九州合同法律事務所

福岡市東区馬出1−10−2メディカルセンタービル九大病院前6F
医療事故の患者側代理人の仕事が中心です。
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本の紹介

『未来(あした)を拓く人〜弁護士池永満の遺したもの』ついに出版

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 わが事務所の創設者である池永満弁護士が亡くなって5年半、ようやくようやく、この7月1日をもって、池永満弁護士を追悼する書籍ができあがりました。
 彼の、弁護士としての、市民運動の牽引者としての、さまざまな活動や業績を振り返るとともに、その提起した課題をどう受け継ぎ、次世代にバトンをわたしていくのか、私たち自身の課題として見つめ直す文章を、それぞれの分野の専門家にお願いして、書いていただきました。
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この一年をしかと位置付ける〜新年のごあいさつ

 あけましておめでとうございます。
 当事務所、1月5日より業務を開始しております。
 みなさま、年末年始をどのようにお過ごしでしょうか。
 妙に生あたたかく、特にここ福岡は1月2日の予想最高気温が17度と、およそ正月とは思えないような暖かさが続きました。しかし、政治情勢はそのような生ぬるいものではなく、年頭の新聞に首相の改憲への強い意思をこめた発言が報じられるなど、ここ数年来の不穏な気配はいっそう高まっているように思われます。

 事務所の今年の年賀状では、昨年の各地のデモで掲げられた金子兜太さん揮毫による「アベ政治を許さない」を、患者の権利法をつくる会の会報「けんりほうnews」のキャラクターの少年が怒りを持って掲げているイラストを配し、次のようにご挨拶をさせていただきました。
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謹賀新年
 私たちは、この年を、世に溢れうねる負の連鎖を解き放つために真にたたかうべき年と位置付けます。
 まずは政治を民衆の手に取り戻すこと。
 平和を守り抜くこと。
 集団的自衛権の行使は、決して許しません。
 恒久平和主義を貫くことこそが、今、求められています。

    2016年元旦 九州合同法律事務所


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らい予防法被害者名誉回復追悼の日

 6月22日は何の日か、ご存知でしょうか。
 昨年のブログでもご紹介したように「らい予防法による被害者の名誉回復と追悼の日」です。
 昨年は休日にあたったので、6月20日に開催されましたが、今年は月曜日、午前10時に厚生労働省の敷地内に立てられた追悼の碑の前で献花が行われた後、講堂で追悼集会が開催されました。午後は都道府県会館での厚生労働省との定期協議。写真は定期協議の会場です。
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 6月22日は、2001年5月11日のらい予防法違憲国賠訴訟の熊本地裁判決と、その後の圧倒的な運動の成果としての5月23日の国の控訴断念を受け、国会がらい予防法という明らかな人権侵害の悪法を1996年まで温存し、強制隔離政策とそれに基づくハンセン病差別を温存させてきた、自らの過ちを反省し、議員立法としてハンセン病補償法(ハンセン病療養所入所者等に対する補償金の支給等に関する法律)を成立させた日です。この法律の前文は次の通りです。
「ハンセン病の患者は、これまで、偏見と差別の中で多大の苦痛と苦難を強いられてきた。我が国においては、昭和二十八年制定の「らい予防法」においても引き続きハンセン病の患者に対する隔離政策がとられ、加えて、昭和三十年代に至ってハンセン病に対するそれまでの認識の誤りが明白となったにもかかわらず、なお、依然としてハンセン病に対する誤った認識が改められることなく、隔離政策の変更も行われることなく、ハンセン病の患者であった者等にいたずらに耐え難い苦痛と苦難を継続せしめるままに経過し、ようやく「らい予防法の廃止に関する法律」が施行されたのは平成八年であった。
 我らは、これらの悲惨な事実を悔悟と反省の念を込めて深刻に受け止め、深くおわびするとともに、ハンセン病の患者であった者等に対するいわれのない偏見を根絶する決意を新たにするものである。
 ここに、ハンセン病の患者であった者等のいやし難い心身の傷跡の回復と今後の生活の平穏に資することを希求して、ハンセン病療養所入所者等がこれまでに被った精神的苦痛を慰謝するとともに、ハンセン病の患者であった者等の名誉の回復及び福祉の増進を図り、あわせて、死没者に対する追悼の意を表するため、この法律を制定する。」
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「医薬品の安全性と法─薬事法学のすすめ」

医薬品の安全性と法 一昨日は、薬害オンブズパースン会議事務局長の水口真寿美弁護士を講師としたNPO患者の権利オンブズマン主催の市民大学「子宮頸がんワクチンに関する本当のQ&A」に参加しました。昨年の、患者の権利宣言30周年記念シンポの際にも感じたのですが、HPVワクチン副反応被害の怖ろしさ、被害者たちのおかれている深刻な状況には、ほんとうに胸が塞がる思いです。

 さて、その薬害オンブズパースン会議の実践の中から、このたび「医薬品の安全性と法―薬事法学のすすめ」という本が生まれました。
 
 序章   薬事法学の基本原理(鈴木利廣)
 第1章  医薬品の安全性確保の歴史(後藤真紀子)
 第2章  医薬品の開発から市販後まで(関口正人)
 第3章  基本的考え方─医薬品監視の4原則(水口真寿美)
 第4章  企業のマーケティング戦略と監視(後藤真紀子)
 第5章  臨床研究の法と倫理─被験者保護と医薬品評価(水口真寿美)
 第6章  承認審査(八重ゆかり)
 第7章  市販後安全対策(水口真寿美)
 第8章  情報公開(関口正人)
 第9章  医薬品の開発と未承認薬(寺岡章雄)
 第10章 一般用医薬品(中川素充)
 第11章 医薬品被害の救済(鈴木利廣)
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幼き日に知る読書のよろこび:「おかあさんの木」

 先日、弁護士会からの派遣で飯塚市の女性センターの法律相談を担当しました。ここは私が生まれ育ったところです。かつて炭鉱で栄え、テレビ小説「花子とアン」の蓮子のモデル柳原白蓮の夫であった炭鉱王伊藤伝右衛門の出身地。
 私が物心ついたころにはエネルギーの主役は既に石炭から石油へと切り替わり、間もなく炭鉱(ヤマ)の火は消え、通学路脇にぞろりと建っていた炭住(炭鉱住宅)も次々に取り壊されていきました。千鳥饅頭やひよこ饅頭など、今も全国区の菓子類が生まれたのも、炭鉱により栄えた筑豊の地ゆえであったのです。
 私は、青少年時代、この筑豊という故郷が好きではありませんでした。地を深く掘ったために地盤が沈下する鉱害、石炭の採掘の際に生じる捨石(ボタ)を積み上げた黒々としたボタ山がそびえ、過去の賑わいの残像にすがりついているような気がして、今を生きる町の息吹が感じられない、情緒のない風景だと思いながら通学していました。
 私の生家は、当時の飯塚市の中ではどちらかというと辺縁部にあり、いわゆる「街」からは遠く、両親が専業農家として製茶業を営んでいたこともあって、2ヘクタールほどの茶畑が並ぶ小さな山(「茶山」と称されていました)のふもとの一軒家に住み、一番近い隣の家まで数百メートルの距離がありました。幼い頃は街灯もなく、月のない夜にはそれこそぬばたまの闇の中。右も左も分からない真っ暗闇。ですから、初めて「飯塚の街中」にある親戚の家にお泊まりをして、銭湯に連れていってもらったとき、夜なのに昼間のように明るい通りがあることに驚愕したことを鮮明に憶えています。続きを読む
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