九州合同法律事務所

福岡市東区馬出1−10−2メディカルセンタービル九大病院前6F
医療事故の患者側代理人の仕事が中心です。
事務所の詳細は九州合同法律事務所HP

憲法

中村哲さんを悼む


アフガンで銃撃、中村哲医師が死亡 現地で人道支援
12/4(水) 16:49配信 朝日新聞
 アフガニスタン東部ナンガルハル州の州都ジャララバードで4日朝、同国で人道支援に取り組んできたNGO「ペシャワール会」(事務局・福岡市)の現地代表で、医師の中村哲さん(73)の乗った車が何者かに銃撃された。州政府によると、中村さんや運転手ら計6人が死亡した。
 長く医療支援や灌漑工事を続けてきた中村さんは10月、同国から名誉市民権を授与されたばかりだった。2008年に日本人スタッフ(当時31)が殺害される事件があったため、警備員を付けて活動していた。


 中村哲昨日、出張帰りの新幹線の中でこのニュースに接し、泣きながら帰ってきました。

 言葉がありません。
 一方で、この気持ちを多くの人と共有したい、という思いもあります。

 パソコンの中に、中村さんについて書いた文章が残っていました。
 2008年に、福岡県弁護士会主催で行われた中村さんの講演会の報告記事で、会の月報に掲載されたものです。続きを読む

69回目の憲法記念日に

 このブログでみなさんにお伝えしなければならないことはたくさんあるのに、めまぐるしく動く状況の中、なかなか更新する余裕を持てていません。
 ハンセン病問題だけをとっても、家族提訴の関係では、3月29日に第2陣509名の大量提訴が行われましたし、特別法廷問題は4月25日に最高裁が調査報告書を公表、裁判所法に違反していたことを謝罪しました。HPVワクチン問題では、3月30日に提訴方針会見が行われ、東京・大阪・名古屋・福岡4地裁一斉提訴を目指して、全国各地で説明会が開催されています。
 また、この間の4月14日及び16日には、東日本大震災以来の震度7を記録する熊本地震が発生し、日本列島がいかに脆弱な地殻の上に存在しているのかを改めて思い知らされました。熊本、大分の被災者のみなさまには心からお見舞申し上げます。

 さて、昨日は憲法制定以来、69回目の憲法記念日。全国各地で、護憲、改憲、双方の立場での集会が開催されたことが報じられています。

 わたしは、ちょっと前倒しで5月1日に上演された、ひまわり一座の憲法劇「時をつくる人」を観てきました。
 政治に関心のない主人公がタイムスリップした2020年の日本は、既に憲法が改正されて、緊急事態条項が創設されていました。しかも、タイムスリップした途端に、アリババ国のテロリストによる同時多発テロ(実は政府のフレームアップ)によって緊急事態が宣言され、市民の集会は禁止、反政府的な情報を発信する学生たちは地下活動を余儀なくされていきます。公安警察から狙われた主人公の恋人は逃亡生活の果てに死亡し、情報発信活動を彼女から引き継いだ主人公は、公安警察とテロリストの双方から追われる立場に。
憲法集会
 左の写真は、主人公に蹴りを入れるテロリスト。演じているのは、当事務所の緒方枝里弁護士です(^_^;)
 フィクションとはいえ、近未来に十分起こり得る事態であり、舞台の上だけの絵空事と笑って観ている気にはなれませんでした。

続きを読む

この一年をしかと位置付ける〜新年のごあいさつ

 あけましておめでとうございます。
 当事務所、1月5日より業務を開始しております。
 みなさま、年末年始をどのようにお過ごしでしょうか。
 妙に生あたたかく、特にここ福岡は1月2日の予想最高気温が17度と、およそ正月とは思えないような暖かさが続きました。しかし、政治情勢はそのような生ぬるいものではなく、年頭の新聞に首相の改憲への強い意思をこめた発言が報じられるなど、ここ数年来の不穏な気配はいっそう高まっているように思われます。

 事務所の今年の年賀状では、昨年の各地のデモで掲げられた金子兜太さん揮毫による「アベ政治を許さない」を、患者の権利法をつくる会の会報「けんりほうnews」のキャラクターの少年が怒りを持って掲げているイラストを配し、次のようにご挨拶をさせていただきました。
2016nenga_illustration

謹賀新年
 私たちは、この年を、世に溢れうねる負の連鎖を解き放つために真にたたかうべき年と位置付けます。
 まずは政治を民衆の手に取り戻すこと。
 平和を守り抜くこと。
 集団的自衛権の行使は、決して許しません。
 恒久平和主義を貫くことこそが、今、求められています。

    2016年元旦 九州合同法律事務所


続きを読む

強行採決から一ヶ月〜中江兆民「三酔人経綸問答」を読み返す

 参議院での安保法制強行採決から、一ヶ月が過ぎました。このところ、ブログの更新がすっかり滞ってしまいましたが、ここで気落ちしていては、安保法制推進派の思う壺ですよね。安保法制反対運動は、全国各地で続いています。わたしも、気を取り直して頑張りたいと思います。

