側は、この日のために入念な打合せの会議を繰り返し、意見陳述4本のほか、パワーポイントを用いた訴状の要旨の読み上げを用意していました。
給費九州第一回期日チラシ集合時刻入り曜日修正版
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憲法から考える給費制の意義

 11月23日土曜日午後3時半より福岡国際会議場で「憲法から考える給費制の意義」というシンポジウムが開催されました。既にこのブログでも何回かご紹介していますように、当事務所の小林、高木は、給費制廃止違憲訴訟の原告代理人として活動しています。
 小春日和の土曜日の午後、しかもすぐそばで矢沢永吉のライブ、大相撲九州場所が開催され、同じ会場の下の階ではご当地アイドルのライブがあっているという中、大変に充実した集会となりました。
 最初に、九州訴訟弁護団の共同代表である佐賀の安永宏弁護士からの開催のあいさつ。自身の司法修習生時代を振り返り、人生で最も楽しい2年間であり充実していたと語り、どうして給費制廃止の議論がなされていた時に、自分達のような給費制の恩恵にあずかったベテランがもっと真剣に反対しなかったのかという悔いの思いを述べ、今まで違憲訴訟など手がけたこともなかったが、この訴訟だけはやらなければならないとの強い思いから代表を引き受けた旨話されました。kyuhiseisympo続きを読む
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