1960年代、日本で始まったウルトラシリーズ。『ウルトラマン』は日本の放送から程なくしてアメリカ合衆国で英語吹き替え版がシンジケーション番組として放送され、80年代まで放送され続けた。

『ウルトラQ』の英語吹き替え版も制作されたが、白黒番組をテレビ局が求めなかったことからお蔵入りとなり、吹き替え版のマスターは行方不明となっている。

1985年、『ウルトラセブン』の権利をTNTが取得し吹き替え版が制作されたが、放送されたのは1994年である。

そして、1987年、アニメ『ウルトラマンUSA』がアメリカで放送されたのと同じ年、日本製のアニメ・実写作品の英語吹き替え版を制作している会社ウィリアム・ウィンクラー・プロダクションは、円谷プロダクションの特撮テレビドラマ『ウルトラマン80』の英語吹き替え版の制作を企画していた。

しかし、問題があった。後のパワーレンジャーがそうであるようにアメリカの子供向け番組は日本とは比べ物にならないほど規制が厳しく、日本そのままの番組では放送できないのだ。
アメリカで問題あるシーンをカットして出来た穴を埋める必要があり、アメリカでドラマパートの追加撮影を行うことが考えられた。

追加パートには『怪鳥人間バットマン』で知られるアダム・ウェストが出演する予定で、ウェストの役は地球を周回する宇宙船の船長で、宇宙人の地球侵入を監視する役割だったとされる。

追加シーンは番組冒頭、ラストなどの予定で1話につき数分程度、アメリカに日本のセットに似せたセットを作って撮影される予定だったとされる。

同様の例としてはアニメ作品『科学忍者タイガッチャマン』のアメリカ放送版である『Battle of the Planets』に登場する7ザーク7などであろうか。

売り込みを受けたテレビ局も興味を示していたものの、番組は実現せず、アメリカ本土におけるウルトラシリーズのテレビ放送は1992年の『ウルトラマンG』まで待たなければならなかった。

日本製のウルトラシリーズという定義では1994年にTNTで放送された『ウルトラセブン』となる。80より後に制作されたという意味では2002年にFOXで放送された『ウルトラマンティガ』となるが。

同年に『ウルトラマンティガ・ウルトラマンダイナ&ウルトラマンガイア 超時空の大決戦』もDVDリリースされている。

そして、アメリカ版80の制作会社であったウィリアム・ウィンクラー・プロダクションは『大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE』、『ウルトラマンゼロ THE MOVIE 超決戦!ベリアル銀河帝国』、『ウルトラマンサーガ』、『劇場版 ウルトラマンギンガS 決戦!ウルトラ10勇士!!』、『劇場版 ウルトラマンX きたぞ!われらのウルトラマン』、『ウルトラファイトビクトリー』の英語吹き替え版の制作を手掛けた。

『ウルトラマン80』もクランチロールでの配信を経て(2018年に配信終了)、2017年にTokuで英語字幕版が放送された。 

参考文献