<安保法成立1カ月>全国で続く抗議
毎日新聞 10月19日(月)21時41分
 安全保障関連法の成立から1カ月の節目の19日、東京・永田町の国会前をはじめ全国各地で市民が同法に抗議の声を上げた。
 国会前の集会には主催団体発表で9500人が集まった。団体メンバーの一人は壇上で「『国民は餅を食ったら忘れる』と自民党議員が言ったそうだ。頭を隠し逃げようとしている」と臨時国会を開かない安倍政権を批判。「私たちは餅は食うかもしれないが、絶対に忘れない」と訴えた。共産党の山下芳生書記局長は「(参院選で野党共闘を)やれるのかと心配する方もいるが大丈夫。戦争法廃止、立憲主義を取り戻す。これ以上の大義はない」と呼び掛けた。参加した東京都国分寺市の専門学校生、鈴木良孝さん(20)は取材に「1カ月たったが納得のいかない気持ちは変わらない。一人でも声を上げていきたい」と話した。
 北九州市のJR小倉駅前でも集会があり、参加した九州大の男子学生(20)は「ここでやめたら忘れたころに誰かが命を落とす」。ハロウィーンのコスプレ姿の市民も交ざり、「改憲するなら落選させるぞ」と声を合わせて訴えた。
 京都市中京区の同市役所前では女性有志団体の集会に約50人が集まった。岡野八代(やよ)・同志社大教授(48)は「法は成立したが武力から平和は生まれない」。
 広島市の繁華街では、市民ら約70人が「立憲主義・民主主義を守ろう」と訴え、安保関連法の賛否を問うシール投票などを実施。足を止めた市内の男子学生(18)は「家族や子供は戦地に行かせたくない」と話した。
続きを読む

沖縄で安保法制を考える〜国家と国民との緊張関係

 週末は、ハンセン病問題のキャンペーンのために沖縄にいってきました。7日に沖縄愛楽園で泊まり、8日の午前中、辺野古に立ち寄りました。
辺野古
 現在、辺野古の基地移設工事は中断されています。この日は、台風接近のため、座り込みのテントも海岸から少し奥まったところに移されていました。
 政府は、埋立承認の取り消しを検討している沖縄県に対し、普天間の危険除去と辺野古移設の必要性に関する政府の考え方を丁寧に説明するために工事を中断したのだといいます。しかし、テントに座り込んでいる人たちはその言葉を信じてはいません。
 ヘリ基地反対協議会の安志富さんに聴きました。
 これは普天間基地の移設などではなく、まったく新しい機能を持った巨大な軍事施設なのだ。
 普天間の機能は飛行場だけれども、辺野古には、大型の強襲陸揚艦を係留することも可能な272メートルの護岸がつくられようとしている。しかも、それは防衛局が沖縄県に提出した埋立申請書に含まれていなかったものだ。
 工事を中止するという8月10日から9月9日の1ヶ月は、お盆や夏季休暇の関係、また台風の影響もあって、もともと工事が進まない期間。そこへきて、この間の安保法制反対運動の盛り上がり。政府としては、安保法制が通るまでは、できるだけ無理をしたくない。そのために、どうせあまり工事の進捗しないこの期間を利用して、理解を得るために丁寧に説明をする時間をつくった形にした。安保法制が通った後は、「わざわざ工事を中止してまで丁寧に説明する機会を設けたのに沖縄は頑なに態度を変えない」というに違いない。自分たちは、気を緩めずに、工事再開に備えたい。
 絶対に辺野古に基地はつくらせない、と安志富さんは言い切りました。続きを読む
九州合同法律事務所
〒812-0054
福岡市東区馬出1丁目10番2号
メディカルセンタービル九大病院前6F
TEL092-641-2007
FAX092-641-5707
小林 洋二(41期)
久保井 摂(41期)
安倍 久美子(52期)
緒方 枝里(62期)
高木 士郎(64期)
弁護士髙木士郎(64期)
記事検索
月別アーカイブ
ギャラリー
  • 医療事故解決事例23〜アプガースコア5点の新生児が蘇生措置の手落ちにより低酸素脳症後遺症で脳性麻痺となった事例
  • 医療事故解決事例23〜アプガースコア5点の新生児が蘇生措置の手落ちにより低酸素脳症後遺症で脳性麻痺となった事例
  • アブレーション中の心停止に対する胸骨圧迫遅れ事件、確定!
  • アブレーション中の心停止に対する胸骨圧迫遅れ事件、確定!
  • 医療事故紛争解決事案22〜HELLP症候群を発症した女性が産後に出血性ショックで死亡
  • アブレーション中の心停止に対する胸骨圧迫の遅れ〜福岡高裁で逆転勝訴
  • 「小さな社会」で闘う難しさ〜和解解決事例から
  • 報告を要する医療事故とは
  • 医療事故報告を条件に和解
  • 医療事故紛争解決事例21〜分娩後蘇生措置の遅れで脳性麻痺
  • 医療事故紛争解決事例20〜分娩監視義務違反による脳性麻痺
  • 医療事故紛争解決事例19〜大動脈解離の見逃し③
  • 医療事故紛争解決事例18〜大動脈解離の見逃し②
  • 感染症法改正問題に対する各団体の意見書をまとめました
  • 患者・感染者を処罰対象とすることに反対します
プロフィール

kyushugodolo

QRコード
QRコード