ハンセン病患者の家族に対する国の責任を認めた6月28日の熊本地裁判決は、国の控訴断念によって確定、本日、内閣総理大臣談話が発表されました。
首相談話は「かつてとられた施設入所政策の下で、患者・元患者のみならず、家族にも社会で極めて厳しい偏見、差別が存在したことは厳然たる事実」と表明。そのうえで「事実を深刻に受け止め、家族が強いられてきた苦痛と苦難に対し、政府として改めて深く反省し、心からおわび申し上げる」と述べた。今後の対応として「関係省庁が連携・協力し、人権啓発、人権教育などの普及啓発活動の強化に取り組む」とした。【髙橋克哉】
前回のエントリー「熊本地裁、ハンセン病家族訴訟で国の責任を認める〜より一層のご支援を!」でも触れましたが、今回の判決は、国の作為義務が1996年3月のらい予防法法廃止のみによって果たされたとは言えないとして、2001年末までの作為義務違反を認めたこと、その義務違反の主体として、厚生大臣ないし厚生労働大臣のみならず法務大臣及び文部大臣ないし文部科学大臣の責任を認めたことは、2001年判決と比べても大きく踏み込んだものです。このあたりについては、国は政府声明で異論を表明していますが、なにはともあれ、家族の被害を認めて謝罪の意を表明したこと、未提訴の被害者をも対象者に含めた補償制度の創設及び関係省庁が連携した啓発活動の強化を謳ったこの首相談話を高く評価したいと思います。
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「苦痛と苦難におわび」ハンセン病家族に首相談話 原告以外にも補償検討
毎日新聞2019年7月12日 11時00分
政府は12日、ハンセン病元患者の家族への賠償を国に命じた熊本地裁判決の控訴見送りに関し、安倍晋三首相の談話と政府声明を持ち回り閣議で決定した。首相談話は、患者や元患者、家族への「おわび」を明記。確定判決に基づく賠償を速やかに履行し、訴訟への参加、不参加を問わず、家族を対象とした補償制度を早急に検討すると表明した。首相が家族と直接面会する方針も示した。首相談話は「かつてとられた施設入所政策の下で、患者・元患者のみならず、家族にも社会で極めて厳しい偏見、差別が存在したことは厳然たる事実」と表明。そのうえで「事実を深刻に受け止め、家族が強いられてきた苦痛と苦難に対し、政府として改めて深く反省し、心からおわび申し上げる」と述べた。今後の対応として「関係省庁が連携・協力し、人権啓発、人権教育などの普及啓発活動の強化に取り組む」とした。【髙橋克哉】
前回のエントリー「熊本地裁、ハンセン病家族訴訟で国の責任を認める〜より一層のご支援を!」でも触れましたが、今回の判決は、国の作為義務が1996年3月のらい予防法法廃止のみによって果たされたとは言えないとして、2001年末までの作為義務違反を認めたこと、その義務違反の主体として、厚生大臣ないし厚生労働大臣のみならず法務大臣及び文部大臣ないし文部科学大臣の責任を認めたことは、2001年判決と比べても大きく踏み込んだものです。このあたりについては、国は政府声明で異論を表明していますが、なにはともあれ、家族の被害を認めて謝罪の意を表明したこと、未提訴の被害者をも対象者に含めた補償制度の創設及び関係省庁が連携した啓発活動の強化を謳ったこの首相談話を高く評価したいと思います。
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