九州合同法律事務所

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障害・福祉

安永健太さん訴訟意見陳述のご紹介

 先のブログ記事で残念な控訴審判決の報告をした安永健太さんの佐賀県に対する国家賠償法に基づく損害賠償請求事件、9月14日の口頭弁論期日で原告であるお父さんの安永孝行さんに続いて、弁護団のひとりとして意見陳述を行いました。その時点で、ブログでご紹介するつもりでしたが、何とか逆転勝訴を勝ち取ったときに、と思っていました。
 恐らくご家族は上告されると思いますので、私たちは最高裁で何とかよい結果を勝ち取るために、すべての力を注ぎたいと思います。
 でも、それはそれとして、孝行さんと私の意見陳述をここでご紹介することで、事案の本質や原告であるお父さん、弟さん、弁護団のこの事件にかける思いが、ある程度お伝えできるのではないかと思い、いまさらながら意見陳述をご紹介することにします。
 写真はいずれも養護学校高等部に在籍していたときに出場したスペシャルオリンピックスの400m走で銀メダルを獲得したときの健太さんです。この笑顔が永遠に失われてしまいました。
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安永健太さん訴訟控訴審判決のご報告

 ながらくブログの更新を怠ってしまいました。どうにも、安保関連法案の採決以降、筆が止まってしまっていて、情けない状態ですが、新しい年にはもう少しまめにブログを更新していきたいと思います。
 さて、久々のブログ更新が、残念ながら敗訴判決についてのご報告となります。
 以前もご紹介した知的障害をもった当時25歳の安永健太さんが、彼を薬物中毒者と思い込んだ警察官らから取り押さえられ、最終的には4〜5人の警察官から歩道のアスファルトの上にうつ伏せで押さえつけられ、後ろ両手錠をかけられて、強いストレスのために心臓突然死をしてしまったという事件です。
 詳しくは以前の記事をご参照いただきたいと思いますが、福岡高裁での控訴審は、9月14日に結審となり、昨日12月21日午後3時が判決期日でした。
 いつものように裁判所には多くの支援者が集まり、傍聴券の抽選に並びました。
 満員の傍聴席、法廷撮影のカメラも入り、裁判官が入廷、2分間の撮影の後、おもむろに事件番号が読み上げられ、裁判長が判決の言い渡しを行います。
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重い障害をもって生きるということ

 障害者自立支援法違憲訴訟に携わったことをきっかけに、障害をもった人が、その尊厳を保つことのできる生活を営めるようにサポートするお仕事をさせていただいています。先日もご紹介した先天性心疾患の方が補装具としての電動車いす費用の支給を求める裁判や、全身紫陽花花束性障害の方が介護者による24時間の支援を求める活動など、障害福祉サービスの支給を求める活動が主体となっています。
 いま現在は、山口県内に住むALS(筋萎縮性側索硬化症)という難病を患う方が、一人暮らしを営めるように24時間介護を求めようと、作業しているところです。続きを読む

小林電動車いす訴訟の詳細ご紹介

 昨日、筑後市の控訴断念により確定する運びとなった旨お知らせした小林奈緒さんの電動車いす裁判の判決については、詳しいことは後日、と予告していましたので、約束通り、事案の内容や、判決の認定について、少し詳しくご紹介させていただきます。
 奈緒さんの心疾患は、単心房単心室、肺動脈閉鎖です。通常なら、心室も心房も2つの部屋に分かれnaophotoていて、だからこそ、全身を巡って各組織に酸素を送り、心臓にもどってくる静脈血(右心系)と、肺でたっぷり酸素を供給された動脈血(左心系)とは入り交じることなく、真っ赤な動脈血を、動脈を通じて末梢の組織にまで十分な酸素を届けることができます(こちらの東大病院小児集中治療室のサイトに分かり易い動画があります)。
 ところが、奈緒さんの場合、心室や心房を左右に分ける壁がないため、常に動脈血と静脈血が入り交じり、全身に送られる血液中の酸素の量が十分ではありません。そのため、常に末梢にチアノーゼがあって、息苦しい状態です。奈緒さんの主治医は、それを「普通の人が100メートル全力疾走した直後のような状態が常に続いている」と表現しています。続きを読む

電動車いす訴訟判決、筑後市の控訴断念により確定!

 2月9日のブログでご報告しました、先天性心疾患を抱えた小林奈緒さんが筑後市に対して電動車椅子の支給を求めた訴えを認めた、全面勝訴と評価すべき判決につき、筑後市は、本日、控訴しない方針を固め、コメントを発表しました。
 奈緒さんには改めて、「おめでとう」「よく頑張りましたね」とねぎらいの言葉をかけたいと思います。また、あたたかい連帯の力をくださった支援の方々に心よりお礼を申し上げます。前回のブログ記事は沢山の方に読んでいただきました。
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