民主党の小沢一郎幹事長は2日、夏の参院選で、自身が主導してきた複数区の複数擁立をほぼ終えた。だが、支持率が低迷する中で複数擁立という自らの方針に固執する小沢氏に党内から不満の声がやまない。複数擁立は参院で民主党が過半数を獲得するには欠かせない戦術だが、共倒れの危険性も大きいからだ。小沢氏の「参院制圧」の夢は果たせるのか。

 「2人区で2人擁立するのは内閣支持率が70%程度の時に決められたことだが、状況は変化した。今そんな条件にあるのか大きな疑問だ」

 参院選の第2次公認が決まった2日、前原誠司国土交通相は記者会見で小沢氏の方針に異議を申し立てた。野田佳彦財務副大臣も2日夕の民放番組の収録で「2人目を立てること自体は悪くないが、県連が合意した上でなければ地方分権を言う政党として問題だ」と述べた。

 それでも小沢氏は強気を崩さない。2日、水戸市で参院茨城選挙区の2人目の候補を発表した記者会見では「私が(平成18年に偽メール事件で引責辞任した)前原君から党代表を引き継いだ時には10%を切る支持率だった。今はまだまだ自民党よりも大きく国民の支持を得ております」と前原氏を皮肉った。

 午後には東京に戻り、党本部で記者会見。過半数獲得には複数擁立が必要だと強調した上で「年齢の高い方と若い方、男性と女性、そういう形で、ほぼどの選挙区も収まった」と候補者を差別化する戦術を披露してみせた。

 労組・団体などの組織戦術が合う候補、浮動層獲得を目指す候補などを組み合わせ、競い合いながら票を掘り起こせば、うまくいけば2人当選となる。ダメでも1人は当選し、比例票の上積みも期待できるというわけだ。

 確かに自民党が相手ならば、この戦術は有効だといえる。だが、無党派層の期待を集める候補が出れば、民主党は複数候補が共倒れする可能性もある。

 これを狙うみんなの党の渡辺喜美代表は2日、2人区ですでに候補者擁立を決めた福島、茨城に加え、北海道、宮城、長野、静岡、京都、兵庫、福岡でも候補者擁立を検討していることを明らかにした。このような動きが広がれば、民主党内でさらなる動揺が広がる可能性がある。(坂井広志)

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